歯車戦記   作:アインズ・ウール・ゴウン魔導王

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ぬわぁぁん、もおぉん!!



はい、失礼致しました。なかなかシャゴホッド戦が終わらないよ…。


第27話

バイクを操るEVAの横、スネークとザ・ピースはそれぞれが得物を手に、未だに自分らをつけ狙うグロズィニグラードの兵士たち───そしてシャゴホッドで追いかけてくるヴォルギンとのチェイスを繰り広げていた。

 

 

「前よ!」

 

「ああ!」

 

 

EVAから敵の位置を知らされたスネークは、両手に抱えた分隊支援火器M63を構えると、前方を塞ぐように横隊になっていたGRU兵士達目掛けて雄叫びのように声を張り挙げながら斉射を行う。

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

大量の弾薬による制圧射撃を目的とした分隊支援火器の斉射を受けた敵は味方数人が打ち倒されると、慌てて躊躇なく突っ込んでくるバイクから逃れるように飛び退いた。

だが敵の防衛線を1つ食い破っただけであり、まだまだ敵は兵力を逐次投入を図っている。

現に新たな敵部隊が着々と集結し、包囲網を着々と縮めつつあった。

 

EVAはバイクを急旋回させて包囲網を構築しようとする敵の正面を避け、先ほどからスネークらを仕留めようと遮二無二に暴れまわるシャゴホッドが粉砕した壁の隙間を飛び越えた。

 

 

「っ!不味いわ…!」

 

 

だが窮地から脱したと思われた瞬間、EVAの呻きと続けて呟かれた言葉が、現状が更に厳しいものになったことをスネークとザ・ピースに示した。

 

飛び越えた先は兵器厰の正面ロータリーに繋がる場所であった。

 

そう、本来ならEVAの考えは敵の包囲網を抜けつつ、事前にヴィーシャの"上官"が味方に引き込んだ警備兵が担当する近道である東棟方面の門を抜けて鉄橋へとまっしぐらという予定であった。

 

しかしシャゴホッドと敵の包囲網を避けようと咄嗟に逃げ込んだ先は、門が閉ざされ敵が集結していた兵器厰正面ロータリー……これでは鉄橋へ向かうどころか施設を抜けることすら出来ない。

 

更に前方には多数の武装したGRUの兵士達、背後には現時点で最も最悪な兵器シャゴホッドが迫っている。退くも進むも出来ないデッド・エンド(行き止まり)の状況である。

 

しかしそこで、ザ・ピースが発した言葉がどん詰まりかと思われたこの絶望の状況を覆す。

 

 

「本棟だ。兵器厰本棟の格納庫を抜けたまえ…なに、液体燃料で程よく燃え盛っている建物を駆け抜けるだけだ」

 

 

その言葉にEVAはハッとして彼女───ザ・ピースへと振り返った。

 

ザ・ピースは背後に迫るシャゴホッドに対して無駄だと分かりつつも、表情を変えることなく手に持つM−16のマガジン交換をして発砲し続けていた。

 

だがその表情はこの状況を楽しんでいるのだろうか、口元にはうっすらと笑みを形作っていた。

 

 

「ええ、問題ないわ」

 

 

EVAは燃え盛る格納庫を見据えて、自分を奮い立たせた。

 

 

 

 

 

 

 

その時、バイクの前輪付近の地面に銃弾が撃ち込まれた。

 

EVAにスネーク、ザ・ピースがそちらに視線を向けると、そこには愛用するSAAを自分たちに向けて構えているオセロットが見えた。

 

あの爆発騒ぎのなか、オセロットは未だ執念深くスネークを付け狙っていたのである。

 

 

「さぁ、掴まって!」

 

 

EVAはオセロットから燃え盛る格納庫に視線を戻し、バイクのアクセルを回して勢いよく走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side オセロット】

 

 

 

爆発騒ぎで右往左往する味方を避けつつ、脱出を図ろうとしていた女スパイの操るバイク───そのサイドカーに乗り込んでいるスネークにようやく追い付くことが出来た。

 

しかしバイクは今にも走り出そうとしていた。連中を逃がすまいとホルスターからSAAを抜き放ち、バイクの前輪を狙って銃口を向けて引き金を引いた。

 

だがサイドカーに乗るスネークの背後───奴と背中を預け合わせるように其処にいた人物を見つけた瞬間、一瞬の驚きから銃口がぶれてしまう。

 

 

ザ・ピースであった。

 

 

グラーニニ・ゴルキーでのスネークとの戦いで、心臓を貫かれて敗北し自爆したと聞かされていたコブラ部隊兵士が、奴(スネーク)の脱出を手助けするようにシャゴホッド目掛けてアサルトライフルを撃っていたのである。

 

