IS学園 日本のとある県の海上に作られし人工島。本土と人工島を繋ぐ交通路はモノレールの一つだけ。世界各地から来るISを学ぶ者達を守る為、学園における機密を守る為の手段としてあらゆる防衛手段・警備体制を敷いてたりもする。
そんなIS学園周辺空域にそれは居た。
「畜生......もう入学式始まってんじゃねえか!」
我らがイチリーこと伝説の超地球人 織斑一夏だ。イチリーはあの基地を飛び出した後、何処でなにをしていたのか?
「こんなだったら、あらかじめラウラに日本の方角を聞いとけば良かった......はぁ」
この男。あの後北東方面に飛び続け北極にたどり着いたのだ。その後今度は何を血迷ったのか東南方角に飛び続けロシア、カナダ、アメリカ......と飛び続けたのだ。そして遂にハワイにたどり着く。途中白い全身装甲のISに追われたが、虫けらサッカーで蹴り上げて撒いた。
「ハワイに日本人居て良かった......あーもう疲れた」
ハワイにいた日本人の女性......篝火という女性に日本の方角を聞いた一夏は遂にここIS学園にたどり着いた。しかし、現時点で幾数日も経過しており今や入学式が始まってるではないか。
一夏はIS学園に向けて全速力で突撃した。多くの気が感じられる体育館のようなものが見え、その中から一際大きい気を......己の姉である織斑千冬を見つける。何はともあれ、今は入るのみ。
「千冬ロットォォーーーッ!!」
◆
ズゴン......その様な鈍い金属がぶち破られる音が体育館に響いた。
「えっ?」
この時丁度入学式にて生徒会長として、新入生達に向けてこの学園に関する説明をしていた更識楯無。今この体育館こと入学式会場には全校生徒、全職員、保護者と言った者達が集っていた。その中でも今己が話をしていてこの場が静かだったから、余計にその音が大きく聞こえた。
「千冬ロットォォーーーッ!!」
その叫びと共に上半身半裸の白目緑髪の筋肉ダルマが落ちて来た。もう一度言う。上半身半裸の白目緑髪の筋肉ダルマが落ちて来た。
「き......」
「き?」
「きゃあああああぁぁぁ!?」
「へアッ!?」
叫ぶなと言うのが無理な話だ。後にこの時の事を更識楯無は「永遠のトラウマ」と話している。この叫びが切っ掛けでこの場が悲鳴の嵐となった。
◆
「黙れェェェェ!!」
あまりにも五月蝿いので気を放ちながら一回叫んで先程、俺が入ってきた時のように静かにさせる。
「おい、貴様」
「わ、私?」
「貴様以外に誰がいる。織斑千冬ロットは何処だァ?」
俺の問に対して目の前で腰を抜かしている女に姉の居場所を訪ねる。女が指を指した場所を見ると白目を向いてる姉が居た。俺は己が顔が笑顔になるのを知覚しながらも姉に近付く。
「動くな!」
「怪しい奴め大人しくしろ!」
この場にいた警備員2人が俺の前に立ち塞がる。悲しいかな。その程度の力でこの俺を止めることは出来ぬぅ!
「ふひひひ!
さあ、どちらから遊んでやるかァ」
「ひっ......「ビビるな、攻めろ!」......は、はい!」
警備員は勇敢にも一夏に対し、拘束しようと動く。
「ごっ!?」
「ぎいっ!?」
しかし、立ち塞がる警備員2人と俺では、あまりにも背の大きさが違い過ぎる。故に巨大な手で頭を掴まれぶら下がりになってしまった。相手が避けようとする前に一瞬で掴んでしまえば逃がさず捕まえられる。そもそも、コイツら恐怖で足が震えている故、あまり動けなかったのがオチだ。何処からか悲鳴が聞こえたが無☆視です。
「お前は昼間の星にしてやろう」
「何をっ!?」
左手に持つ警備員の男を中心に球体の気を作り上げ、それを体育館の天井に向けてぶん投げる。そして天井を突き抜け蒼天の空に上がっていった男はデデーン☆という音ともに緑色の爆発の中に消えた。会場からは物凄い衝撃が伝わるのみで、それがより一層恐怖を強める。
「お前も......昼間の星にしてやろう」
「嫌だ、死にたくない......死にたくない!」
先程のものであの警備員がどうなったのかは誰もがわかる話で、それを理解している警備員の女が泣きながらそう言う。でも俺は『楽しい』からやる。それがこの俺の本能だからだ。
「ふおぉぉ!?」
先ほどと同じく、俺は警備員を昼間の星にしてやった。うむ、綺麗だ。さーて、我が姉は......
