フレームアームズガール 《従兄弟の兄さんは地味に凄い人》   作:アインスト

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だいぶ時間が空いてしまいました‥‥‥。

すみません。

では、どうぞ。


『愉快なおつかいレース』

 

『愉快なおつかいレース』

 

 

 

システムリブート

 

各部武装問題無し

 

状態は良好

 

ウェアウルフ、アクティブ

 

これより記録を開始する

 

 

 

×月×日

 

天候は晴天也。

 

FAガール、FA共に異常無し。

 

現マスター・源内あおの健康状態は良好。

 

報告内容としては足らない物と思われるが、中々に興味深いデータを取得できた。

 

元マスター、源内浩太は『スクランブルミッション』という任務を知っているだろうか。

 

今回の報告内容はそのスクランブルミッションにおける我々のデータ収集結果である。

 

この報告文面と合わせて送信した映像記録を参照していただきたい。

 

尚、この映像記録は小型ドローンによって撮影された物である。

 

先日元マスター、源内浩太が送ってくれたカメラ搭載型小型ドローンのおかげである。

 

 

 

数日前

 

キッチンにて

 

 

 

あお「とぉぉぉぉりゃりゃりゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

マークII「うわ、すげぇ」

 

バルチャー「訓練の賜物、というヤツだな」

 

セカンド「それにしたって速すぎね?」

 

マークII「あおちゃんあおちゃん、料理できる女の子はモテるぞ~」

 

あお「あはは、てれちゃうなぁ‥‥‥」

 

 

 

その頃、轟雷たちは先日届いた新しい掃除ロボット‥‥‥いわゆるルンバに興味津々である。

 

試しに轟雷がルンバのスイッチを押し、起動させてみる。

 

 

 

『サポートビークルモードダヨ~!!』

 

轟雷「え?」

 

スティ子・バーゼ「「へっ?」」

 

『アハハハハハ~!!』

 

 

 

ルンバが奇妙な事に笑いながら走り回る。

 

‥‥‥奇妙だ。

 

 

あお「あ、ちゃんとお掃除ロボット直ってるでしょ?」

 

轟雷「直っているといいますか‥‥‥」

 

ウルフ「何故あのロボットはテンションが高いのだ?」

 

あお「武希子はね~、武器を組み立てるだけじゃなくてこんな掃除機とか直せるのよ~。さっすが武希子!!」

 

ウルフ「武希子‥‥‥侮れんな」

 

あお「でね、そのお礼に酢豚を作ってるって訳。武希子の大好物なんだー!!」

 

 

 

そんな彼女の一言をいざ知らず、スティレット達は修理、いや改造されたルンバに注目していた。

 

ケラケラと笑いながら移動するルンバにどうやら私は呆気に取られていたようだ。

 

 

 

スティ子「これ、ゴミを吸ってるって感じじゃないわね」

 

『サポートビークルモードダヨー!!』

 

シロ「乗り物に進化したって事ね」

 

クロ「お掃除だけじゃなく移動手段にも使えるって訳ね」

 

轟雷「それは凄いです!!」

 

 

 

そんな会話をよそに、着々と調理を続けるあお。

 

ゴーグルとマスクを装着して、だが。

 

 

 

あお「私ってばこう見えて意外と女子力高いんだよねー。友達のために酢豚作っちゃうなんてさ」

 

マークII「まずそのツラが女子力高ぇって言えんのか‥‥‥?」

 

セカンド「女子力(物理)」

 

マークII「それな」

 

あお「ちょっとー、君たち聞いてるー?」

 

 

 

彼女はそう轟雷たちに問いかけるが、彼女らは改造されたルンバに乗って部屋中を駆け回っている。

 

 

 

ウルフ「聞く耳持たず、とはこの事だな」

 

ゼロ「だな」

 

 

 

が、次の瞬間あおの悲鳴が響く。

 

 

 

あお「わーーーーーっ!?」

 

ウルフ「ぬ?どうした?」

 

あお「なんと‥‥‥私とした事がぁ‥‥‥!!」

 

ゼロ「なんだ、何があったんだ?」

 

あお「豚肉を素揚げするというプロのひと手間を加えたにも関わらず、お酢を切らしているというなんたる失態!!これじゃ豚、酢豚じゃなくて豚だよ!?」

 

ウルフ「とりあえず落ち着け」

 

マークII「どうどう」

 

セカンド「それじゃあ馬じゃねぇか」

 

マークII「確かに」

 