一瞬とはいえ拳銃でバイクの前輪を狙撃するにはかなりの距離がある。当然ぶれた銃口から放たれた弾は前輪には命中せず、至近距離の地面に当たった。

 

だがそのお陰か、スネーク達はこちらに注意を向けて、自分の存在に気付いた。今ならまだ逃走を阻止出来る筈である。

 

そう素早く決断すると、以前からグロズィニグラードに常駐していたガンスミスに注文していた品を腰から取り出した。

 

愛用するSAAに合わせて作製させたオーダーメイドのSAA用スケルトンストックである。

 

本来SAAは拳銃として開発された銃だ。すなわち遠距離や中距離射撃はまず考えられていない。

つまるところ他の拳銃類同様に近距離戦闘を想定した銃なのだ。

 

レッド9の愛称を持つモーゼルC96といった専用ストックが存在する銃もあるが、SAAは開発時期が西武開拓時代末期ということもあり、様々なバリエーションやモデルこそあれど射撃精度を向上させるためのストック等は存在しなかった。

 

だがスネークとの幾度かの戦いを経て、この銃を愛用し続けていく上ではそういったカスタマイズが必要な時があると考え、この専用スケルトンストックを用意させたのである。

 

ストックを素早くSAAのグリップ後方部分に差し込むと、ストックを右肩口に押しあてて再びバイクの前輪を狙う。

 

丁度その時、女スパイがバイクのアクセルを回して勢いよく走り出した。

 

安定した体勢からの射撃が可能になった今だが、走るバイクの車輪を狙撃出来るかは可能性としては半々である。

 

 

慎重に狙い、発砲。

 

 

だがやはり愛用銃とはいえ、使い慣れないストックを用いた精密射撃は難しい。弾は先ほどよりは更に至近弾ではあったが、命中はしなかった。

 

そこにお返しとばかりに、スネークに背中を預けているザ・ピースが手に持つM−16を構え、単射で3発撃ち込んできた。

 

 

「ちっ!」

 

 

真横にローリングで飛び退きザ・ピースの射撃をかわしたが、スネーク達は既に大分離れてしまっていた。このままではまた逃げられてしまうと、何か車両が無いか辺りを見渡した。

 

そこで目に入ったのはグロズィニグラードに配備されている軍用バイク数台であった。

スネーク達を追跡するために用意されていたのだろうバイクは、全てエンジンがかかったままである。

 

迷う間もなくバイクに駆け寄ると、ガソリンが満タンなのを確認しスロットルを回しつつ前輪を浮かせると後輪と足さばきで車体を方向転換してスネークらが逃げた方へと走り出す。

 

途中進行阻害のために設置された大人の腰の高さほどのコンクリート塀が現れたが、前輪を持ち上げつつ近場の段差を利用して飛び越えた。

 

 

「逃がさんぞ、スネーク!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「EVAくん、お客さんだ。あのカウボーイ気取り、追ってきたようだ」

 

「構ってる暇はないわ。何とか振り切らないと…!」

 

 

ザ・ピースの言葉にEVAがバックミラーを見れば、オセロットがバイクを使って背後から迫ってくるのが見えた。

 

だが今は構ってる暇はないのが事実だ。どうにかしてオセロットを振り切らなければ、シャゴホッドに集中出来ない。

 

 

「む?…っ!」

 

 

そこで背後から迫ってくるオセロットを見ていたザ・ピースが発した疑問符と何かに気付いたような声を出したため、スネークは何事かと振り返ろうとした。

 

だが振り返ろうとしたスネークにザ・ピースが咄嗟に覆い被さる形になり、振り返ることが出来なくなった───直後に背後から3連射の音が響き、スネークとEVAの耳に銃弾が通過する音が聞こえた。

 

 

「ツッ!」

 

 

そして背後のザ・ピースから痛みに耐えるような呻きが聞こえた。

スネークは直ぐ様覆い被さるザ・ピースを振りほどいて後ろを振り返り、ザ・ピースに呼び掛けた。

 

 

「撃たれたのか!?」

 

 

 

「…大丈夫だ…少しばかり息苦しいがな…」

 

 

 

スネークは胸元を手で押さえるザ・ピースを見て、その手を退かさせて傷口を確認しようとした。しかし、ザ・ピースがスネークを押し留める。

 

 

「問題はない…心臓と肺に1発ずつ貰っただけだ。死にはしない…が、やはり重要器官を撃たれるのはそれなりに痛むな…全く脇腹程度なら擦り傷くらいの痛みだというのに…」

 

「馬鹿を言え!人間が心臓と肺を撃たれて大丈夫な筈が…」

 

「だからご覧の通りだ…死んではいないぞ…そもそも貴様、ヴィーシャの特異能力を見た筈だろう?」

 

「まさかザ・ピース、お前も…」

 

