ノンケ提督が艦シーメール鎮守府に着任しました。   作:ゔぁいらす

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春に吹く風

 「はぁ〜何でこんな時に限って俺が買い出し当番なんだよ・・・」

俺は不平不満を漏らしながら両手にパンパンに詰ったレジ袋を持って歩いている。今日は新しい艦娘が数人着任するということで歓迎会用の食材等もついでに買ってくる事になってしまったのだ。なんというタイミングの悪さ・・・せめて誰か手伝ってくれても良いじゃねえかよ・・・

そんな不満をつのらせながらぼとぼと海沿いの道を歩く。

そしていつもの所定の位置で立ち止まり、海が見えるベンチに腰掛けレジ袋からアイスを取り出した。

「ふう〜ちょっと休憩。買い出しの帰りに海を見ながら食うアイスは最高だな!」

一人でそう呟きアイスをほおばる。

やはりここで食べるアイスは格別だ。

俺は一気にアイスを口の中に掻き込む。

 

そしてアイスはあっという間になくなり、俺はつい先月この町を去った小さな友人の事を思い返していた。

「ついこの間まではここに来ればソラと会えたんだけどなぁ・・・・今アイツ元気でやってるのかな・・・?」

急に引っ越すと言ってから日は経ったが引っ越した先でソラが上手くやれているのかここに来るたび心配になっている。

そんな時だ。

海の青とは不釣り合いな桜色の着物を着た少女が何やら辺りをキョロキョロと見回しながら歩いていた。

彼女からは育ちの良さそうな品のあるオーラの様な物が漂っていて、その姿はまるで道路沿いに植えられた青々と茂った木々の中に一つだけ季節外れの桜の花が咲いているかのようだった。

そんな少女に見とれていると少女がこちらに近付いて来た。

やべっ・・・!ちょっと見つめ過ぎた?これって事案モノ!?もしかして警察とか呼ばれるんじゃ・・・・俺の血の気がサッと引いて行く気がした。しかしこの大荷物を持って全力疾走する程の余力も残っておらず、俺はあたかも始めから道路を眺めていたかのようにその少女から視線を外す。

すると

「あの・・・少し宜しいでしょうか?」

その少女はあろうことか俺に話しかけてきた。

ヤバい!何言われるんだろう・・・・ここは平静を装え俺!!

「どどどどうしました桜の花びらの様にお美しいお嬢さん?こんなところ一人で歩いてたら危ないですよ」

しまったァァァァ!完全にキョドってしまった上に余計な事まで言ってしまった・・・これは本格的にヤバいぞ・・・初対面のヤツに桜の花びらの様に美しいだなんてそんな事言うヤツなんて変に思われるに違いない・・・終わった・・・そんな事を思っていると

「あら。美しいだなんてありがとうございます。ふふっ」

少女はそう言って笑った。

よ、よかった・・・変に思われたりはしてないみたいだ。

俺が胸をなでおろしていると

「あの・・・お尋ねしたい事があるのですが・・・お恥ずかしながら道に迷ってしまいまして」

少女はそう続けた。

迷子か。

通りでこの辺じゃ見かけないはずだ。

でもこんな所に一体何のようなんだろう・・・?

そんな疑問が過ぎったがこんな綺麗な子をこのまま放おっていくわけにもいかない。

「はい!何なりと仰ってください!俺が力になります!」

「あらあらそんなにかしこまらないでください。××鎮守府へはどちらに行けば良いのでしょうか・・・?わたくし方向音痴なモノでして・・・」

少女の口からは聞き慣れた場所が飛び出してきた。

鎮守府?こんな子が鎮守府に用って一体なんだろう?

