【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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この二次小説の原作は『ハイスクールDxD』です。
 



三日月が紡ぐ縁

アーシアの初登校の日がやってきた。

「おぉっ!」「あら…」

「うわ~…」「誰かしら?」

「へぇ~」「まあ…」

 

「ぅ…何だか、凄く注目されてますぅ…」

「うふ…最初だけですよ。」

「ああ、直ぐに慣れるさ。」

校門を潜り、学園敷地内に入った途端、生徒達からすれば、リアスである程度は慣れている筈な、外国人のアーシアに注目が集まってしまう。

恐縮畏縮なアーシアに、隣で一緒に歩いているシリューと、アーシアのホームステイ先の娘で、シリューの彼女でもあるトーカが、大丈夫だと元気付ける。

 

「いや、寧ろ…何だか俺に対する殺意みたいなのが半端ないのだが…」

そう呟くシリューだが、『学園きょぬー四天王』の1人と、今日が登校初日な為、生徒達には認識されていない、『謎の金髪美少女』を両隣に意図せずとも侍らせての登校ならば、それは当然と謂えば当然である。

 

「クッソ~、神崎のヤロ~!」

「トーカちゃんだけでなく、あんな可愛い娘と仲良く一緒に歩きやがって~!!」

「何で、アイツばっかし…」

「「「有罪(ギルティ)!!」」」

…そう云った、嫉妬の炎に身を焦がし、血涙を流す一部の男子生徒から迸る殺気をスルーしながら、アーシアを職員室まで送り届けると、シリューとトーカは それぞれの教室へと向かうのだった。

 

》》》

「やあ、神崎君。」

「よう。遅れてスマン。」

2-Cの教室の前で、シリューを待っていたのは木場。

「じゃあ、行こうか。」

「ああ。」

2人は、アーシアが編入されるD組へと向かった。

目的は…このクラス在籍の変態3人衆と呼ばれている男子生徒から、アーシアを護る為の根回しだった。

 

》》》

 

ガラ…

 

「失礼するよ。」

「「「「「きゃあーーーーあ!!

神崎君と木場きゅん!!!!」」」」

シリューと木場がD組の扉を開けて、顔を出した瞬間に、教室内の女生徒達が騒ぎ出した。

そしてシリューも挨拶しながら教室内に入ろうとするが、

「失礼…って…げっ!お前等!?」

「な…人の顔を見た瞬間、何なんだよ、お前、そのリアクションは?」

「全く、本当に失礼なヤツだな!?」

「…って、おい、神崎?」

「か、神崎君!?」

「「「「い、いやあーっ!!?

か、神崎君がorzってるぅ?!」」」」

「「「「ちょっとアンタ達!!神崎君に、一体何したのよ!?」」」」

「「「な、何も、してねーし!?」」」

松田才蔵、元浜幹親、そして兵藤一誠。

学園にて、『変態3人衆』の悪名を持つ3人組。

その3人の顔を見た途端、両膝両掌を床に着き、ガクッと項垂れてしまうシリュー。

端から見たら、3人がシリューに何かしら やらかした様にしか見えず、教室内の女子から集中放火を浴びてしまう兵藤達。

 

「お前等…停学中じゃなかったのか…?」

「「「おう、昨日で解けて、今日、久し振りの登校だよ!!」」」

 

ガクッ…

 

「「「「「いやあーっ!!?神崎君が、またorzった~!!?」」」」

シリューからすれば、アーシア登校初日と、変態3人衆の停学明けが重なったのは、正に大誤算。

当初の予定は、停学中の内に、外堀を固める心算だった。

それでも担任からアーシアが紹介されるであろう、ホームルームが始まる前に、木場と共に、D組の女生徒に きゃーきゃー言われながらも、事情を説明。

兎に角、変態3人衆+αから、色んな意味合いで、何も知らないアーシアを守って欲しいと お願いする2人。

『学園2大イケメン』からの直々の、頼み事に、D組女子達は快諾。

更には男子からは勿論、女生徒からの支持も高いリアスの遠縁という『設定』も幸いしたのか、「変態から汚さすまじ」と、団結の構えを見せる。

特に件の3人を、普段から蛇蝎の如く嫌っている剣道部所属の2人組が、異様に やる気を出していた。

途中、横で 此等の事を聞いていた兵藤達が、「どういう意味だ? 俺達を何だと思ってるんだ!?」…と、文句を言ってきたが、

「あ゙!?」

「「「(」゚O゚L) !!?」」」

シリューが、結構本気な殺気を込めた一睨みで、それを黙らせる。

 

 

「ちょっと、神崎君?兵藤達は兎も角、私まで危険視は酷くないかしら?」

「桐生…?」

そこに声を掛けてきたのは、長い髪を三つ編みにした、眼鏡の少女。

桐生藍華。

女生徒からの評判や仲は決して悪くはないのだが、隙あらば下ネタ満載のオヤジ系エロトークを乱発する事から、『女版兵藤』の異名を持ち、その眼鏡は男子生徒の『下腹部の戦闘力(通常時~MAXのサイズ、及び持続力)』を測る事が可能なスカウ〇ーとして、男子からは恐れられている。

