ブリタニア出発~エリア11編
1
空が青いと心が安らぐ。
同時に、ブリタニアが攻めてきたあの日も青空だったと思い出す。
カレンは睨み付けるように空を見ていた。
学校に行く気にもなれない。かと言って他にすることがあるわけでもなく、ゲットーのビルの上で大の字になって寝ころび、流れる雲だけを眺めている。
こうしていれば、憎いブリタニアの建物なんて目に入らない。空だけは7年前と同じでいてくれる。夏を間近にしてそよぐ風のぬるさも。でも、その香りは昔とは違う。
鉄と、なんともいえない微かな淀んだ生臭さ。埃臭さ。どれも如実に環境の悪さを物語っている。租界を知っているからこそ、なおのこと悪く感じた。
ごうごうと大きな音が近づいて来て、空を侵す。ブリタニアの航空機だ。カレンは息を吐き、目を瞑った。憎い憎いブリタニア。すべてを奪ったブリタニア。それを示すようなものは、なにひとつだって見たくもない。
……だけど。
深呼吸、ひとつ。目を開ける。雲を覆い、国旗がでかでかと貼られた灰色の武骨なそれが頭上を通り過ぎていくのを見つめた。いや、睨んだ。
カレンはブリタニア人と日本人のハーフだが、生まれてこのかた一度たりとも自分をブリタニア人などと思ったことはない。それどころか、超巨大帝国に反旗を翻す存在だ。
この日本からあの国を排除する、反体制の考えを持ち、その思いに則って活動する。
つまりカレンはレジスタンス――ブリタニアの言葉で言うならば、テロリストだ。
日本を取り戻す、そのために抗う生き方を選んだ人間。
ならば目を背けてはならない。
あんなものがこの国を侵している、それが日常になってしまっている、この現状を。
レジスタンスの活動も、最近は派手にはやれていない。総督が代わるからだ。今この時期に治安を不安定にさせれば、次の総督は日本人にとって嬉しくはない人選となるだろう。自分たちのような存在にとっても。
新総督は、第11皇子ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。と、そう発表されはしたものの。このエリアの情勢によっては、変更されることだってあるかもしれない。
聞くところによると、彼はカレンと同い年の少年。それも、足が不自由で生活はすべて車椅子というハンデを抱えているのだそうだ。しかしお飾りかと侮ることができそうにもないのは、彼が「黒の皇子」と有名な、ブリタニア有数の優秀な軍人だからだろう。
その彼が、どういった方針で来るのかはわからない。だが今までのようにはいかないことは明白だ。クロヴィスは、そういう意味ではありがたい総督だった。
果たしてこの現状を、兄がいれば、なんと言っただろうか。
兄――ナオトが死んで、まだ、三か月しか経っていない。彼がいないのだという実感が、日常のあちこちに見え隠れする。一日に何度も「死」を見せつけられ、意識させられる。ゲットーに来るたび強く感じる寂しさ。ここは荒廃した日本の残骸であると同時に、兄に会える場所だったのだ。シュタットフェルトの仮面を脱いで、彼に駆け寄る瞬間が大好きだった。カレンがレジスタンスの活動に参加することを快く思っていなかったナオト。それでもたった二人だけの兄妹だ。走ってくるカレンの姿を捉えた瞬間、ふっと目元が柔らかくなるのが嬉しかった。カレンと、困ったように名を呼んで。
呼んで――くれないのだ。もう二度と。
ブリタニア軍の施設を攻撃し、壊滅させる作戦だったあの日。兄は逃げ遅れ、爆発に巻き込まれたという。遺体は、この目で見ていない。だけど建物を覆いつくす派手な赤と、喉が焼けそうな爆風。それをよく覚えていた。あんなものの中にいたらどうなるか、わからないはずはない。
あの状況では、助かることはありえない。墓だって遺品を埋葬しただけだけど、確かに存在する。
それでも、ただ空を睨むことしかできなくても、こうして生きていれば。