まあいいや。

どうせ帰るついでだs案内してあげよう。

「ああ。それなら俺も今から鎮守府へ行こうとしてる所なんだ。もし良かったら案内するよ」

「まあ!それは奇遇ですね!それでは案内して頂いても宜しいでしょうか?あっ、申し遅れましたわたくし春風と申します」

春風と名乗るは律儀に頭を下げた。

春風かぁ・・・まるで桜の花びらの様な美しい容姿にぴったりな名前だぁ・・・俺はそんな事を思いながら自分も名乗る事にする

「春風ちゃん・・・か。俺は大和田謙。よろしく」

「はい。謙さん・・・鎮守府までどうかよろしくお願い致します」

春風はまた頭を下げた。

どこまでも気品あふれる良い子だなぁ・・・

「それじゃあ行こうか。こっちだよ」

俺は春風を連れ鎮守府へと歩いた。こんなの都会だったら確実に事案になってるぜ・・・しかし綺麗な娘だなぁ・・・こんな娘に声かけてもらえるなんて買い出し任されて正解だったな!そんな事を考えていると

「謙・・・さん?」

春風が俺の顔を見つめて話しかけてくる

「ん?どうかした?」

「いえ。なんだか謙さん嬉しそうだなって。何か良い事でもありましたか?」

マズい・・・知らぬ間に頬が緩んでいた様だ。

これじゃあまるっきり不審者じゃないか・・・

なんとかして怪しまれないようにしなきゃ・・・

「ななななんでも無いよ・・・・?」

「そうでしたか。ところで謙さん?」

春風はまた俺を呼んだ・・・なんか変だったかな・・・?

「はいっ!何かな!?」

俺は声を少し振るわせて返事をした。

「両手に抱えたお荷物重くはないのですか?指が赤くなっていますよ?」

なんていい子なんだ・・・こんな年端もいかないような子なのにこんな気遣いまでしっかり出来るなんて・・きっと良家で育てられたそうとう育ちの良いお嬢様なんだろうなぁ・・・

「心配してくれてありがとう。でもこんなの慣れっこだから全然平気だよ!」

正直指は痛かったが少し見栄を張って軽く荷物を上下に持ち上げてみせた。

そんな事をしているうちに鎮守府が見えてくる。

「あっ、見えて来た!あれが××鎮守府だよ」

俺はレジ袋を持った手を力一杯上に上げ鎮守府を指差した

「まあ・・・あれがそうだったのですか。なんだか小さいのですね。わたくし先ほど通り過ぎてしまいました」

なるほど。

通り過ぎたからあんな所をうろうろしてたのか。

しかしお嬢様だからなのだろうか?割と言い方がはっきりしているというかなんというか・・・・

そんな事を考えながら鎮守府へとたどり着く

「着いたよ。で、ここに何の用なのかな?」

「ええ。はい。わたくしは今日付けでここに着任する事になったのです。すこし約束の時間より早いのですが折角なので先にここの司令官様にご挨拶をと思いまして・・・・」

着任・・・・?

という事はまさかこの子も艦娘なのか!?

こんな戦いとは全く無縁そうなこの子が!?

いやはや時代と言う物は恐ろしい・・・こんないたいけな少女すら戦場に駆り出さなければならないのだから・・・・俺は脳内でそんなポエムを読み上げ彼女に確認を取る

「着任って・・・君艦娘だったの?」

「ええ。そうです神風型駆逐艦の三番艦の春風です」

なんて事だ・・・こんな娘が艦娘だなんて・・・そんな事を考えていると

「ところで謙さんこそ鎮守府にご用があると仰っていましたがなんのご用だったのですか?」

「ああ。俺?俺は何を隠そうここの提督だからさ」

俺がそう言うと春風は目をぱちぱちとさせた後

「失礼致しました!わたくしとんだご無礼を・・・・ここの司令官様だったのですね。食料を大量にもっていらしたのでてっきり雑用係か使用人の方か何かかと・・・」

彼女は言った

最後の二言が余計だ。し

かし礼儀は正しいけどやはり少し嶮の有る言い方をする子だなぁ・・・多分この子に自覚は無いんだろうけど・・・まあいいや。

「いいよいいよ。俺も名乗っただけで何も言ってなかったからね。これは今日着任する新しい艦娘の歓迎会をやるから色々買って来たんだ」

「そんな・・・わたくしを歓迎してくださるのですか?嬉しいです!」

「ああ。ようこそ××鎮守府へ。特に何もない所だけど良い所だよ。さあ中を案内するよ」

 

