無に帰すとも親愛なる君へ   作:12

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「ナナリーを取り戻さないことには話にもならない。枢木、お前は神楽耶を呼び戻せ」

「は……」

儀式めいた誓いが終わるや否や、ルルーシュはすぐさまいつもの冷徹な指揮官の顔に切り替えた。

「は……じゃないだろ。見ろ、ジェレミアが視線だけでお前を殺せそうだそ」

「……」

「……頑固な奴め。まあいい。咲世子、ジュリアスの様子を見てきてくれないか?」

咲世子はすぐに御意をとなえ、きびきびした無駄のない動きで部屋から出ていく。ルルーシュはその背を見送って言った。

「ああなれとは言わないがな、志すくらいはしろ。俺たちしかいない時はよくても、お前はこれから名誉ブリタニア人にして総督付きの直属になるんだぞ。咲世子の例があるから部下にすること自体に騒がれなくても、騎士になるんだ。それはそれはすさまじい針のむしろだろう。そんなところで皇族に礼を欠いてみろ」

「他人の前ではしっかりやるさ」

「同僚たちに対する礼も欠くな。お前だけそんな態度で許されるはずないだろう。ジェレミアたちを侮辱しているようなものだ」

それはわかる。さっきだって、そう思ったから素直に従った。しかしやはり、プライドが許さない。慣れるには時間が必要だ。だって、ブリキ野郎に傅くなんて!

「殿下、やはり……」

ジェレミアが苦く言う。今にもやっぱりやめるべきだとかなんだとか、長々と説教を垂れそうな空気だ。

しかしルルーシュは

「できなければどうなるかは、こいつが一番わかっているだろう」

あっさりとしたものだ。寝首を搔かれる心配とかしてないのだろうかと、何度目にもなる呆れと憤りを抱く。スザクができるはずないと知っているから、こんな余裕を漂わせているのだ。

「なあ、枢木准尉?」

「……イエス、ユアハイネス」

ルルーシュはそれを聞いて愉快そうに笑った。くっくっと声まで上げて。

「絶対殺す、とでも言いたげな顔だな。いいぞ、すべてが終わったらやってみろ」

「殿下!」

とうとうジェレミアが吠えた。番犬よろしく威嚇のオーラを放出しており、今すぐにでも噛み付いてやるという気迫を感じる。隣のヴィレッタは冷ややかにスザクを睨めつけていた。こちらはこちらで、主への忠誠心がありありと。先ほどの場でわかったつもりではあったけど。皇族とその部下というのは、こんなにも心酔するのが普通なのだろうか?

「お前はさっきから五月蠅いぞ、ジェレミア。やすやす殺されてやるわけないだろうが。だいいちそんなことになったら、俺が死ぬ前にナナリーがこいつを殺すさ」

甘く見られたものだ。つい先ほど、そのナナリーをスザクの手で討ち取ったというのに。

「白兵戦ならどうだろうな。咲世子と戦って勝ててからその顔をしてくれ」

ルルーシュは侮りを隠しもしなかった。ジェレミアとヴィレッタがうんうん頷いている。篠崎咲世子、同じ日本人の女性。ルルーシュの護衛であることは知っているが、彼女がいったい何者だというのだろう。

「殿下、アーニャにはいつ?」

もう相手にできないとばかりにヴィレッタが話を変える。それでルルーシュも、スザクを揶揄ういやらしい表情を引っ込めた。

「あれにはナナリーの口から説明させる。アーニャの主は私ではなく、ナナリーだからな。――そう、それでだ枢木。明朝、ナナリーを迎えに行ってこい」

あっけらかんとした物言いで皇子は言った。日本解放戦線がこの作戦のためにどれだけ労を費やしたかも、捕虜を無条件で解放しろなんて難題を押し付けていることも、まったく気にも留めない。

 

