黒澤家の長男です。   作:カイザウルス

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千歌ちゃん回です!
ブラックコーヒーをお持ちした上でお読みください…。


第19話+小話

私は過去の記憶を思い出していた。

 

『千歌ちゃん!紹介するね、黒澤 瑠璃くんです!』

『初めまして、曜から色々聞いているよ。高海…でいいんだよな?』

 

彼と始めてあったのは、中学一年生の頃。

親友の曜ちゃんの紹介だ。

最初の印象は物静かで真面目そうな人だった。

 

『うん!初めまして!高海 千歌です!』

 

そこから彼とは中学生活ずっと関わってきた。

そんな中で…私があることで悩んでいた時だった。

 

『またやめたって?』

『…黒澤くん…ほっといてよ』

『そうか…じゃぁ、ほっとくよ』

 

彼は近くの自動販売機に行き何かを買って、隣に腰掛ける。

 

『曜が心配していたからさ、様子見に来たんだ』

『…ほっといてよ』

『ほっときたいのは山々なんだがな…めんどくさいし』

『じゃぁなんで』

 

黒澤くんには、わからない。

千歌の悩みなんてわかるはずがない。

‘’才能‘’がある彼に‘’普通‘’である私の悩みなんて。

 

『まぁ…これでも友人だしさ……親友に話辛いのなら友人はどうだ?』

 

そこで私は何かが切れた。

溜まっていたものを黒澤くんに吐き出した。

 

『‘’才能‘’のある黒澤くんや曜ちゃんにはわからないよ!!’’普通’’の私の悩みだなんて!!だからあっち行ってよ!!』

『……ようやくこっちを見たな?ほらよ』

 

黒澤くんは何かを投げてきた。

紙パックのみかんジュース?すると彼は口を開いた。

 

『吐き口になるから話してみ?最後まで聞くから』

『ッ!?』

 

そこから悩みを打ち明けた。

何かに挑戦や続けても、曜ちゃんや黒澤くんや‘’才能‘’のある人と比べて止めてしまうことを。

気が付いたらジュースも飲み終わっていた。

 

『少しスッキリしたか?』

『…うん』

『んまぁ…本気だからこそ周りと比べて、自分が嫌になるんじゃないの?』

『うん…千歌だって頑張っているけど……自分が“普通”だって思うと…嫌になる』

『…なら頑張らなくていいんじゃね?』

『え?』

 

衝撃が走った。

“頑張らなくていい”なんて言われたのは初めてだ。

黒澤くんはそのまま話を進めた。

 

『だって高海、頑張るのが楽しそうじゃないし』

『ッ!?』

 

図星だった。

周りと比べて千歌もやらなきゃって…。

そう思った瞬間にくる嫌な感情、何度も来た嫌な感情。

 

『どう続けるか何て問題じゃない。頑張るのが楽しくないなら、続けるのは無理だと思う。まぁそれでも続けたいなら止めないけど…』

『…そっか』

 

何かがストンっと心に落ちた。

そして先ほどまでの、嫌な感情が薄れていった。

そっか…頑張らなくていいんだ。

 

『ありがと黒澤くん、ちょっと考えてみる』

『おう』

 

家に帰り一晩考えた。

そして次の日に答えを出して、黒澤くんのもとに向かった。

 

『黒澤くん』

『ん?おぉ高海。答え出たか?』

『うん…やっぱり辞めることにしたよ。余り好きじゃなくなってたから』

 

いままでこの言葉…“辞める”って言葉で何人も複雑そうな表情を見てきた。

黒澤くんも同じ表情になるかと思いきや

 

『そっか…まぁいいんじゃね?』

 

本当に他人事のように答えた黒澤くん。

しかし、その表情が凄く私にとっても新鮮だった。

そして黒澤くんは自分の頭を搔きながら

 

『まぁなんだ…夢中になれるもの見つけたら教えてくれ、全力で応援する』

 

