<<はい、グロズニィグラードもグラーニン設計局も跡形もなく……確かに…ですが必要な犠牲でした…ええ…確かにザ・ボスの処理はCIA(アメリカ)の手で…>>
<<ホワイトハウスも満足しているはずです。フルシチョフはこれで終わりです。次は貴殿方の時代…>>
<<…そう…全ての真相を押さえることは、アメリカ大統領の首根っこを押さえることにもなります…今後の外交にも切り札が…>>
<<…それではKGB局長…また…>>
<<はい、私です>>
<<ザ・ボスは見事に任務を全うしました。ええ、KGBに渡ったフィルムは"彼女"がすり替えました…"賢者の遺産"は無事我々───アメリカの手に…この資金があれば…ええ、『賢者達』を再開できます…>>
<<中国側にも"彼女"が偽のフィルムを掴ませました。今頃、中国政府は大慌てでしょう>>
<<そうです…"彼女"がスネークとの交渉でフィルムを安全に…はい、彼女も初めからあの女スパイの正体を疑っていたと聞きました…>>
<<はい、アメリカ側に戻った資金はまだ半分です…まだKGBに『遺産』の一部が…ええ、例の兵器(シャゴホッド)は灰に…そうです。こちらから持ち込んだデイビー・クロケットで、グロズィニグラードもろとも…>>
<<ええ、それもザ・ボスが…それと、"彼女"がグラーニンから面白いものを手に入れてきました…全く新しい核攻撃システムです。いずれ役に立つ日がくるかと…はい…ジョン…いえ、スネークのお陰です>>
<<フルシチョフも、そう信じています…ええ…我々の嘘を…事を荒立てる様子はありません。第二戦備態勢も解除されました。ソ連側も私の正体には気付いていません。私が三重スパイ───トリプル・クロスであるとは…>>
<<引き続き、新政権とのにコンタクトを続けます…はい…誰も私をADAMだとは気付いていないようです>>
<<…はい、問題ありません。シェパード中将のことはご心配なく…ええ…彼はそろそろ、この世から退場される予定です…はい、自家用車内で一酸化炭素中毒でね……世間的には自殺と発表されるでしょう…>>
<<…それではまた…CIA長官…>>
─アメリカ本土某所─
「まさか、少佐殿を暗殺しようとは…欲をかきすぎましたね、シェパード陸軍中将閣下?」
「むぐぅっ!グヌッ!!」
「ああ、ご安心下さい。これは反乱や乱心ではないので…これはCIA長官の命令でしてね…」
「…!?むぐっむぅっ!!」
「いけない方ですね…遺産を独占しようなんて…しかも真実を知る人間の口封じなんて、ああ!なんと恐ろしい…」
「むぉ!ぐむぅ!」
「知っているんですよ?CIAで遺産奪取を提案したのが貴方だということは…そして背広組に圧力を掛けてスネークさんが任務を受けざるをえない状況に追い込んだのもね…?」
「んぅぅ!んぅぅむぅ!」
「ああ、ご安心下さい。少佐殿のお部屋にあった、毒を塗った珈琲のマグカップは処分しましたから…ジープ下の爆弾とか、少佐殿のライフルの細工もね?ライフルの細工はなかなかに良い線行ってましたね…まさか初弾の薬莢火薬がショットガンの火薬と入れ替えてあったとは…まぁ、そもそも多少の毒や爆弾では彼女には傷にすらならないという事実を忘れていたようですが…」
「ムガァ!ふむぅ!がぁぁぁぁ!」
「あら…もうこんな時間ですね…さて、ではこの扉を閉めればその瞬間からこの車は密閉状態になります。そしてエンジンから逆流してきた一酸化炭素は少しずつ車内に充満していき、数時間としないうちに…」
「!?」
「この辺りは再開発予定でほとんどの住民は立ち退いています…警察の見廻りも最近では週に1回ほどですね…では失礼致します。
Auf Wiedersehen.(アウフ・ヴィーダーセーエン<さようなら>)
Leutnant-General・Shepherd(ロイトナント・ゲネーラール・シェパード<シェパード中将閣下>)…」
<<はい…私です…。…はい、痛ましいことに先ほど、警察から連絡がありました…シェパード陸軍中将が自動車内で一酸化炭素中毒で亡くなっていたと…>>
<<遺体が縛られたり、車への細工といった形跡が一切無いことから、自殺もしくは不慮の事故という扱いになるでしょう…はい…>>
<<今回用いた"例の虫"は中枢神経を侵して対象を麻痺状態に陥らせました。しかし麻痺状態は一時的なものらしく、中将閣下は声こそ出せませんでしたがある程度は身体を揺らしたりしていました。そこからおおよその推測ですが、あの"虫"は約2〜3時間程しか対象を麻痺させられません。恐らくは後遺症も無い筈です…>>
<<感謝の必要はありません。私はあくまで少佐殿の身の安全のために貴方の実験に協力したからです…ええ、シェパード中将は初めから遺産の独占を狙っていました…>>
<<…貴方が"虫"のデータを集めて何に使うのかは知りませんし、関わるつもりもありません……しかし、お分かりかと思われますが、少佐殿の身に危険を及ぼすならば貴方も敵です…ええ……それが互いにとって懸命な選択となるでしょう…>>
<<それでは、二度とお会いすることがないよう…
ミスター・スカルフェイス…>>
Metal Gear Solid 3
─Sneak Eater─
1964.10.15
フルシチョフ解任
ブレジネフが共産党第一書記、首相コスイギン
1964.10.16
中国、タクラマカン砂漠で原爆実験に成功
1964.10.18
アメリカ陸軍シェパード中将、自家用車内で自殺
1964.12.24
故シェパード中将の息子、アメリカ陸軍に入隊
1965
シギント、ARPAへ。
1969年から導入されるARPAnetの立ち上げに関わる。
1966
米政府機関による救急医療に関する調査が行われる。米国運輸省がEMT制度の立案を行う。
1968
EVA、ハノイで消息不明
1969
CIA、非合法工作部隊"ゴースト・カンパニー"を解散。隊員らの所在不明。
1970
パラメディック、ワシントン州シアトル市に米国初のパラメディック制度導入
1970
ゼロ少佐はFOXを解散
1970
アメリカ、残りの遺産を入手、米国『賢者達』は『愛国者達』と改名
1971
ビッグボスはゼロ少佐の意志を継いで、「FOX」を元に「FOXHOUND」部隊を設立
1972
恐るべき子供達計画
ビッグボスの子供達、生まれる
【ネタバレ】
何でMGSって毎回あんなおっそろしい陰謀やら黒幕やらの裏話があるのやら…お陰でやるたびに「ブ○ータス、お前もか…」と叫びたくなるよ…だがそれが良い!
【髑髏顔と話す人間】
作中では明かしませんでしたが、ターニャを慕う人間といったら一番はあの人しかいないよね…多分気づく人は気づいてるだろうし…。ついでにあの2人くっついたらいいと思ってる。