…本来の主役の出番は最初だけ?
オカルト研究部へ ようこそ
神崎孜劉
「「「は、放しやがれ、神崎!
テメー、何時から生徒会や風紀委員と手を組んだんだよ!?」」」
「喧しい!この変態3人衆が!!」
私立駒王学園高校。
以前から、所謂セクハラ的行動で、全校生徒から不評を得ていた2年生の男子3人組、通称『変態3人衆』。
この日の放課後、生徒会と風紀委員、そして何処の部活や委員会にも所属はしてないが、その実力から、クラスメートである生徒会役員からの協力要請を受けた、2年生の男子生徒により、この3人が、女子剣道部の更衣室を覗いた現行犯として取り押さえられた。
「いや、神崎君、今回の協力、本当にありがとう。」
「どうしても、現行犯逮捕する必要があったのですが、この3人は なかなか素速っこいので…」
「いや、この手の輩は、俺も同じ男として、許せませんから。」
神崎と呼ばれた少年が、同級生からのブーイングを一蹴し、風紀委員と生徒会の役員から感謝の言葉を言われるも、それを当然の事と、全く意に介さない様に言う。
「まあ、本音言えば、困った顔した従妹に相談されて、自ら どうにかしようと思ってた時に、俺が話を持ってきたからだ(ごんっ!)ouchi!」
「匙よ…貴様は1度、殴らんと解らん様だな?」
「殴ってから言ーな!」
拳骨を喰らい、脳天を両手で抑えて蹲りながら、匙と呼ばれた少年がツッコミ。
「全く、お前が何を期待してるかは察しは付くが、ユキコは只の従妹だ。
それ以上でも以下でもない。
そもそも お前、俺に彼女いるのは知ってるだろうが?」
「それは知ってるが、お前がイトコンである事には、変わりg(ガンッ!)痛い!!」
追撃の手刀を脳天に貰う匙。
「はぁ…大体、ユキコにはユキコで、他校に彼氏いるぞ?」
「な、何ぃ? 神崎君、それは本当なのかい?」
「先輩?」
この『カレシイルシ』発言に、今回の捕り物に参加していた、風紀委員の3年の男子生徒が、神崎に詰め寄る。
どうやら彼の従妹とやらは、学園内でも それなりに評判が良いらしい。
「「…それで、ソイツは一体、どんな男なんだ?」」
「匙、お前もか!?」
更には匙も便乗して、一緒に聞いてきた。
「やれやれ…まあ俺も、直接に会った事はないけど、聞いた話だと、中学の時のクラスメートらしい。
野球やってて、何でも1年にして既に、1軍の控えピッチャーだとか…
会う度に惚気られてるよ。」
少しだけ呆れた様な顔で、話す神崎。
「…てゆうか匙よ、お前、お前ん所の会長さんが好k
「わーっ?! テメーっ!この場で言ーなー!」
「んがが??」
学園内で、生徒会役員·匙元士郎と云う人物を知っている者ならば、当事者の生徒会長を除けば誰でも知っている事実。
その真実を言おうとした神崎の口を、顔を真っ赤にした匙が、慌てて止めに入った。
「元ちゃん、もう良いでしょ?
