ノンケ提督が艦シーメール鎮守府に着任しました。 作:ゔぁいらす
前回までのあらすじ・・・無事作戦を完遂させ一時の安らぎを得た××鎮守府の面々。謙は阿賀野と共に借りたお守りを返しに居酒屋おおとりへと赴いたがそこで女将さんから貰った映画のチケットが原因で阿賀野とデートすることに・・・
「なんだよ今のナレーション!俺はデートに行くんじゃなくてただ映画を阿賀野と一緒に見に行くだけだからな!!そこんところ間違わないでくれよ!」
と、俺はナレーションに突っ込みを入れつつ今回の話が始まる。
「女将さんおかわり!」
阿賀野は茶碗を掲げそう言った。
「おいおい何杯目だよ・・・もういい加減帰るぞ。すみません女将さんいつも構ってもらってばっかりで」
俺は呆れて女将さんに謝る。
「いえいえ、これだけ美味しそうに食べてくれるんですもの。こっちも作りがいがあるわ。ちょっと待っててね」
女将さんは笑いながらそう言って茶碗に追加のご飯をよそう。
「ありがとーおかみさん」
阿賀野はそれを受けとるや否やまたがつがつと箸を進める
「お前なぁそんな食って大丈夫なのかよ・・・」
俺は阿賀野に聞く
「良いの良いの!今日は阿賀野の帰還祝いでいっぱい食べるんだから!いつ食べられなくなるかわかんないし食べられる時に食べとかないとね」
阿賀野はそう言って箸を更に進めて行く。いやいやそう言う事じゃなくて遠慮をしろよ遠慮を・・・
それから20分程経ち・・・・
「ふいー食べた食べた。阿賀野もうお腹いっぱーい。げぷっ」
阿賀野は腹をさすりながらゲップをした。呑気な奴だ
「ふふっ。おそまつさまでした」
女将さんはそれを見ると少し笑ってから頭を下げた。
「すみません女将さん。今日は流石にお金払いますよ」
そう言って俺がサイフを取り出そうとすると
「謙くんお代は良いわよ。私が好きでやってる事だから。」
と女将さんはそれを一蹴した。
「で、でも流石に申し訳ないですよこんなにいっぱい・・・」
俺は流石にただで帰る訳には行かないだろうと思いそう言ったが
「んーじゃあお代の代わりと言ったらアレなんだけど一つお願いを聞いてくれないかしら?」
申し訳なさそうな俺を見た女将さんは提案を投げかけてきた。
「えっ、何ですかお願いって?できることなら何だってやりますよ」
と俺は返した。すると
「じゃあデートのお話しにまたここに来てくれる?」
と女将さんは言った。もっと凄い事を頼まれるかと思って居たがあっけない返答に俺は戸惑った。
「えっ?そんな事で良いんですか?それにまた来いって・・・」
俺がそう言いかけると
「私は謙くんたちが元気そうに来てお話してくれるだけで嬉しいの。だからまた来てね。また肉じゃが作って待ってるから」
女将さんはそう言ってはにかんだ。その笑顔が逆に辛い。なんせいつもここに来ては阿賀野ががつがつとタダ飯を食って帰るのだ。流石にこの厚意に甘え続けるのも俺の良心が傷む。
「いや・・・でも・・・流石にこんなにタダ飯ばっか食わせてもらって。それどころかこっちはまだ吹雪を助けてもらったお礼すらできてないのに」
俺がそう言うと
「そんな事まだ気にしてたの?気にしないで。それに私、もうあなた達に沢山の物を貰ってるわ」
女将さんはそう言った。貰った?一体俺たちが何をしたのか俺にはピンと来なかったが
「謙くん達が××町の海を守ってくれてるからここでこうやって私はお店ができてるの。だからこれはそのお礼みたいなものだから気にしないで。そのかわりこれからもしっかり提督として頑張ってね。おばさんとの約束よ」
その女将さんの言葉で俺はハッとなった。そして自分が提督だという自覚も更に強くなった。こうやって自分たちの働きを感謝される事は素直に嬉しい。しかし俺なんかただ書類の片付けをしてるだけで何もやってないんだけどなぁ・・・