あお「あー‥‥‥お酢が無いまま豚肉がカラッと揚がっていく‥‥‥」

 

ゼロ「ありゃー‥‥‥」

 

ジィダオ「マズイな、これは」

 

レイダオ「というかあおちゃん、料理の前に食材とか足りない物が無いか確認するのは基本中の基本なんだけど」

 

あお「返す言葉も無いよー‥‥‥」

 

 

 

 

すると轟雷が何かを思い付いたのか、あおに進言する。

 

「私がおつかいに行く」と。

 

 

 

あお「どうしたの轟雷、珍しいじゃん」

 

轟雷「あお、私に任せてください!!」

 

あお「じゃあお願いしちゃおっかな?」

 

轟雷「わかりました!!ではウルフ、ついてきてください!!」

 

ウルフ「いや、俺は待機を」

 

轟雷「いいから、行きますよ!!」

 

ウルフ「り、了解した」

 

 

 

そして、彼女らは装甲パーツを装着する。

 

目標は、あおの求める酢のために。

 

 

 

轟雷「酢豚のお酢を目指してっ!!」

 

迅雷「押忍っ!!」

 

スティ子「お酢っ!!」

 

バーゼ「おいっすー!!」

 

ウルフ「まぁ、依頼されたからにはやらせてもらおう」

 

マークII「んじゃ、いっちょ行きますか!!」

 

ゼロ「飛行パーツも問題無し、行けるぞ」

 

ジィダオ「我々は待機だな」

 

レイダオ「そうだね兄さん」

 

セカンド「俺は出る。このまま黙って待ってられないからな」

 

ウルフ「ではジィダオ、レイダオ。あおの事は任せるぞ」

 

ジィダオ「あぁ」

 

 

 

準備を終えた我々は付近の駐車場に移動するが、何故かあのルンバもついてきてしまっていた。

 

 

 

マークII「なんだぁ?ついてきたぞ?」

 

『アタラシイナマエヲツケテ!!』

 

轟雷「名前、ですか。そうですね‥‥‥」

 

ウルフ「作戦におけるコードネーム、という事か」

 

 

 

私がそう思案していた所に彼女、バーゼラルドがこう言い放った。

 

 

バーゼ「よし、今日からキミはスレイプニー太郎!!スレイプニー太郎だー!!」

 

スティ子「スレイプニー太郎‥‥‥?何それ?」

 

バーゼ「スレイプニールとは神様が乗る八本脚の軍馬の名前なのであーる!!」

 

轟雷「バーゼラルドは物知りですね」

 

スティ子「いやいや、だからニー太郎って何よ」

 

バーゼ「え、男の子だからニー太郎」

 

スティ子「男の子なんだ‥‥‥」

 

迅雷「ふむ、軍馬とは良い響きだな」

 

『スレイプニータロウ!!トウロクシタヨ!!』

 

ゼロ「自動登録されんのかよ‥‥‥」

 

轟雷「はい、よろしくお願いしますねスレイプニー太郎!!」

 

 

 

‥‥‥何故か轟雷は嬉しそうだ。

 

恐らくあれだ、サポートビークルが追加されたからだ。

 

もとより我々ウェアウルフタイプは動きが鈍い傾向にある。

 

まぁ何故か私は例外のようだが。

 

履帯で移動速度を一応確保してはいるが、やはりスティレットタイプやバーゼラルドタイプには遠く及ばない。

 

だからこそ余計に、というやつである。

 

 

 

轟雷「という訳でチーム分けをします。題して"おつかいレース"!!」

 

FAガール勢『おつかいレース?』

 

FA勢『(嫌な予感しかしない/しねぇ‥‥‥!!)』

 

 

 

轟雷が提案した通称"おつかいレース"のルールはこうだ。

 

まず陸戦チームと空戦チームに分かれる。

 

勝利条件は至って簡単、相手チームよりも速く酢を確保し、あおの元へ輸送する。

 

その物資確保、輸送の間は妨害は許可されている。

 

そしてチームで分かれたのは良いのだが、マテリア姉妹が乗り物、すなわちあのドローンを入手したらしい。

 

ここでチーム分けは

 

陸戦チーム:轟雷、迅雷、ウルフ

 

空戦チーム:スティレット、バーゼラルド、マークII、ゼルフィカール

 

乗り物チーム:マテリア姉妹

 

単独行動チーム:アーキテクト、セカンドジャイヴ

 

となった。

 

そして、轟雷の号令でスタート。

 

