IS 一つの夏と結ばれた華   作:見知らぬ誰か

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第4章 銀の鐘は何時鳴るか
第30話 買い物デート


 月末の学年別トーナメントが終わって1週間……シャルロットは父親ウラジミールに再開してから笑顔が絶えず、結華は一夏との新婚生活(?)を新聞部のネタにされたり(なお、一夏の籍に入れたため結華も無所属)、一夏と結華が再び同室になりシャルロットとラウラが同室になったり、一夏がライバル視されていたラウラと仲良くなったり結華とラウラが意気投合(主に銃器関連)したり、セシリアと鈴音が『一夏にフラれた連盟』を成立させたり、箒がさらに大変なことになったり(お見苦しすぎてお見せできません)……。

 ……と、いつになく濃い1週間の週末、一夏と結華はIS学園の近くにある大型ショッピングモール『レゾナンス(反響、共鳴の意)』に今月行われる全3日間に渡る非限定空間におけるIS装備の稼働試験の初日の自由時間の水着を買いに来ていた。

 

「にしても盛況ね」

「IS学園の1年が目立つのは当然だろうなぁ……」

 

 レゾナンスはIS学園からモノレールで来れるためIS学園生徒が利用するのは珍しくなく、むしろ当たり前だ。

 それに追加して来週末には1年の臨海学校があるのだから1年が目立つのは当然だ。大半がIS学園の制服を着ているからすぐに分かる。

 

「さっさと買ってデートと洒落こみましょ」

「お、おう」

 

 一夏はこれまで以上に積極性のある結華に手を引かれながらレゾナンスへと入っていった。

 

・―・―・―・―・―・―・―・

 

「んー……これで良いかな」

 

 レゾナンス2階の男性水着売り場で一夏は黒地に青で模様が描かれた水着を選んだ。一夏としてはそこまで着飾る必要性もないしする気もないため大概考えるのではなく直感で決まる……まぁ、その直感によるセンスがとんでもなく良いのだが。

 

「まぁ、男子の買い物なんてそんなものよね」

 

 一夏の隣には結華が立っている。一夏は男性水着売り場と女性水着売り場の間で一度わかれるのを提案したのだが結華に却下されたのだ。

 

「?それはどういう……」

「女子みたいにあれ良いな、でもあっちも良いな、これもそれも……ってなって中々決まらないなんてことにならないってことよ」

「結華もそうじゃないか?」

「…………確かに私もそこまで買い物は長くないのよね」

 

 一夏の中では結華=普通の女子という方程式が成立しない……結華は一夏にとってかなり異常で、だからこそ特別なのだ。一夏が普通の女子を好きにならなかったのはそこら辺に由来するところなのだろう。

 

「さ、ささっと会計して私の水着選んで」

「……おう」

 

 一夏は結華に尻に敷かれているような感覚を覚えながら会計に向かう。

 レジには何人か並んでおり、その一番後ろに一夏は並び自分の番になるのを待ちながら今日の結華とのデートで最近の精神的疲労を癒やそうと考えていた。

 というのも、最近一夏の精神的疲労が最近悪化の一途をたどり続ける箒によって学校でも寮でも心休まる時がないのだ……例を挙げると……

 

・―・―・―・―・―・―・―・

 

 その日の夜は一夏が料理を作り結華と部屋で食べようと思っていたのだが……いただきますを言う直前にドアがノックされた。

 

コンコンコン

 

「……誰だろ?」

「さぁ?とにかく出たら?」

「そうするか」

 

 一夏が立ち上がって部屋のドアを開ければそこには箒。

 

「篠ノ之さん、何のようだ?」

「一緒に夕食を食べようではないか!一夏!」

 

 そう言って一夏は強引に手を引かれ食堂に連れて行かれた……これが平日毎日。

 

・―・―・―・―・―・―・―・

 

 こんなことや、あるいは……

 

・―・―・―・―・―・―・―・

 

 その日の放課後は一夏は結華とISの訓練をするつもりだったのだが……

 

「一夏!私と訓練しようではないか!!」

 

 そう言って結華から強引に引き離すようにしたり……これが訓練があるとき毎回。

 

・―・―・―・―・―・―・―・

 

 などなどなどなどなど……そんなのがこの5日間(本日は日曜日だが土曜日は一夏も結華も部屋に完全に閉じ篭もっていた)も続き一夏の精神疲労はとんでもないものになり、金曜日は精神的な疲労により目が虚ろで見ていてとても痛々しい姿となっていた。

 もちろん、その精神疲労が溜まるのに比例して一夏の箒に対する評価も反比例に下がっていった……当然といえば当然で一夏はもはや箒のことを篠ノ之さんですら呼ばなくなり、もはや名前すら呼ばない。半ば結華と同じく蔑称で呼ぶべきかとも検討しているほどの始末である……。