「あの、女将さん。感謝されるのは嬉しいんですけど俺はまだ提督になって1ヶ月足らずで何も出来てなくて・・・」
俺は遠慮がちに呟いた。すると
「謙くん。艦娘達を待つのも提督の勤めなのよ?だから提督はいつも元気で胸を張っていなきゃ。もっと自信をもちなさい。ね?私はただそのお手伝いがしたいだけなの。だから気にしないで」
と女将さんは言った。なんて優しい人なんだ。こんな人を守るためにももっと気合いを入れて頑張らないといけないな。と俺は心に決め
「はい!」
と返事をした。
「いい返事。それじゃあまた来てね」
女将さんは笑った。
「じゃあ失礼します。ごちそうさまでした。おい、阿賀野帰るぞ」
俺は阿賀野に声をかけるが
「すぴー・・・・すぴー・・・・」
阿賀野は寝息をかいていた。こいつ食い終わったらすぐ寝るな。しょうがねぇ
「おーい、阿賀野ー帰るぞ〜」
と俺は阿賀野を揺り起こした。すると
「すぴー・・・すぴー・・むにゃ・・・ごめんなさい提督さん阿賀野寝てた?」
と阿賀野は目を覚まし呑気にそう言った
「お前なぁ・・・どれだけ呑気なんだよ。まあ良いや帰るぞ」
俺は阿賀野の手を引っ張り椅子から立たせる
「それじゃあ女将さんまた来ます。いろいろとありがとうございました」
「女将さんごちそうさまでした。またおいしい肉じゃがたべにきますねー」
俺たちは女将さんに一礼して店を出た
「はーい。また来てね」
と女将さんは手を振ってくれた。
そして店を出て少し歩くと
「うー阿賀野食べ過ぎて歩けないー」
と阿賀野がへたり込んでしまった。
「はぁ?自業自得だろ?そんな距離でもないんだから頑張って歩けよ」
俺は阿賀野にそう言ったが
「えーしんどいー提督さんおんぶしてよおんぶー」
と半ばだだをこねるように言って来た
「おんぶってお前なぁ・・・」
俺が呆れていると
「この間はしてくれたじゃない。ね?良いでしょ?」
と阿賀野は俺の手を持ってあざとくそう言って来た。阿賀野のこういう小悪魔的というのかそういうのに俺は耐性が無い。というかコイツは同性の筈だ・・・筈なんだ・・・しかしこうあざとく頼まれると断るに断れない自分が居る。
「しょうがないなぁ・・ほら掴まれよ」
俺は渋々背中を差し出す
「提督さんありがと♡」
そう言って阿賀野は俺の背中におぶさった。
「阿賀野、前よりちょっと重くなったんじゃないか?」
俺は阿賀野に聞いてみた
「もー提督さん!レディにそう言う事いっちゃダメだよ!」
阿賀野はそう言いながら俺の頭をポカポカと叩く
「そりゃあんだけ食ったら重くもなるだろ!それに第一お前はレディーじゃないだろうが!」
俺は阿賀野が言った事を軽く一蹴した。
「むー言ったなぁ」
阿賀野は頬をふくらませそう言った。それからしばらくして
「あっ、そうだ提督さん」
何かを思い出したかのように阿賀野が話しかけてくる
「何だ?」
俺は答える。
「なんでデートの事OKしてくれたの?阿賀野てっきり恥ずかしいから嫌!とかなんで男同士でデートしなきゃなんねーんだよ!とか言うと思ってたけど」
と阿賀野は言った。
「いや、デートというか映画見に行くだけだろ?それ以上でも以下でもないからな!それにあそこでお前が男だって言うのはマズいだろ?それにお前一応那珂ちゃん助ける為に頑張ったろ?それも兼ねてさ。断るのは悪いなって思ったんだよ」
俺がそう返すと
「ふふふ。そんな事だろうと思った、でもOKしてくれたのは嬉しい。ありがとね提督さん」
阿賀野は少し残念そうだった。
それから少しの沈黙が続いた後阿賀野が話を切り出す
「こうやっておんぶされてると提督さんが鎮守府に来た日の事を思い出すね」