神楽耶になんて説明しよう。

この腑抜けがと怒鳴られる未来が簡単に想像できて、もう、スザクは胃に穴が開きそうだった。

 

 

 

 

 

「それでは……」

「疑われている。枢木の名前は日本人には良く効くだろうなんて言ってはいるが、監視であることは明らかだ。NACの名前は出さなかったけれど、中華の神楽耶様にも言及してきた。婚約を申し込んだのだって、我々の身動きを取れなくするため以外に理由は考えられない」

「折角捕らえた皇女を解放しろと!?せっかく各国との連携も取れてきたというのに」

「ナナリーこそがすべてだと、ルルーシュは言ってのけました。彼女が害されるようなことがあれば、イレブンに対する慈悲など捨てると。ここで彼女を手放さないのは悪手。自分はそう思います」

スザクは憎憎しげに言ってのけた。真っ赤な嘘だが、ルルーシュが憎い気持ちはこの場の誰とも変わらない。表情を作るのは難しいことではなかった。

スザクは名誉ブリタニア人であり、枢木ゲンブの息子である枢木スザクを総督付きの軍人にすることでナンバーズたちに好印象を与えようとしている。レジスタンスを武力で黙らせながら、一般市民には懐柔策で通そうとしているのだと訴えた。

駄目押しに神楽耶との婚約まで明かし、ルルーシュの本気を見せつける。さっさとここを治安の良い模範エリアにしたいのだと。

実際それは間違っていなかった。ルルーシュの目的はブリタニアの現体制の崩壊にあるのだから、いちエリアの統治にいつまでも構ってはいられないのだ。新しいエリアの形を作り上げ、結果で本国を黙らせる。それが当面の目標だ。

「しかし……」

大佐の三木が唸る。他の何人もが同じように難しい顔をした。当然だ。この作戦のために、スザクたちは長い間準備してきた。

「しらを切りとおす、というのは……」

「無理であろう」

ばっさりと切って捨てたのは、意外にも桐原だった。驚いてそちらを見る。目指すものは同じだが、このご老公はとにかくスザクと意見が衝突してばかりなのだ。

「あの皇子はそこまで馬鹿でも優しくもない。アレは疑わしきは罰する人間だ。むしろ、今この状況があれの掌で踊らされていると言ってもいい。強硬な態度を取れば、結果は目に見えている。神楽耶の身柄を抑えられてしまえば、こちらはおしまいだ」

「私もそう思う」

藤堂が続いて頷き、スザクはほっとする。いい流れだ。

もしも神楽耶をあのまま手に入れていたら、ルルーシュは確実に彼女を処刑した。捕まえたテロリストは皆殺しにしてきた実績があるのだから。

ギリギリで回避したことを知っているスザクとは違い、この場の誰もがそれを恐れている。

神楽耶が捕まるということは、皇の姫が捕まるということ。

それを見過ごし活動を続けたとて、彼女を見捨てたという事実が日本人にとってどの程度の衝撃かは想像に難くなく、結果的に一般人の味方は消え失せると見て間違いない。

だからこの場の誰も、神楽耶本人はどうでもよくても、彼女を軽んじることができないのだ。

枢木玄武の息子。戦闘能力以外では、その価値でしか認められない自分と同じ。

唇を噛んだスザクをちらと見て、どうやら勘違いしたらしい藤堂が続ける。

「しかしこのタイミングでナナリーを返せば、彼がテロリストだと言っているようなものだ。慎重に行かねばならない……勝てない戦と負け戦は別物だ」

「であれば、これから我らはどうするべきか」

「枢木のと皇のが疑いを掛けられている以上、キョウトも大きくは動けない」

「EUとの極秘協定を進めるしか」

「ピースマークからの派遣はどうなっている?各地の反ブリタニア組織ともっと連携すべきだ」

大きく日本国旗の掛かった室内で、男たちが次々と言葉を交わす。

こうなることは想定済み……いや、ルルーシュの読みの内だった。

ナナリー副総督が帰還するのは暫く後のことになる。

スザクは慎重に場の空気を読み、合間を見ては発言していく。ルルーシュの立てた筋書き通りに、台本を読むように。

ここは既に、彼の描いた舞台の上なのだった。

 

