伝説の超日本人一夏君   作:A.K

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伝説の超日本人一夏君6話

「むぅ......」

 

 

 あれから数刻、現在俺は自分の在籍するクラス......一年一組の教室にいる。流石に俺程の長身者が入ることを想定してなかった扉は、俺にとって小さ過ぎた。なので扉を曲げて無理矢理入った。席は......『教室の一番真後ろ』で、最初は中央列一番前の席だったのだと言うが俺の巨体では授業妨害になる為急遽こうなったのだと言う。

 教師が来ないので暇でしょうがなく、俺は小さ過ぎる椅子には座れないために舞空術にて空中に浮かんで待っている。学生服?んなモンあるか。

 

 

「......チラチラ見るんだったら堂々と見ろ」

 

 

 チラチラと見てくるのが不快でしょうがない。一人だけ両手を併せて南無南無としてた奴は俺を仏像とでも思ってるのか?

 俺がそう言うと餌に食いつく魚のようにクラスメイト達が俺の方向を向いて話し掛けてくる。ドイツ軍基地ではこうは簡単に話しかけてくる奴らはいなかった。数週間の間を経てやっと話しかけられたぐらいだと言うのに、ここにいる奴らはある意味図太いというのか興味本位が勝ってるのかと思える。

 

 

────ふん。そんな事気にすることでもなかろう

 

 

 最近の話だが、あの夢で接触した俺の体にその一部が埋め込まれている『伝説の超サイヤ人』であるブロリー。その意識がどうやら俺の体の中で芽生えたのだ。最初はほんの小さな声が聞こえるぐらいだったが、何度も夢で接触して更に日常生活でその意識が俺に話しかけてくることにより認識させられた。ブロリーの意識がある時、頭の中で糸がピンと張っているような感覚がある。 俺はその内にブロリーが体を勝手に動かしてしまうのではないかと思っている。まあ暴れることは好きなので別に構わんが。

 

 要は俺の体は俺と伝説の超サイヤ人ブロリーの二つの意思があり、その内ブロリーが勝手に体を動かしてしまいそうになっているという事だ。

 

 

────早く暴れ回りたいブロリーです......はい。

 

 

 俺は目を閉じ頭の中でブロリーに話し掛ける。

 

 

(アンタは......どうやってこの星に来たんだ?)

 

 

 純粋な気持ちをぶつける。このブロリーは俺......地球人から見れば大いなる大宇宙からやって来た宇宙人であり、その身一つで宇宙を移動出来る。好き勝手に銀河間を行き来して、暴れ回っていた。夢からすれば『異世界』......そこから世界を跨いでどうやってこの星に辿り着いたのか。

 

 

────............屈辱的な事だがオレはカカロットに負けた。クズ共のパワーを集めた程度の力に負けぬと、死に損ないのカカロットなぞに負けぬとなァ

 

(夢の通りなら、アンタは負けた。)

 

────確かにそうだ。カカロットはあの時、ほんの一瞬だけオレのパワーを上回った。腹を貫いて、オレの気が暴れ膨張し......己の内側からの爆発とあの星の爆発で死んだ。気が付いたら貴様の中にいた訳だ。

 

 

 それこそ夢の通りであり、ブロリーはカカロットの一撃で死んだのだ。だがそれ以降の事は分かってないみたいだ。

 俺は確か昔見た漫画で、謎の光や空間に吸い込まれ別の場所or別の世界に転移すると言うものを見た事がある。もしかしたらそういう経緯でこの世界に来たのかもしれない。

 

────なんなんだァ......それは?

 

 

 戦い食うこと以外は何も知らず、人生は常に戦いと共に生きてきたブロリーにはよく分からなかった。だから脳筋なんて言わ『ポーヒー』.....ギャアアアアアアア!?