「まあ、彼女よりは治癒能力に限度があるがな…数分もすれば完治する…」

 

 

ザ・ピースはそれだけ言うと、再び背後に向き直り未だ追跡してくるオセロットとシャゴホッドを警戒し始めた。

スネークもザ・ピースの態度と動きから無理やり"大丈夫だろう"と納得すると、前方警戒に戻る。

 

 

「スネーク、ザ・ピース!格納庫に突っ込むわよ。奴をそこで撒くわ!」

 

 

EVAはオセロットを障害物が溢れているであろう格納庫内で振り切ることを決め、2人に呼び掛けると更に速度を上げる。

 

そしてついにEVAとオセロットの操るバイクは、未だ火災が続く兵器厰本棟の格納庫へと飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

格納庫内は予想通り爆発で散乱した資材や逃げ遅れた敵兵士の焼死体、ひしゃげたり倒れた鉄骨や支柱等の障害物がひしめいていた。その障害物と噴き上げるように燃え続ける炎の中、2台のバイクは速度を緩めることなく疾走する。

 

しかしサイドカーを引いて走るバイクよりも、単体で走るバイクのほうが重量は軽い。

 

オセロットは徐々に詰めていた距離を、格納庫内で一気に縮めてきた。そしてついにスネークらと並走を始めた。

 

真横に並んだオセロットに対し、EVAは直ぐ様ホルスターから十七型拳銃を取り出し、オセロット目掛けて発砲する。

 

並走をしながらスネークらを狙おうとしていたオセロットは至近距離を通過した銃弾に怯み、僅かながら速度を落とした。

 

だがそれも一瞬であり、直ぐに体勢を立て直すと再び並走を始めた。そして今度はオセロットの反撃が始まる。

 

並走するオセロットはスネークらのバイクに片足を掛けて体勢を安定させると、SAAに取り付けたスケルトンストックを近接武器代わりにスネークと運転を行うEVAに対して叩き付けてきた。

 

枠組みだけのスケルトンストックとはいえ金属製のものだ。力強く振られたストックでスネークは胸を、EVAは腕を思い切り叩き付けられ、バランスを崩して並走状態から後方に大きく遅れる形になった。

 

オセロットはしてやったりといった顔でスネークらを見ていたが、前面から響いた鉄がひしゃげる音に咄嗟に視線を戻した。

そこには今まさにオセロットの進行方向真上から、爆発で支えを失った鉄骨が落下してきている最中だったのである。

 

オセロットは慌てて急ブレーキを掛けつつ車体を真横に滑らせて制動を掛けようとするが、距離が足りない。このままでは鉄骨に衝突するか、押し潰されるかだ。

だがそれはスネークらも同じであった。オセロットよりは距離があるものの、サイドカーを引きつつスネークとザ・ピースを乗せたバイクは重量故に簡単には止まれない。

 

 

そこでスネークはガチャリという重い金属が軋む音が聞こえ、チラリと音が鳴った方を見た。そこにはスネークの身体より少し上、ザ・ピースが構えるRPG−7がカーキ色に鈍く光る弾頭と共に突き出されていたのだ。

 

ザ・ピースがRPGで何を狙っているのか、スネークは直感で理解した。スネークは頭だけを下げて、ザ・ピースがRPG弾頭を撃ちやすくする。

 

 

そして、弾頭発射。

 

 

ロケットモーターで加速するRPG−7の弾頭は命中精度に関しては悪い部類に入る対戦車兵器である。だがザ・ピースが放ったそれは、僅差でオセロットの近くを通過、落下してきていた鉄骨を見事に吹き飛ばした。

 

EVAはそれを見て、再びアクセルを回して速度を上げて走り出し、皮肉にも同じ脅威に晒されたスネークらによって、命を救われたという事実に悔し顔を見せるオセロットを尻目に障害物が消えた道を一気に走り抜けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グロズィニグラード兵器厰本棟の格納庫、正面ロータリーから燃える建物へと飛び込んだEVAとスネーク、ザ・ピースが乗るバイクは、爆発によりひしゃげて出来ていた大きめの裂け目を通ってその先へと走り抜ける。

 

走り抜けた先、そこはグロズィニグラードの兵器厰西棟の広場であった。

 

しかしここでまたスネークは、最初に格納庫から脱出した時のような光景を目にした。

 

西棟広場は、ソ連が開発したという核戦争を想定して開発されたというオブジェクト(露:オブイェークト)と呼称される戦車の駐車区画も兼ねていた。

 

しかしそこでは数十人ものグロズィニグラード警備兵達の重機銃で掃射されたような損壊が激しい遺体が転がり、ゲート付近に駆けつけたのだろうジープや装甲車、駐車されていた戦車はそのほとんどが炎と黒煙を上げて破壊されていた。