 

会議が終わって数時間。正午に差し掛かるころ、部下たちを予定を少し早めてアジトから追い出した。しばらく帰ることのない、海外に向かう部隊だ。その代わりに一人の女を迎え入れる。いや、姿かたちは今出て行った部下たちのひとりそのものであった。

「川口」

スザクは女をそう呼んで、ナナリーの閉じ込められている部屋へと向かう。彼だけを室内に入れて、食事を運ばせた。監視室からその様子を伺う。

行動はどうでも構わない。問題は、ナナリーに気付かせることだった。

『イレブンから与えられる食事なんて、皇女様には不愉快だろうけど』

川口が嫌味を放つ。そんなことありませんと微笑んで返す皇女。

『ナンバーズはブリタニアの臣民です』

『偉そうに。そういえばあんたのところにも、一人イレブンがいたわよねえ?篠崎とか言ったっけ。ブリタニアに尻尾振る裏切り者』

『そう見えるのですか』

『当たり前でしょ?』

川口は大げさにため息を吐くと、ちっと舌打ちをしてみせた。やれやれとばかりに手を振り、雑に食事を置いて出てくる。ナナリーは何も言わなかった。動揺もなにひとつ見せない。しかし30分ほど経過すると、おもむろに手洗いに行きたいと言い出した。シグナルはきちんと伝わったようだ。隠そうとしているが、どこか腹が痛そうでもある。おおかた、飲み過ぎた水で冷やしたのだろう――と、監視は判断する。

さすがにトイレまで見張りはない。部屋の隅にあるバケツでしろ、だなんてこともなかった。上層部の一部は苦い顔をしていたが、ナナリーが電子機器の類を所持していないことは既に明らかだ。それくらいは許せということだ。

スザクは再び、先ほどの川口を向かわせる。こういった無理ができるのも、スザクが枢木の人間で、日本解放戦線とキョウトのどちらもでそれなりの地位にあるからだ。

川口がナナリーを軽く拘束してから連れていく。人通りもある廊下で、なおかつここは日本解放戦線のアジト。どうやっても逃げられはしない。監視室の緊張も、かなりゆるやかなものだ。スザクは様子見は終えたとばかりに監視室から出ると、ナナリーが入った多目的トイレのすぐそばで、万一にも彼女自身と顔を合わさない場所で待つことにした。

これで日本を、皆を決定的に裏切ったことになってしまった。

 

 

「咲世子さん!」

ナナリーはトイレに入るなり、その中に潜んでいた女性に駆け寄った。合図を知っているものでないとわからない、左肩を右手で抱く仕草。咲世子の変装は完璧で、まったく見抜けなかったナナリーは驚いた。声を上げそうになったのを、鉄の仮面でなんとか押さえつけたのだ。それ以上は何の合図もなく出て行った咲世子。ここでは監視があるからダメ、そういうことだろう。ならばここから出なくては。もしかすれば、何らかの策を講じてナナリーとコンタクトを取るつもりなのかもしれない。そこでナナリーはわざとたくさん水を飲み、腹が痛くなったように見せかけて部屋から出ることに成功した。さてここからどうすべきか、思案したところで咲世子が現れたのだ。

「ナナリー様。あまり時間がないので簡潔に説舞いたします」

「ええ」

「枢木スザクが我が陣営に入り、ルルーシュ様が“CODE-R”を始動なされました」

「……!」

ナナリーは息を呑んだ。

枢木スザクの動きを封じるというのは決めていたことだった。ナナリーが捕まらなければ違うシナリオが用意されていたのに、兄は大きく違う道を選ぶことになってしまった。そして、計画が始動したということは。コードR。ルルーシュとナナリーにだけ通じる名。

