【完結】朝起きたら辺り一面焼け野原になっていたんだが 作:ゆっくり実験
第七特異点を越え、カルデアは人理焼却の主犯である魔術王ソロモンの神殿を遂に突き止める。
いや、魔術王ソロモンの亡骸に巣食うモノの、と言うべきか。
その正体は既にドクター・ロマンから聞き及んでいた。彼への秘策たる指輪が奪われた事も。
彼がマスターと呼んだ藤丸立香によく似た少女の正体は不明だが、調査して分かるようなことでもない。
人理継続保障機関フィニス・カルデアは、その所長オルガマリー・アニムスフィアの号令によって、十分な休息を取った後、最終決戦に臨むことが決定された。
人類の未来は、彼らの手に託された。
◇
だが何もかも手遅れだ。
我々の悲願、逆行運河/創世光年は為った。
七騎の冠位の今更の到着か。
此方の世界の冠位への対策だけでは不十分だったか、まあいい。
確かにお前達ならば我々を打倒できるかもしれない。
既に始動した我が大魔術を阻止することもできるかもしれない。
だが、
故に、共に消え去ろう。
見ているがいい、ソロモン王よ!
命の尊さを知りながら、あらゆる悲劇を見過ごした愚か者よ!
私は、人間として、世界から全ての悲劇を無くしてみせよう!
悲劇の無い世界の輝きが、限りある命の輝きにも勝るということを、
貴様の答えが、ただの諦感だったのだと、人間たる私が証明してみせよう!
『
魔神王ゲーティアの万能と共に、七騎の冠位は消滅した。
だが、ここには彼らがいる。
生きる為に戦う人間が。
────そうして、人王ゲーティアは敗北した。
だが、彼の魔術はもはや止まらない。
新しい世界の誕生まで、あと────
◇
ぱちぱちと、やる気のない拍手をする。
おめでとう、おめでとう。
オルガマリー・アニムスフィアは生還した。
ロマニ・アーキマンは生存した。
全て、
まあ、だからこんな結末も当然だ。
ロマニ・アーキマンは救うということは、即ち世界を見捨てるということ。
君への所感は訂正しようか、
見ず知らずの大勢の誰かよりも、そりゃあ大切な一人の方が大事だよなあ。
ゲーティアの勝利でもあり、藤丸立香の願いが叶った瞬間でもある。一瞬だけどね。
彼の勝利は揺らがない。発動したあの魔術を止めることができる者はもはや存在しない。だからこそ彼は指輪を使ったのだ。自分は既に必要ないから。…ソロモン王への意趣返しに命かけすぎだろ。重いわ。いいけど。
これでようやく俺、いや、私も…。
…?
あれは、いや、そんな筈が…!
何故だ!?
有り得ない!
だって、お前の存在は、英霊の座からすらも消えたはずだ!
…何故、此所にいる、魔術王ソロモン!