 

 

「ザ・ピース、これは一体?」

 

 

そしてスネークはこの光景が誰による仕業なのか、うっすらとだが確信に近いものを抱いていた。その確信に近いものを確信に変えるべく、実行者又は指示を出した者だと思われるザ・ピースに訊ねた。

 

 

「私の部下だな。実に良い働きだ」

 

 

ザ・ピースはそのスネークの問いに対して、別段知られても問題はないという風にあっさりと目の前の破壊を生み出した当事者の存在を明かした。

 

 

「部下だと…だがお前はコブラ部隊の隊員…待て、まさかゴースト・カンパニーの事か…」

 

「ああ…それなのだが…」

 

 

スネークは腹芸を抜きにして、直球でザ・ピースに疑問をぶつけた。しかしザ・ピースがその問いに答えようとした瞬間、EVAがバイクをいきなり走らせ始めた。

 

そこに次々と撃ち込まれた大量の銃弾───見れば西棟と本棟の連絡通路の下に、建物を抜けて追い付いてきたのだろうグロズィニグラードの警備兵達がスネークら目掛けてアサルトライフルの一斉射撃を行ってきていたのだ。

 

スネークは一度口を閉じると、追い付いてきた警備兵を排除すべくM63を構えた。だが射撃を行おうとした時、不味い相手が駆けつけてきた。

 

T−55───冷戦時代の東側主力戦車である。56口径D10 100mmライフル砲を装備し、最高速度48kmで走り回る対NBC能力を付与された兵器だ。

 

避弾経始を重視した砲搭や搭載主砲の威力、機動力の高さを感じさせる大型転輪や全体的に低いシルエットなど、西側陣営に現状最も脅威を与えている戦車が、警備兵を援護すべく駆けつけてきたのだ。

 

だが実際にはさほど突出した性能を持たない普通の戦車というのがこのT−55であった。

しかしそれは後の研究によるものであり、現状では西側が抱く脅威をスネークらもまた抱いていた。

 

T−55の主砲が旋回し、スネークらのバイクを射界におさめる。そして発射───撃ち出された砲弾はバイクの至近距離を通過し、背後の倉庫を代わりに吹き飛ばした。

 

すぐさまEVAはバイクをジグザグ走行させ始めるが、このままではT−55の主砲がバイクを捉えて粉砕するのは時間の問題である。

 

だがその緊迫した状況の中、ザ・ピースが何かをスネークに手渡してきた。スネークはその手渡されたものを見て、ザ・ピースの意図を理解した。

 

互いにアイコンタクトだけで合図を交わし、ピンを引き抜くと同時に戦車目掛けて投げ付けた。

 

スネークとザ・ピースが投げたものは、手のひらに収まるサイズのジュース缶ほどの円筒である。それは戦車の装甲に当たってコロコロと転がると、同時に炸裂した。

 

スネークが投げ付けたほうは眩い閃光を発し、周囲の歩兵もろとも戦車を一時的に沈黙させた。閃光弾である。

 

そしてザ・ピースが投げ付けたもう片方は紫色の濃い煙を吹き上げて空中へと立ち上っていく。こちらは発煙筒であった。

 

そして閃光を浴びて目を潰され沈黙した戦車と警備兵がようやく立ち直ろうとしていた中、重く響き渡るプロペラの音が近づいてきた途端に戦車目掛け次々とロケットポッドが撃ち込まれた。

 

大量のロケットポッドから吐き出されるロケットを浴びたT−55は内部の弾薬が誘爆でもしたのか中華鍋をひっくり返したような砲搭を、まるで内側に爆薬を入れた鍋が吹き飛ぶように真上へと弾け飛ばした。

 

スネークがそちらを見れば、クラスノゴリエ山岳地帯で襲ってきたあの重戦闘ヘリ、ミルMil−24ハインドが滞空しつつ機銃掃射を開始したところであった。

 

そして機体側面にペイントされた髑髏と羽根のマークを見て、先ほどのT−55を吹き飛ばしたヘリの搭乗員らが何者かを理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

スネークはこれまでのザ・ピースの行動に小さいながらも様々な疑念を抱いていたのだが、種明かしと戦車を破壊したハインドの搭乗員達───ゴースト・カンパニーの登場で更に混乱していた。

 

 

 

 

そもそも彼女…ザ・ピースは何故自分と戦い、その死を偽装していたのか?

 

 

死を偽装したのならば、何故今になって姿を現したのか?

 

 

彼女と部下と思われるヴィーシャ…彼女らは一体何を狙っているのか?

 

 

そして自分を狙ってきたゴースト・カンパニー…彼らがザ・ピースの発煙筒を目印に援護に来た。彼らはソ連へ亡命した敵では無かったのか?