そうだ忘れもしない。初日から大変だった。美人ばかりの職場に来たかと思ったらそこに居たのは皆生物学上では男だったり吹雪を探しに山道に突っ込んだり。俺はまだ1ヶ月前程の話なのにもっと前の話のように感じた。
「ああ。色々あったな。その時もお前が転んで擦りむいたからおんぶしてやったんだよな。いやぁあの日は驚いたよなぁ1日に色んな事がありすぎて」
それから俺は背中の阿賀野としばし思い出話に花を咲かせた。この1ヶ月で俺は既に沢山の思い出を彼女達(厳密に言えば彼らなのだが)と過ごした事を再認識できた。こんな変な職場だがこれからそんなへんてこな彼女達と共に同じ時間を過ごしていくのかと思うと少し不安はあったがそれよりも何よりもワクワクした。
「阿賀野」
「なに?提督さん。」
「これからもよろしく頼むな」
「うん。阿賀野の方こそこれからもよろしくね。提督さん」
俺たちはそんな会話をしていた。そして鎮守府近くに差しかかり
「もうこの辺まで来たんだから後は歩けよ。また大淀に見つかると弁明するのが面倒だしな」
俺はそう言って俺は阿賀野を背中から降ろした。
そして俺たちは鎮守府に付き
「じゃあ後で執務室でな〜」
と阿賀野に別れを告げ俺は執務室へ向かった。
そして執務室へ付くと
「お待ちしてましたよ提督。それではこれが休暇関連の資料なので目を通しておいてくださいね」
と大淀から資料の束を貰った。その資料を見て俺はふと淀屋はどうするのだろう?と気になった。
「なあ大淀、いや淀屋」
俺は意を決して聞いてみることにする。
「何ですか提督?」
大淀は素っ気なく返して来たが
「いや大淀としてじゃなく淀屋としての意見が聞きたいんだ。お前は休暇どうするつもりなんだ?もうお前が住んでたアパートは引っ越しちゃったからもうないだろ?実家・・・とかもどこか分かんないって言ってたしどうやって過ごすんだ?」
そう。淀屋は卒業式が終わった次の日こつ然と姿を消したのだ。まあ今となっては理由は明白だが淀屋が一人で住んでいたアパートは空き家になっていたしそのアパートの大家さんに聞いてもどこに行ったのか分からないが引っ越して行った、としか言われなかった。そんな彼が休暇をどこで過ごすのか俺は心配でならなかったのだ。
「えーっと私は・・・鎮守府に残ろうかなと・・・私には帰る所はありませんから」
淀屋は少し寂しそうにそう言った。俺はそんな淀屋を見てどうにかしてやらなきゃいけないと思った
「じゃあ淀屋。ウチ来るか?父さんも母さんも海外出張中で居ないし」
俺はそう淀屋に提案した。
「ええっ!でも・・そんな悪いよ謙」
淀屋は少し困惑してそう言った。
「俺とお前の仲だろ?それにこの間どんな姿になろうとも俺とお前は親友だって言ったじゃないか。何より地元に帰っても一人じゃさみしいしな。ダメか?」
俺は淀屋に問いかけた。
「うん。・・・じゃあお言葉に甘えて・・・」
淀屋は少し遠慮がちにしかし嬉しそうにそう言った。
「よし!じゃあ決まりだな。春休みにできなかった事とかやり残した事をやりに行こうぜ!」
俺は淀屋の手を取った。
「う、うん。不束者ですが・・・お世話になります」
淀屋はそう言った
「おいお前それじゃあウチに嫁ぎに来るみたいじゃねぇかよ!」
俺はそんな淀屋の反応を見て冗談混じりに言ったのだが
「ととと嫁ぐなんてまだそそそそんな気が早いよ謙・・・」
淀屋は顔を真っ赤にした。
「ハハハ!冗談通じない所は全然変わんないよな!」
俺はそれを見て笑った。
それから数十分後執務室に全員が集まった。
「えー何度も繰り返すが総員、作戦終了お疲れさま。そして本陣から休暇をとっても良いという電文が来た。なのでゆったりと羽根を伸ばして欲しい」
俺は少し仰々しく皆に告げた
そのなかで一人とても表情が重い艦娘が一人居た
「どうした吹雪?」
俺は心配になり声をかける。
