ノンケ提督が艦シーメール鎮守府に着任しました。 作:ゔぁいらす
「大淀ちゃん!今日はたっくさん楽しもうね!キャハっ☆」
那珂さんはそう言って私に抱きついてくる
「え・・・ええそうですね那珂さん」
「む〜今日だけは那珂ちゃんって呼んでくれなきゃやーだー」
那珂さんはダダを捏ねる。
謙もこの押しに負けて那珂さんの事を那珂ちゃんって呼ぶ事になっちゃったんだよね。
そんな2人が話してるのを見ると妙に親しそうでなんだか胸がモヤモヤしてしまう。
べっ・・・別に私はずっと謙に呼び捨てられてるしちゃんなんて付けられなくたって良いもん!
私はそう言い聞かせ、このままだとずっと食い下がられそうな気もしたので
「那珂・・・ちゃん・・・」
渋々彼女をそう呼んだ。
すると
「は・ぁ・い♡今日だけはあなただけの那珂ちゃんだよ!なぁに?」
那珂さんは目を輝かせてこちらを見つめてくる。
はあ・・・・疲れる。男の子ってこんな大変だったっけ?と言っても男の子だった頃は誰にも興味なんて持てなかったし女の子と付き合うなんてもってのほかだったし・・・・
私は心の中で一つため息を吐いた。
何故こんな事になってしまったのか?
私は男の子の恰好で那珂さんと水族館に行く事になってしまった。
元はと言えば私が安請け合いをしたからなのだが・・・
それは初雪ちゃんが執務室にやってきた日の夕方の事・・・・
仕事を済ませた私はこの時間は誰も居ないだろうと思い久しぶりに大浴場へ行く事にした。
私は部屋に戻りお風呂の用意をして大浴場へ向かう道中ばったりと那珂さんに出会ってしまった
「あ・・・・大淀ちゃん。今からお風呂?」
那珂さんは何故かよそよそしく顔を少し赤らめて尋ねてきた。
最近なんだか那珂さんの様子が変だ。それまでは凄いテンションで私に話しかけてくる事が多かったのにここ最近はどこかしおらしい。
「はい。久しぶりに大浴場でお風呂を頂こうかと」
私がそう答えると
「お・・・おおお風呂!?」
と那珂さんは声を上げた。なんだろう。私何か変な事言ったのかな?
「え・・・ええ・・・そうですけど・・・」
私は那珂さんにそう言うと何やら那珂さんは少しもじもじとしてから
「あの・・・・・那珂ちゃんも一緒して・・・いい?」
と尋ねてきた。
ええ!?折角一人で広いお風呂に入れると思ったのに!!
少し残念な気持ちもあったが何かと相談に乗ってもらったりしているよしみもあり断るに断れない。
それにあまり今の私の身体を他の人には見られたくないし他の艦娘達の裸も恥ずかしくて見たくのだが那珂さんには何度か服や下着を見てもらったりしているしその抵抗はあまり無い。
それならわざわざ断る事もないのではないか?いまこの鎮守府に友達と言える存在も居ないしこれをきっかけにもっと那珂さんと仲良くなれるかもしれない。
もちろん謙は友達・・・・よりもっと大切な存在だけど今の私の悩みを共有できる存在ではない。
それなら一緒にお風呂も悪くないかな・・・
そう思った私は
「ええ。いいですよ」
と頷いた。
すると
「あ・・・・ありがとう」
と小さな声で那珂さんは言った。
いつもならやったーありがとー!!那珂ちゃんうれしいっ!!!とか言ってきゃぴきゃぴ飛び回ったりするんだけどなぁ・・・・やっぱり最近那珂さんがどこか変だ。お風呂で何かわかるかな・・・?