 

 

 

 

 

答えの出ない螺旋階段を回るような感覚に陥りかけ、頭を振って全てを追い出そうとした。

 

今は何よりもまずシャゴホッドをどうにかしなければならないのだ。無駄な考えに囚われている場合ではない。

 

スネークはEVAに叫ぶ。

 

 

「EVA、今だ!ゴースト・カンパニーの連中が道を開いた!一気に連絡橋を抜けて滑走路に!」

 

「オーケー、任せて!」

 

 

EVAがスネークの叫びに応え、バイクを加速させて一気に連絡橋の下を抜ける。

 

途中連絡橋から新たなGRU兵が現れスネークらに攻撃を行いだしたが、彼らは突如背後から襲いきたシャゴホッドを操るヴォルギンによって、連絡橋ごと押し潰されてしまう。

 

 

「もはや敵も味方も形振り構わず排除か…猿山の大将殿はよほど蛇に良いようにしてやられたのが頭にきたようだぞ、スネーク」

 

 

GRU兵が連絡橋ごとシャゴホッドに押し潰されるのを見ていたザ・ピースが、スネークに冗談混じりに投げ掛けるが、声色には嫌悪を滲ませていた。

 

ザ・ピースから見てもヴォルギンの行動はもはや尊厳や理性をかなぐり捨てた獣のそれに当たるのだろう。ヴォルギンは既に正気ではないのだ。

 

ただただ己の野望を邪魔した人間を片端から叩き潰さなければ気が済まないのだ。例え自分に忠誠を誓った部下を虫けらのように蹴散らそうとも…。

 

 

「………」

 

「ああ言ったが、気にするな…貴官は貴官の任務を果たしたまでだ。あのヴォルギンの凶行は奴本来の本性なのだろうからな」

 

 

ザ・ピースに言われて黙りこんでしまったスネークに、言った当人は先ほどまでの好戦的な表情を止めて少しばかり気まずそうな顔で、気にするなと擁護の言葉を掛ける。

 

 

「スネーク!滑走路に出るわよ!」

 

 

だがEVAの発言にスネークはすぐに気を持ち直す。ここからは先ほどとは違い障害物の無い真っ直ぐな滑走路区域だ。

 

今まで以上にシャゴホッドの追撃を振り切るのは難しくなる。余計なことに考えを割いている余裕は無くなるのだ。

 

 

「ザ・ピース、シャゴホッドの動きに注意を頼む!」

 

「言われずとも!」

 

 

スネークはM63を構え直すと、背後を守るザ・ピースに後方警戒を呼び掛けた。対してザ・ピースは好戦的な顔に戻り、背後を再び見据える。

 

丁度その背後では、スネークらを追跡してきていた2機のハインドのうち1機がゴースト・カンパニーのハインドに撃ち落とされるところであった。

 

爆発と共に胴体が千切れたハインドは真下にいたシャゴホッドに直撃───機体をひしゃげさせ、更なる爆発を起こした。

 

そしてシャゴホッドからは、自らの邪魔をする敵対者へのヴォルギンの怒りの声がスピーカーから流れてくる。

 

 

<<ゴースト・カンパニィー!裏切り者どもがぁ!>>

 

 

だがハインドは怒声に対して"喧しい"とばかりに嫌がらせのようにシャゴホッドの操縦席部分目掛けて機関砲掃射を行う。

 

当然核戦争を想定した装甲を備えるシャゴホッド本体へのダメージこそ無いが、代わりに夜間用のライトや操縦席下部に取り付けられた機銃の片方が破壊された。もはや完全にシャゴホッドは弄ばれていた。

 

だがそれは更にヴォルギンの怒りに油を注ぎ、彼を更なる凶行に走らせる。

 

 

<<邪魔なぁ!>>

 

 

ヴォルギンは目の前でスネークらを狙い撃っていた味方歩兵らへと近付いていく。彼らはよりによってシャゴホッドの進行方向を塞ぐ形に展開してしまっていたのだ。

 

シャゴホッドの残った機銃が火を噴くと、正面にいたGRU兵らは次々と蜂の巣にされ、倒れ込む。

 

だがヴォルギンはまだ怒りを吐き出し足りないとばかりに、必死に機銃掃射を逃げ切り降下してきたヘリに乗り込んだ味方兵士を、ヘリもろとも前足のドリル型のキャタピラで躊躇なく粉砕した。

 

 

「あの馬鹿…注意を引くのは良いが不必要に怒らせてどうする…煽りを受けるのは追われてるこちらだというのに…」

 

 

ザ・ピースが不機嫌な声でハインドを操縦しているのだろうゴースト・カンパニーのパイロットへの愚痴を飛ばす。

 

