名探偵コナン〜小さくなった女探偵〜   作:桂ヒナギク

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3.ブローバック

 鑑識からの報告で、バットについてたいのは被害者の血液だった。

(中にガラス片が落ちてる……)

 聡美は身を乗り出して外を見る。

「ん?」

 地面で何かが光った。ガラス片か。

「どうした?」

 と、コナン。

「ガラスって、割ると、割れた方向はもちろん、内側にも破片が落ちるよね?」

「ああ。ブローバック現象だな」

「これ、中から割ったんじゃないかしら?」

「バットでか?」

「恐らくね」

「そういえば、あの人は嘘をついたな」

「嘘?」

「先週、体育の授業はあったけど、野球をやったクラスはなかったんだ」

 聡美は第一発見者の教員を見た。

「江戸川くん、小五郎さん呼んで」

「え? いいけど」

 コナンは携帯で小五郎にかけた。

「もしもし、おじさん? 今、学校で殺人事件が起きちゃって。解決してほしいからちょっと来てよ」

「ぬゎにい!? わかった、すぐに行く!」

 それから暫くして、小五郎がやって来た。

「毛利くん、何の用だね?」

「目暮警部殿! コナンに頼まれて事件を解決しに来たんですよ」

「別にお前なんかいなくても解決できるがな」

「まあ、そんなこと言わずに全部この私目にお任せ下さい」

 小五郎は事件現場を確認する。

 聡美は物陰から小五郎を腕時計型麻酔銃で狙う。

「お前、まさか?」

「そのまさかよ」

パシュ!──聡美が麻酔銃を発射した。

プス!──小五郎の首筋に麻酔ばりが刺さる。

「フニャ!?」

 小五郎は校長室の椅子に座り込み、眠りについた。

 コナンは聡美に訊ねる。

「誰が声を出すんだ?」

「私」

「じゃ、これを」

 コナンが蝶ネクタイを取り出すが。

「いらないよ」

 聡美は小五郎の背後に駆け込んだ。

「毛利くん、どうしたんだね?」

 と、目暮警部。

「犯人がわかりましたよ、目暮警部」

 と、小五郎の声が聞こえてくる。

 コナンが聡美を見ると、蝶ネクタイ型変声機を使わずに、小五郎の声を出していた。

「何?」

「犯人は、第一発見者のあなたです!」

 驚き戸惑う教員。

「え? 僕が犯人?」

「私の後ろのガラス、あなたが割ったんですよね?」

「いや、それは体育の時間に生徒が打った球が当たったんですよ」

「それは嘘です」

「嘘?」

「先週、体育の時間はありましたが、野球をやったクラスは一つもありませんでした。なぜ、そんなことを?」

「えっと……、それは……」

「あなたは今しがた、被害者をバットで殴り殺し、そのバットをガラスに向かって投げ飛ばしたんです!」

「で、でも窓ガラスの前にガラス片が落ちてるじゃないですか! それは外から割れたってことでしょう!?」

「ブローバック現象ですよ」

「……!?」

 驚く教員。

「物には抵抗力があり、ガラスを割ると割れた方向だけでなく、割られた方向にもガラス片が飛び散るのです」

「ぐっ!」

 その場に崩れる教員。

「校長が、あいつが悪いんだ。俺の妻を寝取るから……!」

「あとは署でお聞きします」

 教員が警察官に連行された。

 小五郎が目を覚ます。

「毛利くん!」

「警部殿……?」

「またまたお手柄だぞ。お前に警察を辞められて後悔してるよ」

「はて?」

「小五郎さん、お手柄だったね」

 と、聡美。

「そうだよ。名推理だったよ!」

 コナンに言われ、「そうか? なーはっはっは!」と笑う小五郎であった。

 

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