黒澤家の長男です。   作:カイザウルス

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※Aqours達出ません!


第8話

浦の星男子学院 水泳部は全国常連の県内でも強豪校にあたる。

そんな水泳部は毎年30人以上の1年生が入部するが、その中で3年生まで続けているのは僅か数人。

その理由は厳しい練習メニューや部内の上下関係が悪いなのではない。

みな口をそろえて≪化物たちには勝てない≫と。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

1日の学校生活が終わり、これから水泳部で入部式だ。

一先ず水着に着替え、プールに向かうと

 

「「「「「こんちわぁぁぁぁ!!!」」」」」

 

総勢30人位から一斉に挨拶される。

こいつら教育するの?めんどくさ…中には一癖二癖ありそうな奴が数人いるな。

とりあえず挨拶だけでも。

 

「初めまして、1年の教育係になった黒澤 瑠璃です。あと30分位で練習始まるからそれまでに各々準備体操するなり、談笑するなりで過ごして下さい」

「「「「「はい!!!」」」」」

 

元気があって何よりだ。

さてと、俺もボチボチ準備体操しようと思った瞬間。

 

「る~り~♪」

「うわぁ!銀次先輩!?」

 

後ろから急に水泳部の副主将の銀次ギンジ先輩に抱き着かれた。

背泳ぎでは全国常連の選手だが、一度だけ個人メドレーでも全国出場の経験がある。

何でもそつなくこなせるが、俺はこの人が本気を出した所は見たことがない。

それとこの人の抱きつき癖は少し怖い。

 

「相変わらず真面目ちゃんだね~」

「何すか!?離してください!」

「はいはい」

 

すると銀次先輩は少し考えるそぶりを見せ、口を開いた。

 

「肩回りの筋肉がつき始めているね、バランス良く鍛えないとダメだよ?」

「う…うっす」

 

そう言うと自分の準備体操を始め、その場からいなくなる。

銀次先輩はスポーツ一家の家庭で父親がスポーツトレーナーのようだ。

そのおかげなのか、体を触れると触った相手の状態がわかるらしい。

俺も偶にアドバイスをもらう為に、話すが抱き着くのは本当にやめてもらいたいものだ。

そんなこんなで、準備体操をして部活を始めようとした時だった。

 

「すみません!遅くなりました!」

 

入口から1人の男が入ってきた。

ネクタイの色から新入生だろう。

 

「これから始める所だ、早く着替えて整列しろ」

「はい!すみません!!」

 

そう言うと直ぐに新入生の更衣室に向かわせた。

直ぐに来るだろう。

 

「右からの順番に、出身と名前と得意分野をそれぞれ言ってくれ」

「「「「「はい!!」」」」」

 

果たして今年の1年は何人残るかな?

それぞれの自己紹介を済ませて最後に、遅れてきた新入生の番まで回る。

 

「じゃ最後」

「は…はい!柳石 蛍ヤナイシ ホタルです!えっと…得意分野は平泳ぎです!よろしくお願いします!!」

 

柳石とは珍しい名前だ、覚えやすい。

とりあえず全員の紹介が終わったので一言。

 

「改めてよろしくな。とりあえず最初だし」

「あの」

 

新入生の1人が手を挙げる。

何か質問だろうか?名前がわからん。

 

「どした?何か質問か?」

「えっと…先輩って中3の最後の大会で一回戦負けでしたよね?」

 

中3最後?ああ…あの時か。

それが何だろうか。

 

「俺あの時となりのレーンにいたんですよね~」

「うん、それで?」

「わからないかな~…俺より遅い人に教わりたくないんですよ?他の人に代わってもらえないですか?」

 

なるほどね~…なるほどなるほど。

こいつは俺に挑発しているんだな?えっと名前は…覚えてないからモブでいいや。

モブはニヤニヤしながら馬鹿にしたように見てくる。

チラっと剛先輩の方を見ると、親指を立て了承をえた。

 

「まぁ…元々やるつもりだったし?いいんだけど、気に入らないなら泳ぐか?俺が負けたら俺が卒業するまで奴隷になってやるよ」

「…へ~自信満々ですね?」

「はっ!別に自信満々じゃねぇよ……雑魚がいきがるなよ、高校デビューか?」

「ッ!!」

「おい新入生!」

 

俺は水泳キャップを被り、ゴーグルを装着しスタート台に上り宣言した。

 

「このモブが話したように、俺に勝てる自身がある奴だけスタート台に乗れ…相手してやるよ」

 

そう言うと何人かの新入生がスタート台に並ぶ。

え?こんなに舐められてるの俺…まぁいいや。

俺はスタート台に乗らなかった新入生の1人にスタートの合図をお願いした。

 

「種目はフリー100mでいいよな?」

「…ああ」

 

モブが返事をすると同時に、スタート台に並ぶ新入生たちも頷く。

しかし、等々敬語が抜けたぞこいつ。

まぁいいや、集中集中…。

一呼吸おいてから後頭部にあるゴーグルの紐を後ろに引っ張り手を離す。

パチンッ!!と音を立て後頭部に軽い衝撃が入ってからスタート台に立つ。

俺の集中する為のスイッチだ。

 

「用意……ドン!!」

 

その瞬間、俺は飛んだ。

手先から足先まで綺麗に着水し…一気に加速する。

周りの一年からの圧は感じる…絶対に抜く!追い付く!等々の感情は感じるがまだ甘い。

折り返し地点の50mの壁を蹴る。

その際にモブと目が合う…その顔は悔しさがにじみ出ていた。

ここで手を抜いて≪いい思い出≫を残してあげるのが普通だろうが、ここは浦男水泳部だ。

そんな甘い考えがあるならこの先、続けるのは無理だろう。

手を抜かず、100mの壁を触る。

 

「ふぅ…さてと」

 

俺はプールから先に出た。

そして次々と100mの壁を触り先にプールから出た俺を見る。

 

「確かに俺はあの時一回戦負けしたが、ここに来てからは逃げ出したくて血反吐を吐く程の努力もした」

 

スタート台の足を乗せ、プールから出ない新入生達を見下ろす。

 

「…俺を舐めるんじゃねぇよ?」

 

プールにいる新入生達だけでなく、プールサイドにいる新入生達までもが怯えた様子だ。

あれ?流石にやりすぎたか?何かフォローを入れようとした瞬間。

 

「ここでは常に部内で競争がある」

 

剛先輩が俺と新入生の間に入る。

 

「瑠璃に負けたお前らは負けたままでいいのか?男なら這い上がってこい。ここにいる新入生は考えてほしい…今から1分だけ時間をやる。這い上がる覚悟がない者は、着替えて出て行って貰おう」

 

すると新入生の何人かが続々と水泳部を後にしていく。

そして残ったのは10人ほど新入生…蛍にモブもいる。

すると剛先輩が少し笑みを浮かべて笑う。

 

「ようこそ水泳部へ…君たちの覚悟はしかと受け取った。さぁ、練習を始めよう」

「「「「「はい!!!!」」」」」

 

新入生達は先ほどの面構えとは、打って変わり面構えが違う。

さて俺も練習に参加するとしよう。

 

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