ニカっと笑いながら千歌の肩を叩いた。

その瞬間、黒澤くんを見る目が変わり、心が温かくなった。

その感情に私は“恋”と名付けた。

 

『ねぇねぇ黒澤くん!』

『ん?』

『ルーくんって呼んでもいい?』

『また唐突だな……別に構わないが』

 

気が付いた時には私は、“黒澤くん”の事を“ルーくん”って呼んでいた。

そんなある日、あることに気が付いた。

それは曜ちゃんもルーくんに“恋”をしていた事に…。

 

『曜ちゃんってルーくん好きだよね?』

『え!?…………う…うん…』

 

絶望だった。

親友と好きな人が被った…罪悪感が押し寄せてきた。

けど口から出たのは思いもよらない事だった。

 

『そっか!それなら応援するね!』

『ち……千歌ちゃ~~ん!』

 

曜ちゃんは嬉しそうに私に抱き着いてきた。

これでいい…これでいいんんだ。

私はこの“恋”に蓋をし、親友を応援する道を選んだんだ。

そして、現在。

私は自分の気持ちを再度確かめるために、ルーくんとデートに行く。

……デート…………デート……。

 

「ていうか!デートってどうすればいいのぉぉぉぉぉぉ!!??」

 

私は海に向かって叫んだ。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

俺、黒澤 瑠璃は緊張している。

その理由は友人である千歌からの誘いでご飯に行くことになったからだ。

友人が言うには、異性と出かけるのは“デート”だといっていた

そして、現在俺は待ち合わせ場所のカフェで普段飲まないコーヒーを飲みながら待っていた。

 

「苦っ……やっぱり砂糖とミルク入れよう」

 

カッコつけてブラック頼むんじゃなかった…。

席にあるミルクと砂糖を入れて、苦みを抑え一口。

すると、オレンジ色の髪に特徴的なアホ毛を揺らして走っている少女、高海 千歌が走って来た。

千歌はキョロキョロと周りを見ている…中にいるの気づいてないのだろうか?俺は窓を軽く叩こうとした瞬間。

クルっと周り、窓に映る自分の姿を確認している。

崩れている前髪を治して、ニコッと笑い気合いを入れている様子だ。

……何か見てはいけない様な物を見てしまったな……。

すると窓越しに俺と目が合った。

 

「…………」

「…………ッ!!??」

 

数秒間が開いた瞬間、みるみると顔が赤くなった。

そして、店に入り俺が座っている席の前に顔をうつぶせるように座った。

 

「お決まりでしょうか?」

「あ…オレンジジュースを1つお願いします」

「かしこまりました」

 

とりあえず千歌の代わりに頼み顔を上げるのを待った。

すると千歌はほんのり赤い顔を上げて口を開いた。

 

「本日は誘いに乗ってくれてありがとうございます」

「なかった事にするのか…まぁいいけど」

 

頭を下げだした千歌に、つい心の声が漏れてしまった。

そして頼んだオレンジジュースが届き、千歌は嬉しそうに飲む。

さて本題だ。

 

「ご飯に行くって言ってもこの辺何もないだろ?何食べるんだ?」

「ふふふ、じゃじゃーん!美渡姉からチケットをもらいました!」

 

そう言って千歌が取り出したのは、1枚のチケットだった。

そこには某有名ケーキバイキングのお店の名前が書かれており、更には無料と書かれている。

 

「ケーキか」

「ルーくんケーキ好きでしょ?」

「嫌いじゃないけど、曜といけばいいんじゃないのか?」

 

異性と2人で行くところなのか?っとそんなことを思いながらコーヒーを飲みながら話した。

しかし、返事がない。

チラッと千歌の方に目を向けると、目をウルウルしほんのり頬を赤く染めこっちを見ている。

 

「千歌と行くの……嫌?」

 

衝撃が走った。

というか凄いドキっとしたぞ俺!?そんなこと言われたら断れない。

 

「い…嫌じゃないけど」

 

恥ずかしさを隠すように、コーヒーを一気に飲み干して意識を別のところに向けた。

すると千歌はフッと笑い席を立ち上がった。

 