そのまま那珂さんと私は一緒にお風呂に入った。
そして私が髪を洗っていると
「綺麗な黒髪・・・」
と那珂さんが呟く
「へぇっ!?あ・・・ありがとうございます」
急な事だったので驚いてしまった。
「もう元に戻って良かったね。那珂ちゃんね、大淀ちゃんがこの間髪バッサリ切っちゃった時はびっくりしちゃったんだよ・・・?それに心配もしてたの・・・でもね・・・・あの時の大淀ちゃんかっこ良かった・・・」
那珂さんはそう言って私の背中にぴったりとくっついてきた。
那珂さんの体温が直に私に伝わってくる。それに柔らかい所が私に当っている
「ななななな那珂さん!?どうしたんですか!?」
「あのね・・・那珂ちゃんね・・・大淀ちゃんにお願いがあるんだ・・・」
突然那珂さんはそう話を切り出した。
一体なんだろう。もしかしたら那珂さんの様子が変なのに関係が・・・?
いつも相談に乗ってもらっているし・・・そんな私を頼ってくれたのなら力になってあげなきゃ!
私はそんな使命感に駆られ
「は・・・はい!いつもお世話になっているんですから私でよければなんでも仰ってください!」
「大淀ちゃん・・・・あのね・・・那珂ちゃんね・・・男の子の恰好してたときの大淀ちゃんを見てたら胸がきゅぅって締め付けられたの」
「え・・・ええ!?」
あれ・・・・?もしかしてあれ私だってバレてたの!?折角バレない様に男の子っぽく振る舞った筈なのに・・・・なんで・・・?
私が狼狽えていると那珂さんは更に続けた。
「それでね・・・・那珂ちゃんはみーんなの物なんだけど・・・・でもね・・・大淀ちゃんの男装してる姿見て那珂ちゃんは・・・皆の物なんだけどぉ・・・あなただけの物になりたくなっちゃった・・・キャハ・・・・付き合ってください!」
え・・・・
急な事で理解するまでに時間がかかったが今那珂さんはなんて・・・・付き合って欲しいって言ったの!?
「な・・・・なななななな・・・・・・・!!!!そそそそういうのはよ代々よ・・・・良くないと思いますっ・・・!そのっ・・・・・女の子同士・・・・・・いえ男の子同士でそんな・・・・あれ?」
私に・・・・!?確かに私は男の子だけど・・・・でも那珂さんも男の子で・・・・・でも私が好きなのは男の子の謙だし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の頭は急な事で処理が追いつかなくなってしまった
そんな私をよそに
「はぁっ・・・♡言っちゃった・・・・那珂ちゃんの気持ち、あなたに届いてたら良い・・・な」
那珂さんの目は少し潤んでいた。
そんな姿に休暇の時、謙に思いをお風呂で伝えたときの私の姿が重なった。
きっと那珂さんもあの時の私みたいに勇気を出して言ってくれたんだと思う。
私にこんなに好意を向けてくれた人はあまり居なかったし素直に好意をくれた事は嬉しかった。
それに断って今の那珂さんとの関係が崩れるのも嫌だ。
でももう私には好きな人が居る。ずっとあの人の側にいたいって心から思える人が。
だから私は頷くわけにはいかない。
「那珂さん・・・・」
「は・・・・はいっ!?何かな・・・」
那珂さんは私を目を輝かせて見つめてくる。
そんな目で見つめられたら私・・・・
でもこれだけははっきりと言わなきゃ!私の事気持ちに答えてくれたあの人の為にも!!!
