コジマティック・ストラトス   作:禿げ眼鏡(三十路)

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今回、ある人達が出ます。



抜けてた部分を発見したので直しました。




アヴァロンダム急襲

パステルナーク《良いか、良く聞け!ナチ公の連中、核弾頭を所持しているという情報が今企業連情報部から今入った!それもMIRVが12発だ!》

 

急報だった、それはナチス残党が核弾頭を・・・それもMIRV方式の核弾頭、12発を所持しているという事が判明した。

 

ナガセ《な・・・!》

 

ブレイズ《ちっ!奴等め、ふざけた真似を!》

 

あまりの事態にラーズグリーズ隊リーダーのブレイズも思わず舌打ちしてしまった。

 

パステルナーク《核弾頭がある場所の座標データを送る!ここはレイレナード空中艦隊と我々が請け負う!》

 

送られた座標データを確認するラーズグリーズ達、その場所とは・・・

 

アルヴィン《おいおい、ここって・・・》

 

グリム《アヴァロンダムじゃないですか!》

 

ガイアナとブラジルの国境付近に建設された巨大ダム、アヴァロンダムにその核弾頭があるというのだ。

 

スノー《じゃあアヴァロンダムは核弾頭の発射基地だと言う訳か!》

 

そう、そのアヴァロンダムはナチス残党がダムに偽装して建設された巨大なミサイル発射基地なのだ。

 

ナガセ《だけどここからじゃ距離が有りすぎる!》

 

アルゼンチンからガイアナ国境付近までの距離は約4800kmあり、搭載されている予備だけではあまりにも遠い。

 

パステルナーク《心配するな、空中給油機と空中管制機を手配しておいた。それと武器弾薬に関してだが・・・》

 

???《サンダーヘッドからラーズグリーズ隊へ、弾薬の転送の準備が完了した。》

 

ブレイズ《その声は・・・!》

 

アルヴィン《げ!サンダー石頭ヘッド!》

 

サンダーヘッド《ラーズグリーズ3私語を慎め。それと私を変な名前で呼ぶな。》

 

パステルナークの通信に割り込んだのは、かつて所属していた部隊の空中管制機(AWACS)で元同僚サンダーヘッド(通称石頭野郎)だ。

 

サンダーヘッド《各機、ディスプレイの転送キーを押せ。

 

ラーズグリーズの出自は明かすことは出来ないが、彼らの秘密を知っているのはアメリカ合衆国大統領と企業連最高評議会メンバー、そしてAWACSコールサイン《サンダーヘッド》だけである。

 

そのサンダーヘッドが何故来たのか、事は数時間前に遡る。

 

 

ナチス残党の拠点が判明しヴァルターが出撃した後、企業連最高評議会はアメリカ合衆国大統領に空中管制機と空中給油機の手配を要請。空中管制機に関してはラーズグリーズを良く知っているサンダーヘッドを割り当て、企業連最高評議会及び大統領がラーズグリーズ隊に対し出撃命令を下した。

 

そしてつい先ほど、企業情報部のエージェント《オータム》と《スコール・ミューゼル》の威力偵察によってアヴァロンダムが核弾頭発射基地であると判明した次第である。

 

ブレイズ《こちらブレイズ、弾薬の転送完了を確認した。》

 

量子化された必要な武器弾薬類は、ADF-01に全て転送された。これにより戦闘の継続が可能となった。

 

サンダーヘッド《こちらでも確認した。ラーズグリーズ隊、これより私の指揮下に入ってもらう。》

 

ブレイズ《了解した、サンダーヘッド・・・またよろしく頼む、戦友》

 

サンダーヘッド《・・・こちらこそよろしく頼む。各機に告ぐ。指定の地点で給油が終わり次第アヴァロンダムへ急行、敵施設を攻撃せよ。》

 

ちょっとしたやり取りの後、ラーズグリーズとサンダーヘッドはアヴァロンダムに急行した。

 

━━━━━

━━━

 

ガイアナ国境付近 アヴァロンダム

 

給油を終えたラーズグリーズは既にアヴァロンダムからおよそ20km付近まで近づいていた。

 

サンダーヘッド《こちらサンダーヘッド。まもなく敵勢力圏内に到達する。到達次第敵勢力の排除及びコントロールセンターを無力化せよ!》

 

ブレイズ《こちらラーズグリーズ1了解》

 

ナガセ《ラーズグリーズ2了解》

 

アルヴィン《こちらラーズグリーズ3了解した》

 

グリム《ラーズグリーズ4了解》

 

スノー《こちらラーズグリーズ5了解》

 

サンダーヘッドの指揮下に入ったラーズグリーズ隊は既に戦闘態勢に移行していた。と、通信が入って来た。

 

スコール《こちら企業情報部IS部隊のスコール・ミューゼル、応答願います。》

 

先行していたスコールからだ。

 

サンダーヘッド《こちらサンダーヘッド。エージェントミューゼル、敵勢力の数は?》

 

スコール《対空火器多数、敵は例の機動兵器と戦闘機を繰り出してきてるわ!》

 

オータム《後退しているが持久戦になると流石にこっちが持たねぇ!早く来てくれ!》

 

