新章スタート!
一刀両断のエクスカリバー
行け!駒王学園オカルト研究部!!
タッタッタッタッ…
「ハァ…ハァ…」
夜の駒王町。
三日月の光が僅かに差し込む路地裏に、息を切らしながら走る男が居た。
所々が斬りつけられたかの様に破れ、何度か地を這った様に臼汚れた黒い法衣に胸元には金のロザリオ。
見るからに聖職者な服装の、側頭部辺りからも血を流している この中年男は、何かから逃げているかの様に時折、後方を振り向きながら ひた走る。
ドスッ…
「……!!?」
しかし、次に後ろを振り向いた その時、身体の正面、脇腹に銀色に光る刃が突き刺さった。
「カッハ…!?」
何が起きたのか理解出来ない表情で、口から血を吐いた男は、地面に両膝を着き、その儘 崩れ倒れ、
「……………………。」
身体に刺さった剣を抜いた人物は、目の前の男が、息をしていないのを確認すると、その場から立ち去る様、路地裏の奥、闇の彼方に消えて行った。
「くっくっくっく…
くけけけけけけけけけ…
ひゃあ~はっはっはっはぁ~~~ぃっ!!!」
不気味な嗤い声を響かせながら。
▼▼▼
「惡羅惡羅惡羅惡羅惡羅惡羅惡羅ぁ!!」
キィン…
「ひぃえぇえっ!?」
翌日、放課後の駒王学園。
旧校舎前のグランドでは、まるで893その儘な口調で、ミルたんからトスされたボールを、金属バットで『撃』っているのはシリュー。
オカ研一同は この日、シリューの この、鬼畜ノックを受けていた。
「コラ!ノックでボールから逃げるヤツが居るか!?」
「ひぇえっ?!だ、だって、怖いですぅ!」
そして、その金属バットの向けられた先、鬼の様なボールを受け止めている…でなく逃げているのは、
ギャスパー・ヴラディ。
小猫とクラスメートだが、数日前迄 旧校舎に絶賛引き籠もり中、休学中だったハーフヴァンパイア。
そして、リアス・グレモリーの【僧侶】である。
引き籠もりと言っても、リアス眷属としての活動は、旧校舎からパソコンのネット回線を活用して、実績トップを誇る、謂わば稼ぎ頭でもあった。
先日の神崎家及び、矢田桃花誘拐未遂事件に伴う、旧校舎倒壊未遂騒動の際、その瓦礫の下に埋もれる前に数ヶ月振り、外の世界に引っ張り出した後、サーゼクスの「ついでだから…」の一言で、其の儘 外で生活させる事に。
今迄は生来の、同族からすら危険視された能力、そして本人自身のコミュ症故に、封印イコール引き籠もりと云う、本人と『保護者』であるサーゼクスの利害の一致だったのだが、建物か壊れる程の地震(犯人はシリュー)の中、木場と小猫が無理矢理に、それこそ拉致るが如く外に引き摺り出し、其の儘復学させる形で、今に至る。
≫≫≫
コォン…!
「ひゃあぁっ?!」
「だ・か・ら!
逃げんなつってんだろが、ゴラ゙ァッ!!」
「神崎君、スパルタだなぁ…」
「ギャスパー!キチンとボールの正面に立って、身を屈めて捕るの!」
「だ、だって、怖いですぅ!」
「…へたれヴァンパイア。」
「うゎああぁん!
小猫ちゃんが、いじめるぅ!!」
尚、何故に此奴は、野球部の真似事をしているかと言うと…
≪≪≪
「部活対抗球技大会…?」
「…ですか?」
「えぇ、そーよ!」
部活対抗球技大会。
それは、近日に行われる学園イベント。
文系運動系問わず、各クラブ、そして各委員会に同好会、果てには生徒会迄もがチームとして参加する、スポーツイベントである。
因みに競技種目は公平を来す意味で、当日まで秘密とされている。
知っているのは、イベントを取り仕切る教諭陣だけであった。
「リアス部長と朱乃先輩、それと木場が先生に色仕掛けで、何の競技が聞き出せたら、かなり練習面で有r……いえ、何でもないです…何でもないですから そのハリセン、仕舞ってくd(スパーン!)ぐはぁっ!?」
≫≫≫
…そんな訳でオカ研一同は週間前から その日毎に、違う種目の練習をしていた。
因みに この日は練習メニューはソフトボールであり、シリューの鬼のノックが続いていた。
「そら!!」
キィン…!
「…っと!」
パシ…
「よーし、良いぞ、レイヴェル!」
「どーも…ですわ♪」
「じゃ、次はアーシア、行くぞ~!」
「ははは…はい!」
「…と、思わせといて、木場ぁ!!」
コォン!
「わぁったったったぁ!?」
パス…
「ちぃ、捕りやがったか…」
「ちょ…シリュー?