咲世子は早口で話す。

「ここはトチギゲットーの一区画の地下にあたり、殿下の計画通りに運べばじきに解放の段取りが取られます。御戻りになったら、ナナリー様の口から専任騎士に計画をご説明せよとのことです」

「了解しました」

ルルーシュはアーニャにはまだ何も言っていない。それは配慮であり覚悟であると同時に、アーニャが活動できない安静状態にあるということでもある。ナナリーは眉を寄せた。それでも咲世子が何も言わないということは、心配するようなことは何もない。

大丈夫、あの子は大丈夫。

時間が惜しいのだ、ナナリーは自分に言い聞かせ、必死に質問をこらえた。

咲世子は続けてこれからの予定を話す。頷いて、彼女の少し長めの手洗いは終了した。

 

 

枢木スザクがゼロに入るだけではなく、コードRの仲間となった。ジェレミアもヴィレッタも計画についてくると言ってくれた。

これらの情報を一気に与えられたナナリーは、部屋に戻ってももはや寝ている場合ではなかった。先ほどまでと変わらぬ退屈そうなそぶりをしながら、頭の中では必死に己のやるべきことを組み立てていく。

ここから先は、誰も知らない闇の世界なのだ。

一瞬の油断も許されはしない。

騎士であるアーニャのこと。殺すかもしれぬ肉親たちのこと。情もしがらみもナナリーにはあって、それを断ち切る覚悟は既にある。

しかし、自分の道はとうに後戻りなどできぬ。切るだけならばまだいいのだ。切ることなく、篭絡するのが最も難しい。

計画においてナナリーに課せられた使命は重かった。黒のクイーン、とルルーシュは言う。その通りだ。この駒、何があっても取られるわけにはいかない。

(シュナイゼル兄さま……)

ナナリーはぎゅっと目を瞑った。

 

 

 

それから5日後。

慌ただしく呼び戻された皇神楽耶を待っていたのは、ルルーシュに跪く愛する兄の姿であった。いつものお誘いをルルーシュ総督から受け、NACより日本解放戦線より先に、直接に政庁に向かったのだ。

「其方……何のつもりじゃ」

神楽耶は仮面をかなぐり捨てて低い声を出す。スザクから事前に伝えられていたキーワードは「向日葵畑」だ。それはつまり、スザクと神楽耶にとって、敗北を意味するものであった。

睨み付けられたルルーシュはひどく愉快そうに唇を歪めた。

「あなたのそういう姿が見たかった。あのお飯事は聊か退屈になってきていたのですよ」

怒った顔も可愛らしいですね、と。呑気で場違いなセリフ。

「スザク。これは……どういうことじゃ。説明せい」

呆然と尋ねる。部屋にはルルーシュの側近たちが集っており、その中には神楽耶が戻って来たのと同時に解放されたらしいナナリー副総督の姿もある。疲れが見て取れたが、彼女はルルーシュの隣に大人しくちょこんと座っていた。

「ナナリー、休んだ方がいいんじゃないか?夜にはクロヴィスランドが待ってるんだよ。寝ておいた方があとあと楽だぞ」

「いいえ、総督。そんなわけには参りません」

甘ったるい砂糖菓子のような兄の声にかぶりを振ったナナリーは、にこりと笑って神楽耶に向き直る。

「皇さん、初めまして。実はわたくしも本当に、今さっき戻ったばかりなのです。良い関係が築ければと思いますわ」

「枢木、私語を許す」

呆然として返せない神楽耶を横目に、ルルーシュが高慢に言い放つ。

スザクはそこで立ち上がり、神楽耶に向き直った。神楽耶は驚愕する。スザクの胸元には、この部屋にいる人間がにつけているものと同じ、鳥の羽根のような小さなバッジを――ゼロ部隊所属の証を身に着けていた。神楽耶と同じ色をした瞳は暗く、沼の底にいるかのようだ。それがどこかあの日を思い起こさせ、ぞくりと悪寒が走る。あまりの衝撃に思わず後ずさった。

