FATER   作:知咲

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 当日が来てバスに乗り込む三人。そこで友久は試練がまちうけていた。そして、到着して野外炊飯をすることになった。


宿泊

「やっほぉー。宿泊体験だぁ」

 ドアを開けるなりシノが飛び付いてきた。

「な、なにを」

 突然の事に反応がおくれてしまった。が

 シノの頭に拳骨がおちた。頭には大きなたんこぶが現れる。

「なにやってるの、シノ」

「いいじゃない。今日は楽しい宿泊体験なんだから」

 口を膨らませながら拗ねたようにシノは言った。

「だからってやっていいことと悪いことがあるでしょ」

「と、とりあえず学校に行くよ」

 また、喧嘩しそうになる二人をなだめ学校に向かった。

 

「あ、智ちゃん、菜々ちゃんおはようごさいます」

 二人を見つけるなり雪は挨拶をした。

「おはよう雪ちゃん」

 私たちは挨拶を返した。

「えっとぉ、後ろにいるのはシノさんですか」

雪は菜々の後ろを見た。そこにはふて腐れていたシノがいた。

「さん付けじゃなくてちゃんていいわ。よろしく」

「どうしたんですか。機嫌が損ねたような事言ってしまいましたか」

 シノの態度に不安になってしまったが、

「朝から喧嘩してるんだほっといたら元にもどるから」

「そ、そんなものなんでしょうか」 

 雪は首を傾げて不思議そうに言った。

「なにやってるの雪。バスがもう来てるのよ」

 急に雪の後ろから声が聞こえた。後ろを見てみると一人の女子がいた。彼女と目が合う。

「えっとぉ、お名前は」

「霧山梨央よ。貴女はたしか智だったかしら」

「う、うん」

「あ、梨央ちゃん待たしてごめん。梨央ちゃんはわたしの友達なんです」

 雪は嬉しそうに私達に紹介してくれた。

「まさか、本当にあの智と仲がいいなんてね。嘘だと思ってたわ」

「えー、ひどいよ梨央ちゃん」

 ほっぺを膨らましながら雪は怒った。なぜかその光景が懐かしく思った。

「ほらぁ、そこの5人早く乗らないと後ろが詰まるだろ」

「「す、すみません」」

 慌てて5人はバスに乗り込んだ。

 

「智さんが隣にいるなんて嬉しいです」

 私の隣の女子は嬉しそうな目をしてこちらを見てくる。

「こっちを向いてください」 

 急に体を引っ張られる。

「智さんはこっちに用があるんです」

 今度は別の女子が体を引っ張ってくる。

「こっちです」

「いや、こっちです」 

 と私は引っ張りだこになる。引っ張られるたびに腕に柔らかい感触が当たり、顔が近い。

「た、助けてぇ」

 弱々しく仲間に助けを求めたが、

「zzzzzzzzz」

シノは眠ってしまって起きない。

「・・・・・・・・」

 菜々は持ってきた本を読んでいた。

 その間にも周りの女子は私を取り合っていた。この度に柔らかい感触がする。

 その後、なんとか理性を保つことはできたのだった。

 

「なんで助けてくれなかったのぉ」

 泣き目になりながら私は二人にうったえた。

「ネテタカラワカリマセンデシタ」

「本読んでてわかりませんでした」

 明らかに一人は分かっていて助けてくれなかったそうだった。

 どれだけ大変だったとおもってんだ。と疲れが貯まって溜め息がでた。

「じゃあ、みんな揃ったのでまずは部屋決めのくじ引きをします」

 先生はバスの中から箱をもってきた。すると、周りの女子たちが、なぜか燃えていた。

「絶対、智さん一緒になる!」

 私は冷や汗をかいた。このままだったら部屋に行ったらやられる。

(どうか、どうか、どうか)

 祈りながら私はくじを引いた。

 