アナタ、何で悔しがってんのよ!?」
≫≫≫
そして数日後、球技大会の当日が やってきた!!
◆◆◆
「…ドッヂボール…ですか…」
「練習、していませんわ。」
トーナメント表を見ながら呟くオカルト研究部。
種目はドッヂボール。
それは、オカ研が練習していなかった競技だった。
「練習してないのを、悔やんでも仕方が無いわ!さぁ皆、勝つわよ!」
「「「「「「はいっ!!!!」」」」」」
「…シリュー先輩、間違っても、手を抜いたりしたら、駄目ですからね。」
「大丈夫だ、信用しろ!」
オカ研の初戦の相手はバレーボール部。
「孜劉先輩♪…信じていますからね」
「うぅ…」
但し男女混合チーム、シリューの彼女であり、【学園きょぬー四天王】の一角を成している、矢田桃花が所属しているチームだった。
「シリュー?」「神崎君?」
「シリュー君?」「シリューさん…?」
「「「シリュー先…輩…?」」」
「分かっているから!少しは信用しろ!!」
◆◆◆
「…えぃっ」
ドゴォッ!
「ぐぇえっ!?」
試合はオカ研ペースで進む。
特に小猫、シリューの男子部員への情け容赦無い投球が、猛威を振るっていた。
「えぇ~ぃ!」
「きゃんっ!」
ぷるん…
ギャスパーの投げたボールがトーカに迫るが、推定Fな胸を大きく揺らしながら、それを避けるトーカ。
「「「「「「「「「「うおぉおおぉぉおおぉおお~っ!!!!」」」」」」」」」」
そして、それを見て湧き上がる、見学席の男子生徒達。
ぷち…
「か…神崎…君?」「シリュー…先輩?」
「木場、小猫。次 ボール来たら、俺に寄越せ…な?」
「「ら…らじゃ…」」
しかしながら その盛り上がりは、赤き龍帝の逆鱗に他ならなかった。
≫≫≫
「でぇぃやぁああっ!!!!」
びゅん!!
「おわっ!?」「きゃあっ?!」
物凄い勢いで男子バレー部員の真横をすり抜けた、シリューの投げたボールは、外野で受け取る構えだったリアスも本能的に避ける程な、殺人的な物。
そして その、受け手が不在となったボールは…
ズガァンッ!!!!
「あじゃぱーっ!!?」
「「ひ、兵藤おっ!??」」
トーカの胸の揺れを、眼福とばかりに鼻の下を延ばし、スケベ面丸出しで見学していた1人の男子生徒の顔面に直撃、この生徒は負傷退場となり、
「うぎゃあっ!?」「ぬわぁあっ?!」
更に直後、男子生徒2人が同様に退場。
その後はシリューの身体から迸る殺気を観衆も感じ取ったのか、水を打った様な静かな盛り上がりとなり、
「うぅ…孜劉先輩の…鬼畜…」
「誤解を招くような発言は止めろ!!」
オカルト研究部がバレーボール部を下し、2回戦に駒を進めた。
◇シリューside◇
俺達オカ研の快進撃は止まらない。
順調に勝ちを重ねた俺達は、準決勝で
「う…劉兄さんの、鬼畜…」
「だ・か・ら!その表現は止めろぉっ!!」
従姉のユキコの所属する、サバイバルゲーム同好会を下し、決勝へ。
そして決勝で待ち受けていたのは…
「やはり勝ち上がってきたわね、リアス!
それでこそ、この私のライバル!!
今日こそは長年の決着、この場で着けてあげるわ!」
「ええ!望む所よ、ソーナ!
さぁ、掛かってきなさい!!」
「神崎ぃ!木場ぁ!!お前達は、この俺が、倒ーーーーーーーーーっす!!」
「上等だぜ!匙ぃ!!」
「その言葉、着払いで返してあげるよ。」
支取先輩率いる、生徒会の皆さんだった。
…って、木場。
お前も言う時は言うんだなw
≫≫≫
「あら?ソーナ?貴女、あれだけ啖呵切っておいて、いきなり外野なの?