しかしすぐに愚痴を止めて背後を警戒する。いよいよ滑走路に入ったからだ。事実、シャゴホッドは態勢を変えて先ほどまでのキャタピラを使った前足歩行から、戦車のように両足のキャタピラを回転させてバイクを追跡してきた。

あの巨体から出るとは思えないなかなかのスピードに、EVAは口を真一文字に結んで必死にアクセルを回して速度を上げる。

 

 

「EVA!WIGだ!あれの真下を!」

 

 

そこでスネークが前方を塞ぐ大柄な機体───迫り来るシャゴホッドから逃れようと滑走路中央から斜め状態に動き出していた表面効果機WIGの真下を抜けろと指示を出す。

 

EVAはすぐさまハンドル操作でジグザグに走りながらWIGの車輪の間を潜り抜けていった。

 

そこにシャゴホッドも躊躇なく突っ込んでくる。

 

哀れにも逃れ切れなかったWIGはシャゴホッドの巨体の体当たりを受けて弾き飛ばされ、凄まじい音を立てて滑走路脇へとひっくり返った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side ターニャ】

 

 

 

 

 

「まったく、凄まじいな」

 

 

かなりの重量を持つ筈のWIGを体当たりで弾き飛ばして横転させるなど、出鱈目もいいところだ。

あんな巨体に巻き込まれたら最後、バイクもろとも人間3人のミンチの出来上がりである。

 

 

「不味い、ミサイルよ!」

 

 

そこへ女スパイ、EVAがシャゴホッドの後部から射出された物体に叫ぶ。

 

あのシャゴホッドからマッハで射出された誘導ミサイルが、私らの乗るバイク目掛けて飛んできていた。

このままではミンチにならずとも爆発でお陀仏である。

 

 

「任せたまえ!」

 

 

だがミサイル程度の大きさならば問題はない。身体中を駆け巡るアドレナリンに感情までをも委ねている私は、恐らくは他人から見れば狂ったような好戦的な笑みを浮かべているのかもしれない。

 

そんなアドレナリンの興奮覚めやまぬ状態でM−16を構えて射撃を始めた。

そして我々を捉え次々と迫るミサイルを1発ずつ、確実に撃ち落としていく。

 

こんな人間離れした芸当が出来る理由は、賢明な読者諸君なら分かるだろう。あのクソッタレな悪魔のせいである。

私を含めた部下達は、あの大戦で忌まわしい存在Xの差し金によって人間としての身体を失ったのだ。

 

 

今や我々は呪われた存在なのだ。

 

 

いや…以前私を付け狙っていた"アイツ"は、神の祝福だなどとのたまっていたな…。今はどうしてるのやら…

 

っと失礼、無駄話が過ぎました。

 

 

さて、大分滑走路を走り抜けただろう。そろそろグロズィニグラードからラゾレーヴォの森林へと入る鉄橋へと続く道が見えてくる筈…だが…

 

 

……またか…。

 

 

「…スネーク!オセロットだ、追い付いてきたぞ!」

 

 

私らが走るより更に後ろ───シャゴホッドの後方からバイクで追い掛けてきているオセロットが見えたのだ。

 

…いや…流石にしつこすぎるだろうが…

 

どれだけ執念深いんだあの青年は…以前から私を付け狙っていた"アイツ"並みだぞ、まったく…。

 

いくら何でも凄まじすぎる執念に、流石の私も呆れを隠しきれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─シャゴホッド操縦席─

 

 

 

 

「ちっ!」

 

 

なかなかスネークに追い付けないことに苛立ちだけが募っていく。攻撃は片端からかわされ、必殺とばかりに放ったミサイルはあの裏切り者のザ・ピースの妨害でことごとく撃ち落とされてしまう。

 

また背後からは、スネークとの決着を着けんとオセロットがバイクで迫ってきている。

 

スネークと女スパイ、裏切り者のザ・ピースを倒すのは私だ!貴様ごときに譲るつもりはない!

 

 

「…いや、待て…こいつがあるじゃないか…」

 

 

スネークらに追い付き、なおかつ邪魔なオセロットを妨害してやる方法が1つだけあった。

 

ならばもたもたしてる必要はない。早速こいつを使わなければな…。

 

 

 

 

「ふふふ…これで、どうだぁ?逃がすものかぁ!」

 

 

 

 

シャゴホッドの操縦席側にある赤く塗装されたレバー。そのレバーを勢いよく前へと押し出した。

 

それは核搭載戦車としてのシャゴホッド本来の性能───すなわちロケットの1段目の代わりをするべく取り付けられたロケットブースターの起動レバーであった。

 

シャゴホッドのロケットブースターが唸りを上げた瞬間、一気に点火───ブースターから青白い炎が轟音と共に噴き出し、シャゴホッドの巨体を加速させ始めた。

 

