フレームアームズガール 《従兄弟の兄さんは地味に凄い人》 作:アインスト
『飛べないスティ子はスティ子でいいのかな?』
ーー深夜。
私はトイレに行きたくなって目を覚ました。
トイレに行こうとすると足元から『パキッ』って音がした。
あお「んぇ‥‥‥?」
‥‥‥ま、いっか。
朝。
轟雷「あお、白米の量はこれぐらいでどうですか?」
あお「うん、いい感じ。ありがとう轟雷。あ、お米ついてるよ。取ってあげるね」
轟雷「すみませんありがとうございます」
朝食をテーブルまで運び、食べ始める。
うん、美味しい。
あお「あ、そういえばスティ子、ここに住むの?」
スティ子「‥‥‥」
あれ、なんかスティ子がジト目で見てくるんだけど‥‥‥。
あお「何その目?」
スティ子「‥‥‥スティ子?」
あお「そうスティ子!スティレットじゃ長いと思ったからさ。それで、どうなの?」
スティ子「あたり前よ、轟雷に負けっぱなしで帰るなんて私のプライドが許せない!!」
あお「そっか~‥‥‥うちはペット禁止なんだけど‥‥‥まぁ食費がかかる訳じゃないからいっか」
スティ子「私たちを追い出そうとしてもむd‥‥‥わぷっ!?」
轟雷「あ、すみません」
スティ子の頭の上に大量なお米が。
轟雷が理由を話す。
轟雷「あおがあまりにも美味しそうに食べるのでまだいけるかと思いまして‥‥‥」
あお「うんうん、まだいけるよ。ちなみにこのお米は親戚のおじさんが送ってくれる‥‥‥」
スティ子「ちょっとアンタたち!!米乗っけられた私を挟んで何おしゃべりしてんのよ!?」
轟雷「あ、すみません。お米取りますねスティレット」
轟雷がスティ子の頭についたお米を取ろうとすると‥‥‥
スティ子「‥‥‥!?」
轟雷「よいしょ‥‥‥」
まるで石みたいに固まっちゃった。
どうしたんだろう?
スティ子「‥‥‥」
轟雷「‥‥‥スティレット?」
あお「どうしたの?」
スティ子「わ、わからない‥‥‥身体が動かないのよ‥‥‥」
轟雷・あお「「えっ?」」
スティ子「どうして‥‥‥」
バーゼ「それはトラウマだねっ」
バーゼが寝転がりながら口を開いた。
ただ、聞き慣れない言葉が出てきたから轟雷は改めて聞く。
轟雷「トラウマ、とはなんですか?」
ウルフ「トラウマというのは人間的に精神状態が一時的に錯乱状態にあり、これにより‥‥‥」
バーゼ「長ったらしい説明はいいよ。まぁ簡単に言っちゃうとね~、心の傷だよ。スティレットは轟雷に負けたのがスッゴい嫌だったんだよ~。だから、胸の中や頭の中がもやもや~、ぐちゃぐちゃ~ってしちゃって~、傷んじゃったの」
轟雷「なるほど‥‥‥」
あお「バーゼ、アンタホントは頭いいでしょ」
バーゼ「え~?」
私は知らないよ、と言わんばかりにしらばっくれるバーゼ。
なんか地味にムカつく‥‥‥。
スティ子「そ、そんな‥‥‥私が‥‥‥トラウマ‥‥‥!?轟雷の‥‥‥轟雷のせいでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
轟雷「どうしましょう‥‥‥?」
スティ子「いやいやいやあり得ないから、そんなの絶対あり得ないから!!」
するとバーゼが轟雷を前に押し出し、スティ子の真ん前まで近づける。
すると‥‥‥。
スティ子「(ガチーンッ!!)」
石のようにまた固まっちゃった。
バーゼ「にゃっははははは!!やっぱそうだよ~」
あお「ガッチガチだねぇ」
スティ子「違うってばぁ!!」
バーゼ「え~?だってさぁ~」
バーゼはまた轟雷をスティ子に近づけようとする。
スティ子「ちょっ‥‥‥やめてよ‥‥‥」
バーゼ「じゃあトラウマだって認める?」
スティ子「み‥‥‥認めない!!充電くん!!」
充電くんを呼び出し、アーマーパーツを装着する。
そして飛ぼうとするけど‥‥‥。
スティ子「よっ‥‥‥きゃあっ!?」
飛べずに落ちてしまう。
スティ子「え‥‥‥飛べない‥‥‥?」
ウルフ「ふむ、トラウマがここまでとはな」
轟雷「もしかして‥‥‥」
バーゼ「これもトラウマのせい?」
スティ子「そんな‥‥‥まさか‥‥‥」
でもいったい何がダメなんだろう?