「それじゃ~、出発進行!」

「あ、お前!?」

 

気づいたらオレンジジュースを飲み干していた千歌は外へ。

会計を済まして千歌を追いかけた。

そのまま電車に乗り、目的のケーキバイキングの元へ。

電車の中では色々な話をした、これからのAqoursの事や中学校の思い出等々。

そして目的の場所に到着した。

店内はハートやピンクを強調した作りで、女性の客が9割いる。

めちゃくちゃ入りづらい…。

しかし千歌はというと、目をキラキラさせながら店内を見渡している。

 

「いらっしゃいませ~♡お客様2名様ですか~♪」

「あ、はい2名です」

 

何だかテンションの高い店員さんだ。

千歌はチケットを店員に渡す。

すると店員は俺と千歌を見比べて、口を開いた。

 

「こちらは~カップル専用のチケットなんですけど~?お2人はカップルでしょうか~?カップルでしたら、何か証明できるものを見せてもらってもいいですか~☆」

「…は?」

 

え?カップル専用?俺はチケットを確認すると、端っこに小さくカップル用と書いてある。

いや、これ絶対におかしいだろ!?俺は千歌の方を見ると、予想していなかったのか顔を赤くして固まっている。

と…とりあえず。

 

「証明と、いいますと?」

「そうですね~…ツーショット写真の写真だったり、手を繋いだり、キスだったり!ですかね~♪」

 

ニコ~♪っと笑いながら話す店員。

…仕方ない、カップルじゃないし普通の料金を払うとしよう。

俺は財布をポケットから出そうとした瞬間。

俺の右腕に何かに掴まれた。

 

「こ…これでいいですか!?」

 

千歌は恥ずかしそうに俺の右腕に抱き着きながら、店員さんに見せつける。

ムニュっと何かが右腕を挟んでいる感触や千歌の匂いなどで俺の心臓が一気に加速した。

そしてその姿を見た店員さんは

 

「チッ……ではこちらご案内しますね~♪」

「おい、いま舌打ち「何のことですか~♪お席ご案内しますね~☆」……」

 

遮るように話されて、何も言えない。

そして俺と千歌は店員に案内されるがまま席についた。

店員さんに案内された席は、ソファー型の席で並んで座るタイプの席だ。

 

「それではスイーツバイキング90分でのご案内になります♪それではスタートで~す☆☆」

 

店員さんはその場をさり、取り残された俺と千歌。

 

「と…とりあえず何とかなったね!」

「お前……チケットちゃんと見てくれよ」

「いや~!ごめんごめん!」

 

本当に思ってるのかこいつ…。

まぁ済んだことだしいいだろう…。

そんなことより…俺は右腕にまだ残ってる触感を思い出した。

俺の周りでは幼い頃から、大きいサイズの方々と関わることも多い。

果南姉とか小原先輩や最近では曜もその1人だ。

慣れているつもりだったが……思い出すと少し恥ずかしい。

 

「ルーくん!!」

「は…はい!何だ?」

「さっきから呼んでるのに無視しないでよ!」

「す…すまんすまん。ケーキ取りに行こう」

「うん!」

 

いけないいけない、考えすぎて聞こえてなかった。

こうして俺と千歌は、食材が並んでいる棚からそれぞれ好きな物を取り席へ。

俺はパスタやケーキなどをバランス良くとっているで千歌はというと

 

「全部みかんが入ってるケーキじゃねぇか」

「えへへ、つい取っちゃったよ~」

 

嬉しそうに笑う千歌に少し和む。

とりあえず食べてしまおう。

 

「「いただきます」」

 

先ずはパスタを一口。

麺にしっかりとクリーミーな味わいが絡まって、チーズの味がかなり強めだ。

俺は濃い味付けが好きなので問題ない。

パスタを終わらせてケーキを口に入れた。

うん!これも美味い!!どんどん食べ進めていくと

 

「ルーくんって幸せそうに食べるね」

「ん?そうか?」

「うん!ほら!」

 