因みにシリューとは1年の時に同じクラスであり、当時、彼女がシリューの『戦闘力』を測ろうとした際、そのス〇ウターにヒビが入り、粉々に破壊、『計測不能』と云わしめた出来事があった。

 

 

「ある意味、お前が一番心配なんだよ。」

先述した変態3人衆+α…その『+α』の申し立てを軽く躱したシリュー。

 

「桐生、本当に頼むから、アーシアに変な事、吹き込んだりするなよ?」

「へ~い、へい。」

そこまで言うと、シリューと木場は、各々の教室に戻っていった。

結果から言えば、事前にリアスが担任教師にも少し頼んでいたのも手伝い、席の配置も3人とは離れた場所に設け、休み時間に至っては、女子生徒の鉄壁のバリアの前に、兵藤達はアーシアに近付く事が出来なかった。

そして桐生は、余りのアーシアの『そっち系の専門知識』の無さに会話が成立せず、ドン引かれるのを恐れてか、その手の話をするのを断念したと云う。

 

 

》》》

 

ざわざわざわざわざわざわ…

 

アーシアが駒王学園に編入してから、1週間と数日が経った。

この日、土曜日の夜、アーシアのホームステイ先の矢田家にて、彼女の歓迎を兼ねた、本の少しだけ豪華なパーティーが開かれていた。

しかしながら、パーティーのメインの主旨は別の事柄。

以前から病弱で入院中だった、今年で小学5年生になる この家の長男が、この度 完全に快復、退院したのだ。

彼の友人や、彼と面識のある、高校1年の姉の友人を招いての事だった。

そんな中、

「う…凄いプレッシャーなのだが…」

シリューの姿も、其処にあった。

 

「孜劉先輩?」

「シリューさん?」

「トーカぁ…さっきから お前の親父さんが、滅っ茶苦茶こっち睨んでるのだが…」

シリューの ぎこちなさ、居心地の悪さを察したのか、この家の長女であり、シリューの恋人でもある矢田桃花とアーシアが、駆け寄ってきた。

 

「もう…父さんも仕方無いわねぇ。

分かった、私から言っとくよ。」

「頼む…」

それは彼女の家に、のこのこと やってきた男への、父親からの洗礼である。

 

 

》》》

「おお、本当に長身のイケメンだ!」

「矢田さん、優良物件捕まえた!」

「しかも、神崎さんの従兄弟!」

「あー、どうも…」

改めてトーカから「彼氏」だと、彼女の中学時代のクラスメートに紹介されたシリュー。

『学園2大イケメン』の二つ名は伊達でなく、あっという間に その場の殆どの女子に、取り囲まれてしまう。

 

「やっぱり矢田っちの胸に、釣られたんですか?」

「いや、違うから。

それだけじゃないから。」

「あ、要因の1つでは、あるんだ!」

「う、しまった…!!」

何気に弄られしまうシリュー。

 

 

「…大丈夫なの?」

「信じてるもん♪」

「ふふ…余裕ですね♪」

「自分の彼氏が多くの女に囲われてるのを見て、何も感じないのか?」…と、トーカに聞いてきたのは、シリューの従兄弟で、トーカのクラスメートでもある、神崎有希子。

トーカとは、中学時代からの友人であり、やはり彼女の弟とも面識があった。

彼女の問い掛けに対して、トーカはシリューへの信頼と、自分に自信があるのか、余裕の表情を見せながら、その光景を温かく見守るのだった。

 

》》》

「アーシアさんて、本当に日本語、上手ですねー?」

「は、はい!トーカさんやシリューさんに、教えて貰っています!」

シリューに続いては、イタリア人のアーシアに群がる女子達。

外国人の知り合いが全く居ない訳ではないのだが、それでも同年代の それは居なく、積極的に会話に興じていた。

 

「やっぱしリアル金髪は凄い!

キャラの描き分けとか、ベタ塗るのが面倒くさいとかの黄色い髪とは、一味違う!!」

「え?えぇ…っ??」

「…悪かったわね!!」

…多少、メタな会話込みで。

因みに今更ではあるが、シリューが一番最初にアーシアを部室に連れて来た時は、リアスを含め、全員がイタリア語で会話していた。

 

》》》

「アーシア、ちょっと?」

「シリューさん?」

トーカとユキコも混じっての女子トーク展開中の中、シリューがアーシアを手招き。

庭先に出て、会話する2人。

 

「この前から、パーティーばっかりな気がするな…」

「はい…でも、とても楽しいです!」

「まあ、今日のコレは、アーシアの お手柄だから。」

「いえ…そんな…」

病弱で入院していたトーカの弟。

アーシア編入初日の帰り、シリューとトーカの3人で、トーカとしては弟に『新しい家族』を紹介する意味で、病院に見舞いに行っていた。

そして実は その日から、シリューとアーシアは、夜な夜な この病室に人払いの結界を張って忍び込んでは、【聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)】による治療をしていた。