 

 

────ほれ、どうやら来たようだぞ

 

 

 一夏はブロリーにそう言われ、千冬の気が近づいているのを知覚する。しかし、ブロリーに千冬のことを教えてないので何故知ってるのかと聞こうとした時にはブロリーの意識がある時にある感覚が無くなっており、意識が深く沈んでいた為聞くのを諦めた。

 

 閉まっていた教室の前扉が開いて、緑髪の女性が入って来た。一夏は中学生・高校生......いや、それ以下か?と考えた。しかし、女性の胸が実に豊満である為其の考えを捨てて喋り出した女性の言葉を聞く。

 

 

「皆さん初めまして!

 わたしはこの一年一組の副担任を務めさせていただきます『山田真耶』と申します。これから一年よろしくお願いしますね!」

 

 

 まさかの教師であった。いやいや、幾ら何でも見た目若すぎじゃねえか!?あれで俺より年上なのか!?

 

 

────ぬう。なんだ珍しく騒がしい......

 

(見てくれブロリー。今前にいるあの緑髪の女、アレで俺より年上だってよ。)

 

────サイヤ人も見た目の割には若い事なんて当たり前だァ。 戦う為に若い状態が異様に長いからな.....まあ親父ぃから聞いた事だがな。

 

(なんでだ?)

 

────戦う為以外に何がある

 

 

 

 そうこうしていると緑髪の女性の話は終わったようだ。そして、その終わった丁度のタイミングで教室に姉が入って来た瞬間、ソニックブームが起きたのではないのかという衝撃が鳴り響いた。窓を見れば窓ガラスに罅が入ってるではないか.....

 

 

「やはり、千冬ットは女にはモテるようだな?ええ?」

 

 

 千冬は瞬間移動をしたかのような速さで浮遊している一夏の前に移動し拳を振るうが、一夏はそれを膝で簡単に受け止めた。空気が破裂したような音が鳴り響き、教室にいた人々は突然の破裂音に驚き叫び声をあげるのをやめて音の鳴った方角を見た。

 

 

「言ってくれるじゃないか。え?

 誰が! 男に! モテナイ! 売れ残りだぁ!?」

「そこまで言ってないだろうが」

 

 

 千冬が激しい連撃を繰り出し、一夏が全て膝で受け流す。それだけでクラスにいた人々はドン引きした。暫く続けていると、千冬は拳を下ろし一夏に問う。

 

 

「学園では織斑先生だ馬鹿者。

 なぜずっと浮かんでる?」

「小さ過ぎるんだ。見てみろ......(メコォ)......潰れたぞォ!」

「......業者に特注の椅子と机を作らせるから、それまで机はそのまま使え。」

 

 

 肩を下ろしてそう言い、教壇の前に立つ。

 

 

「さて諸君。私は織斑千冬......知っている者も多いが、かつてISの世界大会モンドグロッソを制した者である。だが今この時からそんな事忘れろ。

 今諸君等の目の前に居るのは『IS学園の一教師』としての織斑千冬であり、弟を守れなかった愚か者だ。

 私の教師としての仕事は、貴様らISの道を選んだ小娘共を正しき心を持って未来に向かわせる事だ。」

 

 

 千冬はそう言って一息つき、「私には許せない事がある」と言う。

 

 

「私は『女であるからして男より偉い』何ていう今ある女性主義者が根っから大嫌いだ。近年、その様な連中が世の中威張り歩いているのが非常に不快に思う。

 私が弟の為に、そこに居る織斑の為に頑張って掴んだ栄光。それを見ず知らぬの人間に勝手にいいように使われているのは許せん。

 そんな連中が弟にちょっかいを出していた事についても私は許せない。大事な弟が傷つく要因を作ってしまった私自身も許せないと思っている。」

 

 

 そう言って千冬は教室を一瞥してから再度喋り始める。

 

 

「何人か今私が言った言葉に対して不服そうにしているな。別に私の言葉に従えなんて言うことは無い。だがな、私が受け持つ生徒が馬鹿げた理由で他人に迷惑をかける様であれば指導する。徹底的にな。

 

 結局、『今は男より女が強い』なんて言葉は『女がISを纏っている』時だけだ。 そうだな......オルコット、貴様そんなはずは無いと思ってるようだな?」

 

