帝丹小学校。
聡美は五年生の弟である
「え、君が聡美お姉ちゃん? そんなの嘘だい!」
「本当なのよ。毒薬を飲まされて気づいたら体が縮んでたのよ」
「なんか信じがたいなあ」
「信じてくれないのね」
「ごめん。正直、半信半疑なんだ。なんとなくお姉ちゃんに似てるからね」
その時、剛のクラスメイトがやってくる。
「おい、坂上!」
クラスメイトは大きい体をしたガキ大将のような人物だった。
「ちょっとツラ貸せ」
「何?」
剛がガキ大将に連れて行かれる。
聡美は後を追った。
ブン!──廊下で剛が殴られる。
「剛!」
聡美がガキ大将の前に立ちはだかる。
「女は引っ込んでろよ」
「うっさい!」
聡美がガキ大将を蹴ると、二メートルほど吹っ飛んだ。
「何しがやる!」
起き上がったガキ大将が、聡美に襲い掛かった。
聡美はスウェーバックでガキ大将のパンチをかわし、更に次々と繰り出される攻撃をことごとく避けた。
「なんで当たんねえんだよ!」
「動きが遅いのよ。のろま。後ね、うちの剛をいじめないでくれる?」
「チッ」
ガキ大将は教室へ戻っていく。
「本当にお姉ちゃんなの?」
「だからそうだって言ったよね?」
「お姉ちゃんが僕より小さいなんて、なんか嫌だな」
聡美の背中に矢が突き刺さる。
「じゃ、私は戻るから」
聡美は自分の教室に戻った。
教室では、先生が困ったような顔をしていた。
「先生、どうしたの?」
「
「給食費が?」
「そこに置いてあったんだけど……」
教卓を指差す先生。
「容疑者は?」
「容疑者って、生徒たちを疑いたくはないわ」
今日は頼みの綱のコナンは風邪で休んでいる。
「聡美さん、あなたも小五郎さんのところで探偵のイロハを教わってるんでしょ? 給食費を見つけてくれない?」
「うん、いいけど……。先生が美空ちゃんの給食費を最後に見たのはいつ?」
「十五分くらい前ね。トイレ行って、戻ってきたら美空さんの分だけないのよ」
「……………………」
教室には数人の生徒。放課後でほとんどの子ども達は帰宅している。
聡美は残っている生徒たちに話を聞いた。
生徒の人数は三人。
「
「僕は何も見てないよ」
「
「僕は柴が怪しいと思うな。こいつ、家が貧乏だから、金とか見たら盗みそう」
「なるほど」
聡美は頷き、続けた。
「
「俺はトイレ行ってたから……」
聡美は山本のズボンのポケットから何かがはみ出しているのに気づいた。
「それは?」
聡美が指摘すると、山本は慌ててそれを隠した。
「山本くん、出しなさい」
先生が言う。
「ち、違うんだ! これは!」
先生が問答無用で取り出す。
聡美の隠し撮り写真が出てきた。
「……え?」
「山本くん、これは?」
山本は頰を赤らめて走り去ってしまった。
「対象外です」
と、聡美。
「どう言うこと?」
「あの様子だと、山本くんは私に気があるのね」
(……あれ?)
聡美は何かに気づき、先生から写真を奪い取って見つめた。
日直が窓を閉めようとした時か、風が入ってきて給食費の入った封筒がゴミ箱に入り込む瞬間が写り込んでいる。
(なるほど)
聡美はゴミ箱を調べた。
すると、中から封筒が出てくる。
「先生、美空ちゃんの給食費」
「そんなところにあったのね」
先生が聡美から給食費を受け取る。
「見つけてくれてありがとう」
それから──と、柴と篠田を見る先生。「疑ってごめんね」
「いや、別にいいよ。見つかったんだし」
「僕もいいよ」
柴と篠田はそう言うと、ランドセルを背負って帰って行った。