 部屋の扉を開けると広い部屋が広がっていた。

「ひろーーーい」

 喜びながらシノは部屋を駆け巡る。すると、私の後ろから菜々がやっていて、

「静かに周りの迷惑になるでしょ」

と怒った。

「よかったな、この二人で」

「ああ、命拾いしたよ」

 クロに言われた通りこの二人は本当に良かった。彼女達ならとくになにもされないからだ。

「ちょっと旅館の中見てくる。野外炊飯までには戻ってくるから」

 と言うなりシノは飛び出して行った。

「まって、走りまわらないで」

と追いかけるように菜々も部屋を出ていった。

 次は野外炊飯なので服を着替えていつでも行ける準備をしてた。

「咲夜だいじょうぶなのかなぁ」

 ふと、残っている咲夜が心配になった。

「心配すんなよ。あいつは強いんだし。それに今を楽しむのがお前にできることだろ」

「その通りだな。楽しまなくちゃな」

 私は準備を続けていた。

「なぁ、ちょっといいか」

「どうしたのクロ」

「お前が前使った力。なんでその力を手に入れたのは」

「私が弱者だからよ」

「弱者がもっていい力じゃないだろそれは」

 私は少し黙った。そして、変身を解いた。

「あの力は確かに強い。そして、過去を変える力と相性がいい。その二つで俺は最高のリーダーになった。と思っていた」

「思っていた?どういうことだ」

「あの力は二つ弱点がある。一つは存在しないものには効かない。例えば前のシノみたいな奴。そして、俺の事を認めない奴だ」

 友久は笑った。

「弱者が急に頂点に上がったんだ。認めない奴も最初は多かった。でも、実績を積むことによって認める人も増えてった。それでも認めない奴もいった。切り捨てるばいいのにそいつも救おうとした。不可能なのには」

 友久はまた笑った。その笑いには自嘲していた。クロは

何も言えなかった。

「そして、絶望した俺は」

「智さん。野外炊飯行きましょうってどうして男に?」

 友久の話を菜々が断ち切った。

「いや、別に。転身」

 そういって、友久は女に戻った。

「その先はもう分かるでしょ。じゃ、行こ」

 今度は楽しそうな笑顔をしていた。

「お前は本当はなんなんだ」

クロは小さな声で言った。

 

「それでは、今から野外炊飯を始めます。怪我に気をつけて下さい」

 先生の合図があり野外炊飯を始めた。

「いやぁ、こんなにかわいい女子と一緒にできてうれしいよ」

「いやぁ、かわいいなんててれちゃうょ」

 さっそく翔大とシノは気が合ったそうで仲良くしている。

「さぁ、時間もないしさっそく始めよ」

 私はそういって、野菜を洗い始めた。

「じゃあ、俺は薪を切ってくるよ」

 そういって翔大は薪を切りにいった。

「じゃあ、私たちは食器を洗っておきます。いこ、シノ」

「はーい」

 菜々とシノは集めてある食器等を洗い始めた。

 

「そういえば長瀬さんは料理は出来るの」

 野菜を切っていると火おこしをしていた翔大が尋ねてきた。

「まあ、一応昼は自分で作っていること事があるから多少ならできるよ」 

 と言いながら全部の野菜を切り終わり。次は肉を切り始めた。肉を切り終えて具を全て鍋に入れて蓋をした。

「そういえば、ご飯はちゃんと炊けてるのかなぁ?」

 一段落したところでシノと菜々がご飯を炊いているところに向かった。

「二人とも、ご飯はもう炊けて」

尋ねると二人の顔が曇った。

「ま、まさか」二人の後ろにあるご飯を見ると真っ黒に焦げていた。

「すみません。シノが逃げてるのを捕まえにいっている間に焦げてしまって」

「人のせいにしないでよ。ちょっと散歩してくるって言ったじゃん」

 といつもの喧嘩が勃発してしまった。

「喧嘩はいいからどうするの、ご飯。このままじゃルーだけになるんだから」

 私の指摘に二人はしゅんと小さくなってしまった。

 どうしようか迷っていると。

「あの、私達のご飯少し分けますよ」

 あるグループが手を差し伸べてくれた。それによって他のグループも助けてくれて結局カレーを食べることができた。

 

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