「あの、司令官。私帰る場所が無くて・・・一人で休暇をどうやって過ごせば良いのか分からないんです」
吹雪は寂しそうにそう言った。流石にこのまま彼女をほったらかしにする訳には行かず
「うーん。それじゃあ吹雪、お前も俺の地元来るか?大して面白い物は無いと思うけど」
俺は吹雪も一緒に地元へ帰る事にした。すると吹雪は
「えっ!?良いんですか?私なんかが一緒に行っても・・・」
一瞬悩んだ後そう言った。その表情はさっきのような重い表情ではなくなっていた。
「ああ。そんな寂しそうなお前をほったらかしにする訳にも行かないからな。」
「ありがとうございます司令官!」
吹雪は深々と頭を下げた。
「ああ気にすんなって。愛宕さん高雄さんはどうするんです?」
俺は2人に話を振る。すると
「私は母の病院も近いのでここに残ります」
高雄さんはそう言った。あの怖いおばさんかぁ・・・まあ先も長くないって言ってたし悪くないと思うな。
「分かりました。愛宕さんは?」
「私はもうここが地元みたいな物だからこの辺りで過ごすの。高雄と一緒にね。それに陸奥や長門も居るから皆で色々するわぁ」
と言った。そう言えば2人は付き合ってるんだっけそれならこの辺りの事は2人に任せよう。さて次だ。
「それと阿賀野!」
俺は阿賀野を呼ぶ
「ふぁい!?何?提督さん」
急に呼ばれた阿賀野は驚き返事をした。
「お前は前作戦において多大な戦果を残してくれた。しかし命令を無視した事は事実だ。これをお咎め無しにする訳にもいかない」
俺は提督らしい事を言った。阿賀野は少ししょんぼりとして
「そんなぁ〜もしかして阿賀野だけ休暇無しとか〜?テンション下がる〜」
と肩を落とした。
「いや。その逆だ」
と俺が言うと
「えっ!?もしかして阿賀野クビなの!?それだけは勘弁して提督さん!!」
阿賀野は俺に歩み寄る。
「いやクビにはしない。ただ休暇を利用して行って欲しい所があるんだ」
さあ阿賀野はどんな反応を見せてくれるか
「何処!?阿賀野何処でもいくからぁ!!」
阿賀野は半べそをかいている。しかし良い反応だ。
「今何処でもいくって言ったな阿賀野?」
俺は阿賀野に確認を取る
「うん!阿賀野何処でも行く!!」
阿賀野は頭を縦に振った
「じゃあ休暇中地元へ帰れ」
俺がそう言うと阿賀野は鳩が豆鉄砲をくらったような顔をした後
「へっ?提督さん今なんて?」
と聞き返してくる。
「だから休暇を使って地元へ帰れって言ったんだ。弟さん達に会ってくるんだ。もうずっと会ってないんだろ?また命令無視されて沈まれちゃ俺としても弟さん達にあわせる顔も無いし良い機会だ今のうちに弟さん達に会ってこい」
俺がそう言うと阿賀野は少し悩んだ後
「う・・・うん」
とうなづいた。
「じゃあ確認も取れた事だし各自充実した休暇を過ごしてくれ!以上だ。解散」
そうして集会は終わり、俺が一息ついていると阿賀野が俺に声をかけて来た
「提督さーん。じゃあデートいこっか♡」
そうだった。映画を阿賀野と見に行かなきゃ行けないんだった。
「ああ。今から行くのか?」
俺がそう返すと
「うん。明日から連休だから混むだろうしいくなら今のうちかなって。それと休暇用の服とかも買っときたいし付き合って欲しいな」
と阿賀野は言った。まあそれぐらいは仕方ないかと思い
「ああ。わかった。それじゃあ準備するから待っててくれ。」
「はーい。じゃあ後で鎮守府の正門で」
そう言って部屋へ戻った。
そして部屋に戻り鞄にサイフやさっき貰った映画のチケット等と入れていると。
「あっ、司令官お出かけですか?」
と丁度部屋に戻った吹雪に声をかけられる。流石に阿賀野と映画に行くなんて言ったら吹雪に悪いので
「ああ。ちょっと阿賀野と××ショッピングモールに休暇で使うものの買い出しにな・・・」