「ごめんなさい!!」
よし・・・言えた・・・でもなんだかとっても申し訳ない気持ちになる
「え・・・・そ・・・・そうだよね。急にこんな事言われても嫌だよね・・・・那珂ちゃんこそごめんね」
那珂さんはそう言って私に謝って来た。
「そ・・・そんな謝らないでください。私、那珂さんの事、相談ができて頼れる数少ない大切な人だと思ってます。それに思いを伝えてくれて嬉しかったです」
「そ・・・それじゃあなんで・・・」
「私、好きな人が居るんです。ずっと前から心に決めた人が。単純でバカで・・・・一人にしてたらふらっとどこかへ行ってしまいそうで危なっかしくて・・・・・でも優しくて・・・・私が側にいてあげなきゃだめだって思えた人が・・・・だから那珂さんのそのお願いには私・・・答えられないんです」
う・・・我ながら恥ずかしい。でもこれは私の本当の気持ちだ。
「そ・・・そうなんだ・・・そうだよね・・・・」
那珂さんの表情は暗くなっていた。
流石に那珂さんをこんな暗い表情のままほったらかしにするわけにはいかない。
「で・・・でも・・・その代わりと言ってはなんですが他に私にできることがあったらなんでも言ってください。那珂さんとはこれからも相談ができるような・・・・そう!お友達でいたいんです・・・身勝手だとは思うのですが私・・・那珂さんともっと仲良くなりたいんです・・・・!だめ・・・ですよね・・・?」
「ううん。那珂ちゃんね、大淀ちゃんに好きな人がいるだろうなーってずっと思ってた。おしゃれに気を使うのも自分のためじゃなくて誰かの為に可愛くなりたいんだっていう感じがしてたもん。だからね・・・断られるとは思ってたんだ。でも那珂ちゃんの推理当っててちょっと安心したよー。それにそんなに那珂ちゃんの事頼ってくれて那珂ちゃんも嬉しいっ!」
那珂さんは笑顔で私に言った。
「それじゃあ・・・これからも私の相談に乗ってくれるんですか・・・・?」
「うんっ!もちろんだよ!!おと・・・・・・アイドルに二言はないっ!!」
那珂さんは胸を張った。
「よかった・・・・!」
「でも大淀ちゃん、何かお願い聞いてくれるって言ったよね?那珂ちゃんのお願い聞いてくれる?」
「はい!なんなりと!!」
「一日だけ・・・・一日だけで良いから男の子の恰好で那珂ちゃんと一緒にどこかに遊びに行って欲しいの・・・」
「はい・・・?」
そ・・・それってデートしてくれって事なんじゃ・・・・・・・・
デートなんて・・・まだそんな・・・・謙ともまともにした事ないのに・・・・・!!
しかし結局その場では断る事が出来ず
「は・・・はい・・・一日だけなら・・・」
と頷いてしまった。
「ほんとー!?那珂ちゃん嬉しいっ!!それじゃあ今度の週末に遊びに行こうよ!!」
那珂さんはいつもの調子で嬉しそうに飛び跳ねていたので尚更断り辛くなってしまった。
結局その後はいつものテンションに戻った那珂さんとお風呂を浴び終えた。
「それじゃあ週末・・・どこかいこーね!」
「は・・・はい・・・」
そうして那珂さんと別れた私は悩んでいた。
このまま那珂さんと出掛けるべきなのか否か・・・?それって浮気なんじゃ・・・・
謙が聞いたら怒るかな・・・・?
『はぁ?那珂ちゃんとデートだぁ?俺・・・お前の事信じてたのに・・・・・もういい!俺、阿賀野と付き合うから!!お前らはそっちで仲良くやってろよ!じゃあな』
そんな最悪な状況が頭に浮かぶ。
そんなの絶対ダメ!
結局夜中になるまでずっと悩んだ末、謙に相談しに行く事にした。
私は意を決して謙の部屋のドアをノックする。
すると
「うーい・・・大淀・・・・?どうしたこんな時間に」
と眠そうな顔の謙が部屋から出てきてくれた。
あれ・・・・?なんだろう?なんだか謙の言葉に違和感がある。でもその正体はわからなかった。
それより那珂さんの事・・・話さなきゃ!
