歯車戦記   作:アインズ・ウール・ゴウン魔導王

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今回あんまり話が進んでない気がする。

皆さんすいません…。


第20話

─グロズィニグラード監獄区域・牢獄─

 

 

 

 

 

ヴォルギンによって捕らえられてからはや数時間、スネークと少女は牢獄で脱出のタイミングを図りつつ、体力を消耗しないよう休息を取っていた。

 

牢獄の中、少女はベッドでシーツにくるまり、寝息を立てている。

対してスネークはベッドからのそりと起き上がると、無線機を操作しだした。通信相手はソ連から貸し出されている軍事衛星を中継して、アメリカ合衆国でスネークのサポートに24時間体制で張り付いてくれているゼロ少佐。

 

目的は今スネークと共に牢獄にいる少女についてだった。

 

 

 

「こちらスネーク。ゼロ少佐、応答を」

 

<<ああ、聞こえている。どうしたスネーク?>>

 

「彼女について…EVAの護衛だと言っていた少女だ。彼女は、未だに正体が分からない。信用出来るのか判断を仰ぎたくてな」

 

<<スネーク、確かに彼女は所属も正体も不明だ。だが君に害を為そうとしないのは、彼女の目的もまた君と一緒だからだ。少なくとも目的を果たすまでは安全な筈だ>>

 

「ああ…かもしれないな。それと少佐、もしかしたら彼女の正体に繋がる手掛かりになるかもしれない情報があるんだ。だが俺はそういった道には詳しくないから、手を貸して欲しい」

 

<<もちろんだとも。それで情報とは?>>

 

「彼女の左腋下にアルファベット…恐らくは血液型が彫られていた。何か心当たりは?」

 

<<待てスネーク…まさか君は無防備に眠っている衣服を纏わない少女のシーツを剥いで腋を眺めたというのかね?>>

<<医師ではなく人間として言わせてもらうけど、貴方最低ねスネーク>>

<<おいおい、そりゃ許されないぜスネーク…あんたにゃ失望したよ>>

 

 

何気なく先ほど気付いた話をし始めたスネークだったが、返ってきたのはゼロに加えていつの間にか無線のやり取りを聞いていたらしいパラメディック、シギントによる軽蔑を込めた非難だった。

勘違いと軽蔑混じりのいわれのない不名誉な扱いに対してスネークは慌てて釈明する。

 

 

「ちょっと待ってくれ!シーツを剥いだんじゃない!彼女が寝る前、俺に怪我した左腕を見せてきた時にたまたま見えたんだ!決してそんなことはしていない!」

 

<<それならばいいが…パラメディック、シギント。どうやら大丈夫そうだ、軍警察への電話は必要無い。さて、それで血液型と言ったかね?>>

 

「………。少佐、あんたは軍人・左腋下・血液型と聞いて何か彼女の正体に心当たりはないか?」

 

<<左腋下に血液型…いや、まさか………ふむ、スネーク、よく聞け。今から言うのは憶測だ。ゆえに彼女には黙っていろ>>

 

「?ああ…分かった」

 

<<第二次大戦で、左腋下に血液型を彫る連中がいた。目的は負傷の際に一般兵士よりも優先的に輸血を受けるため───そして戦争終結後、連中は戦争犯罪に関わっていようがいまいが追及と処罰を逃れるため同僚・信奉者のような小さな組織からバチカンといった世界的宗教権力のような大きな組織まで頼り、あの手この手で国外脱出や米露両陣営に機密や敵対陣営の情報を手土産に身柄の保護を求めた>>

 

「少佐、そいつは…」

 

<<ああ、NSDAP(ナチス)だ>>

 

「おい、食事だ」

 

 

牢獄に入れられてからそれなりに時間が経過していたらしい…通信の最中、スネークが空腹を覚え始めていた頃、牢獄を巡回する監守がスネークとヴィーシャの食事を持ってきた。

 

 

「少佐、済まないが監守の兵士が来た。また後で連絡する」

 

<<ああ分かった。だがスネーク、さっきも言ったが今のは憶測でしかない。何より彼女の年齢が経過年数と合わない…連中の一員だったという確率はかなり低いだろう>>

 

「判った」

 

 

まだ少女の正体は分からない。だがもし少女が本当にあの大戦の元凶たるナチスだったならば…自分はどうするべきなのだろうか?