あお「どういう事?」
轟雷「深刻な問題です。私達には共通の汎用制御人格プログラムの他にそれぞれの個体に特化した戦闘用プログラムがインストールされています。スティレットの空中戦に特化したシステムがトラウマによって機能障害を起こしてるのかも‥‥‥」
ウルフ「確かに、少々よろしくないな」
スティ子「飛べない私なんて‥‥‥ただの‥‥‥」
ウルフ「一瞬ある動物の鳴き声が聞こえた気がするのだが」
バーゼ「それは気にしちゃいけないよ~」
ウルフ「ふむ、ならば早急に手を打たねばな」
バーゼ「スティレットの~、トラウマ克服~!!作戦開始~、いぇ~い!!」
箸を持ってお茶碗を叩くバーゼ。
行儀が悪いと思うんだけど‥‥‥。
ウルフ「バーゼラルド、少々行儀が悪いぞ」
バーゼ「あ、ごっめ~ん」
ウルフ「まったく」
という訳で早速スティレットのトラウマを克服するべく行動開始。
私は言われた通りにやってみる。
スティ子「どういうつもり‥‥‥?」
バーゼ「まぁまぁ慌てない慌てない」
あお「じゃ、行くよ~」
バーゼ「ゴーゴー!!」
バーゼの掛け声と共に轟雷が乗ったセッションベースを押して、スティ子の近くまで近づける。
あお「おっ、結構大丈夫じゃんスティ子」
バーゼ「もうちょっと行ってみよ~!!」
徐々に近づけ、最終的にはセッションベースを接続。
だけどやっぱりまだスティ子はダメみたい。
あお「あれ、でもここからどうしたらいいの?」
バーゼ「う~んとねぇ、わかんない!!」
ウルフ「とりあえず考える事にしよう。三人かどうかわからんがことわざで『三人寄れば文殊の知恵』と言うだろう?」
バーゼ「そうだね~、う~ん‥‥‥」
あお「う~ん‥‥‥あ、そうだ!!」
ウルフ「何か良い案でも?」
あお「いやトラウマってさ、ショック療法で治るんじゃなかったっけ?」
バーゼ「うん、そこで何かガツンと衝撃的な事をしたら!!」
すると轟雷は何か思い付いたみたい。
轟雷「ッ!!」
同時にセッションベースが起動し、発光する。
轟雷「轟雷!!」
スティ子「ス、スティレット!!」
轟雷・スティ子「「フレームアームズガール、セッション!!」」
轟雷「GO!!」
スティ子「み、見てなさい!!」
二人が転送され、アーマーパーツをそれぞれ装着する。
轟雷「導きます‥‥‥貴女を!!」
バーゼ「わー、セッションコールしちゃった~!!」
ウルフ「いったい何をするつもりだ‥‥‥?」
スティ子もアーマーパーツを装着し終える。
スティ子「ス、ス‥‥‥スパーキング!!」
ステージは前に轟雷とスティ子が戦った砂漠ステージ。
スティ子はあの時のバトルを思い出したのか怖じ気ついてしまう。
あお「どういうつもりなんだろう轟雷?」
バーゼ「さぁ~?でも面白そう!!にゃはははは!!」
ウルフ「ずいぶんと気楽だな‥‥‥」
轟雷がスティ子の元にじわじわと近寄る。
だけどスティ子は脚を震わせて膝をついてしまう。
大丈夫かなぁ‥‥‥。
あ、轟雷がスティ子の顔を上げた。
轟雷「‥‥‥スティレット」
スティ子「‥‥‥?」
すると次の瞬間!!
轟雷「‥‥‥んっ」
スティ子「!?!?」
あお・バーゼ「「おぉ~!?」」
ウルフ「‥‥‥なるほど」
なんと轟雷がスティ子にキスをしちゃった!?