俺は彼女と共に鎮守府へと足を踏み入れた。

「うーん・・・まずは春風の自室に通してあげたいところなんだけど俺もまだ部屋の事とかよくわかってないんだよね。多分大淀なら知ってると思うからひとまず執務室へ行こうか。とその前にこの荷物を食堂に置きに行かなきゃ。じゃあまず食堂を案内するよ」

「はい。お願いいたします」

彼女はまた頭を下げた。

そしてに食堂にたどり着くと、そこでは阿賀野がテーブルに突っ伏して気持ち良さそうに寝ている。

俺はそんな阿賀野を尻目にレジ袋を厨房の隅に置いて食材を片付け食堂の紹介を始めた。

「ここが食堂。基本的にご飯はみんなここで食べるんだあとそこで寝息をかいてるのが阿賀野っていう艦娘な。いつもあんな感じでマイペースなヤツなんだ。でも悪いヤツじゃないしフレンドリーだから春風とも仲良くしてくれると思うよ」

「昼間っからこんな所でお休みになられるなんて・・・お暇な方なのですね」

春風は言った。

やっぱり少し皮肉めいた事を言う子なんだなぁ・・・まあアイツの名誉の為にも弁護しといてやるか。

「でっ・・・でも暇な事って出撃しなくていいから平和で良いと思うけどな〜それにアイツはあんなのだけどやるときはやるヤツだから!」

俺は少しだけ阿賀野にフォローを入れてやった。しかしこのまま寝かしておくのも問題だ。折角新しい艦娘が来たんだから起こして挨拶をさせよう。

「ちょっと待っててくれ春風、今から阿賀野の事起こすから」

「大丈夫ですよ。阿賀野さんに悪いですし・・・」

彼女は遠慮をしたが

「あーいいよいいよ。どうせもうすぐしたら起こさなきゃいけないんだし。おーい阿賀野起きろ〜」

俺は阿賀野を揺り起こすが例によって全く起きる気配はない。

しかし何度も同じ轍を踏む俺ではない。

今日は秘策が有るんだ!

