魔法の森……幻想郷にはそう呼ばれている不思議な森が存在している。そこには魔力による瘴気が至る所に噴出しており、一般人ではたちどころに命の危険性まで出てきてしまうだろう。そんな危険地帯で、自称『普通の魔法使い』で、キノコが大好きの『霧雨魔理沙』は霧雨魔法店というお店兼自宅で暮らしている。また、博麗霊夢の古くからの友人でもある。
それがみんなが知っているであろう霧雨魔理沙のこと。
―――――だが、現実は少し違った。
霧雨魔理沙は博麗神社に遊びに来ていた。最近の博麗霊夢の人気度の上がり方に友人として満足している彼女はいつものようにからかいに来ていた。
すぐ前には境内で子供たちと鬼ごっこをしている霊夢の姿があった。そこに箒に跨り颯爽と空から登場した魔理沙に子供たちは興奮気味。それもそうだろう。何事もないようにフワッと空を飛ぶ霊夢より、原理がある意味分かっている魔理沙の箒の方がロマンがあるからだ。
「魔理沙お姉ちゃんおはよー!」
「おはようだぜ!」
「ねぇねぇ!またお空の旅に連れてってよ!」
「また今度な……あ、霊夢!茶化しに来たぜー」
「ふざけんな」
霊夢の悪口にも聞こえるようなツッコミを入れられようと魔理沙は動じず縁側に座る。そして、ちゃぶ台の上に置いてあったお茶をぐびっと飲み干す。
「うっま!霊夢、お前また高級なの買っただろ!?」
「それはお客様用よ!」
「お客様用のお茶だけで幾ら使ったんだ!?よく見ればこのそこはかとなく置いてある茶菓子も高い奴だぜ……」
「別にいいでしょ。お安かったんだから」
「金銭感覚狂ってるよ!……そんな金あるんだったらこのボロ神社も綺麗にしたらどうだぜ?」
魔理沙が言うのも納得の内だ。霊夢が住んでいる博麗神社はかなり年季が入っており、今にも崩れそうだ。というか一回崩れかけた。それをどうにか立て直したのだが、どうせだったら新築のようにリフォームすれば良いのに……
「別に私の勝手でしょ」
「自分のことは後回しなんだな」
「当然よ?」
霊夢の精神がよく分からなくなって来たところでまた子供たちが魔理沙に話しかける。
「ねぇねぇ!この植物はなーに?」
「おっ、それはヤハズエンドウだな。草笛にできるやつだぜ。ほれ」
「わーいありがとー!」
「魔理沙お姉ちゃん物知りー!」
「そうだろ!私は植物に関しては超物知りなんだぜ!」
「じゃあこれはー?」
そう言って少女がおもむろに取り出したソレに魔理沙は全身の毛が逆立って一瞬で霊夢の背後に隠れた。
「いやー!『
魔理沙の
「あんた本当にキノコだけは嫌いよね……あんたらもそれは毒っぽいから捨ててきなさい」
「……はーい」
子供たちがその場から立ち去っても魔理沙は怯えたままだ。
「うぅ……」
「あんたね……前から言っているけど、『
「……だって、親父は魔法使いのくせにあそこ行けないから丁度いいと思ったの……あんなにキノコがあるなんて知らなかったもん~」
「……はぁ、情緒不安定ねあんた」
霧雨魔理沙はキノコが嫌いという『変な魔法使い』だった。
皆は「好き嫌いなく食べなさい」って親に言われたことある?
なのに「お昼何がいい?」って言われて「何でもいいよ」って答えると怒られるよね。でもおかしいと思わない?『好き』も『嫌い』もなく育てられたんだから料理の希望とか特にないわけですよ。
っていう屁理屈でした。
こんな彼女がいい!って言う意見があったらどしどしコメントください。