そう言って千歌は携帯の画面を見せてきた。

そこには俺が笑顔でケーキを食べている姿が、というか勝手に撮ったのかこいつ。

 

「許可なく撮るなよ」

「いいじゃん!減るもんじゃないし!」

 

何故かニコニコと写真を眺める千歌。

その姿に笑みがこぼれある事を思い出した。

今更だが、俺はスクールアイドルとご飯食べに来てるんだよな。

千歌は自分のことを“普通”や“平凡”と言うが十分魅力的な女の子だ。

その証に、浦男では千歌のファンが何人もいる。

 

「ん~…ルーくん」

「ん?何だ?」

「流石にジッと見られるのは恥ずかしい…」

 

千歌は恥ずかしそうに顔を隠す。

そんなに長く見ていた覚えがないのだが…。

しかし千歌のこういう反応は新鮮だ。

 

「悪かったよ。ほらこれでも食って機嫌治せよ」

 

俺は残りケーキをフォークで突き刺し、千歌に向ける。

すると千歌は一瞬、間をおいて一気に顔を赤くした。

 

「え!?ルルルルーくん!?」

「は?何を慌ててるんだよ?」

「え!?いやいやいや!だって…か…間接キス…」

「…ッ!?」

 

予想外な答えに驚いた。

確かにこの状況は、俺が千歌にケーキを食べさせる様に見えるだろう。

そして周りからヒソヒソと“仲いい”羨ましい“”カップル“なんかの言葉が聞こえる。

恥ずかしくなり、俺は差し出したケーキを食べた。

 

「あ~!」

「…おかわり行ってくる」

 

俺は立ち上がりケーキを取りに向かった。

千歌も自分のを食べ終わらせ、後からついてくる。

その後、俺たちは時間いっぱいまで食事をし、駅に向かった。

そして駅に到着したので電車が来るのを待った。

 

「いや~!食べた食べた!」

「当分の間、甘いのいらないな」

 

初めてケーキをあんなに食べた。

今度はダイヤとルビィでも誘って来ようかな…。

そんなことを考えてると、千歌が何かをひらめいたようにフフフっと笑い出した。

 

「当分、糖分いらない…だね!!」

 

もうすぐ夏なのに冷たい風が吹いた。

こいつ何言ってるんだ?急な親父ギャグにビックリしていたら

 

「今のはね、当分と糖分を掛けたオヤジ「言わなくていいから」…」

 

更に説明までしようとしたので止めた。

そろそろ電車が来る時間だろうか?携帯の時計を確認しながら電車を待つ。

 

「ルーくん」

「ん~?何だ~?」

「昨日はありがとね」

 

昨日のことで改めてお礼を言われた。

 

「別に気にすんなよ。今のAqoursをどうするのかとかは、リーダーである千歌の判断だと思う。けど続けるのは嬉しいよ」

「えへへへ、そう言ってくれて良かったよ…………ねー、ルーくん」

「なんだよ?」

 

俺は千歌に呼ばれ振り向くと、ベンチに座っている千歌がこちらを見ていた。

ん?何だろう?

 

「ルーくんはさ、いま好きな人とかいる?」

 

また唐突な質問だな。

歌詞の参考にでもするのだろうか?

 

「いまはいないな…部活もあるし、今は部活に集中したい」

「…そっか」

「千歌はいるのか?俺だけ答えるのも不公平だろ?」

 

恋愛話では何気ない質問だろう。

すると千歌は、少し間をおいて答えた。

 

「…いる…かな?」

「かな?」

 

なぜか疑問形である。

すると千歌は、ゆっくりと話始めた。

 

「AちゃんとBくんとCちゃんがいます」

「急に物語になったな」

 

千歌は物語口調で話し始めた。

曰く、AちゃんとCちゃんは大の仲良し、そしてAちゃんはBくんに好意を寄せている。

しかし実はそれを知らなかったCちゃんもBくんが好き。

後日、AちゃんがBくんの事を好きだと、Cちゃんに相談した。

Cちゃんは応援すると言ったものの、Bくんが好きだと諦められない……どうすればいいと思う?っとの事。

 

