IS 一つの夏と結ばれた華   作:見知らぬ誰か

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とーこー



第12話 黒い乱入者

 アリーナの空のエネルギーシールドを破って来たそれはもうもうと立ち込める砂煙で見えなかった。

 

「なんだ?」

『一夏!試合は中止よ!さっさとピットに戻りなさい!』

 

 何か起こっているのは間違いない、俺がそんな事を考えた直後。白式のハイパーセンサーからの緊急通告が表示される。

 

――アリーナ中央に熱源

――所属不明のISと断定、敵と断定、IFF(敵味方識別装置)の解除確認

――警告!ロックされています!

 

 つまりはピンチなんだな、と考える。あの威力だがビームだ、要するにエネルギー兵器。エネルギー兵器ならば『零落白夜』で、いやそのまま斬れるだろう。

 

『一夏!さっさと回避しなさい!!』

 

 そしてまた白式からの緊急通告――

 

――敵の熱源移動、発射を確認!

 

 言われなくともそんな物は見えている。俺はそのビームから目を逸らさずに、斬ろうと思った瞬間目の前を何かが遮った。それは蒼華を展開した結華だった。

 

「なんで避けようとしないのかしら?」

 

 結華は両手で保持している何か大きな盾の様な物でビームを防いでいた。

 

「斬れると思ったからな」

「そう・・・」

 

 結華がビームを防いだ盾はもはや融解寸前だった。

 

「やっぱり、対実弾装甲じゃきついわね・・・倉持のお蔵入りになった装備とか見に行こうかしら?良さげな武器がありそう」

「はいはい、今週末一緒に行ってやるよ」

 

 鈴はそんな結華に怒声を上げた。

 

「結華!何で来たのよ!?」

「鈴、射撃武器の使い方は分かるわね?私と鈴でバックアップ、一夏は突っ込んであいつを落としてきなさい」

 

 結華の見る方向には砂煙が晴れてきて乱入者が見えてきた。

 

「一夏、『絢爛礼奏零落白夜』のエネルギー変換率98%で攻撃しなさい、あれは無人機よ」

「あ、ああ」

 

 結華は鈴に使用許諾をしたアサルトライフルを渡しつつそう言った。その後結華は砲撃戦特化パッケージ『砲華』に換装してレールガンの照準を定める。

 俺は最大加速の螺旋軌道瞬時加速《スパイラル・イグニッション・ブースト》を行うためにスラスターにエネルギーを溜めた。

 

「じゃ、行くぞ・・・3、2、1・・・0!!」

 

 俺はカウントの直後螺旋軌道瞬時加速《スパイラル・イグニッション・ブースト》で敵の黒いISに突撃した。

 

「うぅおおおおぉぉぉぉ!」

 

 同時にオレンジ色の火線がいくつも通り過ぎていく。いくつかは当たり敵ISの動きを少し鈍らせる。

 そして黒いISに接近した時俺は『絢爛礼奏』と『零落白夜』を発動させた。

 

――『絢爛礼奏』発動確認

――『零落白夜』発動確認、エネルギー変換率98%

――2つの単一仕様能力《ワンオフ・アビリティー》の発動を確認相互干渉確認、『絢爛礼奏零落白夜』の発動で干渉を無効化を確認

 

 先に絢爛礼奏の黒龍弐型で黒いISを切り裂きそれで吸収したエネルギーを零落白夜の雪片弐型に移動する。

 

――『零落白夜』のエネルギー変換率を100%に・・・

 

 そして、零落白夜の雪片弐型で再び切り裂く。

 そうして黒いISは活動を停止した。

 

 * * * *

 

 その日の夜もまた、結華の着替えを・・・とは言ってももはや着替えでは無く全裸に近い結華の体を見るという元々何のために始めたのか分からない物となって来ているが・・・結華、一体何がしたいんだ?しかも今日はしばらくのノルマに思っていた10秒の倍の20秒だと言われた・・・理由を聞いた結果、結華曰く「私を心配させたんだからその分言う事聞きなさい」だそうだ・・・一緒にシャワーとか言われない分良いが・・・訳分からん。

 

 で、例によって着替え終わった後、意を決して結華の方を見る・・・そこにはやはり下半身にしか下着をつけていない結華がベッドに座っていた。以前にも言ったが一般的な女子よりも少し成長の早い2つの双丘がそびえて・・・って、わざわざ振るなー!お願いだから振らないで!ええと後、3,2,1,0!・・・ようやく20秒が過ぎて俺は目を瞑った・・・危なすぎる・・・気を失うかと思った。

 そしていつもの様に俺の隣に来るのかと思ったら俺の目の前に立った。ん?何するんですか?鉄装さん?そんな事を考えていると結華が優しく俺の頭に抱きつく・・・・・・・・・うん、この柔らかい感覚は確実に胸だろう・・・確かに幸福な感覚かもしれん・・・。

 

「あんまり心配させないでよ・・・」

 

 結華は穏やかにそう言った。少し怒っているのが分かる。

 

「すまん・・・そんなつもりじゃ無かったんだが・・・」

「心配ってのはさせる物ではなく、受け側がするものなのよ・・・いくら心配させるつもりは無かったなんて言っても心配はするんだから・・・」

「これからは気を付けるよ」

「それで良いわ。さ、寝ましょう?今日は疲れたわ」

 

 結華はそう言って俺から離れ、俺のベッドに潜り込む・・・一応俺のベッドなんだけどな・・・そんな事を考えつつ俺もベッドに潜る。

 

「おやすみ」

 

 結華はそう言って唇と唇が触れ合う長いキス(大体20秒くらい)をした・・・元に戻る気配はなさそうだ・・・・・・。

 そして俺も「おやすみ」と言って寝る事にした。先の事を考えても仕方が無い、とは言え結華の言う「先の事」ってなんなのだろうか?結華に聞いても全然答えてくれない・・・なぜ?

 そんな考え事をしている内に眠気が襲い俺も寝た・・・右腕にある幸せな感触とともに。

 

 * * * *

 

――IS学園地下50メートル。そこはレベル4権限を者しか入る事の出来ない空間だった。

 機能停止したISはすぐさまそこへと運び込まれ、解析が開始された。それから千冬は何度もアリーナであった戦闘を見ていた。

 

「結華の戦況把握能力が凄いな。的確な命令を下したり、初めての連携であそこまで出来るとは――あいつの機体は1対多を考えての装備が基本で連携には高度な技術と信頼が必要な筈――」

「織斑先生、解析結果が出ました」

 

 そこに真耶が来る。

 

「結果は?」

「無人機でした。機能中枢は何とか残っていて時間をかければ修復できます」

「・・・機能中枢はISの装備で完全に破壊しろ。もし、それが世界にばれたら世界がひっくり返るからな」

「はい」

 

 真耶は機能中枢を破壊するために出て行った。

 1人になったところで独り千冬はつぶやく。

 

「束、やり過ぎるなよ?」

 

 千冬の頭に『もちろんだよ!』と言っている束の姿が見えた。




・・・文字数少なくなってしまった・・・11話と12話合わせれば良かった・・・
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