「どうするのぉ?お風呂一緒に入る?」
ふざけながらシノは私に尋ねた。
「む、無理だよ。女子が沢山、しかも服も来てないのに」
手を降りながら距離を離した。
「いいじゃない、智ちゃんも女の子なんだから」
さらにシノは私に近寄ってくる。その時、
「智さんが困ってるじゃない。やめてあげなよ」
とシノを引っ張った。
「すみません。先行ってるのでゆっくりしててください」
「ありがとう。私は最後に一人で入るから」
そう言って二人は出ていった。シノはなぜか笑っていた。
「いやぁー。やっぱり温泉は最高だね」
温泉に浸かりながらシノの口からこぼれた。
ここは女子風呂沢山の女子がお風呂に入っている。
「それにしても、智さんは遅いですね」
周りの女子はいない智を探していた。
「ほんと、智さんの人気はすごいですね」
「そうだねぇ」
そういってシノは立ち上がった。
「どうしたの」
「いや、ちょっとね」そういってシノは出ていった。
「智ちゃん今上がったよ」
「そうか、すまんなシノ。みんなは?」
「ああ、私とお姉ちゃんが最後だったの」
「そうか、ありがと。じゃ私も行こっと」
と私は着替えの浴衣と温泉セットを持った。
「どうしたんだシノそんなんぐぐぐぐ」
クロがシノの方を向いて何か聞こうとしたらいきなり口を抑えられた。
「ちょっと黙って。私は部屋でゆっくりしてるからねー」
「分かった」
そう言って私は
部屋を出ていった。シノはホッと息をついた。
「なにやってんだ。いきなり口なんかおさえやがって」
「仕方がないじゃない。もしこれで私が少しおかしいと思われたら作戦が台無しになったの」
「作戦?」
「ええ、実はまだ女子は温泉入ってるの」
すると、クロは何かを察したそして笑った。
「なるほどそれはおもろい」
「だから私、もう一回風呂入って来るね」
「まて、俺も入れて」
「女子風呂に男子はダメ」
そう言って部屋を出ていった。クロはしょんぼりしていた。
私は脱衣場に入ってきた。そして、ロッカーに荷物をおいて服を脱ぎ始めた。
「はぁ、そういや大分この姿も慣れたよ。最初は大変だったなぁ」
と初めて転身したとき事を思い出して少し笑った。そうして、風呂のドアを開けた。
「なあ、ショウタ。いい加減諦めて出ようぜ。もうゆであがっちまうよ」
とショウタの横にいる男子がいった。男たちは今男子風呂に入っている。そして、女子風呂とのあいだにある壁に耳を当てていた。それはもちろん
「何言ってんだ。ここまで粘って諦められるか。まだ智が来てないんだぞ」
そう、覗きをしようとしているのだ。だが、穴が開けられなく仕方なく声を聞いている。
「あの、チョー人気者の智がまだ入ってきてない。彼女が来たらきっといいイベントがおこるはずだ。男ならロマンを求めなくちゃいけないだろ!!」
拳をかかげ泣きながら熱く語った。
「わかった。待とう、きっと来るはずだから」
すると、女子風呂から黄色い声が聞こえた。
「へ!?」
あまりの風景に私は固まってしまった。
「え、あ、智さん!!」
目の前には菜々がいた。ちょうど出ようとしていたのだ。菜々は顔を赤くして隠した。
「あ、智さんが来たわ」
その声引き寄せられるよに沢山の女子が集まってきた。手足を掴まれてしまった。
「こっちですよ。楽しい事しましょー」
「やっ。やめてぇ」
「いいえ、私達と楽しみましょ」
片方の腕を別の女子が掴んできた。
「やめ、当たってる当たってる」
今朝のとはレベルの違いに頭が混乱していた。ヤバイと思って私はジャンプして振り切った。
「やめて、そんなに引っ張らないで」
「え?」
女子たちのキョトンとしたこえが聞こえた。
「おい、雨が降ってきてないか」
頭の上がら水が落ちてきて、男子達は上を見た。
「あ?」
そんな声が出た。
「あ」
私は2方向からの視線に気づいた。そして、何かに気づいてしゃがんだ。そして、ジャンプして逃げた。
その夜、女子のリーダーと男子のリーダーが話し合いをしていた。そこで今日の事が話し合われた。そして、今日の事はなかった事になったのだった。
「おはよう。どうしたのシノちゃんそんな疲れきった顔して」
朝の食堂で会ったときシノの顔を見て不思議そうにショウタが尋ねた。
「うん、昨日智ちゃんからちょっとねー」
と目を泳がせながらそう言った。
「そ、そういえば今日ってなにするんだっけ」
シノをこうさせた犯人は話をそらせるようにきいた。
「今日はこの辺りの名所巡りだそうですよ。この辺り地域おこしのために色々と名所をつくったそうです」
「それ、大丈夫か?」
「いや、これが案外人気なんだなぁ」
顎をさすりながらショウタは言った。
「????」
「じゃあ、男女でペアを作りまーす」
朝食を食べ終え外に集まると先生は言った。
「それで人気なんだぁー」
溜め息が交じりながら私は呟いた。その姿とは裏腹に男子達は歓喜の声をあげていた。
箱の中には数字が書かれているかみが入っている。その紙に書かれている数字が一緒の男女がペアになるのだ。
「よろしく、智さん」
「こ、こちらこそ」
私のペアは翔大だったのだ。
「ここ、ちょっと霧が出てきたね」
「う、うん。危ないから離れないようにしよ」
シノのペアの男子は少し震えながらシノの後ろをついてきている。
さらに奥の目的の場所に向かって歩いていった。ふと、後ろからの足音が無くなったのに気づいた。後ろを振り返ると彼はいなかった。
「やば、ちょっと戻るか」
そう言ってシノは来た道を戻っていった。すると、急に霧が晴れてきた。そして、小さな広場に出た。
「なにこれ?」
そこにあったのは何かの剣だった。
「ほんと、森の中を歩くのは大変だね」
息はそれほどあがらなかったが足場が悪く苦戦していた。
「ほい」翔大が手を出してくれた。
「ありがとう。穂山さん」
「いいって気にするな」
そう言って二人は歩いていった。
「なあ、智さんに聞きたいことがあるの」
「ん?なに」
「お前、友久なのか」
こっちを向いて翔大は尋ねてきた。
「はぁ?」
突然過ぎて理解できなかった。