第9話 中国娘登場!
一夏と結華が教室に入るとなにやら騒がしかった・・・。
「何かあったの?」
結華がそう聞くと一人の女子が答えた。
「えーと・・・織斑くん、鉄装さん、転校生の噂は聞いた?」
転校生?まだ学校が始まったばかりのこの時期に?一夏と結華はすぐにそう思った。こんな時期に転入など珍しいにも程がある。第一転入には条件がかなり厳しく、試験はもちろん国の推薦が無ければ入ることが出来ないのだ。
「じゃあ、どこかの国の代表って事なのね?」
「聞いた話では中国代表候補生だって、後二組に入るらしいよ」
一夏はそれを聞いてすぐにセシリアの方を見た。
「あら、わたくしの存在を危ぶんでの転入でしょうか?」
即座に結華がつっこみを入れる。
「あんたその慢心が私との戦いで負けを生んだんでしょうが・・・少しは自重しなさい」
「・・・はい、すみません・・・」
「ともあれ・・・中国ね・・・一人中国って単語に引っかかるけど大丈夫よね?」
「さあ?あの後のことは千冬姉も知らないって言ってたし・・・」
『?』
そこに居る一夏、結華以外の全員が?マークを頭に浮かべる。
「だがこのクラスに入るわけでは無いのだろう?騒がなくとも良いのではないか?」
「でも、セッシーが専用機を持ってる事から持ってるんじゃないかって言う可能性があるでしょう?そのあまちゃんな考えは捨てたほうが良いんじゃないかしら」
「一理あるな・・・」
「どんな奴だろうな?」
一夏の発言に結華が少し疑問を抱く。
「気になるの?」
「ん?まあ、少し気になるな・・・最悪当たるかもしれないし」
「・・・考えて当然ね・・・!フフフ」
結華が突然笑い出して一夏は少し驚いた。
「結華?どうかしたか?」
「ど、ドア・・・に、似合ってない・・・あははは!」
一夏はドアの方を見た、そこには昔懐かしき友の顔があった。
「結華!?せ、せっかく格好良く登場しようと思ったのに笑うんじゃないわよ!!」
「チャイニーズ、格好つけようと思ってたの?・・・フフフ・・・あはは!似合ってない!!アハハハハハハハハハハ!!」
「う、煩いわね!!あんた毒舌の応用で人のペース崩すんだからやめなさいよ!!」
「はは・・・はは・・・はは・・・な、何のことよ?」
一夏は気づいた、結華は超毒舌家なのではなく天然超毒舌家だということに。
「それにしても・・・」
「当たりだったわね・・・賭けでもすれば良かったわ」
「俺は嫌だけどな、結華が勝つし」
「あんたが勝負運無いだけでしょ」
少し無視されてる鈴は話し掛ける、
「ちょ、ちょっと・・・話を・・・痛い!?」
と同時にバシン!という音が響いた。
「邪魔だ小娘、それともうすぐSHRが始まる、さっさと戻らんか」
「ハ、ハイ!!」
鈴は全速力で二組に走っていった、そして思い出す。
「(私、自分がクラス代表だって言ってない・・・)」
と。つい、結華の口に流されて言えなかったのだ。
* * * *
そして昼休み、一夏、結華、箒、セシリアで昼食を食べようと食堂に行くとそこには、
「待ってたわよ!!一夏!結華!」
お盆の上にラーメンを置いて仁王立ちの鈴音の姿があった。
「ずっと待ってたのか?麺延びるぞ?」
「私たちと一緒に頼めば良いんじゃなかったの?」
「う、うっさいわね!」
そんな会話をしている間に一夏は日替わり和風定食、結華は天ざるうどん、箒はきつねうどん、セシリアは洋食セットを頼んだ。
「で、一夏、結華怪我とか病気とかにならなかった?」
「んー・・・この頃は無かったな」
「私も無かったわね・・・風邪くらいひきたかったけど・・・」
「あ、あんた達ってなんなの?一回もそういうことが無かったの?」
「記憶に無いな」
「私も」
一夏も結華も記憶にある中では怪我病気になったというのは一切無かった。二人としてはそれはありがたかったと言うわけでは無かったが。
そんな会話に混ざれない箒とセシリアが割って入る。
「ん・・・ゴホンゴホン!」
「ンン!・・・一夏さん結華さん注文の品が来ましてよ?」
「あ、ああ」
「懐かしくてつい・・・」
一夏と結華は自分の注文した物を受け取ると空いている席に5人全員で座った。
「で?チャイニーズ、何時代表候補生になんかなったの?」
「おばさん元気か?つかいつ帰って来たんだ?」
「そんな一気に質問しないでよ!!てか一夏こそ何でIS動かしてんのよ?」
一夏と結華は少し懐かしすぎてつい一気に質問してしまった、これでは答えられる物も答えられない。
「一夏、結華・・・もうそろそろどんな関係か説明して欲しいのだが」
「そうですわ。どういう関係ですの?」
「いや・・・どんな関係と言われても・・・」
「唯の幼馴染でしかないわよ?大体、あんたたちが気にしないといけないのは私でしょう?チャイニーズ気にしてたら私から一夏奪えないわよ?」
