そうしてついたのは、何も書かれていないプレートがある空き教室だった。
「なぁ、比企谷。ここであってるんだよな?」
「あってるよ」
そうか、誰がいるか知らないからノックをして入った方がいいか。そしてコンコンと戸を叩いた。
「どうぞ」
そう声が掛かったので教室にはいる。
「失礼しまーす」
「あら比企谷君、あなたが依頼人を連れて来るなんて、珍しいこともあるのね」
「いや、ちげーよ。こいつは入部希望者。俺は平塚先生にここまで案内するように頼まれたんだよ」
「そう」
「そんなわけで、よろしくねー。一応自己紹介しようか。俺は東山正平。趣味は人を弄ることだよ」
「趣味がひどい気がするけど……。私は雪ノ下雪乃。この奉仕部の部長をしているわ」
フムフムこの部は奉仕部と言うのか。そいつはいい時間潰しになりそうだ。さてと、これからどう弄ってやろうか。そんなことを考えてると、誰かお客さんが来たようだ。
「し、失礼しまーす」
そんな弱々しい声で入ってきたのは、由比ヶ浜結衣だった。そして軽く教室を見渡して比企谷を見つけてひくっと肩を揺らして
「な、何でここにヒッキーがいんのよ!?」
そう言い放った。
「……いや、俺ここの部員だし」
「そうだねー。そして今日この部に入部したから俺もいるよー」
「げ、ヤンマーもいんの」
うん、その、げってのはなにかな?弄れって言ってるの?よろしい弄ってやろう。そう決意した時だった。
「由比ヶ浜結衣さん、ね」
くそ、先にセリフをとられてしまった。これなら真っ先に弄ればよかったぜ。
「あ、あたしのこと知ってるんだ」
「お前よく知ってるなぁ…。全校生徒覚えてんじゃねぇの?」
そう言う比企谷に、軽く弄るように返す雪ノ下。そんな軽口のやり取りを見て由比ヶ浜は、
「なんか……楽しそうな部活だね」
そう言った。あ、やっぱりそう思うよね。俺もそう思ったし、まるで漫才を見てるようだから面白いんだよね」
「あなた、人のやり取りを見てそんなこと思ったの?ひどく不愉快だからやめてくれないかしら?」
がっつり声に出てたようだけどそんなこと気にしない。それに、
「それは無理な相談だね。特等席で漫才見てる感じで面白いからね。それに君の気持ちなんて知らないよ、俺は俺が面白ければいいんだから」
そして俺はまた、静観する。比企谷が、クラスメイトを覚えてなかったり、由比ヶ浜が自爆したりするのはやはり見てて面白い。そして本題に入るようだ。由比ヶ浜が比企谷をチラチラと見ている。フムフムなるほど
「ヒキガエル、俺MAXコーヒーよろしく。後で代金渡すから」
「何で俺が買いにいくんだよ。それならおま―」
「そんなこと言っていいのかなぁー?君のトラウマ一つがここで公開されちゃうよー?」
「今すぐ買いに行ってきます」
「よろしい」
そして比企谷が部室を出たあと、俺は由比ヶ浜に依頼内容を聞く。なぜか二人とも、引いてたけど気にしないでおこう。
「さて、比企谷は出ていったわけだし本題に入ろうか。処女ヶ浜さん」
「ちょ、それは言わないでよ!!」
「わかったわかった。察するに、比企谷に渡すためのお菓子の作り方でいいのかな?」
「う、うん。その、お礼のクッキーを……ね」
「了解。家庭科室の使用許可もらってくる」
「そう。お願いするわ」
そうして俺は再び職員室に行った。
今更ですが、今後、オリキャラが出るときは前書きで設定を公開していきます。
今回はここまでです。次回はクッキー作りです。