俺はさっき置いたレジ袋からポテトチップスを取り出し封を開けた。すると

「フガッ!?コンソメの匂いっ!!」

阿賀野は飛び起きる。

まさかこんなすぐに飛び起きるとはほんと食い意地の張った奴だなぁ・・・

「あらあら。面白い方」

それを見て春風はクスクスと笑っていた。

「阿賀野・・・・やっと起きたか。今日はここに新しい艦娘が着任しに来るんだぜ?そんなだらしない所初日から見せてどうすんだよ?」

俺はそう阿賀野を諌めた

「ごめんなさ〜い。でも新しい娘がくるのは夕方でしょ?今阿賀野は優雅なお昼寝タイムだったのにぃ〜それよりコンソメちょうだい!」

阿賀野はそう言って俺の手に持ったコンソメ味のポテチの袋に飛び付いてくる

「おいおい犬かお前は・・・それよりアレ見てみろよ」

俺はコンソメの袋を春風の方に向ける。

「ん〜?誰この子」

阿賀野は春風に気付き首をかしげた

「その今日着任する艦娘だよ」

「はじめまして。春風と申します」

春風は阿賀野に頭を下げる。

「ええ〜ちょっとやだ・・・提督さん!もしかして今さっき阿賀野が寝てたのもポテチの匂いで跳び起きたのもぜ〜んぶ見られてた・・・?」

阿賀野は顔を真っ青にして言った。

「もしかしても何もお前が気持ち良さそうに寝てる所から何から全部見られてたぞ」

「もぉ、やだやだ。あっ、コホン。最新鋭軽巡の阿賀野よ。よろしくね」

阿賀野は春風にそう名乗った。

「こちらこそよろしくお願い致します」

春風はそう返事をする

「ってわけだ阿賀野。これから仲良くしてやってくれよな。おっと執務室に行かなきゃいけないんだった」

「はーい。提督さん提督さん!ポテチ開けちゃったんだから食べても良いよね?」

阿賀野は目を輝かせて聞いてくる。

「しょうがねぇな・・・いいぞ」

俺はポテチの袋を阿賀野にさし出す。

「わーい!提督さんありがとー」

阿賀野はぴょんぴょんとその場で飛び跳ねる。

跳ねるたび胸がぶるんぶるんと上下に揺れているのに目を奪われそうになるがこいつは男なんだと自分自身に言い聞かせてなんとか平静を保った。

「それじゃあ俺は春風と執務室行くから。そうだ、歓迎会用の食い物勝手に食うんじゃないぞ?」

俺は阿賀野に釘を刺した

「も〜阿賀野そんな意地汚くないもん!」

「どの口が言うんだ・・・それじゃあ俺そろそろ行くから」

「ごきげんよう阿賀野さん」

春風はまた軽く会釈をする。

「春風ちゃんまったねー」

阿賀野は片方の手でポテチを抱え俺達の事を手を振って見送ってくれた。

「どうかな春風?あんな奴だけど上手くやっていけそうか?」

「ええ。少々だらしのない方だと思いましたが素敵な方だと思います」

「そうか。ならよかった」

俺は春風の返答に胸を撫で下ろす。

そして演習場に差しかかると吹雪がいつものように一人で射撃訓練をしていた。

本当にいつも熱心な奴だ。

「おーい吹雪ー!」

俺は吹雪を呼ぶと砲を構えるのを止めてこちらに駆け寄ってくる。

「あっ、司令官!帰ってたんですねおかえりなさい!あれ?その子は?」

「吹雪、今日新しく着任する春風だ。仲良くしてやってくれ」

俺は春風を吹雪に紹介した

「神風型三番艦の春風です。よろしくお願い致しますね吹雪さん」

春風は吹雪にも会釈をする

「うわぁ〜!この鎮守府私以外に駆逐艦の子が居なくて同い年くらいの娘とおしゃべりする機会が今まで無かったの!これからよろしくね春風ちゃん!私の事もさん付けなんてしなくて良いよ!!あ・・・あのね・・・急で春風ちゃんも困っちゃうと思うんだけどお友達になってくれる・・・?」

「そうですか。わたくしもまだ艦娘になって間もない身でそう言う方とはあまりお話をした事が無くて・・・そんなわたくしとお友達になってくれるのですか・・・?是非お願いします」

「うん!当然だよ!!これからよろしくね春風ちゃん!!」

吹雪は嬉しそうに春風の手を取った。

「ええ。こちらこそよろしくお願いしますね吹雪」

吹雪に手を握られた春風も嬉しそうに吹雪を見つめていた。

よかった。

春風も吹雪とはすぐに打ち解けられそうだし何より吹雪のこんな表情見た事無かったしそういえば駆逐艦は吹雪一人だったし前もそんな事を言っていたし結構寂しい思いをしてたのかもしれないな。

「吹雪、話してる最中で悪いんだけど俺と春風は執務室へ行くから今はそのくらいにしておいてくれるか?訓練の邪魔して悪かったな」

「いえそんな事はありません。私・・・駆逐艦のお友達が出来て嬉しいです司令官!じゃあ春風ちゃんまた後でね!」

「ええ。また後ほど」

 

俺達は吹雪と別れ執務室へたどり着いた。

「ここが執務室だ。それじゃあ入ってくれ」

俺は執務室の扉を開けて春風を迎え入れる

「失礼致します」

春風と執務室へ入るとそこには大淀と高雄さんが居た。

「あっ、提督帰ってたんですね!お帰りなさい」

「お帰りなさい提督、あら?その子は?」

「ああ。今日着任予定の春風だ。ちょっと早く着いちゃったみたいで買い出しの途中で会ったんだ」

「春風と申します。以後よろしくお願い致します」

春風はまた頭を下げた

「話は聞いています。私はここの秘書官をしている大淀です。よろしくね」

「私は高雄です。医務室も任されているから何か体調が悪くなったりしたらいつでも相談してね」

大淀と高雄さんは一通り春風に挨拶を済ませた。そういえば愛宕さんの姿が見えないな・・・

「高雄さん。愛宕さんを見かけないですけどどこ行ったんですか?」

俺は高雄さんにそう聞く

「ああ愛宕?歓迎会だからお酒が飲めるわぁ〜って言ってお酒買いに行ったわ。まったく。また飲み過ぎないといいんだけど・・・・」

高雄さんは呆れて言った

「そ、そうですか・・・」

また酔っぱらってオッサンみたいになって新しく入ってくる艦娘たちにウザ絡みしなきゃ良いけど・・・・ん?オッサン?