だが考えても、答えは出ない。

だが、とにかく今は腹ごなしである。ここから脱走するためにも体力を取り戻さなければならない。

 

さて、目の前には監守が持ってきたのは質素な2つのトレー。右のトレーに載せられているのはあのクソ不味いソ連のレーションの中身と一杯の水、対して左のトレーに載せられているのは手のひらサイズの黒パン2切れにボルシチと子供の拳サイズの焼いた牛肉の塊にオレンジジュース、板チョコレートだった。

 

スネークが監守を見ると、監守も監守でスネークが言いたいことを理解したのか、なんか申し訳なさそうな声でトレーの内容物の違いを説明し出した。

 

曰く右のトレーは通常囚人や捕虜に割り当てられる一回の食事であり、左のトレーは隠れ信奉者とかデレデレなコックとかいった連中が今の境遇に同情して差し入れのように集めてきたた食事。

 

 

「言うまでもないとは思うが、あんたのトレーは右だからな」

 

 

それが監守の説明であり、注意であった。そして少女は少女で、食事の匂いに釣られてか突然ベッドから起き上がるとスネークの側へと寄ってきた。そして監守はというと、先ほどのスネークへの申し訳なさそうな説明は何だったのかと言わんばかりの迷いなき動作で「どうぞ、皆からの差し入れです」と左のトレーを渡したのだ。

 

少女はトレーを受けとると、ベッドに腰掛けてフォーク片手に「頂きます」と食べ始める。

 

 

「スネークさん、食べないんですか?」

 

 

監守が離れていき、少女が美味そうに牛肉を口に放り込む中、スネークは非常に釈然としない不平等感を心の片隅に残しつつ、あのクソ不味いレーションで腹を膨れさせることに専念した。

 

食事が終われば次の尋問まではやることがない。少女は膨れた腹を満足そうに撫でながら再びベッドへともぐり込んでいた。スネークはこれといって眠気を感じておらず暇をもて余していたが、ふと少女が残したチョコレートに気付いた。

 

チョコレートを見ていて、ちょっとした事を思い付いた。トレーから拾い上げて監守を呼ぶ。

 

 

「おい」

 

「なんだ?」

 

 

監守が気付いてスネークに近寄ってきたので、スネークは先ほどのチョコレートの余りを「彼女が残したんだが、食うか?」と差し出した。

 

 

「お、悪いな!」

 

 

監守は空腹を抑えてたらしく、礼を言うと半分ほど残っていた板チョコレートを頬張り、あっという間に食べ尽くした。

そしてスネークに向き直ると、少し照れくさそうに話し掛けてきた。

 

 

「お前、良い奴だよな。本当、アメリカ人も中には良い奴いるよな」

 

「そうか?」

 

「そうさ。俺な…戦争が始まる前は、アメリカに住んでたんだ。結婚もしてたし子供もいた。自営業でな、妻と一緒に小さなパン屋をやってたんだ。でも冷戦が始まってから急に客の通いが悪くなってな…店前でビラをまかれたり、罵りが書かれた紙を貼り付けられるようになったんだ…通りを歩いていても、周りの人たちから憎しみが籠った目で見られることも毎日だった」

 

「ああ…」

 

 

つまりはナチスドイツ政権下でのユダヤ人や、ルーズヴェルト政権下の日系人に対する弾圧・迫害と同じことである。民衆の憎しみを受ける者を故意に作り上げることで不満の捌け口にし、政府への不信感を和らげる。

 

だがこの場合、政府が作り出さずとも国民は共産主義を掲げるソ連そのものを敵視していた。そしてソ連を敵視するということは、同時にソ連に住む人間───すなわちロシア人への憎悪すら生み出したのだ。

 

 