 なお、土曜日2人とも閉じ篭もっていたからといってナニかヤッていたわけではないので悪しからず……2人ともそれぐらいの自重はするんです。

 レジの会計が一夏の番になりお金を支払い結華のもとに行く。

 

「遅くなった」

「何人か並んでたし仕方ないでしょ。さ、行くわよ」

「おう」

 

 一夏は先に『尻に敷かれているように感じる』と思ったが、実際はこの付き合い方が一番楽で心地よかった。

 なぜなら昔は一夏が積極的で結華がそれについてくる感覚だったから……一夏が結華、結華が一夏の感覚……昔も今も2人の関係は実質変わらず、引っ張るのがどちらでついていくのがどちらかの違いだけだった。

 

・―・―・―・―・―・―・―・

 

「ねぇ、私には何が合うと思う?」

 

 結華が突然にそんなことを聞いてきた。

 

「なんでも似合うんじゃないか?」

「じゃあ…………」

 

 結華が手に取ったのはトップとボトムがホタテの貝殻のいわゆる貝殻ビキニだった。

 

「……さすがにそれは俺が却下で」

「じゃあ…………」

 

 次に手に取ったのはビキニはビキニでも最低限の布地しか無い赤いマイクロビキニだった。

 

「それは刺激的すぎるから却下で」

「むぅ…………それなら……」

 

 次に手に取ったのはもはやマイクロビキニどころかまともに布がない……ほとんど紐のビキニだった。色は黒……先の3つ全部刺激的過ぎる選択だが一夏の感覚では結華がからかってるような感覚だ。本気になどしてないし結華も本気でそれを着ようとは思っていない。

 

「……却下で」

「えぇー……なら一夏が選んでよ」

「そうだなぁ……」

 

 一夏は少し水着を見て一つ手に取った。

 

「これなんかどうだ?」

 

 一夏が手に取ったのはAラインワンピース。白の地に水色の模様が描かれたもので、トップの胸元はそこそこ開いていて谷間が見えるようになっており、胸元から下は布に覆われていてワンピースのようになっている水着。

 

「一夏のセンスって良いわよね……相変わらず」

「そう言ってもらえると嬉しいな」

「これに決めたわ」

「俺はあっちで待ってるぞ」

「分かったわ」

 

 結華はそう言ってレジに向かった。一夏はその後姿を見送り、男性水着売り場と女性水着売り場の間に行き、そこにあったベンチに座る。

 

「彼女とのデートは楽しんでるかしら?」

 

 不意に後ろからそんな声がした。

 後ろを振り向けばそこには簪と同じ水色の髪に紅い瞳の少女……いや一夏の目から見れば大人びて見えるから女性だろうか……がいた。服はIS学園の制服で手には閉じられた扇子。

 

「あの……あなたは?」

「本来なら先に自己紹介するのが基本なのだけど……ってそもそも先に話しかけたのは私か……私は更識 楯無よ。IS学園生徒会長をやっているわ」

「はぁ……楽しんでますよ、もちろん。今回のはほとんど癒やされるのが目的ですけど」

 

 なんとなく……そう、なんとなく一夏には楯無に結華の面影があるように感じた。理由は分からない……でも、一夏にはそう感じたのだ。

 

「一夏……ってそれ誰?」

 

 そこに会計を終わらせた結華が来た。

 

「おかえり。この人は更識 楯無さん……生徒会長だそうだ」

「ふぅん……ああ、私は鉄装 結華よ」

「ええ、知ってるわ。小(・)さ(・)い(・)頃(・)も(・)今(・)も(・)大(・)し(・)て(・)変(・)わ(・)ら(・)な(・)い(・)のね」

 

 楯無のその一言に2人が固まる。

 楯無のその一言はまるで結華の小さいころを知っているような言葉だったから。

 

「更識先輩、それって……」

「んー?今は知らなくても良いことよ。じゃあね~」

 

 楯無はそのばから居なくなった……一つの疑問を残して……

 

「それで一夏、デート中に他の女と仲良く話すなんていい度胸ね」

「滅相もございません」

「じゃあ、今日のお昼奢って」

「はいはい……分かったよ」

「やった」

 

 時計を見れば11時半を過ぎた頃でありお昼時である。

 2人はフードコートへ向かい、適当な昼食をお互いに食べさせ合い、その後適当にブラブラと歩きながらウィンドウショッピングをして寮へと戻った。

 一夏の精神的疲労はなんとか取れたようだった。




やっぱし文字数少ないな……

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