俺は適当に誤摩化す。すると
「そうですか」
と少し口を尖らせ言った。俺はそんな吹雪を見て
「まあそんな顔すんなって吹雪にもお土産買って来てやるからさ。」
と少しご機嫌を取った。
「分かりました。待ってますね司令官!」
吹雪は言った。
「じゃあ留守頼むな」
俺は吹雪にそう言い残し部屋を出た。
そして鎮守府入り口で待っていたが
「なんだ阿賀野の奴自分から誘っておいてまだ来てないじゃないか・・・」
俺は阿賀野の悪態を付きつつ待つ事十数分後
「提督さ〜ん待った〜?」
阿賀野がそう言ってこちらに駆けてくる。
俺はその声の方に振り返り
「遅いぞ阿賀野・・・ん?」
阿賀野の姿に愕然とする。私服・・・私服だと!?そういえば阿賀野の私服姿を見た事がなかったので俺は少し驚く。何だよこの美少女・・・いや少女じゃないんだけどさ
「もー女の子は準備に時間かかるの!」
阿賀野はそんな事を言っているがそれどころではない。俺はたしかに阿賀野の私服姿に見とれていたのだ。なんだろうこれがギャップ萌えという奴なのだろうか。学校のクラスメイトの女子と放課後会うと可愛く見えちゃうアレだ。小学校の頃にそんな経験をしたような気がする。俺がそんな事を考えていると
「提督さん?どうしたのぼーっとして」
阿賀野に心配される。
「な、なんでもない」
俺はそう言って誤摩化した。しかし
「あ〜わかった私服の阿賀野に見とれてたんでしょ〜」
と阿賀野は冗談混じりに言ってくるがその通りなので
「そそそそそんなわけないだろ・・・いやでも服・・・は可愛いと・・・思うかなぁ・・・」
と不意をつかれキョドってしまう。ああ完全にバレたなこりゃ・・・
それを見た阿賀野は
「でしょ〜。可愛いでしょこの服」
と嬉しそうに俺に服を見せつけてくる。ああ何だろうこの気持ち・・・しかしこの感じだと阿賀野にまたからかわれるのがオチだ。そう思った俺は
「あー!バスの時間に遅れるぞ早く行こうぜ」
と阿賀野を急かしてバス乗り場へ向かった。
そしてバス乗り場へとたどり着き
「よし。バスには間に合ったな!」
と言った。
「提督さん間に合うも何もまだ来てないじゃない。変な提督さん」
と阿賀野に突っ込まれてしまう。そりゃそうだなんだか良くわからない感情を誤摩化す為に走ったんだもん。
それから数分間何を話せば良いのかわからず気まずい空気が流れる中やっと来たバスに俺と阿賀野は乗り、ショッピングモールへと向かった。
そのころ鎮守府では
「提督お話があるんですけど・・・」
大淀が謙の部屋を尋ねていた。
「あっ、大淀さん。どうしたんですか?」
部屋に居るのはもちろん吹雪だけである。
「吹雪ちゃん。提督どこに行ったか知ってる?」
大淀は吹雪に尋ねる。
「司令官ならさっき阿賀野さんと買物へ行くって言って××ショッピングモールへ行きましたよ」
吹雪のその言葉を聞いた大淀は呆然とした
そして少し黙り込んだ後・・・
「ねえ吹雪ちゃん?私達も買い物に行かない?××ショッピングモールへ」
「ええ!?良いんですか!私行きたいです!」
吹雪は喜んでOKを出した。
「わかったわ。それじゃあ私は車を出してくるから鎮守府の前で待っててくれるかしら」
大淀はそう言って謙の部屋を後にした
(きっと2人で買物へ行けば阿賀野が謙を誘惑するに違いない。このままでは完全に阿賀野に出し抜かれてしまう!それだけはなんとしても阻止しないと!!私だって・・・私だって謙と一緒に買物に行きたかったのに・・・いえこれは決してそんな私怨ではなく二人が間違いを犯さないように秘書官としてきっちり確認するだけ。そうそれだけなんだから!!待っててね謙!)
大淀はただただ自分を正当化させつつも抑えきれない感情に駆られ車を出しに駐車場へ走るのだった。