 

 

 

 

まず我々陸戦チーム。

 

轟雷と迅雷はスレイプニー太郎に乗り最大戦速で移動、私は履帯を展開して高速移動する。

 

移動している途中、迅雷が何かを見つける。

 

 

 

迅雷「おぉ、芝居小屋とは粋だな!!偵察して行くか!!」

 

轟雷「ダメですよ。急がないと」

 

迅雷「む、わかった。では速度を上げよう」

 

 

 

そう言って迅雷はスレイプニー太郎の加速スイッチを押す。

 

その瞬間、スレイプニー太郎の速度が加速する。

 

 

 

 

轟雷「想像以上に速いですね‥‥‥!!」

 

迅雷「おい轟雷、しっかり操縦しろ!!」

 

轟雷「と言われても操縦方法が分かりません‥‥‥!!」

 

 

 

加速したまま付近の公園に到着。

 

スレイプニー太郎からは『暴走』と宣告。

 

止まらない。

 

 

 

迅雷「どうどう!!暴れ馬め、静まれ!!」

 

轟雷「目が回ってきました‥‥‥」

 

 

 

さらに暴走を続けるスレイプニー太郎から二人が振り落とされる。

 

 

 

轟雷「あっ‥‥‥」

 

迅雷「しまっ‥‥‥!!」

 

 

 

二人が落ちる前に履帯の速度を限界以上まで引き出し、二人を抱きかかえる。

 

だが途中で履帯が千切れ、かなりの速度がついたまま転倒してしまった。

 

二人には怪我は無いようだ。

 

 

 

 

轟雷「ウルフ、どうして私たちを‥‥‥?」

 

ウルフ「こんな些細な事で怪我を負ってほしくなかったからだ」

 

迅雷「だがお主の履帯が!!」

 

ウルフ「気にするな。壊れたら直せばいい」

 

轟雷「ウルフ‥‥‥」

 

 

 

 

 

その頃の空戦チーム。

 

ここからの記述はマークII及びゼロによる物である。

 

どういう訳か報告には『山羊に襲われた』とある。

 

‥‥‥深くは聞かないでおこう。

 

そして、マテリア姉妹は案の定ドローンに乗って移動。

 

だが、前方不注意で木に直撃。

 

姉妹共々リタイアとなったそうだ。

 

 

 

その頃、単独行動中のアーキテクトとセカンドジャイヴ。

 

 

 

 

セカンド「ここだな。無事に着けて良かった良かった」

 

アーキ「じゃあ、買い物する。急ごう」

 

セカンド「おっしゃ。移動は任せろ」

 

アーキ「了解。学習モード、おつかい‥‥‥データ取得完了。サブルーティン化、実行」

 

セカンド「なぁアーキテクト」

 

アーキ「‥‥‥何?」

 

セカンド「一応豚肉も買っていこうぜ。きっとあおの事だ、焦がしちまってるに違いない」

 

アーキ「了解。では移動を」

 

セカンド「あいよー」

 

 

 

 

 

その頃、我々陸戦チームは歩きで移動していた。

 

スレイプニー太郎?

 

あぁ、あいつなら何故か勝手に戻って行ってしまったよ。

 

 

 

ウルフ「これではおつかいは無理だな」

 

轟雷「私の‥‥‥せいでしょうか‥‥‥」

 

ウルフ「そんな事は無い。そういう時もある」

 

迅雷「そうだぞ轟雷。今回は失敗してしまったが、まだ次があるんだ。次、頑張ればいいのだ」

 

轟雷「‥‥‥そうですね。いつまでもくよくよしてても仕方ありません!!次頑張りましょう!!」

 

ウルフ「さぁ、帰還しよう。あおもきっと心配している」

 

轟雷「はいっ!!」

 

 

 

 

 

その頃空戦チーム。

 

どうやら飛行ユニットが壊れてしまい、飛べなくなってしまったようだ。

 

 

 

スティ子「全身ねちょねちょなんだけど‥‥‥もう、最低!!」

 

バーゼ「ふぇぇ、ずぶ濡れだぁ‥‥‥」

 

マークII「飛行ユニットが壊れてさえなけりゃひとっ飛びなんだけどなぁ‥‥‥」

 

ゼロ「はは‥‥‥ま、仕方ないさ。とりあえず急ごう」

 

バーゼ「バーゼもう疲れたよぉー‥‥‥」

 

ゼロ「ほら、おぶってやるから。乗れ」

 