「心配したか?」と眉を下げて、カレンに怒られるのを恐れるようにしながら、戻ってきてくれるのではないだろうかと思ってしまうのだ。
鼻の奥が熱くなる。
もう泣くまいと何度思っても、こみ上げるものは止まらない。じわりと涙が滲んだとき、後ろから声を掛けられた。
「カレン」
「……井上さん」
起き上がり振り向けば、同じレジスタンスグループの女性が屋上へと至る扉のところに立っていた。扉――いや、扉自体はもうないのだ。引き剥されたのか、蝶番のあとだけが、そこに扉があったことをはっきりと示している。同じように窓も割れてしまっているこのビルは、内部だって砂だらけだ。それでもいくらかの日本人が、雨風をしのげる家として暮らしている。残された設備を見るに、昔はなにかの会社だったらしい。それもかなり大きな、しっかりとしたところ。必要な書類や名簿なんかはそのまま残されている。日本万歳、ブリキは死ね――落書きはでかでかと、あちこちに好きなように書かれていた。
以前、この会社の忘年会か何かと思われる色褪せた集合写真を拾ったとき、溢れる笑顔でいっぱいのこの人たちのいったい何人が生き残り、何人が名誉ブリタニア人となり、何人がゲットーで貧困に喘いでいるのか、考えるだけで悲しくなった。
「お昼食べようよ。ま、カレンが持ってきてくれたやつだけどサ」
「いいですね」
井上がカレンを気遣ってくれていることはわかっていた。そして彼女もまた、テロリストグループの中で親友と言える女性を亡くしたばかりだ。彼女が特別だったくらいで、井上はもともと過度な干渉はしない。カレンは彼女がなぜレジスタンスにいるのかも、本当の名前が名乗っている井上なのかも知らなかった。
彼女はカレンの隣に腰を下ろす。租界で買ってきたサンドイッチとプリンだ。
「あ~、こういうちゃんとした甘いもの久しぶり。最近ろくにごはん食べてなかったからさ」
その間井上が何をしていたか、もちろんカレンには知る由もない。トウキョウにいなかったらしいことくらいしか知らない。
「デザートから行くんですか?」
「いーのよ、美味しけりゃ」
んーと嬉しそうな声を上げる彼女は、到底テロリストには見えない。
「ガッコ、行かなくていいの?」
「いいんです」
「そっか」
何度目かわからないやり取りをする。近頃は集まるだけでやることがなく、鬱屈とした状態が続いていた。学校。あそこは私の居場所ではない。カレンは目を伏せる。
「新総督、ルルーシュだっけ?」
「ええ」
「顔は軍以外には明かされてないんだったっけか。まったく、どんなのが来るのやら」
「黒の皇子、というからには黒髪なんでしょうか」
「さーーぁ。優秀な軍人なんだし、腹が黒いのは間違いないと思うけど。負けたことないらしいわよ、彼。今のエリアの四分の一の制圧に関わってるとか」
どこでその情報を手に入れたのだろうかと思うが、聞いても教えてくれないだろう。
「副総督に妹のナナリーって聞いてますけど、こっちは13歳って」
「ふざけてるわよね」
ズゴズゴと音を立ててパックジュースを飲む。「ま、その子もKMFのプロらしいけど。悪夢のナナリーって言ったら、海外じゃ新総督なんかよりよっぽど名前が売れてるわ」
「いよいよレジスタンスを潰しにかかるってことでしょうか」
「そう見ていいんじゃない?」
まるで他人事のように彼女は言った。しかしそうではない。どう手を打ったものか、半ば呆然としているのだ。今までだって、ブリタニアに打撃を与えるようなことができていたわけではない。なのに戦争のプロ中のプロが来るというのだから、今度こそ徹底的に、日本という国の息の根を止められると考えたほうがいいだろう。無論、そんな状況をハイそうですかと受け入れるわけもないが。
「キョウトが日本解放戦線を通して団結を呼びかけてるでしょう」