「あ・・・・あのね、謙・・・・相談が・・・あるの・・・・」
私は夕方に起こった事の一部始終を話した。
謙は怒らずに私の話を聞いてくれた上に、私の事を心配してくれていた。
やっぱり謙はやさしいよ・・・・
「・・・・ごほん・・・・それで相談ってなんなだよ?告白は断ったんだろ?」
謙がそう尋ねてきたのでそして私は本題に入った。
「えーっと・・・話はそこからなんだけど断ったは良いんだけどそれじゃあ一日だけで良いから男の子の恰好で一緒に遊びに行って欲しいって言われて・・・いつもお世話になってるから断る訳にもいかなくて・・・・でもこれってデートなんじゃないかなって・・・・謙に黙って行ったら悪いかなって思って・・・・ごめんね。謙がやめろって言うなら私断ってくるから・・・」
そうだ。謙が嫌なら那珂さんには悪いけど断らなきゃ・・・謙は私の大切な人なんだから
すると謙は
「うーん・・・・でもただ遊びに行くだけだろ?お前もここ最近色々あって疲れてるだろうし息抜きくらいしてきても良いんじゃないか?それに他の艦娘と親交を深めて貰うのは提督としては大歓迎だし・・・・ただ絶対・・・その・・・・那珂ちゃんと付き合うなんて言わないでくれよ?」
と言ってくれた。
そう・・・だよね!親交を深めるだけなら大丈夫だよね・・・・それに謙は私の事もちゃんと気遣ってくれてる・・・・それならそのお言葉に甘えようかな。
「そう・・・・うん。そうだよね。それに当たり前じゃない。私が大好きなのは謙だけだから・・・・」
私・・・言っちゃった・・・!あんなに最初は言う事を躊躇っていた言葉だけど・・・今なら何回だって言える。私は謙が大好きなんだ。
「ありがとう。それが聞けただけで安心だぜ。それじゃあ当日は楽しんでこいよな」
「う、うん・・・・わかったよ謙・・・それじゃあお休み」
「ああ。お休み大淀」
私は一気に重荷から解放されたような気分になり、謙にお休みを言って部屋に戻ろうとしたがその瞬間に違和感の正体に気付いた。
「あっ、そうだ謙」
「ん?どうした?」
「あのさ・・・・最近二人っきりの時も私の事大淀ってちゃんと呼んでくれてるよね・・・・?」
そうだ。最近謙は2人っきりの時でも淀屋って呼ばなくなったんだ。
少し寂しい気もするけど大淀って呼んでもらえて今の私を認めてくれているような気もして嬉しい。
「あ、ああ。お前がそう見て欲しいって言ってたし・・・それに上手く言えないけど淀屋は親友だってのは変わらねぇけど今のお前は俺が好きな人だから俺の中でも一種の踏ん切りがついたと言うか・・・」
謙は照れくさそうに言った。
私の事で謙も色々考えててくれてるんだ。
そう思うとなんだか心が温かくなった。
「そうなんだ・・・ありがと。これからもずっと大淀としてあなたの側にいれたら良いな・・・」
「ああ、当たり前だろ?お前は俺の秘書官で・・・それに俺の大切な人なんだからな!もちろん淀屋もだぞ!!でもお前がその姿で俺の事を好きで居てくれるなら俺にも親友としてじゃなくて・・・その・・・好き・・・な人として付き合わせてくれよ」
謙・・・・
「ええ。ありがとう謙。私うれしいよ・・・それじゃあまた明日の朝ね」
「ああ。それじゃあな」
私は謙に別れを告げ、足取り軽やかに自室へ戻り床に就いた。
「えへへ・・・・謙に好きってまた言われちゃった・・・・好き・・・・」
私は布団の中で一人謙とのやり取りを一人で繰り返していた。
本当に少し前まで自分が男の子だったなんて自分でも噓みたいだ。
実はあれこそが夢で今の私こそが本当の私なのかな・・・?
でも男の子だった時の思い出も大切な物だ。
謙はどっちも受け入れてくれるって言ってくれたし今の所は恋人だし親友って事でいい・・・かな・・・?