「やあ☆」
「い、一夏......」
◆
会場は異様な空気に晒されていた。世界最強『織斑千冬』、それに対して目の前に立つのは摩訶不思議な不気味な力を示す悪魔の様な男。
「......我が姉ながら、慕われた者だなァ?」
「貴様も、我が弟ながら凄まじいと褒めたい所だよ」
会場はざわついた。織斑千冬が目の前にいる男を弟と呼んだのだ。それはつまり......行方不明、もとい死亡者扱いされていた織斑一夏だとこの場の人々は知覚する。
しかし、あまりにもその姿に差があり過ぎる。
「だが、今は気を抑えろ。」
「ほう......貴様は俺に対して他人に気を使えと?」
「それぐらいは誰だって出来る。お前もそうだろう?それにお前が今来たことで、本来この式の最初に紹介するつもりだったのを態態遅らせたんだ。それぐらい許せ」
「......ちっ」
そう言われ一夏は気を抑え通常形態に戻る。それと共に身長が縮み、緑髪白目から黒髪黒目に変化する光景に誰もが言葉を失った。
「一夏、先程の警備員は死んだのか?」
「いや、生きてる。」
そう言うと一夏の入ってきた天井の穴から先程の警備員2人が落ちて来た。なんという事だろう......まさかの無傷である。
「あ、あの......織斑先生」
「ん?なんだ山田君」
そんな中、千冬の隣に座っていたこの学園の教員である山田先生が千冬に訪ねる。
「そこにいる彼が織斑先生の弟さんだと言うのは分かるんですが、何故ここにいるのでしょうか?」
それに対して千冬はあっという表情をして、それを見た一夏は「言い忘れてたのか」と愚痴る。千冬は一夏に「付いて来い」と言って、あっけらんとしている会場の登壇場へと跳躍して一夏もそれに続く。未だに訳が分からず腰を抜かし放心している楯無に対して千冬は「今は自分の席に戻れ」と背中を軽く叩いた後一言言う。それで気を戻した楯無はフラフラと席に戻ったのを見送ったあと登壇場のマイクを取り千冬は喋り始める。
「新入生・在校生・保護者の皆様方、おはようございます。私はこのIS学園で教鞭をとらせて頂いてますISの実技及び専門学担当を行っています織斑千冬です。」
千冬は凛とした態度と声でそう言う。伊達にISで世界を制した訳では無い。その身から出る覇者としての風格、カリスマ性が出てこの場の空気が張り詰める。
「本来なら、この式の初めにご報告する予定でした。しかしこちらの都合により、今その報告を行う事をお許しください。
こちらの私の横に立t......浮かんでいる男、これは数年前に世間一般で亡くなったと報じられた私の弟である織斑一夏です。そして、『世界で初めてISを動かした男性』です。」
その一言に会場がざわついた。それに対して一夏が千冬に小さな声で「コイツら殺していい?」と言うが「却下だ。」と言われそっぽを向いた。
「彼は今年度の新一年生として3年間、このIS学園に入学させて頂きます。
初めての男性IS搭乗者として、保護も兼ねての決定になります。────一夏、挨拶しろ。」
黒曜石の様などす黒い目でこの場全体を見渡して、一夏は千冬から投げもらったマイクを手に浮かびながら喋る。
「えー......ISをファッションとでも勘違いしている虫ケラ共、初めまして女尊男卑の被害者の織斑一夏だ。
なんかISなんてモンを動かせたからここに来させられた。何処の誰と同じクラスになるかは知らんが、よろしくされるつもりもするつもりもない。そこの所覚えとけ。」
さらっとそう言ってマイクを千冬に投げ渡した一夏。それに対して千冬が「限度というものがあるだろう」と言うが、一夏は「視線がうざったい。」と言って不貞寝し始めた。