「ああ……何年か前からやってるあれですか。実際、あんまり効果はないように思いますけど」
「それぞれの思想もグループの生まれ方も違うもんね。でも、今度は本気みたい」
「本気?」
「あちこちに、キョウト六家から直接に使者が訪ねてるんだって。うちにも連絡がきた」
「私たちみたいな小さなグループに……ですか?」
「そう。今までこんなことなかったのに、キョウトも危機感持ってるんでしょうね。扇、どうするのかしら」
「さあ……」
扇は兄の親友だ。ナオトの跡を継ぎリーダーをやっているが、本人も認める通り、あまり纏めることに向いている人ではない。すぐに結論は出せないだろう。
カレンはさっきとは違い、俯きながらサンドイッチを頬張った。
どちらにせよ、大きな変革はすぐそこだ、
そのためにカレンができることは決まっている。自分は戦士なのだから。
「戦える準備はしておかないとね」
「ええ」
「再来月――2017年6月をもって、私ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが、エリア11の総督に就任することが決定した」
アリエスにて自分の部隊に発表をした夜が明け数日経つと、宰相府から大々的に情報が公開された。
急すぎる第五皇子の乱心の理由も、これで知れたことと噂が立っている。継承権争いに敗れた敗者の沙汰は厳しいものとなった。皇族であるから、一般的な罪人よりはやはり軽く死刑にはならない。しかし皇籍奉還となれば、皇族としては命を奪われるより重い刑。こちらとしてはどうなろうと知ったことではないが、最早あの男に従うものも多くはあるまい。今更皇族だから皆が自分の言う事を聞いていたのだと気付いたとて、もう遅いのだ。
皇族だから。それは自分にも言えることだ。皇族でなければ、皇帝の血を引いていなければ、ルルーシュの言うことを聞く人間などいない。すべてを無くしても傍にいてくれると思えるのは、ナナリーだけだ。
ルルーシュは通常の公務に加えて、エリア11についての勉強で暇な時間がなかった。
遠征の予定がすっぽりなくなっていたのは、ルルーシュの総督就任が決まっていたためだったのだろう。シュナイゼルが手を回していたに違いない。おかげで助かっている。
自分と姿かたちがそっくりなジュリアス・キングスレイーーL.L.は、反対に暇を極めている。ルルーシュの仕事を手伝わせるわけにもいかず、用意した彼の部屋で、本を読んだり調べ物をしたり、彼には彼なりのやることがあるらしかった。
与えたパソコンは、履歴がすべてルルーシュに送られるようになっている。日本語のページも多数あることから、彼が日本語を読めるのだと知った。ルルーシュには全解読が難しいような記事をいくつも読んでいる。話すことも可能だそうだ。自分も多少なら話すことが出来るが、ひらがなはともかく漢字にはまだ弱い。資料によればイレブンのブリタニア語の浸透率は悪くないが、交渉術があって損はない。ネイティブ以上に堪能だというジュリアスが、咲世子といっしょになって日本語を教えているところを最近はよく見る。言葉だけでなく、文化も。
ルルーシュがとる予定の政策にとって、「エリア11」ではない、「日本」を理解することは欠かせないからだ。
自分の護衛として忙しい咲世子に対し、暇なL.L.の存在は助けになっている。本当にルルーシュ様と話しているみたいとアーニャは言っていた。それは確かに、そうだろう。その感覚は間違ってはいない。
「ルルーシュ。今晩の夜会、俺も行ったほうがいいんだったな」
「ああ」
ルルーシュが異母兄クロヴィスから送られた資料とにらめっこしていると、ノックののちL.L.が入って来た。スイッチひとつで顔を覆うバイザーが降りてくる帽子を脱ぎ、シャツと一体化した鼻までを覆う黒のマスクを外した。肩に羽織るような形の襟のない白いマントを外して軽く畳み、ソファーに掛ける。露出は少ないというより、ない。肌の見えているのは、バイザーを外した時に目の周りだけだ。稀有なロイヤル・パープルを隠すため、髪色と同じ色のコンタクトを付けている。全身を覆う服装は、側近というより一兵士だろう。アリエスの中だとしても、ゼロ部隊以外にその姿をさらすことはなかった。
