【完結】朝起きたら辺り一面焼け野原になっていたんだが   作:ゆっくり実験

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前話の後半部分を変更しました。
それと今更な注意事項ですが、主人公はクズでうざい奴です。
 





ソロモン王の契約

 

 

 

────空に光帯。

 

 

 最初の印象は白だった。

 

 崩壊した神殿と表現できそうな其処には、輝くような草原に果てのない蒼穹が広がり、中空には重力が存在しないかのように岩石が漂っている。

 

 その空間の中心にある大理石のような純白の大きく長い階段の果て、幾重もの円を描いたような意匠を背にして、その玉座はあった。

 

 そこに座すのは────

 

 

 

 立っているのがやっとだった。身体の震えはいつまでも経っても収まらない。喉はカラカラに渇いていて、暑くもないのに汗が止まらない。

 

 一目見ただけで、いや、見るまでもなく分かった。存在としての位階が違いすぎる、と。

 

 

 

────魔術王ソロモン。

    或いは、魔神王ゲーティア。

 

 

 

 どちらにしろ、俺など塵芥にすぎないという点では変わらない。

 

 冠位時間神殿にて、罪人の如く、王の裁きをただ待つのみであった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 …いやはや、いきなりラスボスとの面会とか、心の準備とかあるんですけど?そこらへんは考慮していただけないんですかね?

 

 無用心…、ではないのだろう。おそらく俺が害になどなれないと理解した上での行動。

 

 だとしても早々に排除せず、この時間神殿という拠点にまで連行することにしたのは何故か。俺という存在の()()でも()えたからか。単に命乞いが効果あったのか。レフ教授は微妙な顔付きだったけれど。

 

 俺を呼び出した本人こと、…ソロモン、ゲーティア、どっち呼びが相応しいだろうか。やっぱりゲーティアかな。ゲーティアはこちらに見向きもしないどころか、意識すらほとんど向けていないように思えた。

 

 じっと待つ。

 

 しばらくすると、仕事に一段落ついたのか、ゆるゆると俺の方に視線を向けた。よし。

 びたーん!と、土下寝を敢行する。五体投地した俺への反応は特になく、彼は最初の、そして最後になるかもしれない問いかけをした。

 

「…我が大業を阻むものとは何か」

 

 

 俺は顔だけを上げてから、深呼吸して言葉を紡ごうとする。笑い声が漏れてしまったのは緊張によるものか、それとも自らがこれから言い放つに台詞によって到来する未来を夢想してしまった故か。それは世界を滅びへ誘う禁句。

 

 

「────十の指輪。貴方が知り得なかったソロモン王の第一宝具」

 

 

 それは、魔神王ゲーティアに対する唯一の対抗策を無に帰す宣言であった。

 

 

「…しょ、証拠ならココに」

 

 眉尻を上げるゲーティアに俺はとん、と震える指先で自らの頭蓋を叩く。俺と彼の目が合う。

 

 

 ──────────。

 

 

 そして、魔神王は驚愕に目を見開いた。

 

「…これは…だが、…いや、そもそも、この記録(きおく)の視点は…!」

 

 

 彼は一人熟考し、それが終わると何か納得したかのように息を吐いた。

 

「…成程。()()()()()()か。それで、貴様の望むものはなんだ?」

 

 おっ?もしかして助かる感じかな?そこまで期待はしていなかったけれども。

 

「私は自由に生きたいだけなのです」

 

 そうなのだ。他人の願いなんてどうでもいいから、俺は俺の好きなように生きたいのである。

 

 

 

「だから、私に聖杯をください」

 

 

────魔神王の瞳の奥には、鈍く輝く蒼い三日月が映り込んでいた。

 

 

 

 

 

はい。特異点で引きこもってますので。あれですよ?生まれ変わった世界でも存在できるようにしてですよ?ああ、別に貴方が創る新世界に干渉したりはしませんよ。興味ないですし。…ひっ、いいいいいや違いますよあのですねなんというかほら言葉の綾というやつです!新世界万歳!…ふぅ、なんとかなったか…。…なんです?…あ、そうだ。流石に娯楽が無いのは退屈ですからそこも融通してください。いーじゃないですかあ。万能なんですからその程度手間でもないでしょう。私のおかげで無様にも失敗するはずだった貴方の計画は…、ひぇっ…!、…えへへ無様は言い過ぎでしたえへへ、えー、惜しくも失敗した計画が成功するわけですから、ちょっとくらい…。あ!待って!処分しようとするのは止めてください!

それに、ほら、生きた人間って色々と使()()()と思いますよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 






次回、ゲーティア無双(予定)
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