「そのCちゃんに相談されたのか?」

「まぁ…そんな感じかな?」

 

ふむ…急な恋愛話はこの為か、しかし千歌の友達は中々難しい状況にいるようだ。

 

「俺の意見だけど…先ずはAちゃんに話すべきじゃないか?」

「だよね…けど先にBくんの事を好きになったのは、Aちゃんでだから……諦めるべきだと思う…」

「?関係ないだろ?」

「―――え?」

 

千歌は目を大きく開いて、驚いた顔でこっちを見た。

 

「“好き”に時間何て関係ないだろ?その人の事を“好き”になったのは仕方ないと思……う」

 

千歌の顔を見て衝撃が走った。

大きな雫が瞳からあふれていた。

 

「え?なッ…だ…大丈夫か?」

「え?あっ……ごめん!違うの!何か…わかんないけど……スッキリして」

「?…まぁ、いいけど」

 

なんだかよくわからないが、千歌は涙を隠そうと顔を隠す。

流石に泣いている女の子をほっとくわけにはいかない。

俺は鞄から部活で使っているタオルを取り出し、千歌の頭に顔が見えない様タオルをかけ、泣き止むのを隣で待った。

 

「――――、――――」

「??」

 

電車がタイミングよく通り、何かをつぶやいていた千歌だが聞き取れなかった

何本か電車が来たが、千歌が落ち着くまで待つ。

そして

 

「落ち着いたか?」

「うん、急にごめんね。タオル洗って帰すね」

「まぁ、1人で抱え込んでたんじゃないのか?」

「…うん。そんな感じかな」

 

何だか先ほどとは打って変わり、スッキリした様子の千歌。

俺はその姿を確認し、少しホッとする。

 

「そのさっきの話を聞いて思ったことだ。あとはそのCちゃん次第じゃないのか?」

「うん、そうだね。そう伝えとくね!」

 

千歌は立ち上がりクルッと周り座ってる俺を見る。

すると千歌は何かを伝えようと口を開いた。

 

「ルーくん」

「ん?どした?」

「こうやって“2人”で出かけたいから、また誘ってもいい?」

 

普段の千歌ならみんなで遊ぶというタイプのはずだ、そんな千歌が“2人”でと限定するのに少し違和感を感じた。

しかし断る理由もないし、実際今日は楽しかった。

違和感を払拭し、俺も答えた。

 

「部活がない日とかならいいよ」

「えへへ、ありがと!」

 

その後、俺と千歌は電車に乗って帰った。

最寄り駅から自転車で送っていこうとしたが、どうやら志満さんが迎えに来てくれるとのこと。

俺と千歌は駅で別れた。

今日1日を振り返り俺は床に就き、目を閉じた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

≪蜜柑の少女は決意する(上)≫

 

『“好き”に時間何て関係ないだろ?その人の事を“好き”になったのは仕方ないと思……う』

 

私はその言葉を聞いた瞬間、心のモヤモヤが晴れた。

それと同時に目から涙が止まらなかった。

止まれ、止まれ、止まれと思いながら、顔を隠した。

するとフワッと何かが頭に置かれた。

それはルーくんが使ってるタオルだ、ルーくんは静かに私にタオルをかけて隣で待ってくれた。

その瞬間、胸の奥がギューッとなると同時に、心にしまったあの言葉が無意識に漏れる。

 

「やっぱり、好きだな」

 

電車が来てルーくんには聞こえなかっただろう。

けど自覚してしまった。

この気持ちは止められない…この気持ちは主張してくる…この気持ちは隠せない。

私は、ルーくんに“恋”している。

バイキングで撮ったルーくんの写真を見て、ニヤニヤが止まらない。

私はその写真をルーくんの連絡先に登録した。

けど……曜ちゃんにはなんて話すべきだろう。

私はそのことを考えながら眠りについた。





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