奉仕部と共に   作:やまたむ

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今回はオリジナルストーリーです。


少年が求めるのは

俺が、サイゼのドリンクバーにコーラを取りに行こうとしたとき、由比ヶ浜が店内に入ってくるのが見えた。由比ヶ浜が、店内を一通り見回してから俺を見つけたようでこっちに向かって歩いてきて俺の正面に座った。その面持ちは少し硬い。多分昨日機嫌悪くしたことを気にしてんだろうな。

「あの、ヤンマー。昨日のこと気にしてる?」

「いんや、気にしてないよ。」

そう言うと、緊張が解けたのか脱力するのがわかった。

「そっかー、よかった。あ、これ咲ちゃんにわたしといて」

そうして取り出したのは雪ノ下がもらっていたセロハンの包みと同じような物だった。

「多分あいつは市販の方が喜ぶぞ」

「そうなの?なら、市販のにしとけばよかったかな」

「気にすんな。俺が無理矢理食べさせる」

「どうゆう意味だ!!」

俺はハハハと笑ってごまかした。だってお前のクッキー(木炭)の被害者だぞ。そんな他愛のない話をしていると、由比ヶ浜の表情が強ばった。多分本題に入るんだろうな。

「昨日ね。ゆきのんに言われたんだ。周囲に合わせようとするのはやめて、って」

「うん、それで?」

「多分ヤンマーも同じ事思ったんじゃないかなーって、思ってさ…」

「それはちょっと違うかな。俺が思ったのは、自分から頼んできといて、他の人がやらないからって理由で依頼を放棄しようとしたのに腹が立ったんだよ。自分で決めたことを最後まで貫き通せないなら、最初っから依頼なんてするなってね」

そう言うと由比ヶ浜がアホ面をかましていた。おい、俺がちょっと良いこと言っただけでこの反応、確かに俺は結構適当だけどよ、これはさすがに酷いんじゃないかい?という事で仕返しに、弄ってやるよ。

「おい、処女ヶ浜。アホ面かましてる暇があるなら比企」

「ストーップ!!それ以上はやめて、マジで」

「はいはい。んで、話したいのはそれだけか?」

「あ、うん。それと、これ、昨日のお礼」

そうして取り出したのは先ほどのラッピングされている包みと同種の物だった。くそ、俺も食わないといけないのか。仕方ない貰っておくか。

「そういえば、ヤンマーって不思議な人だよね」

そう由比ヶ浜が言った時、俺の体が強ばった。

「ど、どうしてそう思うんだ?」

「あ、いやーなんて言うの?はっきりとはわかんないんだけど、あたしたちとは別の世界で生きているって感じがするなーって思っただけ」

別の世界、ね。あながち間違いじゃないから困る。

「そうか」

「それに、なんで、わざとヒッキーに嫌われるようにしてるのかなって」

また、体が強ばった。もうこいつ俺の事情のほとんどばれてんじゃねぇの、ってぐらい的確な回答をしてきやがる。はぁ、仕方ない話してやるか。

「由比ヶ浜、これから話すことは、絶対に誰にも話すなよ」

「え、なんで?」

「なんでもだ」

「うん、わかった」

「まぁ、少し長くなるから、飲み物取りに行ってくるけど、なにがいい?」

「うーん、コーラでいいよ」

「了解」

そうして俺はドリンクバーに向かっていった。それにしても意外だった。まさか由比ヶ浜があそこまで勘が良いとは。ドリンクバーでコーラを入れ持って帰った。席に戻り俺は話を始めた。

「それはじゃあ話すぞ」

「うん」

「あれは小学4年生の頃、俺と比企谷が話しているときだった。その時はほんとにどうでもいい話をしていたし今ほどじゃないが、いじって遊んだりもした。たがらか、俺はそのときの言葉の重みってやつが分からなかった。『ヒキガエル』ただのあだ名として俺は付けたつもりだった。その事はあいつもわかっていたからか、笑いながら、やめろよ、って言って来た。俺もすぐ別のあだ名を考えようとしたんだがな、それを偶然クラスのやつが聞いてたんだよ。そこからあいつに対するいじめが始まった。俺はどうすればいいかわからなくなったよ。だから俺は比企谷と距離を取った。あいつはきっと裏切られたって思っただろうな。それからはあいつに嫌われるように、立ち回った。そうすることで、俺は自分の身を守り、いつかあいつの手で人生を終わらせて欲しかったから」

「え、えっとつまりどういう事?」

こいつ、今の聴いて何も分からなかったのか。俺はコーラを一口だけ飲んで、要約して話した。

「まぁ、つまり、あいつがいじめられる原因を作った俺をあいつの手で終わらせて欲しいってことだ」

「ふーん」

こいつほんとにわかってんのか?段々心配になってきたぞ。まぁ、わかってないならわかってないでいいんだけどよ、ここまで説明したんだから理解して欲しいもんだね。

「それと、これはお願いなんだが、あいつの手を離さないでやってくれ。俺にはもうその資格はないから」

「それって、どういう……」

「そのまんまの意味だよ」

そう、俺にはもうあいつの隣りを歩く資格はない。だから、せめてもの償いにあいつの手で俺の人生を終わらせて欲しい。これは俺のわがままで贖罪だから。あいつがどんなに拒絶しようが関係ない。

「よし、湿っぽいのはおしまい。帰ろうか」

「う、うん」

そうして俺は席をたち会計を済まして、帰路を歩いた。

 

比企谷いつでもいいから、早く俺の人生を終わらせてくれ。




今回は、シリアス回でした。それでは、また、次回に会いましょう。
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