バーゼ「いいのー?じゃあ失礼しまーす‥‥‥」

 

マークII「道のりがなげぇなぁ‥‥‥」

 

スティ子「ホント、距離が距離なだけに余計にね」

 

 

 

 

 

一方その頃、単独行動チーム。

 

アーキテクトとセカンドジャイヴは目的の物を手に入れたのか、荷物を専用コンテナに積んで移動していた。

 

そして、マテリア姉妹は。

 

 

 

クロ「どうするの?」

 

シロ「どうするのかしら私たち」

 

クロ「絶体絶命」

 

シロ「追い詰められている私たち‥‥‥」

 

クロ「‥‥‥美しい」

 

シロ「えぇ、きっと美しい」

 

 

 

木の幹にぶら下がっていた。

 

そしてあおはというと。

 

 

 

あお「豚肉が焦げて‥‥‥全滅したー!!火が強すぎたのかなぁ‥‥‥?」

 

アーキ「今帰った」

 

セカンド「おつかい成功だぜ」

 

あお「あ、おかえり‥‥‥」

 

アーキ「お酢、おつかい完了」

 

あお「ありがと‥‥‥しかしだね、今出来るとしたら酢豚じゃなくて酢なんだわ‥‥‥ごめん、もう一回おつかい行ってきて!!今度は豚肉!!」

 

セカンド「はは、やっぱりな」

 

あお「ふぇ?」

 

アーキ「セカンドジャイヴの提案で豚肉の予備も買ってきた。セカンドジャイヴ、出して」

 

セカンド「あいよ。ちょっと待ってな」

 

 

 

そう言ってセカンドジャイヴはコンテナから豚肉を取り出す。

 

 

 

あお「あ、ありがとー!!ホントありがとー!!」

 

アーキ「礼はいらない。それより轟雷たちは?」

 

あお「え?まだ帰ってきてないよ?」

 

アーキ「となると‥‥‥」

 

セカンド「あー、そんな気はしてた」

 

アーキ「探しに行こう」

 

セカンド「仕方ねぇなぁ‥‥‥あおちゃん、ちょっと行ってくるから武希子にプレゼントする酢豚作ってな」

 

あお「わかった。じゃあよろしくね?」

 

 

 

そして、その夕方。

 

全員回収し終えた後に修理をする。

 

 

 

バルチャー「まったく、お前ら揃いに揃って何してんだ」

 

ウルフ「すまない」

 

スティ子「そもそもバーゼが寄り道しようとか言わなきゃ無事で済んだのに‥‥‥」

 

バーゼ「あはは、ごめんごめん!!」

 

ジィダオ「それで、お前たちはあのドローンを盗んでいたとは‥‥‥」

 

シロ「あら、盗んだなんて人聞きが悪いわねぇ」

 

クロ「借りてるのよ、永遠に」

 

シロ・クロ「「うふふふふふ‥‥‥」」

 

ジィダオ「このバカタレが」

 

 

 

マテリア姉妹の頭上に拳骨を落とすジィダオ。

 

面倒見の良い兄のようだ。

 

 

 

轟雷「でもまたやりたいですね、おつかいレース!!」

 

迅雷「今度は負けん!!」

 

マークII「もう勘弁してくれ‥‥‥」

 

ゼロ「俺たちの気苦労が増える‥‥‥」

 

アーキ「学習モード‥‥‥豚、データ取得完了。古代猪が家畜化されたもの。弥生時代には日本で飼育されていたという説あり。明治時代以降養豚場が増加、食肉用として定着した。現在豚肉は国内の食肉消費量No.1。ビタミンB1が大変多く、牛肉の約10倍含まれる。そのため、疲労回復効果があり夏バテなどに有効な食材として注目されている」

 

セカンド「わざわざ調べたのか。えらいな」

 

 

 

セカンドの一言でアーキテクトはわずかに顔を紅潮させた。

 

以上、スクランブルミッション訓練の概要である。

 

 

 

浩太「スクランブルミッション、ねぇ‥‥‥ただのおつかいじゃんか。ま、報告ご苦労様っと‥‥‥さて、早いとこフレズヴェルクの調整を済ませないと」

 

 

 

彼の机の上には、フレズヴェルクと呼ばれた2体のFAタイプが鎮座していた。

 

まるで、何かの目覚めを待っているかのように。

 




次回、『感じて花火大会』をお送りします。

お楽しみに。

では次回の更新で。

感想、質問等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ
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