ここに来ての結華の爆弾発言だった。
「ちょっと結華それどういう意味よ!?」
「どういう意味って、そのままだけど?」
「いや、だからその意味を教えなさいよ!!」
「『奪う』という単語について?それとも『私から』という事について?」
「両方よ!!なんか二人していい感じだし!」
「そこまで来れば分かるでしょ?」
「・・・まさかあんた等付き合ってるの?」
「「ご名答!」」
「ハモるんじゃ無いわよ腹立つから!」
鈴は一気に食べ終わったラーメンのスープを一気に飲み干した。
「ふうん・・・ま、あの頃の一夏見てたらそうなんじゃないかって気はしてたけどね」
「やっぱり気づいてたのね・・・。ま、心の機微に鋭いあんたなら気づくと思ってたけど」
「当たり前よ!・・・で?その『私から』ってのは解決したわ。で、『奪う』って何?」
「そのまま、『私から奪う』っていうチャンスを与えてるだけよ」
鈴の目が点になった。
「・・・付け入るチャンスを自ら与えてんの!?」
「そうだけど?」
「一夏はそれで良いの?」
一夏はそう聞かれ少し考えてから言った。その言葉は本心であり、付き合えなかった者への慈悲だった。
「いや、頑張ってアプローチするのも良いけどそれで諦めるならそれで良いし、告白して振られるのが切欠でも良いし・・・浮気する気も無いしな」
「あんたらって凄いわねー・・・はっきり言って少し呆れるわ」
「で、どうする?チャイニーズも挑戦する?」
鈴は少し唸って考え、少し溜め息を吐いた。
「私はパス、あんたから一夏を奪えるはずなんて無いんだもの・・・諦めるわ」
「そう?じゃ、一夏に最後の最後で告白したら?その方がすっきりするんじゃないかしら?」
一瞬で鈴の顔が真っ赤になる。
「相手が知ってるからってそれで終わりにしようなんてずるくない?振られて終わりにした方が私はすっきりすると思うわよ?」
「はあ・・・結華も一夏も千冬さんも・・・揃いもそろって正論ばっかりなんだから・・・相手するのが大変よ・・・」
そして鈴は一夏の方を向いた。
「一夏・・・私はあんたのことが好きよ・・・ううん大好きよ・・・だから付き合ってくれない?」
「ありがとうな・・・でも俺結華のことが好きだからな。お前とは付き合えない。友達なら良いけどな」
「ありがと・・・・・・・・・はあ、これで良いわよね?結華」
「鈴、あんた次第よ?」
「呼び方が変わったてことは認識が変わったのね」
それから少しお互いの自己紹介やらがあって・・・。
「――それで一夏クラス代表になったんだって?」
「まあ・・・試合に勝ってな」
「私が見てあげようか?ISの操縦」
「おお、たすか――」
一夏が続きを言おうとした所でセシリアと箒がバンとテーブルを叩いて抗議した。
「一夏に教えるのはこの私だ!」
「一夏さんは一組の代表ですわ!敵の施しは受けませんわ!!」
その二人に結華は天ざるうどんのお盆を使ってチョップをくれてやる。
「痛っ!」
「痛いですわ!?」
「鈴、それは代表候補生という実力のある者からの言葉と受け取って良いわよね?ISのタイプは?」
「もちろんよ。タイプと言うよりは対応レンジは中、近のパワータイプよ?近接ではパワーで押す形を取ってるわ」
「・・・なら、鈴とモッピーが近接戦を教える、私とセッシーが遠距離の対応を教える・・・これで決まり!鈴、嘘は教えるんじゃないわよ」
「それは無いわ・・・教え方間違えれば怪我もするし最悪死ぬもの」
「そう、じゃ鈴、一夏、そこの食べ終わってない奴らは置いてって先に行きましょう」
一夏は渋々といった感じで、鈴音は嬉しそうに出て行った。
廊下にて・・・
「中学の頃に戻ったみたいね・・・一夏と結華の関係は違うけど」
「鈴、はっきり言って変わってないわよ?」
「え?デートとかするんじゃないの?」
「それが、昔から二人きり遊ぶことは多いしデートの実感が無いのよ」
「あははは!何それ!?」
結華は苦笑して続けた。
「まったく・・・私が居ない世界だったら一夏は絶対に唐変木ね・・・IS学園に入ってハーレム作りかけるけど自覚が無いって言う」
「ひ、酷いなおい」
「だってそうでしょうが・・・あんた私の好意気づいてた?」
「・・・・・・すまん・・・分からなかった」
結華と鈴音が大笑いする。
「「あはははははははははははは!」」
「な、なんだよ・・・」
「い、いえ・・・なんでも?」
「な、何でも無いわよ」
「そうか?鈴、二組前に着いたぞ」
「うん、じゃ放課後ね・・・あ、場所どこ?」
「第三アリーナよ」
「分かった、じゃあね」
一夏と結華は一組に歩き出した。
これで良いのかといつも思う自分。どうしても鈴が潔すぎる気がしてならない・・・
ここにて謝罪をしたいと思います。散々遅れて申し訳ありませんでした!