11月24日
南米某所
灰色の男達、それはかつて栄華と殺戮を極めたドイツ第三帝国の残党達の子孫によって構成されている、テロリスト集団である。
その灰色の男達は今、南米の地下基地に潜伏している。
「諸君、我ら第三帝国の復活を待ち望む偉大な戦友諸君!我々の戦争はまだ終わってはいない!かつての戦争で失った物は大きく、今の我々の領地はこの地下基地にしか存在しない!」
壇上で演説している親衛隊の制服を着ている壮年の男、この男の名はワルター・G・F・マイントイフェル。第三帝国残党の子孫であり、灰色の男達のナンバー2である。
そしてマイントイフェルの後ろに居る者達全員も灰色の男達の主要メンバーである。
マイントイフェル「我々はこの腐敗した世界を正さねばならない!
ISという欠陥兵器を世に産み出した篠ノ之束とそれに追従する企業連の犬、生産性のない同性結婚を持て囃す愚かな女達・・・
そしてゲルマン民族の血を持ちながらも企業連の犬に成り下がったヴァルター・クリューガーという存在!我々はこの男を決して認めない!」
ワァァァァァァ!
マイントイフェルの演説で沸き上がる大歓声、ここに居る者達は残党の子孫、灰色の男達に志願したスラブ系、やアメリカ人、果てはAAA機関の残党や元軍人、戦災孤児達を拉致し、洗脳後教育した多数の少年兵達で構成されている。その数4~5000人といったところか。
マイントイフェル「我々第三帝国が、この旧世界を
破壊し、新たな秩序によって統治する、我々こそが新世界の支配者にふさわしいのだ!」
ワァァァァァァ!
その光景はまさに狂気の一言。1943年2月18日に行われたドイツ第三帝国宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスによる総力戦演説の観衆達を彷彿させる。
彼らは狂っている。洗脳された者達もいるとはいえ、その光景は異常としか言い様がない、まさに熱狂的なカルト教団の信者と言うべきか・・・
マイントイフェル「全軍、行動開始せよ!」
そして彼らの悪意が動き出そうとしていた。
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11月24日
23:22
カナダ
レイレナード社管轄空中艦隊整備基地
ここはカナダにあるレイレナード空中艦隊専用の整備基地である。この基地はアイガイオン・ギュゲス・コットスの5機の修理・点検を行う巨大整備基地である。その基地で・・・
ドカァァァァァン!
爆発、それもかなり大きな爆発が起きた。
ジリリリリリ!
「何事だ!」
「工廠で爆発です!第2工廠が爆発しました!」
「警報発令!警備部隊は第1種戦闘配備!消防隊も直ぐに向かわせろ!」
「はっ!」
基地内の消防隊が出動、警備部隊にも出動と戦闘配備の命令が下された。しかし・・・
ドカァァァァァン!
「今度はアイガイオンの整備工廠で爆発です!」
「クソっ!一体何が・・・!」
爆発による火災は甚大、アイガイオンとギュゲス1の整備工廠は6時間かけて消防隊による消火活動が行われたが、最終的に2つの工廠が全焼した。しかし幸いな事に死傷者が出なかったのが唯一の救いだった。
しかし整備工廠の全焼により再建までに丸一年は掛かる見通しとなり、アイガイオン、ギュゲス1の整備もインテリオルが管轄するフランスのスティグロ駐留拠点で修理・点検を行う羽目になった。
この事態は企業連内に大きな衝撃が走った。特に当事者のレイレナード社、空中艦隊、そしてネクスト搭乗者のボーデヴィッヒ夫妻にだ。
ドイツ シュトゥットガルト
箒「空中艦隊の整備基地が!」
深夜、ボーデヴィッヒ夫妻宅にレイレナード空中艦隊所属航空部隊「シュトリゴン隊」隊長イリヤ・パステルナークからのテレビ電話で連絡が入ってきた。
パステルナーク《ああ、アイガイオンの整備工廠とギュゲス1の整備工廠が全焼、再建まで丸一年掛かる上に犯人も捕まってないときた・・・》
クロエ「犯人?事故ではなく、誰かのテロ攻撃だと?」
パステルナーク《テロだよ、どこのバカなヤツが仕掛けたのか知らんがな・・・爆発が起きた場所に不自然な痕跡が見つかったようだ。》
箒「一体誰が・・・それよりイリヤ兄さん、空中艦隊の皆さんはご無事で?」
パステルナーク《心配するな、空中艦隊は太平洋上のガルーダ隊と一緒に演習していたんだ。おかげでこっちの損害は無し。》
箒「良かった・・・」
パステルナーク《だが死人が出なかったとはいえ、空中艦隊の修理の為にフランスまで行かないとはな・・・》
空中艦隊に損害が無かったとはいえ、整備工廠のあるカナダからインテリオル・ユニオンのフランス駐留拠点までかなりの距離がある。移動時間だけではなく空中給油機による給油も必要になってくるのだ。
一方その頃、企業連最高評議会もいつも参加しているメンバーに加え、企業連に加盟している企業全ての代表に評議会召集の辞令が下った。
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王《今回のレイレナードの整備基地が爆破された件についての話だが・・・》
ベルリオーズ《我が社の整備基地内の工廠2つが全焼した。全て爆破されていないとはいえ、アイガイオンの整備工廠がやられたのはかなりの痛手だ・・・》
彼の名はトリスタン・ベルリオーズ、レイレナード社のフランス人CEOである。アクアビットと業務提携の話を持ちかけてレイレナード社を大きくしたのは彼の業績と云える。
ハーリング《整備工廠のこともそうだが、レイレナードの工廠にテロ攻撃を仕掛けた犯人だ。彼らは我々企業連に対して攻撃してきた。》
ビンセント・ハーリング━━彼は
レオハルト《犯人はまだ捕まってないが、既に
レオハルト・シュミット━━34才の若さにしてローゼンタールCEOを勤める。企業連最高評議会のメンバーの中で2番目に若い。父親から受け継いだローゼンタールを彼の代でここまで大きくしたのも彼自身の手腕の高さが窺える。
ロイ《ま、大してあてにもならんだろうな。企業連傘下の関係施設もそうだが、IS学園も狙われる事も想定しておいたほうが良いと思うぜ。》
ロイ・ザーランド━━
他にも有澤重工、デュノア、クーガー、MSACインターナショナル、GAヨーロッパ、さらにアクアビット傘下の研究機関のアスピナといった企業連の傘下の代表達が集まった。
束《ん~・・・その辺は想定してあるけどね、もしかしたら犯人達ってさ~奴等じゃないかな?》
アレクサンドル《奴等・・・まさか・・・!》
隆文《例の━━灰色の男達か・・・》
ベルリオーズ《という事は、空中艦隊の整備工廠の爆破テロも!》
オッツダルヴァ《ナチスの亡霊の仕業という訳か・・・なるほど、合点がいくな。》
ウィン・D《奴等め、アイガイオンが余程邪魔だと見えるな。》
束《どのみち奴等との戦いは避けられないね・・・》
会議が煮詰まった頃、翌25日南米では・・・
「全エンジンユニット起動」
「圧力正常、計器類異常無し」
「コースクリア、いつでも行けます」
マイントイフェル《さあ我々の復讐の時がきた!スピリダス、発進!》
「全ブースター点火、発進」
ゴゴゴゴゴゴ
第三帝国の技術者達の結晶、航空要塞スピリダスが今飛び立とうとしていた。