先行していた二人は2対多数の戦いを強いられていた。偵察を終え、後退している最中に多数の敵戦闘機部隊と機動兵器部隊が二人に追撃を仕掛けて来た。

 

第2世代型ISアラクネ、第3世代型IS黄金の夜明け(ゴールデン・ドーン)の火力を以てしても数の優劣━━━特に機動兵器ゴリアテが多数という劣勢を覆すことは流石に不可能だ。

 

サンダーヘッド《こちらサンダーヘッド、ラーズグリーズ隊がそちらに向かっている。持ちこたえてくれ。》

 

オータム《ラーズグリーズが!よっしゃ!持ちこたえてやるよ!》

 

スコール《了解しました。貴方達が来るまでの時間稼ぎの仕事をするなら簡単ね。》

 

劣勢ではあるが、ラーズグリーズ来援の報を聞いた瞬間二人の士気が上がる。企業連最精鋭の4つの戦闘機部隊━━その中でもラーズグリーズ隊は五人で一個飛行大隊に匹敵する。

 

サンダーヘッド《全機急げ、彼女達を絶対死なせるな!》

 

ラーズグリーズが動く時、それは大きな戦いがある時・・・そしてその戦いを終わらせる時だ。

 

アルヴィン《あたぼうよ!美人のねーちゃん死なせたら夢見が悪いぜ!》

 

サンダーヘッド《ラーズグリーズ3、私語を慎め・・・と言いたいところだが、全くその通りだ》

 

アルヴィン《珍しいねぇ、あんたと気が合うなんてな》

 

アヴァロンダムに漆黒の翼を持つ戦乙女、ラーズグリーズ(戦いを終わらせる者) が舞い降りようとしていた。

 

ブレイズ《見えた!敵機多数、味方2機交戦中!》

 

サンダーヘッド《こちらサンダーヘッド、交戦を許可する!攻撃開始!》

 

ナガセ《エッジ交戦!》

 

アルヴィン《チョッパー交戦!》

 

グリム《アーチャー交戦!》

 

スノー《ソーズマン交戦!》

 

ブレイズ《ブレイズ交戦!全機TLS(戦略レーザー兵装)照射!》

 

ビィィィィィィィィィィ!

 

到達と同時にADF-01の機首に搭載された戦略レーザー兵装、TLSがゴリアテおよそ12機が凪ぎ払われた。

 

スコール《ラーズグリーズ!来たのね!》

 

オータム《行くぜぇ、あたしらも負けてられねぇ!反撃だ!》

 

ラーズグリーズが到達した時、二人も反撃態勢に移った。偵察後の撤退戦を強いられていた故にラーズグリーズの来援は彼女達にとって最高の援軍であった。

 

《ドラグーン1からシャンツェ、敵戦闘機部隊確認!黒い機体・・・あのカラーリングは!》

 

敵戦闘機の1機はラーズグリーズ(黒い翼を持つ戦乙女)の姿を見た。しかし・・・

 

《な、がぁ!》

 

彼を始めとした戦闘機部隊はラーズグリーズの姿を二度と見る事はなかった。

 

グリム《敵戦闘機撃墜!》

 

サンダーヘッド《こちらサンダーヘッド、全機聞け。敵コントロールセンターはダムの底だ。》

 

スコール《やはりダムの中ね》

 

サンダーヘッド《隔壁が閉鎖される前にダム内に侵入し3ヶ所のコントロールセンターを破壊せよ!》

 

スノー《侵入しろとかかなり無茶な任務だな!》

 

ダムの底にあるコントロールセンターの破壊任務、戦闘機でその任務を実行する事はかなり困難な事だ。しかし・・・

 

ブレイズ《俺がやる。》

 

アルヴィン《おいブービー、いくらなんでも無茶だ!》

 

ラーズグリーズリーダー《ブレイズ》が自ら志願した。狭い空間を飛ぶという明らかに自殺行為な任務だ。だが、ラーズグリーズ隊には二人の味方がいる。

 

スコール《私達も支援するわ!》

 

オータム《道なら開けてやるぜ!》

 

オータムが先行し、閉じ始めようとした隔壁にレーザーを撃ち込む、そして

 

オータム《おんどりゃぁぁぁぁぁぁぁ!》

 

8本の装甲脚をと自らの腕を駆使して無理矢理隔壁を抉じ開け、剥がし・・・

 

バキバキバキバキバキバキ・・・

 

アルヴィン《おいおいマジかよ!》

 

オータム《ぬぅぅぅぅぅ・・・だらっしゃぁぁぁぁ!》

 

がしゃぁぁぁぁぁん!

 

機体の数倍以上ある隔壁を投げ捨てた。一見華奢に見える機体だがそこはIS、機体の剛性を嘗めてはいけない。とはいえ、かなり負担を掛けたようで装甲脚のほとんどが機能しなくなった。

 

スコール《よくやったわオータム、後は私達に任せて!》

 

ブレイズ《こちらブレイズ、ダム内に突入する!》

 

オータム、ブレイズがダム内に突入した。しかし彼らの戦いはまだ中盤であった。




長くなるんでまだまだ続きます。

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