驚くべきは、この面倒な造りの服を彼がひとりで作り上げてしまったことだろう。手慣れた様子でミシンを鳴らす自分の顔をした男。ルルーシュは裁縫などできない。せいぜいボタン付け程度で、裁ちばさみやらまち針やらは持ったこともなかった。
ジュリアスからL.L.へと戻った彼は、昼食だと言ってサンドイッチを机に置く。
「格好はこれでいいのか?」
「構わない」
デザインにはL.L.も口出しした。自分が着るものなんだからという言い分には、ルルーシュを皇族として敬うものなどどこにもない。自分に対して敬われても困るのだが。自分と自分の会話はいつでもすさまじいスピードで進み、服のデザイン、つまり好みに関してもそれは同じだった。
「今晩はお前が新しい側近だと言うことを見せつける目的であるのと同時に、俺と周囲の関係をお前に知ってもらうための伴だ。お前の世界とどれだけ違うか知らないが、これまで通りやってくれたらいい。俺は咲世子に守ってもらうし、ナナリーの護衛はジェレミアとアーニャに任せるから心配はいらない」
「わかっている。皇族方は誰が来るんだ?」
「オデュッセウス、シュナイゼル、コーネリア。ギネヴィア……カリーヌも来ると言っていたか?」
「ユーフェミアは?」
「学校だ。全寮制のな」
言うと、L.L.は納得した顔になった。
「ユフィの夏休みが始まる前にブリタニアを発つことになりそうだな」
「会いたかったのか?」
ルルーシュはエリア11の経済状況の資料を眺め、そこから考えうるこれからの懸念事項と対策を考えながらを尋ねた。自分が現在異母妹に抱いている気持や、かつて抱いていた想いを考えて、思うところがあったためだ。どんな世界か知らないが、そこにユーフェミアがいるのだとしたら、あるいは。
「いや。元気ならそれでいいんだ。学生でいれるのはいいことだよ」
L.L.はどちらともつかない答えを返す。
「それはそうだ」
ルルーシュは頷いた。本当なら、ナナリーだって学校に通わせたかった。ユフィのように、幸せに学生生活を過ごして欲しかった。
二人の望みを叶えるため、その未来を否定したのは他でもないルルーシュだったけれど。
L.L.の口ぶりから、この鏡像も学校に通えなかったか、途中でやめてしまったのだろうなと感じた。自分ではなくナナリーが足を駄目にしてしまったというのなら、呑気に学生なんかしている場合ではないだろう。
「ところで――随分楽しそうだな」
「そう見えるか?キングスレイ」
ルルーシュは目だけで彼を見た。ジュリアスという偽名にも慣れてきたらしいL.L.もまた、目だけで返事をする。それを見たルルーシュはふっと笑った。
「ああ、楽しいな。何より俺が指揮を執っていいというところが」
「ほう?」
「今までの仕事はあくまで戦争の指揮だからな。うちは戦いになってから呼ばれるんだ。つまり手遅れに、な。そうなるまでの外交の手腕がお粗末すぎて頭を抱えたのは数え上げればきりがない。そもそも戦いになるまえに治めればいいものを……何度無駄な戦闘にナナリーたちを駆り出したか。それが彼女の負担にならないわけがない。戦場で体は危険に晒されるわ、余計な心労は増やすわ……そこにかける金も無駄だ。軍事費を何だと思っているんだ?ジャブジャブと湯水のように浪費して……公債を発行しているとはいえ、もとを辿れば国民の血税によるものだってことを忘れてるんだろうな。そんなに余っているなら分けろ。まったく無能な上官ほど使えないものもない」
「同意だな」
「お前はどうしていたと聞いても無駄か?」
「ああ、無駄だ」