早く戻って、会長に報告しないと。」
「お、応…」
同行していた生徒会の女子生徒に嗜められる匙。
ついでに言えば、匙と一緒に従妹の事を聞いていた風紀委員も、同僚に抑えられ、この場は解散となった。
因みに件の3人組は この後、生徒指導室に連行された後に、停学2週間の処罰が下された。
▼▼▼
次の日。
「へぇ? そんな事があったんだ?」
「ああ、だから今日は、静かだったろ?」
昼休み時間の校舎屋上、フェンスに凭れ掛け、パンを食べながら話をしている3人の男子生徒。
神崎と匙、そして もう1人、端正な顔立ちをした、金髪の少年である。
「…それで、神崎君、前の話だけど?」
「木場、前にも言ったが俺は、『人間』を辞めるつもりは無いんだ。」
神崎に木場と呼ばれた、金髪の生徒が、話を続ける。
「ん、その件はね…
リアス部長も言ってたよ。
残念だけど、今の部長の力量じゃ、現在 残った『駒』を全て消費したとしても、キミを『眷属』には出来ないらしい。
部長曰わく、キミを眷属にするには少なくとも、
「かぁーっ! おい、赤龍帝、お前、どんだけなんだよ?」
「知らないよ。」
匙から
「それにしても、『悪魔』ねぇ…
俺はグレモリー先輩や お前達に会う迄、全身真っ黒で、頭に角、背中に蝙蝠みたいな羽根を生やしてて、巨大フォークを持っているのを想像していたよ。」
「「いや、それは偏見だから!」」
神崎が、自分のイメージしていた悪魔像を話すと、彼に
「…それで、話を戻すけど、その辺りを踏まえて、もう一度、正式に話をしたいらしいんだ。
神崎君、今日の今日で悪いけど、放課後、部室に来て貰えるかな?」
「…OK、分かったよ。」
◇神埼side◇
生まれた時から、この町に根を下ろす『人に非ず者』の存在は確認出来ていた。
ただ、その者達が、『人に仇なす邪悪な存在』かと聞かれたら、それは『否』と答える事になる。
生前…所謂『前世』と謂われる物の、当時の記憶と
そして使われる漢字は違えど、生前と
更には、『悪魔』と呼ばれる者達との邂逅…
これは偶然なのか…
それとも、何者かの意図なのか…
………サン、もしかして これは全て、貴女の仕込みなのですか?
◇神崎side・了◇
▼▼▼
「…それで、何故 お前も一緒に着いて着てるのかな?」
「会長が来いってさ。」
隣を歩くクラスメートの質問に、「メールが着た」と言わんばかりに、制服の上着ポケットからスマホを取り出して答える匙。
神崎と匙、2人が向かっているのは駒王学園旧校舎。
学園の正校門を背に学園全体を見据えた場合、西側角に位置している、木造2階建ての、白く塗られた外壁に赤い屋根。
正面中心の赤く小さな三角屋根の下には、今は使われてはいないが、嘗ては予鈴を鳴らしていたであろう鐘が、未だ吊られている建物だ。
この校舎は現在は既に授業等には使われておらず、只1つの部活動の部室として、1部屋だけ活用されている状態だった。
その部員達が普段からマメに掃除しているのだろう、綺麗に磨かれた廊下を進み、『オカルト研究部』と書かれた札が掛けられている部屋の前で立ち止まると、
ガラ…
「「失礼しまーす。」」
その扉を開き、中に入っていった。
「やあ、神崎君、匙君。」
「……………………。」
部屋に入ると木場が、そしてソファーに座って羊羹を食べていた小柄な少女が、無言で会釈した。
「さあ、こっちだよ。」
木場に案内され、2人は部屋の奥に入っていく。
≫≫≫
「来てくれたのね、ありがとう。」
「…神崎君、報告は聞いています。
昨日は協力、ありがとうございました。」
そこに居たのは紅色の長い髪の美少女…学園No.1アイドルであり、オカルト研究部…通称『オカ研』部長のリアス・グレモリー。
リアスと並び、『学園2大お姉様』の双璧を成す、黒髪をポニーテールで結った、正しく大和撫子の形容がが相応しい、同じくオカ研副部長の姫島朱乃。
そして匙の上役に当たる、駒王学園生徒会長の支取蒼那と生徒副会長の真羅椿姫だった。
≫≫≫
「あの…姫島先輩も真羅先輩も、こっち座ったら どうですか?