そして丁度シャゴホッドに追い付きロケットブースター付近にいたオセロットは、突然間近で起動されたロケットブースターにバイクもろとも炎風と爆風を合わせたような風圧に巻き込まれてしまう。

 

持ち前の咄嗟の反射神経でバイクのバランスを持ち直しつつ、何とか滑走路から離れた場所に突っ込む形で停車することは出来たものの、顔や服は煤まみれ。

 

更にはヴォルギンがわざと自分が近づいてきてからブースターを起動させたことに気付いたオセロットは、もはやシャゴホッドはおろかスネークらにも追い付けないほどに距離を離されてしまったことも合わさり怒りに任せてヴォルギンを罵った。

 

 

「ビィッチ(クソッタレ)!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不味い!急げ!」

 

 

背後から叫ばれたザ・ピースのそれまでからは想像出来ない焦り声に、EVAとスネークは何事かと後ろを振り返る。

 

そして2人とも、ザ・ピースが焦り声を出す要因となった後方から迫り来る光景に顔を青ざめさせると、EVAはすぐさまアクセルを更に噴かした。

 

アクセルの回しすぎでオーバーホールする事になろうと、背後から迫り来る"アレ"に巻き込まれるよりは何倍もマシである。

 

 

そう…

 

 

背後から迫り来ていたのは、ソコロフ博士がフェイズ2と称されていた実験にてシャゴホッドに取り付けたロケットブースター───そのブースターを最大まで噴かし、凄まじい勢いで追い付いてきたシャゴホッドの姿であった。

 

少なくともまともな感性の人間ならば、時速マイルで突っ込んでくるロケットブースター付きの巨大戦車を見て、驚かない訳はない。

 

 

「EVA、まだか!?」

 

「後、少しよ!」

 

 

シャゴホッドが迫り来る中、スネークはEVAに鉄橋へと繋がる道はまだかと叫ぶ。

 

対してEVAはすぐだと返すが、このままでは辿り着く前にあな巨体に踏み潰されかねない。

 

シャゴホッドが追い付くのが先か、スネークらが道を外れるのが先か───

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで終わりだぁ、スネェーク!!」

 

 

 

 

「<主よ…我に祝福を…>おおおお!!さぁ…せるかぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

シャゴホッドのキャタピラがバイクの後部をいざ食い千切ろうとした時、サイドカー後部で何かを呟いていたザ・ピースが、叫びと共に何かを思い切り振りかぶる音を出した。

 

 

それと同時に、巨大タンカー同士が正面衝突したような金属が嫌な音を立ててひしゃげるような───そんな音が背後から響く。

 

 

 

 

<<ぬっはあぁぁぁ!!?>>

 

 

 

 

そしてスピーカーから漏れ出すヴォルギンの叫び。

 

一体何が起きたのかとスネークが背後を見ると、シャゴホッドの正面装甲付近のキャタピラ、その一ヶ所にまるでパイルアンカーで刺突したような凹みがあったのだ。

 

そしてバイクから落ちないよう左手をサイドカーの後部に押し付けて、右拳を握りしめ正面目掛けて身を乗り出すように打ち出した姿勢のままのザ・ピースがいた。

 

それは、グラーニニ・ゴルキーでザ・ピースがスネークに見せたあの怪力である。軽々と大木を抉り、ボーリング玉サイズの岩を大木を次々と貫通させる速度で投擲し、更にはロケットブースターで加速した巨大戦車すら殴り返したのだ。

 

そして唐突に殴り付けられたシャゴホッドはというと、ダメージはキャタピラの装甲が凹まされ、僅かに滑走路内で進行方向がずれた程度だ。

しかし、今はロケットブースターで加速している真っ最中であった。

 

僅かズレでもあっという間に車体がスネークらの向かう方向から違う場所へとまっしぐらに向かっていく。その先は、天然の岩が連なってそそり立つ壁だ。

 

 

『くそがぁ!!』

 

 

ヴォルギンは罵声を飛ばしながらも、すぐさまロケットブースターをエンジンカットすると、急ブレーキを作動。更に後部から急減速用の大型パラシュートを射出した。

 

シャゴホッドの巨体は地面との摩擦でギャリギャリと耳障りな軋みを響かせながらも、急ブレーキとパラシュートの併用で徐々に速度を落としていき、壁まで僅か数mの距離というところで停車した。

 

 

「今だ!奴(シャゴホッド)が体勢を立て直す前に鉄橋に向かいたまえ!」

 

「ありがとうね、ザ・ピース!」

 

 

EVAはザ・ピースのお陰でシャゴホッドの巨体に踏み潰される脅威から逃れられたことに礼を述べると、シャゴホッドが再び動き出す前にと鉄橋へ続く道へと方向を変え走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滑走路から外れたラゾレーヴォへと続く鉄橋が掛かるのは、巨大な崖が切り立ち、下には川が流れる渓谷のよう場所だ。

