「なんでこんなことになってんだ!!」
俺は自分の胸を見た。すると、今までなかった胸の膨らみがあった。
「ま、まさか」
今度は下を触った。しかし、あるべきものが無かった。
「ど、どうして俺は女になってるんだ」
俺はクロに問い詰めた。
「な、なんでたって、もともとフェイターは女しかなれないんだ。それなのにお前がフェイターって言われたとに驚いたんだぜ。多分その反動で女になってんじゃないのか」
「そんな事あるのかよ」
あり得ないそんなことは。
「とにかく!今はこんな話してる場合じゃなねぇだろ」
「だ、だけど・・・」
「いいからディアブロスを見ろ」
「は、はい」
前を向くとディアブロスはかなり近づいていた。
「で、どうやってあいつを倒すの?」
「お前武器をもってないのか?」
「見たらわかるだろうが、だから聞いているんだろ!」
「ならお前の武器は魔法だ!右手をあいつにむけろ」
「わ、わかった」と右手をディアブロスにむけた。
「・・・」
「なんも起きないじゃないか!」
泣きながら私はクロを掴んだ。
「あら、右手を前に出せば魔法が発動するはずだったが」
こんなやり取りの間にさらに近づいてきた。
「おい、どうすればいいんだよ!」
いきなりのピンチに私はさらに焦った。
「どうするもさっき言ったことしか分からねぇよ」
「あーもうどうにでもなれ!」
その時、右手が光りはじめた。
「こ、これって・・・」右手には火の玉ができていた。
「それだ、それをあいつに当てろ!」
「いっけぇぇぇー!」
放たれた火の玉は
「グラァァァァ」見事に命中した。
「よっしゃぁぁ!」
「まだ気を抜くな、生きてるぞ!」
煙の中からディアブロスが出てきた。そして大きな尻尾で攻撃しようとしてきた。
「くっ。」防御の態勢になったのでダメージは少なかったが、それでも、
「腕痛ぇぇぇぇ。」と腕をおさえた。でも、フェイターのおかげか骨は折れてはいなかった。
安心したのも束の間だった。
「おい、避けろ!」
「えっ?」目の前に大きな腕があった。
(また死んじゃったな俺)
その瞬間、友久の頭には走馬灯が見えた。
「ねぇ、友久君は何になりたいの?」
少女はこっちを向いてたずねた。
「んー?俺はいつかヒーローになりたいな」
「ふふっ」
少女は笑った。
「なんだよ。無理だって言うのか」
俺は口を膨らませて怒った。
「いいや、友久君らしいから。きっとなれるよ。ヒーローに」
「そうか、じゃあ、もし、お前がどうしようもなく困った時は俺を呼んでくれ。きっと助けにいくから」
「約束だよ」
「おう、約束だ 」
そして幼い俺は少女と約束を交わした。でも、名前と顔はなぜかわからなかった。
「ドスン」なにかが倒れる音がした。
目を開けるとそこには真っ二つになったディアブロスがいた。
「な、何が起きたんだ?」
(それにさっきの走馬灯はなんだ?)
友久は全く理解できなかった。
「危なかったぁぁ。間に合った」
息をきらしながら一人の女子が現れた。その子は手に剣を持っていた。
「あ、あなたは」
「ん?私?私は西山菜々よ、よろしく。で、あんたは?」
右手を差し出されたのでその手をつかんで立った。
「僕は永瀬友久です。」
「ふーん、女の子にしては珍しい名前ね」
「いや、実は女の子じゃないて・・・」
「ま、それはそれとしてやっと会えた。今まで私が遅いときとかディアブロスを倒してくれててありがとうね。いつかお礼言おとおもってたんだ」
「いや、僕今日なったばっかりなんだけど」
「えっ?」
菜々はきょとんとした顔をした。
「ということはもう一人いるってことか。なら今度はそっちを見つけないとなぁ」と時計を見て驚いていた。
「やば、学校始まる。急がなくちゃ始業式から遅れたくないよ」
「え、もうそんな時間なの!」
俺も時計を見た。確かにヤバい時間だった。
「詳しい話は今日の放課後玄関に来て。そこで説明するから」
「わ、分かった」
「そう言えば1つだけ言いたいことあるんだ」
「?」
「男子制服着ててその口調でも、あなた大きいから意味ないわよ」
と胸を見て笑って言われた。
「だから俺は・・・」
しかし、そこには彼女はいなかった。
「今日の放課後しっかり誤解を解かないとな」
(にしても、まるで嵐のような女子だったなー)
「んじゃ、俺も転身を解いて学校に行かなくちゃ」
するとかクロは明後日の方向を見た。
「どうしたの」
「実は、男に戻れないんだよ」
クロはボソッと言った。
「はぁぁ!?どうしてだよ」
「こっちやって聞きたいわ。さっき言ったが普通女しかなれないんだ。なのにお前はなったんだ!多少の誤差があるにきまってんだろ!」
「どうすんだよ、初日から遅刻とかいやよ!」
「分からんいつ戻れるかは」
「なんでだよぉぉぉぉ」
結局学校に着いたのは入学式が終わったあとだった。
「ここって」そこは真っ白な世界だった。
「こんにちは」天使がやって来た。
「私死んだんですか」
「そうよ、あなたは自殺したのよ、皆実さん」