そういえばここにいる艦娘はみんな男な訳で・・・そんな環境にこんないたいけな少女一人を放置していいんだろうか?まあ他にも新しい艦娘は来るっていうし男女比は10:0から多少は女性方向に傾くんじゃないだろうか・・・?

ところで他の娘はどんな子だろうなぁ・・・美人な人だったら良いなぁ・・・俺はそんな事を考えていると

「提督・・・今何か変な事考えてましたよね?」

大淀がこちらを睨んでくる。な

んて奴だ・・・俺そんなに顔に出てたかなぁ・・・

「いっ、いや断じてそんな事はないぞ!」

俺は必死で否定をした。

「そう・・・ならいいですけど。それでは提督?春風さんを部屋に案内してあげてください。これ部屋の鍵です。番号が書いてあるのでその部屋まで連れていってあげてくださいね」

大淀はそう言うと鍵を渡してきた。

「ああわかった。新宿舎の101号室だな。それじゃあ春風、部屋まで案内するよ」

「はい。よろしくお願い致します。それでは高雄さん、大淀さん失礼致します」

春風はまた深々と頭を下げ俺達は執務室を後にした。

そして宿舎の番号に書かれた部屋の前にたどり着き、

「ここだな」

俺は貰った鍵を使って扉を開けた。

「あら・・・少々狭いですがわたくし一人が生活する分には問題の無い広さですね」

「少し狭いかもしれないけどここが今日から春風の部屋だ。今は最低限の物しか無いけど家具とかは近いうちに家具屋さんにお願いして揃えてもらおう」

「ええ。そうですね。ところで・・・」

春風は何かを言いたそうにこちらを見つめる。

「ん?どうした春風」

「わたくし・・・汗をかいてしまって・・・お風呂に入りたいのですが」

春風は少し恥ずかしそうに言った。

「ああ、それならそこにシャワーがあるみたいだけど風呂に入りたいんなら大浴場があるよ案内しようか?」

俺は春風に提案した。今なら阿賀野もポテチ食ってるし吹雪は演習中、大淀と高雄さんは執務室にいるし誰とも出くわす事はないだろう。

「ええ。それでは案内お願いしても宜しいでしょうか」

「それじゃあこっちだ。着いて来てくれ」

俺は春風を大浴場へと案内した。

「それじゃあ俺はここで待ってるから風呂上がったらまた声かけてくれ」

俺は大浴場の入り口で誰かがこないか見張っておこうと思い春風にそう言った。

「いえ。せっかくなので司令官様も一緒に入りませんか?こういう時殿方のお背中をお流しするのがお近づきの印だと聞いた事があります。」

えっ!?ええ!?そんな・・・・良いのか・・・・・?どうする俺・・・どうするんだ・・ここは断るべきなのか・・・?それとも善意は有り難く受け止めるべきなのか・・・・良し!折角一緒に入っても良いって言ってくれてるんだから一緒に入ろう!!

「ほ、本当にいいのか・・・?」

「ええ。構いませんよそれでは行きましょう」

春風はそう言って俺と共に脱衣所へと足を踏み入れた・・・あーやばい・・・心拍数上がって来た・・・

そして春風は着物を脱ぎ始める。

平常心だ平常心・・・俺はなるべく服を脱ぐ春風の姿を見ないように服を脱ぎ、

「それじゃあ俺先には入ってるから!!」

俺は大急ぎで大浴場に駆け込んだ。

それから少しして扉が開き春風が浴場に入ってくる。

・・・・ん?なにやら胸が着物を着ていたときよりも小さい・・・というか無いに等しいぞ・・・?着膨れするタイプだったのかなぁ・・・?

