FATER   作:知咲

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 なんと、翔大は智の正体を知っていた。また、シノは一人の少女と出会う。


発覚

「な、なにを言ってるの?私は智よ彼なんかじゃないわ」

 当然の質問に私は慌てていた。

「だって、この前友久って呼んで反応したじゃん」

「そ、それは名前が似てるから間違えただけで」

「それに会長に教えてもらった」

 翔大はさらっととんでもないことをいった。あまりの唐突なカミングアウトに口をあんぐり開けた。

 

「あの?例の彼女の似顔絵書きましたけど」

「ありがと、さっそくだけどそれをコピーして学校に配るわ」

「べつにそうしてもいいんですが、その代わりひとつ教えてください。彼女は誰なんですか」

 翔大は会長に尋ねた。

「簡単よ。あなたのクラスに友久っていう生徒がいるじゃない」

「と、友久だとぉ、あいつは友達なんですけどまさかリア充とは」

 と翔大はかんかんに怒っていた。

「いいや、彼が彼女なのよ」

「本当にですか」

「ええ、私は嘘はつかないわ」

「じゃあ、これ思う存分つかってください」

ともっていた絵を会長に差し出した。

「いいの?友達なんでしょ」

「友達だからこそ。面白そうじゃないですか」

 

「って感じで教えてもらった」

「って、さらっと言うことじゃないだろ。咲夜はなにしてくれてんだ。てか、お前も余計なことしてくれるんじゃねぇよ」

指を指しながら私は怒った。

「まあまあ、おかげで楽しいスクールライフをできてるだろ」

「そ、それはそうだけど」

「だから、触らして」

「いや」

と私は翔大から離れた。 

「いいじゃないか、男同士なんだから」

「いやぁーー」

体の局所を両手で隠しながら逃げる智を翔太はおいかけた。

 

「すごいわね。この剣細かい部分まで精密に作りこまれているねぇ」

 パートナーとはぐれたことはすっかり忘れてその剣に近寄ってた。そして、その剣にふれた。

「な、なに!?」

 触れた瞬間剣が光り始めた。そして、シノはその光につつまれた。

 目を開けるとなにもない真っ白な空間にいた。

「なにここさっきの場所じゃないわね」

「その通りだよ」

 不意に後ろから女の声が聞こえた。

「誰」

 前に飛んで距離をとった。

「そう焦るな。わしは敵ではない」

 見るとフード被った少女が立っていた。

「成程、これも名所の一つかぁ。ここまで手がこんでるなんてねぇ」

 シノはその子に近寄って頭を撫でた。

「こ、こら。頭を撫でるでない」

「いいじゃない。かわいいなぁー」

 嫌がって手をどけようとするがそれでもシノは頭を撫でた。

「やめんか、こんな姿でもおぬしより年上なんじゃぞ」

「そ、そうなの?てか、こんな名所を作るなんて」

「名所?なにを言ってるんだ」

 少女は首をかしげた。そして、

「わしは初代フェイターなのじゃ」

「はぁ!?しょ、初代って」

「今から1000年前からこの世界は幾度の魔王の侵略をうけてきたのじゃ。わしは初代としておぬし達に話があるんじゃ」

「そういえば、なんで私がファイターだって分かるの」

「簡単じゃ。おぬしの体から普通の人間とは違う力が流れているからな」

「まあ、私じゃなくてお姉ちゃんがフェイターだけどね。それで、話って?」

「まあ、姉に伝えといてくれ、魔王を倒すには天使ウリエルの力が必要なのじゃ」

「天使ウリエル?」

「そうじゃ、転身の時、必要となる石があるじゃろ。あれには契約した天使が眠っているのじゃ」

 シノは驚いた。あんな石ころのなかにとんでもないものが入っているとは思わなかった。

「運命に抗う力。そして、天使の力を使うことにより彼女達はフェイターに転身できる。教えてもらってないのか」

「私は初めて聞いたわ。分かった。今度皆に聞いている」

「み、皆とはどういうことじゃ」

 今度は少女が驚いていた。いきなりシノの目の前にきたのだ。

「だって、私たちは4人のフェイターがいるって言われたわ」

「そんなはずあり得ん。フェイターは1人だけのはずじゃ」

「え?」

 二人の意見の矛盾にシノは頭をかしげた。少女は考え事をまた始めた。

「なにか今回の魔王との戦い。なにかおこるのかもしれないな」

 この言葉はシノはあまり重くはとらえなかった。しかし、この言葉はのちの出来事を示唆していたのだった。

「おぬしも気を付けておれよ。何かあったらここに来てくれ」

「分かった」

「おぬしたちの健闘を祈っておるぞ」 

 そう言って少女は消えていった。気がつけば森の中にいた。

「あ、いた!おーいシノさーん」

 後ろから、パートナーの声が聞こえた。

「あ、みつけた。どこに行ってたのよ」

「こっちの台詞だよ。どこにいたんですか」

 たわいのない言い合いをしたあと二人は森を抜けていった。

 

 宿泊体験も終わり、私たちはバスに揺られていた。

「すーーーーー」

 シノと菜々の二人は疲れて智の肩に頭をのせ寝ていた。

(どうしたらいいんだよ。この状態)

 智はどうすれは良いかわからず困惑していた。辺りを見ればもう見慣れた風景が広がっていた。

「よかったぁ、町は大丈夫みたい」

 そんな安堵の声が漏れた。なんやかんやあったこの宿泊体験は無事に終わった。

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