「家族はアメリカ人だったから、離婚したんだ。そしてこうして祖国に帰ってきたけど、どこにも雇われなくてな。たまたま知り合いが政府のそれなりの職にいたから、その伝で軍に入った。何とか努力して這い上がってみたら、こんなクーデター企むGRUに配属されちまってな…けど向こうじゃ、俺と離婚したから妻は親戚の手伝いで何とか店を続けられてるらしい。少しホッとしたよ…でも、凄く寂しい…家族に逢いたい…」

 

「辛いな…」

 

「ああ、けど…あんたほどじゃない。っと、そうだ…ほら、これ。あんたのだろう?大佐があんたから取り上げた装備品の中からくすねたんだ」

 

 

監守の軽い身の上話が、いつの間にかしんみりとした話になってしまったため、重苦しくなってしまった雰囲気を壊そうとしたのか、監守は懐から煙草の箱を取り出すと、スネークへと手渡してきた。

 

監守はただの煙草だと思っているのかこれといって何も言ってこないが、スネークはその煙草に見覚えがあった。

グラーニンの設計局に潜入した際にこっそりと拝借した品だ。しかし葉巻が切れた時用にとくすねた煙草は、グラーニンがスパイ用に開発でもしていたのか、強力な麻酔ガスを噴出する道具だったのである。

 

たまたま味を確認しようと火を着けて吸ってみたのだが、先はチロチロと燃えているにも関わらず煙草の味はしなかった。

一応確認のためと口に含んだまま息を吐いてみると、煙草の先から白い霧状のガスがプシュッと噴出したのである。

 

煙草を割ってみると、中からは小さな機械が出てきた。そこでシギントに無線でコールを入れて機械の特徴を伝えると、それは最近ソ連で開発されているKGB用のスパイ道具だとの事だった。『要人はまさかその煙草に麻酔ガスが仕込まれているとは思わない筈』といった感じで設計されたが、アメリカは早々に情報を入手。

 

情報を入手され、利用目的が露見したことに気付いたソ連は使用を中止したらしい。恐らくはその使用中止となって無用の長物と化したものが、たまたまグラーニン設計局にあったとだろうとの事だった。

 

スネークはこれを脱出のチャンスだと考え、監守に礼を言いながら煙草を受け取った。監守を無力化する算段はついた。後は牢獄の扉を開ける手段だけだ。

というよりは、監守を無力化する算段は他にもあったが煙草型麻酔のお陰で解決しただけ───むしろ一番の問題は扉であった。

 

何しろこの牢獄の扉は、鍵穴式ではないからだ。シギントに無線で助言を頼んだところ、今ソ連では一部の牢獄に対して試験的に電子ロックを導入しているらしく、グロズィニグラードの牢獄もその電子ロックを試験的に導入しているのかもしれないと言われた。

 

しかし電子ロックは未だに不完全な技術であり、ちょっとしたトラブルで開かなくなるなんて事態はザラで、場合によっては無関係な放送や送信でも周波数や電波が合致すると開いてしまうというトラブルすら頻繁しているらしい。

現状、合致する電波を送信する以外に脱出方法はない───つまりはスネークの持つ無線機を使い、片っ端から周波数を合わせていくというしらみ潰しの方法しかないということになる。その方法しかないと気付いたスネークの顔は、非常に面倒臭そうな歪んだ表情であった。

 

とりあえずまずは、監守を無力化する前に合致する周波数を見付けなければならない。もし先に無力化しても、周波数を調べているうちに起きてしまうからだ。まずは監守に不信がられないように、スネークは会話を切り上げようとした。

 

 

「いい父親なんだな…あんたの息子も、きっと鼻が高いだろう」

 

「ああ、そうだな…ちなみに息子はジョニーって言うんだ。そして、俺もジョニーだ。面白い話なんだが、うちの家系は代々生まれた長男にジョニーって名付けるのが決まりなんだ」

 

スネークは会話を切り上げようとしたのだが、息子の話はまずかったらしい。監守の息子の名前から始まり、ついには代々ジョニーと名付けるんだといった一族話に発展してしまった。

 

 

