黒澤家の長男です。   作:カイザウルス

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第4話

今日は、浦の星男子学院の入学式だ。

自分の席から見える校門にはまだ制服を着なれてない男子たちが次々と入ってきている。

この中から水泳部に入部する人もいるのだろう、楽しみだ。

 

「黒澤~!先輩が呼んでるぞ~!」

「ん?ああ、ありがと」

 

入口を見ると剛先輩がいた。

何のようだろうか?

 

「おはようございます」

「ああ、おはよう。今日、入学式で部活の練習休みだからその連絡をしにきた」

「げ、マジっすか」

「ホントにお前は水泳が好きだな」

 

入学式で部活がないと早めに帰ることになるから、それが嫌なだけだが。

まぁ別に水泳が嫌いというわけでもない。

 

「そういえば今年の入部希望者が何人か部室に来ていたな」

「早いですね、何人くらい?」

「3人だ。中々生意気そうな奴らだったよ」

「生意気って…」

 

言葉選びが少しおかしいが言いたいことは伝わる。

うちは一応、全国常連の部活出し成績を残している奴らが入る事は多い。

そのためか少し天狗状態でくる新入部員もいる。

 

「去年の瑠璃も中々生意気だったからな」

「やめてくださいよ」

 

実は俺もその1人だった。

昔の話だし、あまり思い出したくない黒歴史でもある。

 

「まぁ、まだまだ増えると思うから教育頼んだぞ」

「え?俺が教育係ですか!?」

 

浦男水泳部の教育係。

基本的には一年生の教育を主にする係だ。

更に、時期部長になるというジンクスもある。

俺が1年の頃は、剛先輩が教育係だった。

 

「まぁ去年と同じ感じで……軽く折っていいから」

 

折るとは、天狗状態の奴らの鼻を折るという意味だ。

浦男水泳部名物の一つでもある。

ついでにこの餌食を食らった1人も俺だ。

目の前にいる剛先輩にボコボコに折られました。

 

「懐かしいですね…。とりあえず了解です。部活開始は?」

「来週からだ。新入部員も明日から来るからよろしく」

 

来週か…今日可能なら、軽く調整しておきたいな、スクールでプール借りよう。

 

「とりあえず以上だ」

「ありがとうございます」

 

剛先輩は軽く俺の肩を叩きその場を後にする。

とりあえず帰りスクールに寄ろうかな、ついでだし曜も誘ってみる事にしよう。

俺は曜に連絡を入れたタイミングで、鐘が鳴る。

席の戻り、今日も学校生活が始まった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

入学式も終わり、スクールへ向かう途中の出来事。

 

「あ、ルーくん!」

「お…お兄ちゃん」

 

高海に抱き着かれている天使……ルビィがそこにいた。

周りには曜に、ルビィの友達もいた。

 

「何やってるのお前…」

「スカウト中です」

「そんなドヤ顔で言われても…妹何だ、離してやってくれ」

 

そう言うと少し不服そうにルビィを解放する高海。

ルビィはそのまま俺の後ろに隠れた。

するとルビィの友達が俺の前に、

 

「お兄さん!お久しぶりです!」

 

嬉しそうにニコニコと挨拶する丸。

この子は、国木田 花丸クニキダ ハナマル。

ルビィとは中学からの友だちのようで、ルビィ経由で何度か会っている。

 

「今日は学校終わりずら?」

 

この特徴的な語尾はどうやら方言のようで、最初は驚いたがもう慣れた。

 

「今日は入学式だけだったからな、確か浦女もだったよな。入学おめでとう」

「ずら!」

「あとルビィもおめでとう」

「うゅ…」

 

とりあえずルビィの頭に手を置き、撫でるように動かす。

 

「~♪」

 

ルビィは嬉しいのか気持ちよさそうに目をつぶる。

それを見た丸が何故か羨ましそうにこちらを見ている。

 

「お兄さん!ま…丸も入学したずらよ?」

「え?あ…うん、おめでとう?」

「そうじゃないずら!丸も!入学したから撫でられる資格があるずら!さぁ!お兄さんどうぞ!!」

 

なんというとんでも理論だろうか。

丸も頭を撫でて欲しいようで、頭を出してきた。

一応女の子だし、頭に触れるのは気が引けるが、撫でてほしいのなら仕方がない。

丸の頭に手を置き、ルビィと同じように撫でる。

 

「ずら~~♪」

 

ご機嫌になったようで何よりだ。

右手にはルビィ、左手には丸と、落ち着いて状況判断をしたが…。

これは両手に花ではないだろうか。

 

「瑠璃くんって年下に甘いよね~。スクールでもそうだった気がする」

「いや…これは抗えないだろ」

「わからなくもないけど…」

 

むしろ断ったら俺が悪いみたいじゃないか。

そういえば、

 

「メールしたけど見た?」

「見たよ!けど今日は千歌ちゃんの家に行く約束あるから行けない!」

「そうか、それなら仕方ないな」

 

曜にフォームのチェックをお願いしようとしたが仕方がない。

スクールの先生にでも頼もう。

さてと、いい加減2人をなでるのを止めてスクールに向かおう。

 

「んじゃ、俺は用事あるから」

「先生によろしくね!」

 

他の3人にも挨拶しその場を後にし、俺はスクールへと自転車を漕いだ。

 

 

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