え、どういう事ぉ!?
スティ子「‥‥‥っ、んんっ‥‥‥!?」
轟雷「‥‥‥」
みるみるとスティ子の顔が赤くなる。
そりゃあもうトマトみたいに。
しばらくするとスティ子の頭の中がショートしてしまったみたいで、止める手を離した。
轟雷「‥‥‥ふぅ。あお、ショック療法とはこんな感じで良かったでしょうか?」
あお「あれ、もしかしてなんか私いらないアドバイスしちゃった‥‥‥?」
バーゼ「にゃっははははは!!」
ウルフ「ふむ、これが俗に言う『百合』という物か」
あお「ちょっ、ウルフ何処でそんな言葉覚えたの!?」
ウルフ「いや、ちょっとな」
スティ子は気絶したみたいで、ライフゲージがゼロになった。
『winner 轟雷』
バーゼ「あ~あ、スティレットの回路、吹っ飛んじゃったね」
あお「これでこじらせちゃったらどうしよう‥‥‥」
ウルフ「その心配はないと思うぞ」
あお「そうなの?」
ウルフ「恐らく、だがな」
すると充電くんが私の服を引っ張る。
充電くんの手にはスティ子の脚のウイングパーツがあった。
ウルフ「む、これは‥‥‥」
轟雷「これ、破損してますね。だからスティレットは飛べなかったんです」
あお「えっ?」
轟雷「どうやら上から何らかの力が加わって破損してしまったみたいですね」
あお「上から‥‥‥?あっ」
ウルフ「何か心当たりでもあるのか?」
あお「ごめん、それ私だ‥‥‥」
ウルフ「仕方あるまい、スティレットが目覚める前に修復しよう」
それから数分後。
ヒビが入っていたウイングパーツが綺麗に直った。
それと同時にスティ子が目を覚ました。
スティ子「ん‥‥‥あれ、私‥‥‥何を‥‥‥?」
バーゼ「何も覚えてないの~?」
スティ子「確か‥‥‥バーゼが私のトラウマ克服作戦とか言って‥‥‥轟雷とセッションベースに乗ってどんどん近づけて‥‥‥あれ?それからどうしたんだっけ‥‥‥?」
ウルフ「ふむ、どうやら本当に何も覚えていないようだな」
バーゼ「あちゃ~‥‥‥」
轟雷「‥‥‥スティレット、飛んでみて下さい」
スティ子「え‥‥‥でも‥‥‥」
轟雷「スティレットはもう大丈夫です」
スティ子「大丈夫‥‥‥?」
轟雷「はいっ!!」
ウルフ「騙されたと思って飛んでみろ、スティレット」
スティ子「‥‥‥わかった、やってみる。けど、別にアンタ達の言葉を信じた訳じゃないからね!!」
轟雷「はいっ!!」
スティ子は早速アーマーパーツを装着し、飛ぶ。
どうやらちゃんと飛べるようになったみたい。
スティ子「飛べた‥‥‥!!良かった‥‥‥良かったよ‥‥‥!!」
ウルフ「うむ、結果オーライだな」
スティ子は自由自在に飛び回る。
それほど嬉しかったんだね、スティ子は。
あお「スティ子、良かったね」
バーゼ「にゃっはは~、まぁパーツを修理したから当たりm」
ウルフ「少し黙っておけ、バーゼラルド」
バーゼ「うむむ‥‥‥」
スティ子「私はトラウマを乗り越えまた一つ強くなった!!私偉い、私強い!!」
ウルフ「(人、それは『自画自賛』と言う)」
スティ子「轟雷!!早速私とバトりなさぁぁぁぁい!!」
スティ子は轟雷の元に飛んでいく。
けど轟雷の唇を見たとたんに急停止した。
さらに追い討ちをかけるかのようにスティ子の顔がどんどん赤くなった。
スティ子「なっ、ななな何‥‥‥?どういう事‥‥‥?なんでこんな‥‥‥?」
轟雷「スティレット?」
スティ子「(ガチーンッ!!)」
あれ、また固まっちゃった。
バーゼ「ほほ~う‥‥‥?」
あお「いやぁこれは‥‥‥」
あお・バーゼ「「おもしろ~!!」」
ウルフ「‥‥‥スティレット、強く生きろ」
スティ子のトラウマがまた一つ増えちゃったみたい。
ま、それはゆっくり治せばいいよね。
『青い旋風が私の部屋にやってきた』
日曜日。
せっかくの休日だからゆっくりしようっと。
轟雷はウルフと一緒みたい。
なんか兄妹みたいだなぁ~。
ウルフ「‥‥‥よし、ナイフはこんな所か」
轟雷「凄い‥‥‥鏡みたいに反射してますよ」
ウルフ「綺麗に磨けばこんな物だ」
轟雷「私にも教えてくださいウルフ!!」
ウルフ「わかった、じゃあまずは‥‥‥」
‥‥‥もう兄妹でいいんじゃないかな?