「だからクルスクに住んでいた祖父の親族に至ってはジョニーばっかりで、学校時代はまとめて名前を呼ばれるのが当たり前だったんだとよ。あ…それとな、これは俺の家族の写真なんだ。」

 

 

スネークが若干ウトウトし始めた辺りで、監守ことジョニーは、スネークに家族だといって一枚の写真を見せてきた。

スネークは残った気力で写真を眺めていたが、ふと写真の裏に記載されたある数字が目に入った。

 

 

「なぁジョニー、突然だが…もしかしてなんだが…お前はメモが好きなほうか?」

 

「ん?ああ、俺は忘れちゃまずいものはどっかしらにメモするんだ。何せ過去にそれで大佐から大目玉食らってさ…でも、なんでそう思ったんだ?」

 

「たまたまだ。ありがとうジョニー、家族の話を聞かせてくれて。もし俺が生きていたら、また聞かせてくれ…それと、お前がくれたこいつ(煙草型麻酔)で一服したいんでな。火をくれないか?」

 

 

スネークは差し障りないようにジョニーとの会話を切り上げると、煙草を一本口にくわえて火をくれと頼んだ。ジョニーはこれといって疑うことなく、懐からライターを取り出すと、着火してスネークの口元の煙草へと近づけた。

 

 

 

 

プシュッ!!

 

 

 

 

ジョニーが顔を近づけた瞬間、スネークは煙草に息を吹き掛け、麻酔ガスをジョニーの顔目掛けて吹き掛けた。ガスは一気に霧状に広がると、もろに浴びたジョニーをあっという間に睡魔へと誘った。

 

スネークは麻酔で意識を朦朧とさせ、ついにはバタリと倒れ込んでしまったジョニーが、しっかりと眠ったことを確認すると、無線機を操作しだした。

ダイヤルを回しながら周波数を変えていき、目的の周波数にダイヤルを合わせると、成功を祈りながら通信電波を発する。

 

スネークが無線機から発した通信電波は、届く相手のいない電波を発し続ける。だがまだ開かない。

 

 

「駄目か…」

 

 

失敗だったとスネークが落胆した数秒後、電子ロック扉は、機械的な電子音を響かせるとカチリとロックが外れる音を響かせた。シギントの情報をもとにしたが、はっきり言って博打であった。これまでのソ連における電子ロックトラブルはあくまでもトラブルだからだ。いくらグロズィニグラードが試験的に使用しているからといって、必ずしも同じ事象が起きるとは限らなかった。

 

しかし今回スネークはその博打に勝ち、電子ロックのトラブル誘発に成功したのだ。これでスネークの脱出を阻むものはない。スネークは電子ロックの外れた格子を掴むと、一気に引く。ガラガラと小気味良い音を立てながら格子は難なく開いた。

 

スネークは少女へと向き直ると、彼女を呼ぶ。

 

 

「おい、脱出出来るぞ!早くしろ!」

 

「しばしお待ちをっと…」

 

 

だが少女は脱出の前にと、麻酔ガスで倒れこみ床に転がるジョニーの服を脱がし出した。

 

 

「待て、一体何をやっているんだ?」

 

「スネークさん…私は今身につけられるのがシーツだけなんですよ?ズボンを残してもらえた貴方と違ってね…そんな私に裸で雪がちらつくグロズィニグラードを彷徨けと?」

 

 

そんなスネークに対して少女が返してきたのは、トゲのある言葉と「頭大丈夫?」的なジト目であった。

 

 

「ああ…済まなかった」

 

「謝罪はいいですよ。とりあえずはこれも頂いていきましょうか」

 

 

少女はジョニーから脱がした軍服を着ると、彼が所持していたAK−47をスネークに投げて渡してきた。そして少女は、同じくジョニーが所持していた予備携行のマカロフと銃剣を手に取ると、弾倉のチェックをする。

 

 

「弾倉は一杯ですが、予備マガジンはどちらも無しです。多分今のように奪われた場合を想定しての脱走者対策ですね」

 

 

万が一脱走された場合に、脱走者に必要以上の装備を奪われにくいようにする。当然だろう。現実はゲームのように簡単ではない。

相手だって相応に思考して対処するのだ。

 