「……ごめん」

「スザク」

迷子のような顔で謝るから。神楽耶はたまらなくなって名を呼んだ。なにかがあったのだ。スザクにはもうどうしようもない、だけど後悔していることが。それがわからぬ神楽耶ではない。そんな生半可な付き合いをしてきてはいなかった。

計画に抜かりはなかったはずだ。

ナナリーを抑えられて動揺したルルーシュの隙をつき、派手なテロを起こし、そちらの対応に追わせる。あからさまな誘導のために、もう2,3部隊、続けざまに、時間をあけて東京周辺を狙わせる部隊の準備もあった。わざわざピースマークに依頼までしたのだ。その間にスザクたちは本拠地を潜水艦に移す。そして偽のアジトの情報を本拠地として、本来であればつかめない程度の極秘として流し、エリア11軍を散らばらせた状態でルルーシュをおびき寄せる。当然ナイトメアでやってくるだろうルルーシュたちに再びゲフィオンディスターバーを行使して全軍を壊滅状態に陥らせる。そのわずかな間にG1を落とし、あわよくばルルーシュまでも捕らえてしまおうという算段だった。トップが消えた政庁を奪い、何年もの話し合いを重ねたユーロピアを中心とした諸外国と連携を取ってブリタニアとの睨み合いを始める……その予定だった。

それがどうして、こうなっている。

「ゲフィオンディスターバー、紅蓮。それらの弱点をこちらが理解したこと。我々が枢木スザクを最も早く呼び出す手段を持っていたこと。神楽耶さん、あなたが中華に逃れてくれていたこと。……あなた方の敗北した理由は他にもありますが、最も大きいのは、枢木准尉がイレブンよりもあなたを選んでしまったことでしょう。神楽耶さんの命を捨てて計画のまま行動していたら、こちらは危なかったかもしれません。何しろ私とモルガンは敵につかまり、アーニャは動けない。半分いないのですから、ゼロはいつもの機能を果たしません。総督がまだ手綱を握りきれていないエリア11軍を分散させ、同時多発的なテロでさらに混乱を呼ぶ。少ない手勢の本命を迎え討つときは、そちら側に有利な場所が選ばれる。仕掛けた地形の罠とゲフィオンディスターバーを使ってしまえば、あとは赤子の手を捻るよりも容易いでしょう。わたくしがいる可能性があるアジトを、総督が遠距離から集中砲火できるはずもありませんもの。ルルーシュ総督は捕まって、エリア11陥落の出来上がりでした。枢木准尉の判断が、私たちを救ったと言っても過言ではありません」

神楽耶の思考を呼んだかのように、ナナリーはとうとうと説明する。余裕ある姫然とした態度に、皮肉たっぷりの言葉。腸が煮えくり返った。

しかし、反逆者だとばれたのであれば殺せばいい。どうしてそれをしないのか。いや、それとも、日本人たちに効果的な枢木と皇の名を徹底的に利用するか。初めからルルーシュはそうしたかったのだから。枢木准尉。そうナナリーは言った。彼は既に、憎き憎きブリタニア軍の人間にされてしまったらしい。なぜそんな階級を与えたのかまでは理解できないが。

「……それで、私たちをどうするおつもりです?スザク。捕まったとしても、どうして口を割ったのですか」

神楽耶はそれを知りたかった。神楽耶の知るスザクは、どんな拷問を受けても口を閉ざし、使命をまっとうする人間だ。大事なことをすべて黙したままに、果てる覚悟だってあったはずだ。

「それも簡単なことです。彼は、我々の計画に加担することを選びました」

「計画……?」

「ええ」

ナナリーは笑って頷く。けれどそこで神楽耶を見るのをやめ、心からの親しみを込めていると一目でわかる優しい目で、騎士候補であるらしいアーニャ・アールストレイムを見つめた。

