FATER   作:知咲

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菜々が二人になってから次の日を迎えた三人。しかし、菜々は学校にこなかったのだった。


一人

「え?菜々が二人になった!?」

コーヒーを飲んでいた紅音は目を見開いて驚いた。

「昨日、ディアブロスどの戦いの後に急に苦しみだしてそしたら体がひかりはじめて見たら二人になってたんです」

「そうなの。それで菜々ちゃんは大丈夫なの?」

「それが、その日は何も喋ってくれなかったんですよ。今日は部屋から出てこないし」

「その様子だと、何か知ってそうね」

「はい、でも会うことができなくて」

「分かったわ。菜々ちゃんに会えるようにこっちも動くは貴女もよろしくね」

「分かりました。よろしくお願いします」

 深々と智は礼をして部屋を出た。

「まさか、彼女が二人になるなんてねぇ」

紅音は考え事をして部屋を後にした。

 

<貴女みたいな偽物なんて必要とされないのよ>

私に似た彼女が話しかける。

「何を言ってるんですか。私は本物です」

<そう。じゃあ、貴女の記憶はいつからあるの>

彼女は不敵に笑う。

「それは・・・・」

思い出すのは普通の町並み。普通の生活だった。1つを除いて。

<そう、貴女は普通の生活しか思い出せない。あれを使えるのに普通の生活しか思い出せない。不思議よねぇ>

「何が言いたいの」

<貴女は昔。魔法の国に住んでいたのよ>

「なっ!?」菜々は絶句した。

<そんなことあり得ない。とか思ってると思うけど実際貴女も使う事ができる>

「そ、それは」

私じゃない私は一歩ずつ近づいてくる。

<簡単な話よ>

すぐ目の前に彼女の顔があった。

<貴女は作られたのよ10年前に>

 

「がはぁ」

私は布団から飛び起きた。

「菜々さん悪い夢でも見ていたのですか。昨晩ずっとうなされていましたが」

「心配しててくれてありがとう。ちょっと悪い夢を見ただけ」

「ならいいんですが」

しばらくの沈黙が訪れる。

不意に菜々は顔をそらした。

「今日は学校休んでいいですか」

「別にいいですが・・・昨日の事考えているんですか」

「はい、まだ私、頭の整理がちゃんとできてなくて」

「ちゃんと整理できたら学校いってくださいね」

「分かりました」

本当は頭の整理はできていた。でも学校にいきたくなかった。行ったら彼女の話をしなくてはいけないから。

 

 昼になりどうしようか迷っているとき、1本の電話がかかってきた。

「はぁい、菜々ちゃん元気にしてる?」

 その陽気な声は茜音先生だった。

「はい、一応は元気です」

「そう、それならよかった。みんな心配してたんだよ」

 はっ。菜々は息を飲んだ。

「一人で解決しなくてもみんながいるじゃない。みんな菜々ちゃんを助けたいの。だから、もしよければ彼女達に会ってはなしてあげてよ」

当たり前のことだった。あんな態度だったら心配するに違いなかった。なのに私は気付かなかった。

「本当にバカね」

 菜々は小さく呟いた。

「シロ」

 私は慌てて動き出した。

「どうしたんです菜々さん」

「学校に行きます。ついてきてくれませんか」

「分かりました」

 シロと菜々は学校に向かった。

 

「心配してるみんなの為に早くいかなきゃ」

 小走りで学校に向かう菜々。ふと忘れ物はないか確認しようといちど止まり鞄の中を覗いた。

 なにかが顔のするすれを通った。

「ガッシャーン」と大きな音をたてて割れたのは植木鉢だった。

「えっ!?」突然のことに全く理解ができなかったん菜々

「ウワァー、ソラカラウエキバチッテフッテクルンデスネ」

「しっかりしてください菜々さん」

「はっ!そうでした。ありがとう、シロ」

「今回はたまたまなんですから。そう何度も危ない目に遭うなんて」

「ドカーン」「ガスが爆発したぁ」

 後ろから不吉な声が聞こえた。

「・・・・・・・」

 菜々は一心不乱に逃げだした。

「落ち着いてください。そんなに慌ててたら」

 シロの声は菜々には聞こえなかった。

 

「菜々が来るから待ってて」

 昼休みになってすぐ茜音先生に言われて私は校門前でまっていた。

「どうして午前中はこなかったんだろ?」

「なんか理由があるんだろ。察してやれよ」

 クロは呆れるように言った。

 その時、近くから爆発音がした。

「な、何がおきた」

 俺には何が起きたか全く分からなかった。

すると菜々がやってきた。

「菜々ちゃん。さっきの大きな音聞い」

えっ?俺は驚いた。菜々はボロボロだったのだ。

「すみません。遅くなって・・・」

弱々しい声の出した菜々はその場に倒れた。

「しっかりしろ菜々」私は菜々を抱えた。

「本当、運だけはいいのね」

塀に座っている菜々がいた。

「お前がやったのか」

「ええ、殺ろうとしたけど殺れなかったけど」

「なんで、菜々に、こんなことするんだ」

私は完全に怒っていた。

「そんなの、本物が偽者を消す。当たり前じゃない」

当たり前のように言った。

「ふざけるな。お前が本物だってどう証明するんだ」

「なら、あなたが抱えている彼女が本物だって証拠はあるの?」

「そ、それは・・・・」

「どうせ、先に現れたのが彼女だから本物だっていうんでしょ。私は全てを知っている。だから、彼女が人形だって知ってるのよ」

「うるせぇ、なぁ」

俺は視線を下に降ろした。

「ん?」

「さっきから聞いてりゃ。俺の仲間をやれ人形だやれ偽者だぁ。いい加減にしろ」

 そして、俺はこの前の力を使った。が、

「なにかした?」

彼女にはなんともなかった。

「な、なぜ効かない」

「あなたの力は存在する者を書き換える。でも。もとから存在しない者は書き換えなんてできないよねぇ」

俺は驚いた。俺の力の正体を知っている。それどころか俺の知らない弱点まで知っている。

「いいわ。あなたの彼女への思いに免じて今日は引いてあげるわ」

彼女は塀の上にたちあがった。

「本当にあなたは優しいのね」

「なにか言ったか?」

「いいや、何も。あなたには言っとくわ。

 彼女は私の全てを奪っていったのよ」

そういって彼女は消えた。

その目には怒りとなぜか悲しみがうかんでいた。

 

 目が覚めるとそこは学校の保健室だった。

「おはよっ菜々」

横に座っていたのは茜音先生だった。

「私は・・・」

「あなた、登校中にいろんなことがあったんでしょ。シロから聞いているよ」

すると、シロがベットに飛び乗ってきた。

「起きたんですね。心配していたんですから」

「心配してくるてありがと」

私はシロの頭を優しく撫でた。

「一応話しといた方がいいことがあるの」

 

 

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