ノンケ提督が艦シーメール鎮守府に着任しました。 作:ゔぁいらす
全弾を影にぶつけた後目の前が真っ暗になった阿賀野は良くわからないあたたかな空間に居た。
「何が起こったの?私はたしか影にありったけの砲弾をアイツにぶつけて・・・それから・・・」
阿賀野は突然の事に困惑する。
「もう燃料も無いし弾薬も無い。阿賀野疲れちゃったなぁ・・・・もうダメかも・・・ん?もしかして阿賀野、沈んじゃったの・・・・?ごめんなさい提督さん。私、約束守れなかった・・・」
阿賀野がそう呟くと
「いイえ・・・あナたは打ち勝ったのよ」
と声が聞こえる。
「誰・・・?」
阿賀野が目をやるとそこには影があった。影と言ってもさっきまで戦っていた影を見ているときのような恐怖心は無く、寧ろ安心感すら覚える。目を凝らしてもぼやけていて良く見えないがその声は影から発せられていることがわかった。
「ありがとウ・・・私達ヲ救っテくれテ・・・これかラはアナタがワタシのカワリにこノ海ヲ・・・守って。後は頼んだよ。新しい阿賀野さん。私達にはできなかった事だけど。じゃあね・・・」
影はそう言うと2つにわかれ消えて行った。
「待って・・・待ってよ・・・・阿賀野は・・・私は・・・・・」
阿賀野は声を上げるがその声は虚空に響いた。
その時阿賀野ははっと気がついた。そこは黒煙の中。そしてさっきまで見ていた物が幻であるとわかった。
(夢・・・?なんでこんなタイミングであんな夢を見ちゃったんだろ・・・)
そして黒煙は徐々に晴れ、目の前にはぼろぼろになった影、いや阿賀野にそっくりな深海棲艦が立っている。その表情はどこか安らかだった。
「ススムガ・・・イイサ・・・その、先には・・・!」
そう言い残すとその深海棲艦は爆煙を上げ海へと沈んで行った。
「阿賀野・・・・勝ったの?そうだ!那珂ちゃんは・・・」
阿賀野は一筋の光の先に一人の艦娘が海から突き出た岩にしがみついているのに気付いた。阿賀野は彼女の事が那珂だと確信した。
「那珂ちゃん!」
阿賀野は残り少ない燃料を使い駆け寄った。
「阿賀野・・・ちゃん?よかったぁ。きっと貴方が来てくれると思ってた。ごめんね。那珂ちゃんにはこれが精一杯だったの」
那珂はボロボロになっていたが阿賀野に笑顔を見せ、持っていた探照灯を指差す。
「ありがとう那珂ちゃん。援護が無かったら阿賀野今頃・・・でも那珂ちゃんを助けられてよか・・・った・・・」
阿賀野はそう言うと気を失ってしまった。
そこに高雄と吹雪が駆けつけた。
「阿賀野さん!」
「阿賀野!」
2人は那珂の膝で横たわる阿賀野に駆け寄った。
「えーっと那珂さん・・・よね?どう?泊地まで航行出来る?」
高雄は那珂に尋ねる。
「補助があればなんとかなりそう。でもそれより阿賀野ちゃんがもう燃料も無いしこんな状態で・・・」
那珂は泣きそうになりながら答える。
「ええわかったわ。それじゃあ吹雪ちゃん。那珂さんの補助を頼むわ。私は阿賀野を運ぶから」
高雄は気を失っている阿賀野を抱え上げた。
「那珂さん。私の肩に捕まってください」
吹雪は那珂に肩を差し出す。
「ありがと」
那珂は吹雪の肩につかまった。
その時
「噓・・・電探に反応・・・私達囲まれたみたいね・・・」
高雄は表情を変えて言った。
「そんな・・・この状態で戦闘なんて・・・」
吹雪も焦りを隠しきれずにそう言った。
「こんなところで全滅なんてまっぴらごめんよ!全速力で振り切るわ!」
高雄はそう言った
「はい!私も頑張ります!絶対に司令官の所に帰りましょう!」
吹雪はそう答え2人は全速力で走った。
それからしばらく走っていると前方から砲撃が襲いかかって来た。
「チ級が3隻にネ級が1隻・・・・戦闘は避けられなさそうね・・・」
高雄がそう言っていると突如ネ級を爆発が包んだ。そして奥から2人の艦娘の影が現れる。
「お待たせ〜♡愛宕、それに長門ただいま到着よ〜」
「探照灯の灯りが見えたので駆けつけさせてもらった。私達が全力で道を作る。なぁに私が居るのだからもう安心して良いぞ。君たちは必ずこの長門が××鎮守府まで送り届けよう」
「愛宕さん!それに長門さんまで!」
吹雪は安堵の表情を浮かべた。
「もう、愛宕。ちょっと遅すぎるんじゃない?」
高雄も安堵の表情を浮かべ愛宕に悪態を突いた。
「間に合ったんだから良いじゃないの♪それじゃあ行くわよぉ〜私は後ろから追ってくる艦を押さえるから長門は先陣をお願いね♡」
愛宕は長門に指示を出した。
「ああ、わかった。あなたに指示を出されるのも今となっては懐かしさすら感じるな。よし!総員この長門に続けぇ!道は私が切り開く!!」
長門はそう叫び、残ったチ級を一掃し、艦娘達は離脱ポイントまで急いだ