幻想郷…それは妖怪や妖精…僅かな人間たちが暮らしている世界…
そんな幻想郷で、少し離れた魔法の森にある一軒家…
そしてその一軒家に住んでいるとある魔法使いがいた
彼女の名はアリス・マーガトロイド
人形使いの魔法使いである
元々彼女はこの魔法使いの森にあるたった一軒家での独り暮しをしていた…"元々"は…
とある日の朝…
アリスは台所で朝食を作っていた
「う~~~ん…こんなものかしら?」
料理の出来栄えを見て、満足したアリスはテーブルに並べた
テーブルに並べた料理……が、一人にしては多すぎる量だが…
「ふふっ…そろそろお寝坊さんを起こさないとね」
そう、彼女には……"彼"がいたのだ
するとアリスは寝室の部屋へ向かった
部屋に入ると、ベッドには男性がぐっすりと眠っていた
そう、この男がそのアリスの"彼"だ
「ほら、神威…起きなさい
いくら休みだからってずっと寝ていると体が鈍っちゃうわよ?」
アリスは男を神威と呼び、体を揺すりながら起こそうとしていた
「んん…?
ああ…もうこんな時間か…」
するとアリスの声に反応したのか、神威は目が覚め、体をゆっくりと起こした
「おはよう神威…ぐっすり眠れたかしら?」
アリスは微笑んだ表情で神威に言った
「ああ、おはようアリス」
神威もアリスに向けてそう言った
「朝食が出来たのよ…一緒に食べましょう」
「昨日は随分と大忙しだったみたいだね…」
「まぁな…
寺子屋での特別講師に永遠邸での薬の材料集め…パチュリーの図書館の整理に、最後は魔理沙の魔法店での後片付け……
目が回る程忙しかったな…」
「全く…万屋だからって、魔理沙のは無いでしょう?
パチュリーのはあれだけ広い図書館で整理するのは仕方ないけど…
後片付けぐらい自分で出来ないのかしら?」
「ははっ…だが、あいつにもちゃんと報酬をやるって言ったからな…
報酬がある限り、俺はやらない主義なんでね…」
「もぅ…神威ったら…」
アリスと神威はそう会話しながら朝食を取っていた
いい忘れていたが…神威こと、天城神威は…この幻想郷での唯一の万屋だ
報酬が有る限り、どんな依頼でも引き受けるらしい…
そして神威にはもう1つの顔がある…
一見、どこにでもいる人間の男に見えるが…
転生前はなんと!!
日本神話に出てくる神…須佐之男命(スサノオノミコト)なのだ…!!
(※何故神威が須佐之男命(スサノオノミコト)なのかは、詳しくはSatomura Shion様の紙芝居シリーズ、S2で)
神威は万屋として働きながらも…アリスの彼氏として…夫として、この幻想郷で暮らしているのだ
「ねぇ、神威…今日は暇かしら?」
「んん?どうしたんだ?…急に」
「だって…今日は神威休みだし…せっかくだから夕飯は神威の食べたいものを作ってあげようかなぁって…」
アリスは少し恥ずかしそうにそう神威に聞いた
「俺はアリスが作ってくれるのであれば何でもいいが…」
神威がそう答えると、アリスは少し不服そうに頬を膨らせながらこう言った
「もう!それが困るんだから!!」
「アハハハハ…そう怒るなって」
怒っているアリスに、神威は優しく慰める
「だったら一緒に買い物して、決まればいいじゃないか?」
「うふふ…そうね
久しぶりにあなたとデートみたいになれるなんて嬉しいわ」
神威の案に、アリスは賛成したのか機嫌が治り、笑顔でそう言った
「それじゃあお昼ぐらいに人里の所でお買い物に行きましょう!」
「ああ」