いきなり全快復!…にしたら怪しまれる可能性を考慮しての1週間、じっくり時間を掛けての治療だった。

 

「シリューさん…」

「ん?」

「…私の能力(チカラ)って、決して異端なんかじゃありませんですよn(パチン!)い…痛いですぅ…?!」

「次に そんな台詞言ったら、マジに叩くからな?」

「う~…は、はい。シリューさん、ありがとうございますぅ。」

ハリセンで掌をパチパチと叩きながら話すシリューに、ハリセンが痛かったのか、その言葉が嬉しかったのか…アーシアは若干涙目になりながら、そう応えるのだった。

 

》》》

「あら?トーカ、彼氏さんは?」

「今は弟達と一緒に、ゲームしてるよ。」

先程迄シリューとアーシアが話していた庭先で、今度はアーシアを含む、トーカ達女子が話していた。

 

「全く…あんなイイオトコ、どうやって知り合ったのよ?」

「え~と、それは…」

「ほらトーカ、正直に吐きなさい!」

「え…?ちょ…!?」

 

ゆっさゆっさゆっさゆっさゆっさゆっさ…

 

「ひょぇえぇっ??!」

1人の女子が、トーカの背後に回り込み、鷲掴みからの揺さぶりを仕掛ける。

 

「あわわわわ…」

その様を見たアーシアが顔を赤くし、

「分かった!言う、言うから!!」

この揺さぶりに屈し、トーカは観念して話し出す。

 

「別に、大した事じゃないよぉ…

学校で、従姉妹の神崎さんに「よっ!」って感じで挨拶してきて、その時に…」

「え?何々?もしかして、一目惚れ一目惚れ一目惚れ?」

「!!」

 

カアァ…

 

図星だったのか、一瞬にして顔を赤くし、黙り込んでしまうトーカ。

 

「…ちぃっ! これ以上の追求は無理か…」

 

》》》

「ねぇ、所で…」

「ん?」

「あの人って、アイツに似てなくない?」

「あー、それ、私も思っていた。」

「私も~。神崎さんも、そう思うよね?」

「ん~、私的には あの人が、劉兄さんに似てるのかな…って。」

「…まあね、確かに雰囲気とか、似てなくは…ないよね。」

彼女達の頭に浮かんだのは、中学3年の時のクラスメート。

当時のクラス内でも、頭1つ飛び抜けた行動力で、クラスのムードメーカーの1人となっていた男子生徒だった。

どうやら顔は兎も角、身に纏う雰囲気等はシリューと似ているらしい。

 

「「(…ん。露出癖まで そっくりなのは、黙っておこう。)」」

図らずも、同じ事を考えてしまう、トーカとユキコ。

 

「あ~ウチの学校にも、あれ位のイイオトコって居ないもんかねぇ?」

「あんた、女子高でしょ?」

「そう言えば、メール届いてたでしょ?

勿論 来週、皆 学校に行くんだよね?」

「まーねー。卒業してから、初めての『手入れ』だし。」

「????」

この時点で既に、アーシアは半分、空気になっていた。

 

「あのクラス…」

「…トーカちゃん?」

「あの『クラス』だったから私、駒王にも受ける事が出来たんだよね。』

「あー、確かに。

あの『クラス』でなかったら、私等今頃、皆揃って、バカ学校に行っていたわー。」

夜空を見上げながら、話すトーカ達。

 

「だから、孜劉先輩にも逢えたし…。」

「「「「…………………………。」」」」

「はぁ!?結局は惚気かい?コノヤロー!!」

「「リア充、爆裂しろぉっ!!」」

 

ゆっさゆっさゆっさゆっさゆっさゆっさ…

 

「ひぇええぇっ!?」

「はゎわわわわ…?」

再び背後からの鷲掴みから、揺さぶりを受けるトーカ。

              

》》》

「…………………………。

何をやっているのだ?あのコ達は?」

その様子を2階の部屋の窓から見ていたシリューが、呆れ顔で呟く。

シリューが見下ろす庭先、その上の夜空には、彼女達を微笑み見守るように優しく光る、三日月が浮かんでいた。          

 




※※※オリキャラ(?)紹介※※※
 
◇矢田桃花
愛称はトーカ。
小猫のクラスメートでシリューの彼女。
アーシアのホームステイ先の娘でもある。
リアス、朱乃、ソーナと並び、男子生徒からは『学校きょぬー四天王』と呼ばれている人物の1人。
現在、バレー部に所属している。
 
◇神崎有希子
愛称はユキコ、カンちゃん。
シリューの従妹。
トーカ、小猫のクラスメートでもあり、トーカとは中学時代からの親友。
朱乃、椿姫と並んで『学園3大大和撫子』と称されている。
サバイバルゲーム同好会所属。
 
≫≫≫≫次回予告!≪≪≪≪
 
『不死鳥の時間(仮)』
乞う御期待!!
 
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