その日は結局そんな事を一晩中考えていたので眠れなかった。
そして那珂さんと出掛ける当日・・・・
出掛けるのはここから少し車で行った所にある水族館××シーパークと言う事になっていて、私だけに車を運転させるのは悪いからと那珂さんはバスで行こうと提案してきたのでバスで行く事になった。
その日の分の書類を片付け、謙に見送ってもらい自室へ戻り出掛ける準備を始める
「髪はこんな感じで良いかな・・・・?よし!これで大丈夫な筈・・・でも・・・また男の子の恰好をするなんて・・・・なんだか恥ずかしいような・・・・」
私は鏡に映る男の子の私を見てむず痒い気分になっていた。
そして待ち合わせ場所である鎮守府の門の前で待っていると
「おっまたせー!」
と那珂さんの声が聞こえた。
声の方を振り返ると
「な・・・・那珂さん・・・!?」
いつものトレードマークなお団子は無く、髪は降ろされていて、服も可愛い系というよりは清楚系と言った感じだった。
「ど・・・どうかな・・・?いつもの那珂ちゃんと違うでしょ・・・?」
「は・・・・はい・・・・綺麗です」
「ほんと!?那珂ちゃん嬉しいっ!」
中身はいつものままの様だった。
とこんな事があって今私は那珂さんと一緒にバスに揺られている。
「ねー大淀ちゃん・・・・今の大淀ちゃんの事大淀ちゃんって呼ぶの・・・なんだか変な感じするんだよねー」
「そ・・・そうですか!?」
「うん・・・男の子の恰好してるし・・・・その・・・ダーリンって呼んじゃダメ?」
「ダ・・・・ダーリン!?」
ダーリン!?そ・・・そんな呼ばれ方するのは初めてだし急な事だったので私はびっくりしてしまう。
「今日だけだからぁ〜ね・・・・良いでしょダーリンっ♡」
那珂さんはそう言ってウインクをしてきた。うう・・・断り辛い・・・でも今日だけ・・・今日だけだし・・・いい・・かな・・・・
私が頷くと
「やったー!ダーリンだーい好きぃ!!!」
那珂さんが抱きついてきた
「うわぁちょ・・・・那珂さ・・・・那珂ちゃん!公衆の面前でそんなこと・・・・!!」
「え〜いいじゃーん今このバス那珂ちゃんとダーリンしか乗ってないんだしぃー」
うう・・・やっぱり那珂さんと居ると楽しいと言えば楽しいんだけど疲れるなぁ・・・
でもダーリン・・・・良いなぁ・・・・帰ったら謙の事ダーリンって呼んでみようかな・・・・・
いやいやいやダメだ・・・・やっぱり恥ずかしい・・・・
そうこうしているうちに私達は水族館へ到着した。
「うわぁ〜綺麗だねダーリンっ!」
「は・・・はい・・・でもお魚とか海とかって艦娘だからずっと嫌でも見てるんじゃないんですか?私はあんまり出撃しないので新鮮と言えば新鮮ですけど・・・」
「ううん!そんな事ないよ!それに深海棲艦のせいで海は怖い物だって思う人が結構居るけどこう言う所で海の綺麗な所とかをいっぱい見て海って良いなって思ってくれる人が少しでもいてくれたら良いなって那珂ちゃん思うんだ!だから那珂ちゃん水族館って大好きなの!!でも本当は水族館なんかじゃなくてみんなが本当の海で皆が楽しく深海棲艦の脅威なんか考えないでダイビングとか海水浴とかが出来るようになったり海の生き物に親しめる日が来ればいいなって・・・!」
那珂さんも那珂さんなりの戦う理由があったんだ・・・
「那珂ちゃん・・・海好きなんですね」
「うんっ!大好き!」
那珂さんはそう言って笑った。
そして一通り水族館を回ると
「そろそろお腹空いたね」
と那珂さんが言う
「そうですね。時間も時間ですしお昼ご飯にしましょうか」
「うんっ!」
私達は水族館のレストランで昼食をとる事にした。
「それじゃあ那珂ちゃんはぁ〜このペンギンカレーにしよっかなー」
那珂さんはメニューに書かれているペンギンの形になっているご飯にカレーがかかったカレーライスを指差した。かわいい・・・・!