 

そこには丁度シャゴホッドが通れるギリギリの幅の大きな鉄橋が掛かっている。そしてこの鉄橋が、シャゴホッドを倒す秘策の場所であった。

 

鉄橋を渡りきったスネークとEVA、ザ・ピースは直ぐ様バイクから降りると、それぞれが鉄橋を爆発で破壊するための準備に掛かる。

 

 

「スネーク、ザ・ピース!私が仕掛けたC3は全部で4つ!でもそれだけでは鉄橋を落とすには足りないわ!奴が鉄橋を渡り出した時を狙って!」

 

 

残念ながらC3は高性能だが万能ではない。小さな橋ならまだしも、大量の鉄鋼とコンクリートで組まれた鉄橋を落とすには足りなさすぎた。

 

しかし、もしシャゴホッドのような従来の規格から大きく外れた10tや20tでは済まないような巨大な特殊装甲と合金に核ミサイルを積んだ重量の塊のような物が乗っかっていたらどうなるか?

 

間違いなく僅かな損傷でも鉄橋は耐えきれない。

 

 

「ザ・ピース、俺は左2つを狙う。お前は右の2つを頼む!」

 

「了解した。だがスネーク、。爆薬そのものを狙っても起爆しないぞ。信管と繋がった起爆装置を狙いたまえ」

 

「オーケーだ!」

 

 

互いに持ち場と注意点を確認し合ったスネークとザ・ピースはそれぞれSVDドラグノフとM−16で鉄橋下の支柱に仕掛けられたC3の起爆装置を慎重に狙う。

 

タイミング合わせにはほぼ同時に起爆装置を、更に2つあるため1秒以内に両方を次々と狙撃する必要がある。

 

チャンスは一度きり。

 

失敗すればあの巨大戦車が再び襲いくることになるのだ。

 

 

 

 

 

「もっと引き付けて…」

 

 

シャゴホッドがスネーク達も通った道を下り、鉄橋前まで迫ってきている。だがまだ早すぎる。

 

「もう少し…」

 

 

シャゴホッドがついに鉄橋に辿り着き、車体端を鉄橋の支柱やワイヤーにガリガリと掠めながら渡り出した。

 

 

「今よ!!」

 

 

EVAの合図と共にスネークのドラグノフと、ザ・ピースのM−16が間を開けることなく2発ずつ発射され、鉄橋に仕掛けられたC3の起爆装置を互いに2つずつ───計4つをほぼ同時に撃ち抜いたのであった…。




【M63を乱射しつつ雄叫びを上げるスネーク】

作者はMGS3をプレイする度にシャゴホッド戦でわざわざM63に持ち変えてスネークに雄叫びを上げさせながら乱射するのが癖になってます。
なので本作品でもこれといって意味は無いのですが、やりました。


【SAAのスケルトン・ストック及び撃たれたターニャ】

本編でオセロットがSAAに装着した枠組みだけのスケルトン・ストックは、実際に見た事が無いのでゲームのオリジナル装備だろうと考え、本作品ではオセロットがSAA用ストックを用いた理由や内心を捏造しました。

また撃たれたデグさんですが、背後から迫るオセロットの3連射のうち2発を被弾しました。本編はスネークが撃たれたら話が終わってしまうので身体を反らしてかわしてますが、流石にオセロット程の名手がそう何度も外すのは無理があると思い、デグさんに被弾して頂きました。
最も"ちょっと息苦しいな"程度でデグさんは済んでしまっているのですが…。


【シャゴホッドにパンチ】


最近出す機会が無かったデグさんの怪力パンチ大活躍。本編だとヴォルギンがロケットブースターで加速してからもしばらく滑走路鬼ごっこが続きますが、ムービーで見たシャゴホッドの速度では、サイドカー付バイクの加速では間違いなく逃げ切れずに潰されるだろうと思い、こうなりました。
最初はギリギリでEVAが避けるという設定でしたが、最近デグさんの怪力が活躍しなかったので"こっちくんな、あっち行けパンチ"になりました。

流石に核戦争想定で液体燃料の爆発でもびくともしないシャゴホッドなので、破壊や走行性能に支障をきたすほどのダメージは与えられませんでしたが、向きがずれてああいう形でスネークらは難を逃れました。


【C3爆薬狙撃】

ゲーム本編ではまんまC3を撃てと言われますが、実際には信管からの電流でなければ爆発しないため、本作品では
「信管と繋がった起爆装置を狙い、破壊によって強制的に電流を発生させC3を起爆」
という形で進めました。いや、そもそもTNTみたく遠隔起爆装置使えば?みたいな突っ込みは無しで…(スイッチポチッ、よりも狙撃爆破のほうがロマンがあるし…)

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