黒澤家の長男です。   作:カイザウルス

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第5話

スクールで無事にプールを借りることができた。

一通り調整もしたので、来週からの部活も大丈夫だろうと思った矢先だった。

携帯電話がなったため確認すると、画面には黒澤 ダイヤと書かれている。

ダイヤから電話が来るのは珍しいことだ。

特に思い当たる節もないが、ここで電話にでなければ後々面倒でもある

 

「はぁ…何だろ…もしもし」

「もしもし、瑠璃?」

「はいはい、なんだよ」

「えっと…お母さまから今日お夕飯は食べるのかと伝言ですわ。それと今日は魚の煮付けのようですわよ」

 

魚の煮付けは、俺の大好物の食べ物だ。

夕飯食べたいのは山々なのだが、親父も一緒のため気が引ける。

仕方ない…今回も断ろう…。

 

「悪いけどやっぱり…「ルビィが久々に一緒にたべたいなって呟いていましたわ」バカ!それを早く言え!」

 

ルビィからの誘いなら断る理由はない。

まぁ、煮付けが食べたいって理由もあるけど。

 

「はぁ…本当にルビィには甘いですね」

「ダイヤに言われたくないよ」

 

俺は通話を切り、家に向かった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「ただいま」

 

玄関を開けて帰宅の挨拶をすると、奥からドタバタと足音が。

 

「おかえり!お兄ちゃん!」

 

足音の正体はルビィだった。

ルビィはそのままの勢いで胸に飛びついてきたため、しっかりと受け止める。

 

「急にどうした?」

「お兄ちゃん、今日は一緒にご飯食べられるの!?」

「おう。俺の席は何時ものところか?」

「うん!ルビィとお姉ちゃんの間だよ!」

 

嬉しそうに話すルビィだが、こんなに喜ぶとは想像できなかった。

とりあえず靴を脱ぎ台所に向かう。

向かう途中もルビィは俺の片腕をガッツリ掴みニコニコしている。

 

「母さんただいま」

「あらおかえりなさい。ご飯もうすぐできるわよ」

「うん、ありがとう。何か手伝う?」

「大丈夫よ。お茶飲んでダイヤと待っていて」

 

台所から居間を見るとダイヤがいた。

俺も夕飯ができるまで待つとしよう。

片腕に引っ付いているルビィを引き離し、自分の鞄や水着を片付けてから居間に向かう。

とりあえずダイヤの前に座る。

 

「おかえりなさい」

「ん?ただいま」

 

ビックリした…まさかダイヤから話しかけて来るとは。

ダイヤはお茶を飲みながら本を読んでいる。

俺も飲もうと湯のみを取り出し、急須を手にしようとした瞬間。

本を勢い良く閉じたダイヤが口を開いた。

 

「ちょっと、勝手に入れないで」

「別にいいだろ。ケチケチすんなよ」

 

静止を聞かずに急須を持とうとした瞬間。

パチンっと手を叩かれた。

 

「……」

「……」

 

再度触れようとしたらパチン。

反対の手で触れようとしたらパチン。

 

「……」

「……」

 

負けじと触れようと何度も挑戦するが全て叩かれた。

 

「何だよ!?」

「何か一言あってもいいのではありませんの!!」

「あなた達~ご飯できたわよ~」

「たかが湯のみ一杯でケチケチすんなよ!」

「ケチケチではありません!人として必要なことですわ」

「融通が利かないな!だから硬度10って言われるんだよ!!」

「ちょっと聞こえてる~?」

「誰が高度10ですか!あなただって水の変態って言われていたでしょ!!」

 

何時もの言い合い。

そしてそれをニコニコと見守るルビィがいた。

 

「何でルビィはニコニコしているんだよ」

「え?…どうしてですのルビィ?」

 

ダイヤもそれに気づいたようで話しかける。

するとルビィは嬉しそうに答えた。

 

「仲いいなって思ったんだ♪」

 

はい?……俺とダイヤが?

俺とダイヤは顔を見合わせてため息を吐く。

 

「何処をどう見たらそうなるんだよ!!」

「何処をどう見たらそうなりますの!!」

「ピギィ!!!」

 

俺とダイヤがルビィの発言に反論しようとした瞬間だった。

俺とダイヤの肩を、急に現れた母さんが掴む。

 

「ご・は・ん!!…聞こえなかったかしら??」

 

額には血管が浮き出ており、雰囲気でもわかる位に怒っている。

気のせいなのか頭から角が生えているようにも見えた。

その雰囲気を感じとった俺とダイヤは直ぐに謝った。

 

「「…すみませんでした」」

 

その日の夕食は親父もいなく、美味しくいただく事ができた。

偶には家でご飯もいいものだ。

 

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