「それじゃあ私もそれで・・・」
そして私達は2人仲良くペンギンカレーを食べた。
味は普通な筈なのになんだかとっても美味しく感じる。
那珂さんと一緒に食べてるからなのかな・・・・?
そんな事を考えていると那珂さんが口を開けていた。
「あーん・・・・」
「あーん・・・?」
もしかしてカレーを食べさせて欲しいの・・・?
「しょ・・・しょうがないですね・・・」
私はスプーンを那珂さんの口に運んだ
「はむっ・・・・う〜ん!ダーリンに食べさせてもらうとすっごくおいしく感じる!!それじゃあ那珂ちゃんも・・・・はいダーリン♡あーん・・・」
那珂さんもスプーンにカレーを掬い私の口元に持ってきた。
拒否するわけにも行かないので私は口を開ける
「んむっ・・・・」
口にカレーが運ばれた所を那珂さんはずっと見つめてくる。
「どーお?」
なんかめちゃくちゃ期待されてるような・・・・
「う・・・うん・・・・那珂ちゃんに食べさせてもらったらお・・・美味しいなぁ・・・なんて・・・」
「そう・・・?よかった!うふっ」
那珂さんはまた嬉しそうに笑った。本当に笑顔が可愛いなぁこの人・・・・私も見習わなくっちゃ!
そしてカレーを食べ終わり、レストランを後にすると突然
「ダーリン!もう少しでイルカショーが始まるみたいだよ!見に行こっ!!」
そう言った那珂さんに手を引かれ、イルカショーを見に行く事になった。
そしてイルカショーが行われる場所に行く道中突然那珂ちゃんが歩みを止める
「那珂ちゃん?どうしたんですか?」
「折角だし記念撮影しようよ!」
那珂さんはそう言っておいてあった水族館のパネルを指差す。
そして那珂さんはそれをバックに私に肩を寄せてスマートフォンで自撮りをした
「ありがとーダーリンっ♡この写真大事にするね!」
那珂さんは嬉しそうに言った。
そしてショーが行われる会場に付き、イルカショーが始まった。
そんなショー中盤司会のお姉さんが
「それじゃあショーのお手伝いをしてくださる方ー手を挙げてくださーい」
と客席に求めた。
こう言うの恥ずかしくって手を挙げられた試しがないんだよね・・・・もう今となってはどうでもいいけど
と思っていると
「はいはいはーい!!!」
と横で那珂さんが思いっきり手を挙げている。
それが目立ったのか
「それではそこの白いお洋服のお姉さん!」
と司会のお姉さんに那珂さんが指されてしまった。
「やった!それじゃあダーリン!!一緒に行くよ!!」
そう言って那珂さんに引っ張られる
「えっ・・・ちょ・・・!!呼ばれたの那珂ちゃんですよね・・・・!私はここで見てますから・・・・!!!」
「いーじゃんいーじゃん!ほら行こっ!!」
那珂さんの勢いに負け、私はステージまで連れていかれた。
「あれ?こちらの方彼氏さんですか?」
那珂さんが司会のお姉さんに尋ねられる
「はいっ!」
那珂さんは即答して私に抱きついてきた。
うう・・・・・・大勢の目の前でこんな・・・・・謙には絶対見せられない・・・・
「お熱いですねぇ〜とってもお似合いだと思いますよ!」
お姉さんもそう言ってくる。
「え〜そう?ありがと〜」
那珂さんは隣でそんな事を言ってニヤニヤしているが
恥ずかしい・・・・でも今度謙とここに来たら私も今の那珂さんみたいな事謙にしよっかな・・・・
それから私達はイルカに何度か芸をさせて席に戻ってしばらくしてからショーは終わった
「ふう・・・・・」
私は安堵の息を洩す。
そしてまた水族館を回っていると
「あれ?なんだかあそこの男の子と女の子・・・・カップルみたいだね」
那珂さんの視線の先には腕を組んで歩いている男女がいた。
なんだかどこかで見た事あるような・・・・それになんだかこっちを見ているような・・・・
「もしかしたら那珂ちゃん達の事もカップルみたいだって思ってるんじゃない?見せつけちゃお!」
そう言って那珂さんは私の手に指を絡ませてきた。
こ・・・これって恋人繋ぎ!?