そして駆け湯を済ませ俺の方に春風がやって来て

「ここのお風呂はとても広いですね。わたくし気に入りました。それでは失礼致します」

と言って身体を隠していたタオルを畳み浴槽に足を踏み入れようとする。

その時タオルで隠れて居た股間部からなにやら見慣れた物が現れた。

 

あーまたこのパターンか・・・・

「春風お前・・・・」

「どうしました司令官様」

「お前男だったのか?」

俺は春風に聞いた

「え、ええそうですけど」

春風はあっさりと答える。

「ずいぶんとあっさりなんだな」

俺はあっけにとられる

「だって聞かれませんでしたし・・・」

春風は少し恥ずかしそうに言った。

「そうか・・・・はぁー」

俺はため息を一つついた

「殿方とお近付きになるには男同士の裸の付き合いと秘密の共有をする事が良いとわたくし本で読んだ事があります。なのでこの事はわたくしと司令官様だけの秘密で・・・」

春風はそう言った。一体何の本を読んでたんだコイツは・・・

「あーそのことなんだけどな・・・・」

「はい何でしょう司令官様」

「ここにいる他の艦娘もみんな男なんだよ・・・さっき会った艦娘全員な」

「な、なんですって!それなら好都合です!」

春風は驚くどころか目を輝かせている。

「あんまり驚かないんだな」

「わたくし殿方のお友達やお知り合いに囲まれるのが夢でしたから!!」

春風は嬉しそうに言った。

殿方って・・・そうっていのかどうか怪しいのしか居ないけど大丈夫なんだろうか?

「えっと・・・それはまたなんでなんだ?」

「ええ。わたくし・・・家のしきたりで女らしく女らしくとずっと女として育てられて来たのです。艦娘になったのも家が女らしく有る為には艦娘になるようにと言う事でいわれるがまま艦娘になったのです。でもわたくし本当は外で走り回ってどろんこになって遊んだり男の子のお友達が欲しかったりしたかったんです・・・でももうこの女の子のような生活や口調が板に付いてしまって・・・それは叶わない事かと思っていました・・・」

春風は言った。本当は男らしくありたかったのに家の都合でこうなってしまった彼女を俺は少し可哀想に思えた。

「それじゃあ俺がお前に男らしさを教えてやるよ!」

「えっ・・・本当ですか!?わたくし殿方とあまりお会いする機会も無くずっと女性だらけの環境で育って来た者で・・・」

「大丈夫大丈夫!そうだな−今度の休みにでも一緒に魚釣りでもしよう。俺がやり方教えてやるから!」

「本当ですか!?わたくし魚釣りと言う物をやってみたかったんです!」

春風は嬉しそうに言った。

よかった喜んでくれたみたいだ。

「ああいいぞ。他にもやりたい事があったら言ってくれ。極力お前の力になってやる!」

俺は胸をポンと叩き言った

「嬉しいです・・・そうだ!司令官様のこと師匠と呼ばせて頂いて宜しいでしょうか?」

春風は言った。師匠・・・?

「なんで師匠なんだ?」

「はい!何かを教えてくださる目上の殿方の事は師匠と呼ぶ物だと本に書いてありました!だからわたくしに男らしさを教えて頂けるのなら司令官様は師匠です!!」

だから何の本なんだ・・・しかし礼儀の正しい常識人そうな人に見えたけど少し一般常識からはズレてる子なんだなぁ・・・

「では師匠!早速お背中お流ししますね!上がってください!!」

春風はそう言って浴槽から出た。

さっきは湯気で余り見えなかったがハッキリと彼女の身体のラインを見る事が出来た。

なんというかアレが付いている事以外は本当に華奢な女の子というような感じだ。

それに股間をタオルで隠しているからもう年相応の女の子にしか見えない。俺はそんな子の背中流しに耐え切る事が出来るのだろうか・・・

そして俺は何度も鼻血が出そうになるのを必死で堪えやっとの事でなんとか鼻血を出さずに風呂から上がることができた。

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