「アーニャ。お兄様から説明がまだだと聞いています。これから話すことはとても大事なことだから、しっかり聞いて。そして選んでちょうだい。……私の騎士を、辞するかどうかを」

アーニャが目を瞠り、息を呑んだ。そんなことを言われるとは思っていなかったのだろう。まだ首に包帯を巻いている少女は、しかし混乱の最中であっても答えは一つしか用意されていない。相手は主で、そして皇族なのだから。

イエス・ユアハイネスと。

「本当なら、二人っきりで話したかったのだけど。ごめんなさい、神楽耶さんがちょうど戻ると聞いたから。時間が惜しいの。わかって」

主であるというのに、懇願するような口調。それには黙っていたルルーシュが「ナナリー」とたしなめる。

「アーニャはそんなこと気にしない。それに、覚悟はできてるはずだ」

少女の瞳は、主から放たれた言葉の衝撃に揺れていた。しかしルルーシュはそれを無理やり黙らせて、話を続けさせる。ナナリーは意を決して、神楽耶に座るように命じた。

アーニャの隣だ。反逆者をそのように扱うなど聞いたこともない。しかし部屋にいる全員はそれに異を唱えない。ルルーシュとナナリーを囲むように配置された椅子は、円卓のようでもあった。

「神楽耶さん。わかっていると思いますけど、あなたにも選ぶ権利はあります。私たちに与するか、」

「裏切りか死か、でしょう。わかっていますわ」

神楽耶はぴしゃりと返した。スザクは沈痛な面持ちだったが、しかし、ルルーシュへの憎しみが手に取るようにわかる。そんなにも憎んでいるのに、なぜ計画とやらに加担しようとするのだろう。わからなかった。

「話が早くて助かりますわ。ではもう、結論から言いましょう」

ナナリーは言った。

「我々はブリタニア皇帝を失脚させ、皇位継承争いに勝利し、皇帝の椅子に長兄オデュッセウスを据えるつもりです。その暁には、エリアに国の名を返すと約束します」

 

 




バタバタしていたらかなり時間があいてしまいました>< 叛道まで約2週間・・・・、、、、、


<今回のどうでもいい設定>
今回出てきたゼロ部隊のバッジ、反逆本編で純血派がつけてた赤いやつを縮小したようなものです。ややかわいくデザインされており、CCさ○らでよく出てくるタイプのぐるぐるっとした丸い羽根・の赤色バージョンをイメージしていただけると。キュートですね。ナナリーのまっくろパイスーに映えます。

あとさらにどうでもいい情報ですが、ナナリーのパイスーは一見ミニスカに太もも丈のサイハイソックスなので(2-2参照 確認したらオーバーニーソとありますがふともも丈はサイハイですね。こう、絶対領域が四角ではなく扇型になるタイプのガーターなんですがあれって名称あるのでしょうか。グリンダ騎士団のアレと同じ形)下にパンツがある構造なのにパンツそのままよりもえっちに見えます。
同じ丈でもスカートの方がえっちに見えること、ありますよね。スカートの中の宇宙に想いを馳せる、あれです。
ナナワンでド性癖コスチュームを妹に着せたことを加味して……という言い訳を建前に12の性癖でこうなりました。反逆では棒のように細い彼女の足は筋肉あるのでよりなまめかしい感じでエッチになるのではと思います。
皇女ドレススタイルの時はほとんど足首しか見えない彼女のふとももの絶対領域が晒されるパイスー。のちのち出ますが私服でもひざ丈より上はほぼ着ませんしパンツスタイルもけっこう多めなナナリー。のふとももが晒されるのは戦闘時だけ!デザインしたのは大好きなお兄ちゃん!!
いいですね!!!

スケベ心全開で申し訳ありません。
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