 

「無いよりはいい。とにかくまずはここから出て、場所を確かめないといけないな」

 

「任せて下さい。ここの地図はそれなりに頭に入ってるので、目印になる建物さえ見つけられれば今いる場所が分かります」

 

 

少女が大体の地図を記憶しているのはスネークにとって幸いだった。

ならば早速と牢獄から出ようとしたところで、スネークはふと思い出したことを少女に聞いた。

 

 

「少し済まない…今の今まで聞き忘れていたんだが、君の名前を教えてほしい」

 

「あ〜…確かに、私スネークさんに名前教えてなかったですね。う〜ん…教えて良いのかな〜?う〜…よし!どうせ私は今こんな境遇ですし、大出血サービスで教えてあげます!」

 

 

 

「ありがとう。改めて、俺はスネーク。君は?」

 

 

 

「では改めまして───私はヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフと言います。ヴィーシャとお呼び下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上が騒がしい。それはそうだ。くぐもってはいるがロシア語の怒声や返答なんかがひっきりなしに大声で飛び交っているから騒がしいのは当たり前。

原因は言わずもがな、アメリカのエージェントの脱走によるものだ。

 

そして、それを証明する無線連絡が来た。私の足元に寄り掛かって寝ている野良犬を撫でていた手を止めて、無線機のスイッチを入れる。

 

 

<<俺だ。アメリカのエージェントと一緒にいた女は脱走した>>

 

「ご苦労、上手くいって何よりだ」

 

<<ああ、あんたの言う通りにしたよ。写真の裏に電子錠の解除周波数も書いたし、あの煙草も装備からくすねたといって渡した。流石に麻酔煙草だとは思わなかったけどな…お陰で倒れた際に頭をぶつけたよ>>

 

「頭程度なら問題はないだろう、では囚人の居なくなった監獄を守る必要はもうあるまい。道は開けておいたので、グロズィニグラード西のヘリの駐機場へ向かいたまえ。テイルローターに『Ⅲ』と書かれたヘリで部下が脱出準備を進めている。君はそのヘリに隠れて、脱出まで待機したまえ」

 

 

無線越しに報告を聞き、何とか予定通りに軌道修正出来たことに安堵した。この分なら最終目的も達せられるだろう。

ちなみに部下から聞かされのだが、私にはヴォルギン大佐をあの世に送るべき理由が一つ増えた。

 

皆さんこんばんは、ターニャ・デグレチャフ少佐であります。

 

どうにかスネークは私の部下と共に牢獄からの脱出に成功したようです。少しばかりトラブルこそありましたが、間違いなくヴォルギン大佐は怒髪頂点でしょう。

なにせやたら自慢げに振りかざしていた尋問をスネークにヴィーシャ、更にはソコロフといった老人にまで口を割らせることに失敗した挙げ句、うち2人───つまりはスネークとヴィーシャがヴォルギンが去ってから数時間と経たずに脱走してるのだ。

本当にいい気味である。怒り狂うヴォルギンの顔を眺められないのが残念だ。さて、私は最後の仕上げに掛かるとしよう。

 

 

<<あ〜、済まないが、ちょっといいかな?>>

 

「む…まだ行ってないのか?一体何だね?」

 

 

無線から響いてきた先ほどの監守の声に、何事かと返答する。

 

 

<<いや、服はどうすればいいかなと…>>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………は?」

 




【グロズィニグラード監守:ジョニー】

食料盗み食いで罰として牢獄勤務になった兵士。プレイヤー達の人気者。
なおジョニーの家族や身の上話、ソ連での軍に入った理由は捏造。実際の設定あったらすいません。

【麻酔煙草】
設計理由やグラーニン設計局にあった理由、中身などは捏造。
主な使用方法は仁王立ちしてるヴォルギン大佐に吹き掛ける。


【写真裏の電子ロック解除周波数】
ジョニーが持つ家族の写真の裏に書いてあった解除周波数は、ジョニーがわざと書いた設定。
なお拷問部屋の解除周波数書いたカンペ持つザ・ソローは出番無し。

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