堕ちた魔法科高校の優等生   作:人里桐

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大分遅れました。申し訳ございません!!
書いていなかったわけではなく、携帯を取り上げられて投稿出来なかったのです。
少しペースは落ちると思いますが、今まで通りよろしくお願いします!!


決意

 

オサムはいつも通り家で朝を迎えた。警察の聞き取り調査も殆どなかった。相手が刃物を持って、かつ軍事用ハードテーピングをして襲ってきたことを考慮して、過剰防衛にはとられなかったようだ。オサムが車椅子だったのも一因だろう。どうやら襲撃時の様子が防犯カメラにバッチリ映っていたらしい。カメラも止めずに犯行に及ぼうとしてたのか……と呆れるかもしれないが、それは違う。カメラを止めればそこで今からやましいことが起こると宣言しているようなものだし、映像をジャックするのも難しい。防犯カメラのセキュリティはかなり頑丈に出来ているというのは常識だ。つまりジャックをしたり止めたりするのはリスキーだという話だ。

長くなったが結局何が言いたいかというと、オサムは平常通り学校に来ているという話だ。

しかし……

 

「…………」

 

昨日の今日で平常心でいられるはずがなかった。あの時は冷静に(とっさに特異魔法を使い、相手に必要以上のダメージを与えたのを冷静というかは微妙だが)対処出来たが、今考えると冷や汗ものだった。もう二度と経験したくないものだ。

 

(それにしても……何故だ?)

 

先日も述べたようにオサムが襲撃される心当たりはない。警察に聞かれたのもどういう状況だったかということと、動機はあるかの二点だけだった。もちろん警察にも知らないと答えた。

 

襲われた動機が分からない。

 

これほど恐ろしいことはそうそうないだろう。動機が分からなくては、あるかもしれない次の襲撃を防いだりできないということなのだ。オサムは内心ビクビクしていた。これから起こりうる事態に恐怖していた。

彼は気付いていない。動機がなくても教われる可能性があることに。

そして、そんなオサムの様子を黙って見過ごすはずがない少女がここにいた。

 

「どうしたの? オサム」

 

誰だか言うまでもない。学校でオサムと喋るのは深河恵美だけだ。

 

「……恵美、わけを話す前に一つ言いたいことがある」

 

「ん?」

 

「どうして休み時間の度にこの教室に来るんだ……」

 

話は180度変わるが(170度くらいかもしれない)、相変わらず恵美はオサムの教室に来ている。一科、二科なんて知ったこっちゃない、と言わんばかりに、毎度毎度D組とE組の間という越え難い線を軽々越えて来る。

 

「オサムが寂しいかな、と思って」

 

「は?」

 

「ほら、オサムって友達作るの下手じゃない?」

 

「………」

 

恵美の 無邪気な一言!

オサムに クリティカルヒット!

という文字列が彼らの下に流れた気がするのは完全に気のせいである。

 

「……へ、下手じゃねえよ……」

 

オサムが瀕死の状態(精神的に)でそう言う。

 

「でもまだこのクラスに一人もいないでしょ?」

 

「…………」

 

恵美の 無(以下略)。

完全に返す言葉が見つからないオサム。

 

「そ…それは…その……あれだ! お前が毎日来るから近寄り難くなってるんだよ!」

 

「え……」

 

そのせいか思ってもないことを口走ってしまった。オサムは言ってからまずいことをしたと分かった。

しかし──

 

「ふ~ん」

 

予想に反して、恵美がニヤニヤと小悪魔的なスマイルを浮かべはじめたではないか。

 

(アレ?)

 

オサムの予想では、恵美は涙目になって(しっかり者っぽい性格だが以外と泣き虫なところがある ex:ドジったとき)「酷い」だの何だの言って出て行ってしまうかと思っていたのだ。このオサムの予想は間違っていない。恵美は素でこんなことを言われたらオサムの想像通りの涙目になって出て行っただろう。だが恵美もオサムが言い返す言葉が見つからなくてこんなことを言ったのだと理解している。だからこんなに余裕な態度なのだ。ちなみに分かっていながら結構傷付いているので、本当はこの笑みにはあまり余裕がないのだが、意表をついたことでオサムにはバレていない。

 

「ホントかな~」

 

「ぐっ……そ、そうだよ」

 

また、オサムも見慣れない恵美の小悪魔スマイルを見て内心ドギマギしていて実に余裕がないのだった。

 

「だ、だよな! みんな!」

 

大声で教室中に呼び掛けるが、誰も返事をしない。

こんなことを言いつつも、オサムは友達は出来ないと割り切っていた。初日からあんなことをやらかしたのだし、自分もこの中で友達を作りたいとは思わない。ようするにふざけて言っただけである。

実はオサムの思っているより友達を作るのは簡単なのだ。今オサムが叫んだとき、数人がオサム達から顔を背けた。その数人は元々一科生に対する反感が少なかった者だ。オサムと恵美の会話は見ていて飽きないので、それをニヤニヤしながら見ていたのだ。

だが悲しいことにオサムは気付いていない。よってオサムにとって広がるのは誰も返事をしない教室だ。

 

「………」

 

「あれれ~?」

 

オサムの完全敗北である。顔を背けるオサム。ニヤニヤと笑いながらオサムの顔を覗き込む恵美。

 

「まったく、オサムは私がいないと──わあっ!」

 

恵美が勝利宣言(?)をしようとした瞬間恵美がいきなりバランスを崩して倒れた。オサムの方向に。オサムは慌てて受け止めようとするが、座っているためにあまり意味をなさない。

その結果、恵美の胸がオサムの顔にぶつかった。

 

(や、柔らかい……恵美、いつの間にこんなに大きく……じゃねえ!)

 

「オサムぅ……」

 

「~~~ッ!!(この下りはいいから抱き着くのをやめろ!)」

 

結局、恵美はこの下りが終わると何を聞こうとしていたのかを忘れて帰って行った。

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

 

「結局何しに来たんだアイツ……」

 

独り言を呟きながら、昔から変わらない幼なじみの性格にオサムは思わず苦笑した。昔から他人を放っておけない性格だったのだ。

 

(理由が何であろうと、恵美だけは巻き込むわけにはいかない)

 

オサムは恵美と一緒にいる時間が長い。もしかしたら家族よりも長いかもしれない。すると必然的にオサムが狙われていれば被害を被りやすくなってしまう。

だからといって巻き込むのを良しとするか、といえばそれは論外だった。少なくともオサムの頭の中ではそうだった。

 

少し調べなければならない。

 

元凶を潰さなくては。

 

原因は不明だが、自分の魔法力が弱まって来ているのを自覚している。しかしそれは諦める理由にならない。オサムはそう決意を新たにした。

 

 

 

 

 

もっと残酷な現実が待っているとも知らず。

 

 

 

 

 

 

 

 




ほんと誰得なんだろうこのラブコメもどきは(笑)
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