――IS学園寮 1026室
「広いなー・・・」
「私も始めここに入ったときはホテルのスイートルーム並みだと思ったわ」
「荷物は・・・・・・」
一夏は廊下側のベッドの方を見た。そこには3つほどのダンボール箱が積まれたいた。
「えーと・・・・・・調理器具、着替え、生活必需品、その他諸々・・・・・・問題は無いな」
「じゃ、ご飯にしましょう」
「そうだな・・・作るか?」
「いいえ、お腹空いたからすぐ食べたいし・・・食堂に行きましょう」
「分かった。その後荷物開いて・・・お、千冬姉気が利くな『雪華』も入れてくれるなんて・・・これなら鍛錬も出来るな」
「私も『鉄華』持ってきてるから出来るわよ」
『雪華』・・・それは一夏の持っている日本刀(実剣)である。そして『鉄華』・・・これは結華の持っている日本刀(実剣)である。2人はこの2つを使って箒が居なくなっても剣術の鍛錬を行ってきたのである。
結華はISの戦闘には剣術を使えないが、一夏は雪片弐型と黒龍弐型を使えるため剣術を利用できる。さらに言えば一夏は篠ノ之剣術の一刀流、二刀流を使える。
「さて、飯食いに行くか」
「ええ」
2人はドアを開け廊下に出た。そして偶然そこにいたのは・・・
「い、一夏!?結華!?」
「よう、箒」
「こんばんはモッピー」
「なぜ2人が同じ部屋から出てくるのだ!?」
「いや、何でって言われても・・・・・・」
「部屋割りがこうなんだから仕方ないじゃない・・・」
結華の言った最後の言葉は噓だが・・・・・・十中八九、千冬の仕業である。
「そ、それは・・・一夏が言ったのか・・・?結華と一緒が良いと」
「違うぞ?俺は千ふy・・・織斑先生に言われただけだ」
一夏の最後の言葉も噓である。事実、一夏が違う女子との部屋だった場合結華が一夏と同じ部屋の女子と代わるか、一夏が結華の部屋に行くかのどちらかである。
「そ、そうか・・・なら結華、私と代われ」
「はぁ?何でよ・・・・・・」
「恋人同士が同室だと大変な事が起こるやもしれんからな」
「嫌よ、逆にアンタと代わったらもっと危険度が高まりそうだし」
「なッ・・・・・・・・・そんな事は・・・」
「起こらないって言い切れる?一夏を奪う気だったんでしょ?自分が同室になって・・・どうにかして」
「そ、それは・・・・・・」
「噓、私は言ったわよね?・・・一夏が許す限り何をしても良いと・・・アンタにはそれを許してるわ・・・でも多分一夏は許さないわ」
「そ、それは・・・・・・分からないではないか」
箒のその反応に結華はゆらりと笑った。そして一夏の方を向いて・・・「ねぇ・・・一夏・・・モッピーが私と部屋代わりたいって言ってるけど・・・どうする?」と言った。
一夏はその質問にこう答えた。
「代わってもいいんだけど俺としては結華と一緒の方が良いな」
「それは・・・ダメだって事で良いわよね?」
「ん?んん・・・・・・ああ、そうだな」
「そ、そんな・・・・・・」
箒はそこで膝を着きそうになったが踏ん張った。そしてしっかり立ち、
「そうか、ではこれは諦めるとしよう・・・」
「一夏を奪うのを?」
「それは諦めない」
「そ、じゃ一夏食堂行きましょう?」
「ああ、箒またな」
「ああ」
一夏と結華は食堂へ歩いて行った。結華が途中で腕を組んできたが一夏はそのままにする事にした。
――食堂
2人は腕を組んだまま食堂へと入った。周りから不思議な目で見られるが結華も一夏も何もしようとしなかった。
一夏は夕食を日替わり和風定食、結華は刺身定食にした。
2人はそれぞれの定食を受け取ると奥に空いてる席があったためそこに座ろうと思った。その席に向かう途中結華は1人の女子生徒に肩が当たった・・・その衝撃で結華は定食をお盆ごと落としてしまった。肩が当たった女子生徒は特に何も無かったように素通りしようとするが結華はその女子生徒の腕を掴んだ。
「は?何よ」
「まったく・・・肩ぶつかっておいてまさか素通りとは思わなかったわ」
「はぁ?何言ってんのよ・・・ぶつかって来たのはそっちじゃない」
