『門番』。それはその一ヶ所のみ守ることを命じられた存在であり、門の奥へと侵入しようとする者を撃退するのを役目としている。東方projectでの門番と言えば皆が一番最初に思い浮かぶのは間違いなく『紅美鈴』だろう。だが、彼女は門番という仕事中に居眠りをするという、立ちっぱなしというのが性に合っていなかった。
これが皆が知っているであろう紅美鈴のこと。
━━━━━だが、現実は違った。
『紅魔館』。吸血鬼が住まう妖怪屋敷。人を喰らう妖怪の根城である紅魔館を人々は恐れ、近づこうとする物好きは滅多にいないだろう。
「今日もいい天気!本を読むのに最適な日だな〜」
そう吹く風に髪を靡かせながら箒に股がり、空を飛んで移動しているのは、変な魔法使いの霧雨魔理沙。目的は紅魔館にある図書館の本のようで、一直線にそこへ向かう。
「っ!侵入者か、散れ!」
突然、紅魔館の門の前で仁王立ちしていた女性が上空の魔理沙の存在に気付いた瞬間空を飛んだ。八極拳の使い手の美鈴らしい気功弾を魔理沙に向けて沢山放つ。
「うわっ!ちょあぶな!って、あーーー!」
魔理沙はいきなりの弾幕に慌てて回避を行おうとするが、紙一重で間に合わずに墜落してしまう。
ドンッ!魔理沙が地面に落ちるが外傷は見当たらない。中々頑丈で、すぐに起き上がる。
「いったー!おい美鈴!いきなり叩き落とすとか聞いてないぜ!」
「そりゃ言ってませんし?というか魔理沙さん。来るならちゃんと門の前まで来てから申請して頂かないと」
「そういうの細かいなお前……あー、分かった分かりました。私も細かい性格だから申請書は書いとくよ。また弾幕喰らっちゃ洒落にならないからな」
「分かればいいんですよ。私だって何回も貴女に弾幕撃つわけにも……あの、鈍ったら練習台になってくれませんか?」
「そんなのお断りだ!?」
魔理沙は美鈴の物騒な提案に嫌な想像ができたのか、急いで申請書を美鈴に提出して物凄い勢いで紅魔館に入っていった。取り残された美鈴は字がぐっちゃぐちゃの申請書を見て、溜息をつきながら懐にしまう。
「あ、美鈴さんお水汲んできました━」
「ご苦労様。お客さんが一人いるから邪魔にならないようにしてね」
「はーい」
紅魔館の近くの湖から水をバケツに汲んできたメイド服を着た妖精に美鈴は注意を呼び掛ける。そして、門の壁の端で寝ている別の妖精メイドを見つけると鉄拳制裁した。
「昼寝は悪徳!仕事中に絶対寝ることは許さないって私いつも注意してるわよね…(ゴ ゴ ゴ 」
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