何か、派手に動けない理由でも あるのかしら?ww」
「う…うるさいわねぇ!」
ゲーム開始直後、ボールを持ったリアス部長が支取先輩を挑発。
駒王学園高校男子生徒制定
【学園きょぬー四天王】
・姫島朱乃
・支取蒼那
・リアス・グレモリー
・矢田桃花
(生徒間で、"大きい"とされている順)
しかしながら、支取先輩に限っては、きょぬーはきょぬーでも、実は"虚乳"。
そう、一見、完熟なメロンに見えるアレ、実は"詰め物"なのだ。
そして その事実は、3年生を中心とした女子の大半、そして2年生男子3人が知っているだけ。
それが広まらないのは、女子は『武士の情け』的なヤツ、男子に至っては、内1人は先輩と主従関係にあるだけでなく、それを気にしない程の特別な感情を持っており、口外する気が無いから。
そして残り2人については、OHANASHIの末に硬く口止めされている故だ。
…あの時の支取先輩の顔、凄く怖かったよなぁ、木場。
兎も角、朱乃先輩に次ぐ、学園No.2とされているが、実は学園内で下から2番m…ちょ…、小猫?ガチな膝かっくんは止めろ。閑話休題。
▼▼▼
「うぉらっ!!」「だりゃっ!」
オカ研vs生徒会の ぶつかり合い。
気が付けば、互いに内野に1人残すのみにまで、ゲームは進んでいた。
「や…やるぢゃねーか、神崎!」
「お…お前もな、匙!」
シリューと匙。
互いに外野にボールを廻すと云う発想は無く、飛んできたボールを受け止めると、その儘に投げ返す…端からみれば、結構ガチなキャッチボールをしている様に見えなくもない…そんな展開となっていた。
「しぶといヤローだな…さっさと諦めて、試合終了しやがれ!!」
バシィッ!
「テメーこそ、俺が諦めるのを諦めろ!」
ビシィッ!
「シリュー…」「匙…」
「シリューさん…」「元ちゃん…」
互いの仲間が見守る中、半ば意地な如くにボールをぶつけ合う2人。
同じ展開が20ターン近く続いた時に、遂に流れは変わった。
「…(チラッ)」「…!(コクン)」
匙に向かってボールを投げたシリューが、アーシアにアイコンタクト。
そして、それに頷くアーシア。
しかし、それは匙にも気付かれる。
受けたボールをシリューに投げ返す匙。
神崎…気付かれない心算だったか?
次に お前は、フェイントでアルジェントさんにパスするんだろ?
そー言えばアルジェントさん、このゲームだけでなく、今迄見たゲームの中でも、投げるは愚か、全然ボールに触ってなかったよな?
まさか、この展開を想定しての秘密兵器だったか?
残念だったな!
アルジェントさんからのボールを取ったら、今度は俺が、フェイントで会長にパスして、それで終わらせてやるよ!!
頭の中での高速思考。
匙は身体はシリューを正面にしながら、目線を僅かに自身の向かって右側に流すと、外野位置で、如何にも「ボール、受け取ります!」な、気合いが入った顔で立ち構えているアーシアを注視。
だからアルジェントさん、そんな顔じゃ、バレバレなんだって!
キィィン…!!
「んぐべぃっ!!?」
しかし、ボールが飛んできたのは、自身から向かって左側。
シリューが かなり本気で投げたボールを、小猫が正拳突きでダイレクトに撃ち返し、そのボールは殺人的スピードで匙の下腹部に直撃。
…テンテンテン
「あが・が…」
パタン…
「さささ、匙ぃ~!!?」「げ、元ちゃん?!」
ボールが小さく数バウンドした後、匙は顔を青くし、前のめりにダウンしてしまう。
ざわざわざわざわざわざわ…
この時、見学席では、その光景を見た男子生徒は皆 青冷めた顔で、まるで自身が あの直撃を喰らったかの様に、その部位を庇う様に両手で抑えて屈み込み、女生徒達は何故だか嬉しそうに、顔を赤らめ、両の頬を抑えていた。
◇シリューside◇
「こここ、小猫~、お、お前は何てゆう事を…」
「ぶぃっ!作戦通り!!(どやぁ!)」
いやいや、「ぶい」でわない!!
確かに、アーシアへのアイコンタクトは、お前へのパスのサインだったし、結果、匙は見事に引っ掛かってくれた訳だが!?
「匙さん…でしたかしら?
あの方、随分と派手に倒れましたけど、大丈夫でしょうか?」
「当たり所が悪かったんですかねぇ?」
悪かった処じゃないし、大丈夫でもない!
「あらあらあらあら…………♪」
はい、そこの朱乃先輩、嬉しそうな顔をしない!!
…こうして、ドン引きと大湧きが入り乱れるカオスな空気の中、部活対抗球技大会は、我等がオカルト研究部の優勝で、幕を閉じたのだった。
部活対抗球技大会
種目:ドッヂボール
優勝 :オカルト研究部
準優勝:生徒会執行部
3位 :アニソン研究会
MVP :塔城小猫(オカルト研究部)
敢闘賞:神崎有希子(サバゲー同好会)
特別賞:矢田桃花(バレーボール部)
御愁賞:匙元士郎(生徒会執行部)
‡‡‡‡【次回予告!!】‡‡‡‡
「あの、シリュー先輩?
あれって、本当に痛いんですか?」
「とりあえず『お前の血は何色だー??!』…って、問い質したくなる位に痛いぞ。」
次回:ハイスクール聖x龍
『新たなる戦いの足音!(仮)』
乞う御期待!!