「その言葉・・・そっくりそのまんま返すわ・・・」
「アンタ頭おかしいんじゃない?」
結華はその言葉をまた返してやろうかと思ったが無駄なので止めた。
「ならなんで私が夕食落としてアンタが落とさない訳?」
「たまたまでしょ」
「理由を言ってあげるわ。ぶつかるときにアンタが手に力を入れて強く握ってぶつかって、そして私は無防備なところにぶつかったからよ」
「アンタが弱くぶつかってわざと落とした可能性もあるでしょ?」
「それじゃあ私にメリットが無いじゃないアメ公女」
「はあ?何言ってんのよ元経済大国の女が」
「経済大国?じゃあ、今は不況に陥ってそれを回復させようとしてまた経済大国に日本はなろうとしてると思ってるの?」
「違うの?」
相手のアメリカ人の女子が疑問を投げかける。それに対し結華は・・・
「日本は経済に寄りかかってるんじゃなく、技術力に寄りかかってんのよ?そんな事も分からないの?軽ーい軽ーいアメ公ギャルが・・・あ、そっかぁ・・・ギャルで軽いから頭に脳味噌も何も入ってないように軽いから何も考えられないんだ」
「いい気になってんじゃないわよ・・・そこの男と付き合えるからってさぁ・・・!!」
「やっと本音が出たわね・・・」
「ふん、何よ本音が出たからって・・・」
ここまで来れば後一押し・・・弱点をただひたすらに突っついてやれば良いだけだ。
「ねぇ・・・・・・男子と付き合える奴がいるのは羨ましい?」
「いいえ?なんとも思わないわ」
「まぁそうよね・・・自分が好きじゃない奴と付き合ってる奴なんか羨ましいとは思わないわよね」
「ええ、そうよ」
「じゃ、何であんな事言ったの?羨ましくなんか無いんでしょ?」
「それは・・・」
「それとも一夏が好きとか?一目惚れ?それとも周りがそんな感じだから?それとも私が・・・」
「煩い・・・・・・!!」
そう言われた時結華は終わりだな・・・・・・と思った。
「・・・・・・・・・・・・そ、じゃあね」
結華はそう言って一夏と奥の席に向かう。
「ふう・・・・・・」
「お疲れ様」
「まったくよ・・・・・・さて、新しいの取りに行かなくちゃ」
結華は席から立ちながらそう言った。
「俺も行こうか?」
「ううん、私1人で行って来る」
「そうか」
「先に食べてて良いわよ」
「いや、待ってる。飯は一緒に食った方が美味いからな」
「じゃ、すぐ戻るわ」
結華は夕食を取りにもう一度食堂の入り口の方へ向かった。
――五分後
「ただいま」
結華は刺身定食を持ってきて戻ってきた。
「お帰り」
結華は座ると一夏と同じように手を合わせ、二人同時に「いただきます」と言った。
しばらく2人が食べているとそこに1人の人物が歩いてきた・・・・・・それは箒だった。
「一緒に食べても良いか?」
「いいぜ。な、結華」
「ええ」
そう言われると箒は一夏の目の前に座った。
「ところで一夏、結華」
「ん?」
「何?」
「セシリアとはどう戦うんだ?」
「そうね・・・」
「そうだな・・・」
2人は少し考え・・・
「「何も考えてない」」
2人そろってそう答えた。
「な・・・・・・それで代表候補生に勝てるのか?」
「勝つ・・・絶対に」
「私もよ。アイツには地獄を見せてやるんだから」
「オートクチュールか?」
「もちろん。地獄の雨を降らせるわ」
「結華は考えてるではないか」
「ああ、そっか。銃弾の雨を降らせればいいか」
今更気づく結華。
「一夏はどうだ?」
「んー・・・・・・黒翼使って一気に懐潜り込んで斬るかな・・・・・・でも・・・」
「アンタのIS・・・かなり速いわよね・・・・・・スペックからして」
「普通に突っ込むか」
イノシシ戦法確立の瞬間だった。
「それが一番ね」
「剣の腕が訛っているのではないか?」
「問題無い。毎日鍛錬はしてた」
「そうか・・・では問題無いな」
「明日からアリーナで練習ね」
「そうだな」
結華と一夏は夕食を食べ終わると食堂から出て行った。
ついに3000オーバー。これからもこんな感じで頑張ります。