なんだろう・・・・私・・・・・那珂さんの事異性として見て無いのになんだかドキドキしちゃう・・・・・ダメダメ・・・!私が好きなのは謙なんだから!!
自分にそう言い聞かせながら恋人繋ぎのまま水族館を回ったがほぼ見たものは頭に入ってこなかった。
そして海が見える野外にやってきた。辺は日が少し翳り始め海が海に夕日が沈もうとしている。
「今日は楽しかったね!ダーリン!!」
那珂さんは屈託のない笑顔で微笑みかけてくる。
「は・・・・はい」
「んー?ダーリンは楽しくなかったの?」
那珂さんは尋ねてくる。
「い・・・いやそんな事はないです!!那珂ちゃん一緒にいろんな所を回ったり知らない一面を知れたりと私も楽しかったですよ!!」
「そうっ!それならよかったぁ〜今日はありがとねダーリン・・・いえ大淀ちゃん。那珂ちゃんの無理に付き合わせちゃって」
「いいえ。私も・・・・那珂ちゃんの告白を断ったときはもうこうやって一緒にお話しできなくなっちゃうんじゃないかって思ってましたけど一緒にこうやって遊びに行けて楽しかったです」
「ありがと大淀ちゃん。それじゃあ明日からはこれまで通りだね・・・」
那珂さんは少し寂しそうに言った。
「これまで通り・・・?」
私は本当にこれまで通りに那珂さんと接する事が出来るのだろうか?
そんな事を思っていると
「あのね・・・・大淀ちゃん。最後にもう一つお願い・・・聞いてくれる?」
那珂さんはまた少しよそよそしくそう尋ねてくる。
「あのね・・・目・・・瞑ってて」
「はい」
私が言われた通りに目をつぶると頬に柔らかい何かが当る
「ふわっ!!」
も・・・もしかしてこれって・・・・
私はすぐさま目を開ける
すると目の前には顔を真っ赤にした那珂さんがいた。
「へへ・・・最後にキス・・・させてもらっちゃった・・・・ごめんね大淀ちゃん。例え大淀ちゃんに好きな人がいても那珂ちゃんはそれをお友達として応援するしお友達として大好きだから・・・・」
「お友達として・・・・・ありがとうございます那珂さん・・・・」
「お友達でしょ?だからもう那珂ちゃんに敬語使うのやめない?タメ口で気軽にお話ししてくれてもいいんだよ?」
「え・・・・?でもそんな・・・・」
「いいのいいの!那珂ちゃんは皆の物だから!つまり大淀ちゃんの物でもあるって事なんだから!キャハッ☆」
那珂さんはそう言ってまたウインクをした
なんだそれ・・・・でもそうだ。私は那珂さん・・・・いや那珂ちゃんとお友達になりたかったしこれなら願ったり叶ったりだ。
「ありがとうございます・・・いえ。ありがとう那珂ちゃん」
「あ〜ちゃんと那珂ちゃんって呼んでくれたぁ!那珂ちゃん嬉しいっ!」
「那珂ちゃん・・・・こんな私だけどこれからもお友達でいてくれるの?」
「うん!もちろんだよ大淀ちゃん!私達の友情は普通の男の子同士の友情よりも厚いんだから!」
「そ・・・そんなもんなの?」
「そうだよ!それじゃあ皆にお土産でも買って帰ろっか!そうだ大淀ちゃん。お揃いのキーホルダーとか買おうよ!」
「うんっ!」
私達は売店でお土産を買い、帰路についた。