FATER   作:知咲

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 二人の菜々がぶつかり合う。二人の覚悟が決まるとき、奇跡がおこる。


天才と天災Ⅲ

「まさか、本当にここに来るなんてね」

もう一人の菜々は笑いながらそう言った。

「覚悟が決まったからここにきたの」

そう言って菜々は剣を構えた。

「やるっての?」

もう一人の菜々は声を低くして言った。

「はい、どちらが本当の菜々か白黒はっきりつけるためにここにいるんですから」

「真実をしらないくせに!」 

「真実は聞かされました」

「!!」

もう一人の菜々は目を見開いた。

「確かに私は偽者よ。でも、本当の菜々は強くなくちゃいけないのよ」

「だから、私と戦うってことね」

もう一人の菜々は剣を構えた。

 一時の沈黙が二人を包み込んだ。そして、

「キーン」と剣のぶつかり合う音がした。

 

「ここら辺だよな」

 智は大急ぎで天使に教えてもらった場所にきた。

「キーン」

剣のぶつかり合う音がきこえた。

「この先だな」

智はそこに向かおうとしたが

「いけないわ」

目の前に咲夜が現れた。

「どけ咲夜。俺はあそこにいかなくちゃならないんだよ」

「分かってるわよ。だから邪魔しにきたのよ」

「お前はあっちの菜々に肩をもってんのか」

「ええ、あっちの菜々のほうが強いしね。それに、彼女の約束を果たすための手伝いをしてるのよ」

「わかった。お前を倒して俺は行く」

「やれるものならやってみなさいよ」

二人は戦いを始めた。

 

二人の菜々がぶつかり合う。しかし、どうみても一方的に片方が攻めこんでいる。

「覚悟を決めても結局は弱いのよ。だから、諦めな」

 もう一人の菜々は菜々の剣を弾き飛ばした。

「さあ、チェックメイトよ」首の側に件を構えた。

「なにか言い残すことはある?」

「友さんにごめんて言っておいて」

「分かったわ。それじゃ」

そう言って大きく剣を振りかぶって

「ごめん。今まで貴女のものを奪っちゃって。全部返すよ」

菜々は笑っていた。

 

「くそ、時間稼ぎしやがって」

智はイライラしていた。

「当たり前じゃない。その為にわたしはここにいるんだから」

 やばい。このままじゃ間に合わない。なら、一か八かだ。

 私は咲夜に突っ込んで行った。

「やけくそはだめよ」

 咲夜は冷静にそう言った。

 私は右手に火の玉を左手に水の玉を作り出し。そして、

「これでどうだ」

二つの思いっきりぶつけ大量の水蒸気を発生さけせた。

「くっ」咲夜は一瞬目をつむってしまった。

その隙に智は咲夜を突破した。

 まさか、ここまでうまくいくとは。驚きながらも菜々の所に向かった。

「任せたわよ友」咲夜は祈った.

 

智が見たのは首を切ろうとする菜々だった。

「やめろぉー」

智は力を使おうとしたが

「ありがとう」誰かに肩を叩かれた。

「え?」後ろを振り向いたが誰もいなかった。

前を見ると驚いた。剣を素手で誰かが止めていた。菜々は目を見開いた。

「お姉ちゃんなの?」

そこにいるのはシノだった。

「よっ、元気にしてたか」

 

「な、なんでお姉ちゃんが」

 菜々はおどろいていた。

「まあ、まずはこれをなおしてくれないか」

「う、うん」と剣を直した瞬間。

「なにやってんだアホが」

と思いっきり拳骨を食らった。

「い、いったぁぁぁ」

菜々は頭をおさえてもがいた。

「妹を守る。それが私とした約束だろ」

「「え?」」俺と菜々はおどろいた。

「覚えているよ。こんな危ないことさせるわけにはいかないから私が代わりにしようとしたの」

「だからって、殺すなら、いみないじゃない」

「殺せるわけないじゃん。私なのよ。姉ちゃんが止めなくても私は切ってなかったわよ」 

「え?」

菜々はさらに驚いた。

「だからってやり方が間違えてるわよ」

「仕方ないじゃない。これしか思い付かなかったの」

と言い訳をするがシノは菜々に近寄ってくる。

そして、抱き締めた。

「ありがと。約束果たそうとしてくれて」

「当たり前じゃん。お姉ちゃんの頼みなんだから」

さて、次はこっちの菜々ね。

と今度は放心状態の菜々に近寄った。

「本当の事教えてもらったの」 

「うん」 

「だから、自分は死んでもう一人の菜々に全て渡そうとしたの」

「うん」

次の瞬間

「バカが」と拳骨をかました。

「いいじゃん。私は偽者なの。弱いの。そんなの必要とされるわけが」

「だからバカだって言ってんの。彼はお前を助けるためにわざわざここまできたのよ。彼女は大切だから貴女を助けようとしてるの。いい加減気付きなさいよ」

菜々は泣いていた。

「本当に私は必要なの?」

菜々は友久に尋ねた。

「当たり前だろ」即答した。

「ごめんなさい。ごめんなさい」

泣きながら菜々は謝った。

「貴女は必要なのよ。だからこらからも頑張りなさい」

シノは菜々を抱きしめた。

 

「二人ともお世話になってます。私は二人の菜々の姉をシノです」

「こちらこそ」咲夜は頭をさげた。

「そういえば、どうしてお姉ちゃんここに来れたの?」

「そういえば、ここは全ての世界から独立してるはずなのに」

「不可能を可能にする。それが魔術の基本よ」

笑いながら言った。

「やっぱりお姉ちゃんはすごい」 菜々驚いていた。

「でもね、今回は彼の力を借りたのよ」

シノは私を見た。

「えっ?て、なんで、てか、彼?」

「貴女、男でしょ。それくらいわかるわ」

 魔術ってすげぇ~と思った友久だった。

すると、シノの体か光始めた。

「時間かな」

シノは寂しそうに言った。

「時間ってもしかして」

「そう。もう、私は戻らなければならないの」

「でも、まだ全然話してない」

「ワガママ言わない。会えただけでも奇跡なんだから」

「でも」

「でもじゃない」シノは拳を握った。

「は、はい」菜々は黙った。

「そういえば忘れるところだった」

シノは菜々の頭に手をおいた。すると、体がひかりはじめた。

「え?」

 菜々はシノの姿になっていた。

「約束守れなくてごめん。代わりに私の体で許して」

「本当にいいの?」

「当たり前よ。貴女は今日からシノとして生きなさい」

「うん。ありがとう」

シノはないていた。

「菜々。今日から貴女がお姉ちゃんよ。この子外の世界をまだあまり知らない。だからおしえてあげなさい」

「分かった」

「それじゃ、元気に頑張るのよ」

最後まで元気に装っていたシノ。でも、

「ごめんね。貴女達を見てあげられなくて」

最後の最後、シノは泣いていた。

 

「今日からこの学校に転校してきました。西山菜々の双子の妹の西山シノです。よろしくお願いします」

シノは俺たち仲間になったのだった。

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