彼は目を細め、ルルーシュの机の上にあったエリア11の資料を眺めている。手に取っているファイルはフジ周辺、サクラダイトの採掘場についてのものだ。
霊峰フジは、日本という国を語るうえで欠かせない存在だ。200年以上噴火していないものの活火山であり、人間の居住区域を考えれば十分な脅威である。千年の長きに渡り人々の心を癒し、ある時は指標にある時は情景に、ある時は畏怖の対象だった。この象徴たる存在が日本人の心の風景であることは言うまでもない。
それが無残にも破壊された今は、名を奪われたエリア11の現状を現しているようで皮肉であった。かつての美しい景観は失われ、人工的な鈍色に輝いている。サクラダイトには利用価値があり、ブリタニアも大変世話になっているのだから、ここが重要なポイントになることは間違いない。つまり、この人工的な鎧が剥がれることはありえない。
咲世子がこの写真を見つめる目が、ひどく複雑な色を帯びていたことを思い出した。目の前の男にそういった様子はなく、ぱらりぱらりとページをめくっていく。
「どういう方針で行くのか聞いても?」
「当面は衛星エリアを目指すつもりだ。ブリタニアにおいて、俺の名が評価されないと意味がないからな。わかりやすい数字の出る結果を出さなければいけない。であれば、エリア全体の生産率の向上を目指すべきだろう。テロ組織の撲滅は言うまでもないが、それ以上に内部改革のほうが頭が痛い。俺の名前にさして力はないから、兄上のもとで甘い汁を吸っていた奴はそうやすやすと従ってもくれないはずだ」
「そうだろうな」
クロヴィスは、悪い人間ではないが良い為政者ではない。送られてきた資料を見てもそれは明らかで、浪費している暇があるなら政庁の連中くらいきちんと手綱を持ってくれというのが本音だ。これをどう片付けたものか。総督の権限を振り翳して手段を択ばないでいられるのならざっと50通りは容易いが、そうもできない。そんなことをすれば、ルルーシュの乗る船はたちまち転覆するだろう。ブリタニア本国に数多存在する自分の敵と手を組まれたりなんかしたら、目も当てられない。腐った連中にどの程度飴を与えるべきか、見極めが進退を左右する。いっそ組織を一から作れたらいいのにとすら思う。
苦い顔をしていると、L.L.がくすりと笑った。
「何がおかしい」
「いや。気を悪くしたなら済まない――懐かしいなと思っただけだ。俺もそうしてぐるぐる考えていた頃があったが、あれはこんな気持ちで見ていたのかとな」
「あれ?」ルルーシュが眉を顰めると、L.L.は肩を竦めた。やれやれ、といった風に。
「魔女の話だよ」
「……相変わらず意味の分からないことを――」
「ルルーシュっ!」
突然だった。
ルルーシュが自分の言葉を言い終える前に、こんこんと軽快なノックが響いた。
「ユッ……」
L.L.が喉から変な声を出し、驚いたように扉の方を振り返った。暫し硬直、それからルルーシュを見返してはっとした顔つきになる。第11皇子が二人もいたらおかしいだろう。それが影武者と知られることもいけない。彼は急いで首のところで布を余らせ皺をつくっているマスクを引き上げ、ソファーに置いた帽子を手に取った。
ルルーシュも驚いていた。声の主はここにいるはずがない存在だ。
「ユフィ!?」
扉の向こうからは鈴の音のような明るい声。
「はい!入ってもいいかしら?」
「ま、待て」
ルルーシュは机の見られてはいけないものたちにさっと覆いをした。L.L.のほうもきちんとジュリアスになったのを確認し、「いいぞ」と許可を出す。
「失礼致しますね」
静かに入って来たのは、桃色の少女。
第3皇女・ユーフェミア。
全寮制の帝立コルチェスター学院に通うはずの、ルルーシュの異母妹だった。
二章のトップバッターはカレンちゃんでした
ブリタニア出るまでとにかく女の子ばっかり出てきます
趣味です