 

 唐突に指名された生徒......金髪のロール髪の生徒が身体を震わせ、その言葉に反応する。

 

 

「いえ、そんな事は......「お前の顔を見れば分かるさ。」......」

 

 

 千冬は釘を指したのだ。1年生の中でも一際プライドが高く、そして高い身分でもあるこの生徒。IS学園の第一学年では毎年この様なもの程そのような傾向がある。

 千冬は一夏が失踪してから初めて、弟の友人達から学校で......地域で迫害を受けていた事を知ったのだ。一夏本人は気にしてないようだが、千冬はもう二度とその様な事を受けさせないようにとその決意を固めているのだ。

 

 

「織斑。中学一年の頃の貴様に、ここに居る生徒は勝てると思うか?」

 

 

 一夏は千冬が言った頃の普通だった己を考えてみる。一夏はある年齢になるまでは武道......剣道をやっていたが、それを過ぎてからは我流剣術をやっていた。迫害のせいでそれなりに喧嘩もしてきた。それ故にその辺の素人なら負けることはないと思った。

 

 

「無理だ。と言うか普通の生徒が生身での戦いなんざした事ねえだろう。

 まあ......こんなかであの時の俺にギリギリ勝てそうなのはそこのオルコットとか言う小娘。」

 

 

 そう言った。普通の......一般の男女の身体能力、それも10代の男女となれば大きく差がある。個人差もあるがやはり男女の身体能力差は、覆しようのないこともある。

 

 

「俺から見れば......そうだな、相手になるのはそこに居る元世界最強とあの人だけだろうよ。」

 

「単純に言ってみれば、今の世の中の女は思い上がってる。単純にISという兵器にもなるモノでな。」

 

 

────────────────────────

 

 休み時間。学生生活にて一番初めの休み時間と言うのは新しいクラスメイト達と仲良くなり、親睦を深める時間だろう。だが、俺は違う。

 教室・廊下......その隅々まで女子生徒で溢れており、その視線は俺に注がれていた。どうでも良いがな。

 

 椅子は俺が座ったらジャンクになったので浮いたまま。余計に目立つが地面に座ってたら、それはそれで女性主義者共が調子に乗る......結局この方法しか案はなかったのだ。

 ふと、視界の端になんだか見覚えのあるポニーテール女子が見えた────が、無視☆

 

 

「ハァ☆......って、違う!?」

 

 

 面倒臭い感じがすると思い視線を逸らした。しかし、ズボンの一部を掴まれ空中に浮いてる一夏は風船の如く何処かに連れ去られた。そして気付いたら屋上で、屋上のdoorは破壊し尽くされていた(なにもかも御終いだァ)。

 

 

「久しぶりだな一夏。」

 

 

 破壊し尽くされた屋上扉前には覗き込む生徒達がおり、一夏は気でそれを認知していた。自分を一夏と呼ぶ女子生徒はそう言うが一夏は反応しない。

 

 

「......」

 

 

 単純に分からなかった

 記憶から消えていた

 

 そんな単純な事だった。

 

 

「おい!?」

「......誰だァ?お前は。」

「なっ!?私だ!篠ノ之箒だ!分からぬのか!?」

 

 

 一夏の前にいる女子生徒......篠ノ之箒は、告げられた言葉に対してそう言う。

 

 それもその筈だ。なぜなら初めての出会いから篠ノ之家と別れるまで、一夏にとって篠ノ之箒という少女......スゴクシツレイ!という言葉を体現していたのだ。

 最初は篠ノ之箒の親である篠ノ之柳韻が師範を務める『篠ノ之剣道場』に入り、篠ノ之箒から剣道について色々教えてもらってただけだった。しかし、その後、何とも我が物顔でなにかと無理矢理どこかに連れ去るなど一夏の都合なんてなんのその。小学生のまだ一夏と篠ノ之箒が同じクラスであった当時、同じクラスの女子生徒と話していたら急に怒鳴り散らすなんてことは多々あった。それは段々とエスカレートし、遂には一夏の人間関係にも影響が出てしまった程である。