バーゼとスティ子は‥‥‥あ、またやってる。
バーゼ「すぴぃ‥‥‥」
スティ子「アンタそろそろ起きなさいよ‥‥‥」
バーゼ「むにゃむにゃ‥‥‥もうちょっと~」
スティ子「いい加減にしなさいこの寝坊助!!」
スティ子がバーゼの充電くん(ベッドモード?)を蹴り飛ばし、バーゼもろとも蹴っ飛ばした。
バーゼ「いたぁい!!もう、やめてよスティレット!!」
スティ子「いつまでも寝てるアンタが悪いんでしょうが!!」
バーゼ「うむむ‥‥‥!!」
仲が良いんだか悪いんだか‥‥‥ま、『喧嘩するほど仲が良い』って言うから大丈夫かな。
すると玄関から何かが落ちる音が。
ちょうど箱が落ちるような‥‥‥ちょっと見てこよう。
あお「‥‥‥うわ、いつぞやの大きめな箱‥‥‥また兄さんからかな?」
そう言って箱を持ち上げる‥‥‥って!?
あお「ちょっ、重た‥‥‥!?何入ってんのこれ!?」
苦労しつつ私の部屋に持っていく。
で、箱を開けるといつぞやの黒い大きめな箱と轟雷達のサイズでちょっと大きめなトランクが2つ。
何これ?
あお「やっぱり差出人は兄さんか‥‥‥まぁいいや、開けてみよ」
轟雷「また何か入っていたんですか?」
あお「うん。いったいこれはなんd」
???「イィヤッハァァァァァァ!!」
黒い大きめな箱からいきなり何かが飛び出す。
姿を確認すると、スティ子に似ている‥‥‥けど見たこと無い武器みたいな物を身に着けている。
なんともゴツくはないけどスマートなロボットが出てきたみたい。
もしかしてこの青いロボットも‥‥‥
ウルフ「む、お前はスティレットか?」
スティレット「おうとも、ただしただのスティレットじゃねぇ。スーパースティレットだ!!」
ウルフ「‥‥‥マークIIでいいな?」
スティレット(以下マークII)「はぁっ!?なんでだよ!?」
ウルフ「スーパー、というなら二番目の強化なのだろう?」
マークII「そりゃあ‥‥‥そうだけどよ‥‥‥」
ウルフ「ならばマークIIで決定」
マークII「うーい‥‥‥」
あお「ちょっと待って待って、え、どういう事?」
轟雷「恐らくスティレットとは別のスティレットなのでしょう。自分からスーパースティレット、と名乗っていましたし」
スティ子「でもマークIIってウルフが呼んでたし‥‥‥マークIIでいいんじゃないの?」
バーゼ「そだね。じゃあマークIIでけって~い!!」
という訳でスーパースティレットのあだ名は『マークII』で決定したみたい。
するとマークIIはウルフにこんな事を言い出した。
マークII「ウルフ、俺とバトルしようぜ!!」
ウルフ「ふむ、いいだろう」
あお「え、フレームアームズもバトルするの!?」
ウルフ「あぁ。まぁ戦い方は少々違うが」
あお「へ?」
いったいどんなバトルをするんだろう‥‥‥?
次回『ウルフvsマークII』&『お掃除しよう!!』をお送りします。
感想などお待ちしてます。
では次回の更新で。
ではでは(´・ω・`)ノシ