あ、匙は そこで立ってて良いから。」
「おぃっ!?」
今、オカ研部室の奥にある応接室では、2つ並んだ1人掛けのソファーに、リアスと蒼那が それぞれ座り、対面にある3人掛けソファーに神崎1人が座っている。
そして朱乃、椿姫、匙の3人は、リアス達の後ろに立っている形である。
神崎は別に、美少女2人を両隣に侍らせよう等の下心は無く、単に座るスペースが空いてるのに、女性を立たせておくのは…という所からくる発言だったのだが、
「「いえ、お気遣い無く。」」
自分達の位置は この場とばかりに、その申し出をやんわりと受け流す。
「それじゃ、そろそろ、話しても良いかしら?」
そう言うと、リアスは神崎が自分達の『正体』を知っていると云う前提で、話し始めた。
◇神埼side◇
「…そんな訳で、私達はアナタを敵に回したくない、アナタが私達の敵になって欲しくないの。
これは私達、駒王学園在籍ので無く、冥界の…魔王様達の考えよ。」
「監視、拘束、或いは有事の際に、利用しようとしていると受け止められても構いません。
それでも、それを承知で神崎君に…赤龍帝に、私達の側に居て欲しいというのが本音です。」
話の内容は要約すれば、"赤龍帝"である俺に、悪魔の側に着いて欲しいという要請だった。
グレモリー先輩も支取先輩も、その目は真剣そのもの。
敢えて此方の都合や悪魔側に着いた時のメリットやデメリットには一切触れず、自分達の要望だけをストレートに、ハッキリと言ってきた。
だから…
「
最終決定の前に、互いに色々と条件等を出して話し合う事になるでしょうが、基本的には『転生』無しが絶対条件なら、俺は別に先輩達の居る、悪魔サイドでも構いませんよ。」
…これが、『今の世を生きる』、俺が出した答えだ。
ガタッ
「「ほ、本当に?」」
俺の応えに、グレモリー先輩と支取先輩が揃って立ち上がり、身を乗り出してきた。
「ちょっと待って、神崎君?」
「朱乃?」
しかし、ここで姫島先輩が口を挟んだ。
「貴方の その言い方ですと、既に他の勢力からのコンタクトも有った様に見受けられますが、違いますか??」
姫島先輩の この読み、実は正解だ。
1週間前位から、本当に日を置いての入れ替わり立ち替わりで、他校の女子高生に始まり、大学生か社会人風な大人の雰囲気むんむんな女性、更には中学生…下手したら、小学生かも知れない様なロリッ娘に声を掛けられていたのだ。
≫≫≫
「…でも、『人間』ではないのが、内側の
如何にも怪しいから、無難に言葉を濁してスルーしてたんです。
…いや、1回だけ、かなり泥沼展開になりましたが…」
そう言いながら、黒歴史を思い出したかの様に、遠い目をする神崎。
「「「「「???」」」」」
「あ、勿論バレてるのをバラしたりはしていませんよ?
…だから、そういう事もあって、一番最初に正直に正体を明かした上で、接触してきてくれた先輩達の所かな…てね。
そういう意味では、先輩達は信用出来ますからね。」
「あ、ああ…」
「…先輩?」
「ありがと~~~~~~~~っ!!!!」
がばっ!
「ぷふぁ?! ぎゅ、ぎゅれみょいーふぇんふぁい、にゅれ、にゅれ~~~~~~~!!」
「り、リアス!?」
更に続いた神崎の言葉に、感激したリアスが飛び付き抱き付き、その場で窒息死させるかの様な、公開顔面圧迫を展開させたのだった。
「クソ、神崎のヤロー! 何て羨まけしからん事を…後で絶対に殴る。」
「匙?」
「…いえ、何でも無いです…。」
≫≫≫
3日後。
「改めて自己紹介させて貰う。
この度、オカルト研究部に入部させて貰う事になった、2年C組の、神崎孜劉だ。
今後ともヨロシク。」
「あらあらあらあら、これは御丁寧に。
私は副部長の3年、姫島朱乃。宜しくお願いしますわ。」
「じゃ、僕も。
2年A組の木場祐斗だよ。ヨロシクね。」
「…1年の塔城小猫です。
よろしくお願いします。」
オカ研新入部員の神崎の挨拶に、他のメンバーも応えていった。
そして、
「部長のリアス・グレモリーよ。
神崎君…いえ、これからはシリューと呼ばせて貰うわ。
ようこそシリュー。
オカルト研究部は、貴方を歓迎するわ!」
【神崎孜劉(カンザキ シリュウ)】
駒王学園2年
所属・オカルト研究部
種族・人間
今の世界とは別の世界線で、『
その際、その元々の力とは別に、この世界独特の異能である、神器と呼ばれている能力…『赤龍帝の籠手』を、その身に宿した、今代の『赤龍帝』。
嘗ての『
尚、前生の死因は別に戦死等ではなく、普通に?老衰であり、多くの孫達や弟子、部下に看取られての人生ん100年、正しく大往生であった。
学園内で、同級生の木場裕斗と共に『学園2大イケメン』と称され、女生徒達からの人気が高い その容姿は、校則によって後ろ髪が短い部分以外は、