 これには篠ノ之箒の親である柳韻も織斑宅まで来て土下座で謝る程であり、一夏は気にしてなかったが表面上はその謝罪を受け取った。結局、それ以降も篠ノ之箒の行動が変わることなくとある理由で転校するまでずっと続いた。転校後、一夏はあまりにもどうでも良い事であった為にこの一連の事を全て頭の中から消し去った。そのついでに『篠ノ之箒という少女が居た』という事も頭の中から消し去り今に至る。なお、これに気付いてるのは姉である千冬と篠ノ之箒を除く篠ノ之家全員。

────一夏からすれば完全に初対面で、篠ノ之箒からすれば数年ぶりの再開となるの事を一夏は知らない。

 

 

「は、ははは......な、なにを馬鹿なことを。

 もうダメだ…おしまいだぁ…。」

「一つ言っておくぞ箒とやら。」

 

 

 一夏は両手両膝を地に着き落ち込んでる箒に対して言う。

 

 

「俺はある事で昔の記憶が消えてしまってな。

 恐らく、その消えた記憶の中にお前が居たのだろう......だから俺は知らんがお前は俺と会うのは久しぶりだな箒?」

 

 

 記憶が消えたのなんていうのは嘘である。だが、あまりにも落ち込んでる箒を見た一夏のせめてもの情だったのだ。

 

 

「っ......一夏ァッ!」

「へアッ!?記憶消去ォォーーッ!!」

「「「「ちょ!?(ポーヒー)こっち来るるる......ギャアアアアアアア!?」」」」

 

 

 急に抱きついてきた箒に戸惑い驚きの声を上げる一夏。その瞬間を目撃した屋上の破壊し尽くされたドアの前に居た女子生徒達に気弾を投げつけ、爆炎が広がった。

 南無三!除いていた女子生徒達は真っ黒アフロヘアー化し、アフロの山となっていた。ナミアムダブツ!

 丁度その時、授業開始のチャイムが鳴る。腰にガッチリとホールドを決める箒ははがすことが出来ない。ならばこのまま教室まで行くしかない!

 

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 飛ぶ!

 

 走る!

 

 

 一夏は箒に腰をホールドされながら急いで教室に戻る!教室を気で探知するがまだ教師が教壇に立っていない......間に合ったかと思いそのまま先程破壊し入り口が大きくひしゃ曲がった扉を潜る。

 

 

 

「ぬお!?」

 

 

 足に何かが引っかかった一夏。もの凄い勢いで回転しながら教室の窓を突き破り校舎外に落ちた。その光景を窓から見ていた人物がおり、その手には目を回して気絶している箒の姿があった。

 

 

「腐☆腐......間に合ったか!?と思っていたお前の姿はお笑いだったNA☆

 私は気配を消す技術を身につけたのだ!フゥアッハッハ☆」

 

 

 千冬だ。我らが最強と最凶(混沌)を極めし一要因である。高笑いしているその姿を見ている教室に居た生徒達は顎をあんぐりと開けて思考停止中である。

 

 

「そうか......ならばオチらせるまでがお約束だよなァ?」

「ゑゑゑゑ!?」

 

 

 千冬は背後から掛けられた声の主に気付き、そしていつの間にか己が何かの中に入っていた事にも気付いた。 窓だと思われる所から一夏の凶悪な顔がこちらを捉えていると。

 

 

「そうか(諦め)......私は(流れを理解 )」

 

 

 なんという事だろう。千冬が入った謎の球体......サイヤ人印の一人用のポッドを変身した一夏が、両手で持ち上げもの凄い勢いでポットを潰していくではないか!

 

 

「おおお!?これが私の(ギャグ補正の)運命だと言うのか......!?はぁ(ため息)」

 

「うぅぅ......ぉぉぉぉぉぉおおおおおおあっ!!」

 

 

 千冬は流星になった。

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