――一時間目の休み時間
一夏が結華と話していると後ろから「ちょっとよろしくて?」と話しかけられた。
「はい?」
「ん?」
一夏は振り向きつつこえのする方を向いた。そこにいたのは金髪のいかにも『貴族ッ!!』といった感じの少女が立っていた。
「なんですの?その返事は」
「そっちこそ何?初対面でその態度・・・・・・おかしいと思わないの?」
「煩いですわ・・・そこのジャップの小娘は黙っていなさいな。私はこの男に用事があるのですから」
「黙りなさい。その前に私と話していきなさいライミー・・・いや、違うわね・・・そうね、クソライミーがいいわ」
「そちらこそ黙りなさいな」
「そっちが黙りなさい」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
お互いに少し無言になり、
「ジャップの小娘が・・・」
「クソライミー」
ここで二人が使った2つの国の国民に対する蔑称の説明。
ライミー、それは果物のライムからきている。イギリス海軍の軍艦が水兵のビタミンC不足(壊血病を引き起こす)を防ぐために大量のライムを積んで航海に出て、強制的に水兵にライムジュースを飲ませたことから、イギリス水兵、そしてイギリス人一般の蔑称となったものである。
ジャップ、欧米の国が元々使っていた日本人の別称。蔑称としてのこの言葉の起源はアメリカ合衆国にある。
「それが英国淑女の態度かしら?英国も落ちるところまで落ちたわね・・・、昔はかなり良かったのに今じゃこんなもん?それとも今も昔も変わってないって事かしら?」
「あなた、私の祖国を・・・!!」
「吹っかけてきたのはそっちよ」
「私だってこのような後進的な極東の地にいるだけでも苦痛だというのに・・・貴女は!!」
「後進的・・・・・・?ああ、そうね・・・こんな後進的な国のせいでここにいるんだものね・・・?それとも『IS』を作ったのはライミー抱えた英国だって言いたいの?クソライミー」
舌戦で結華には勝てるはずが無い、一夏はそう思っている。なんと言ったって結華は元々「超毒舌家」なのだから・・・。言葉だけでどれだけダメージを与えられるか、それは相手のプライドが高ければ高いほどやりやすい、相手が絶対の自信を持っていればいるほどやりやすい。結華にとってセシリアは弱点が丸見えの状態であり、これほど叩きやすい的は無い。
「貴女、本当にどこまで私の国を汚せば済むのですか・・・」
セシリアの質問に結華は答えた。
「英国は汚してない、クソライミーの弱点をただ淡々と突っついてるだけよ。人体で言えば体の正中線を刺し、血のたくさん通っている動脈、静脈を切っているだけ・・・それだけよ」
「・・・・・・・・・」
「もう終わり?詰らないわね・・・あれだけの啖呵切って来たんだからもうちょっと手ごたえくらいある物だと思ってたんだけど・・・・・・気のせいだったのかしら?」
「そこの男は助けないんですの・・・?」
セシリアは一夏に助けを求めた。
「見るからに無理だろ?それに吹っかけた来たのはそっちだろ」
「やはり、女性の後ろに隠れる事しかできないんですのね・・・臆病者」
臆病者と言われカチンと来た一夏だがそこは敢えてスルーした。
「生憎とこちらからは出そうにも出せないからな」
「言い訳のつもりですの?」
「言ってもいいけど傷広げるだけだぜ」
これは一夏の本心だった。日本を束を汚されたような感じだったので途中で言おうかと思ったが止めた。
「なら、遠慮しておきますわ・・・」
セシリアが席に戻ろうとしたため結華はセシリアの腕を掴み引き止める。
「まだ何か用ですの?」
「名前教えなさい」
「イギリス代表候補生、セシリア・オルコットですわ」
「それだけよ」
結華は腕を離し、セシリアは自分の席に座った。
「一夏、よく何も言わなかったわね」
「日本・・・・・・いや、束さんを馬鹿にされたようで嫌だったけどな」
「そう、前なら殴りかかっていたかもね?」
「女子にそれはしねーよ」
「それもそうね」
直後、二時間目開始の予鈴が鳴ったため結華は席に座り二時間目の授業の用意をしてから一夏に話しかけた。
「一夏」
「なんだ?」
「覚えてるわよね?あの本の内容」
「ああ、大丈夫だ覚えてる」
「そう、ならいいのよ」
その後も少し会話が続いた後、二時間目開始の本鈴が鳴った。それと同時に千冬と真耶が入ってきて、千冬が授業を始める。
「さて、授業を始めたいがまずはクラス代表を決めねばな・・・クラス代表とは読んでの通りクラスから1人選出される者の事だ。その者はもうすぐ始めるクラス対抗リーグ戦や委員会、クラスでの決め事を決める・・・簡単に言えばクラスの委員長だ。さて、自薦他薦は問わないやりたい者は手を挙げろ、やって欲しい奴がいる奴はそいつを推薦しろ」
その説明の直後1人の女子が「織斑君がいいと思います!!」と一夏を推薦する、それがトリガーとなったのか他の女子も一夏を推薦する。
結華はセシリアがどうなっているか気になり後ろを見てみる。そこには結華の創造どうり体をプルプル震わせ何かを我慢しているようだった・・・そしてそのまま結華が5秒程見ているとセシリアがもう我慢ならないとばかりに思い切り机を叩き立ち上がった。
「納得いきませんわ!!」
そのセシリアの発言に千冬が質問をする。
「ふむ・・・何が気に入らないんだ?オルコット」
「第一に男がクラス代表であるなど恥さらし以外でも何でも無いからです」
「それで?」
「第二に、このような後退的な国にいるだけでも屈辱ですのにさらに屈辱を味わえというのですか?」
「それで?」
「クラス代表には実力があってこそですわ。それをそのような実力の無いモヤシのような者に任せるのは本当の恥さらしです。以上です」
クラスが一気に静かになる。その気まずい場所で一夏は反論する。
「セシリアさん、同じ轍踏もうとするんだな・・・イギリス人って脳みそ足りてないんじゃないかと思うぜ」
「なっ・・・!」
「結華にあんな毒舌喰らってまた性懲りも無くそういうことするなんて・・・日本人ならそういう事は絶対にしないぜ」
そこに結華は「まったくね・・・イギリス人は脳足りんなのかしら・・・。織斑先生、自薦します」と言って入る。千冬は「良いだろう」と言った。
「五月蝿いですわ!!そこまで勝つ自信があるというのなら決闘ですわ!!」
「受けて立つわ」
「受けて立つぜ、ハンデはどれくらいがいい?」
一夏のハンデという言葉にクラスがざわめく。
「ハンデ?早速のお願いですか?」
「いや?こっちが持つハンデだ」
一夏の右隣の人が一夏に「相手は代表候補生よ?ハンデなんて・・・」と言ったがその言葉を一夏は「知ってる」の一言で遮った。
「いりませんわ。そのせいで負けたなんて言われたくないですから」
「そう来ないとな」
「クソライミーに地獄を見せてやるわ」
そこで千冬が募集を締め切り、
「では、来週の月曜日第三アリーナで決闘を行う。授業を始めるぞ」
そうして二時間目の授業が始まった。
頑張りましたー。誤字脱字などありましたら感想にお願いします。