平和な?時代に生まれ育ち、かーなーり、俗世間に染まっているシリュー君。
》》》
ガキィン!!
「ひゃっはーっ!!流っ石は赤龍帝~!
強いザンスね~(ガン!)ぅゎらばっ!!」
祝福を受けた、聖火と聖水で鍛えられた、聖銀の短剣。
その刀身を媒介にした光の長剣を、フリードが振り翳すが、その一撃は赤い籠手に弾かれ、逆に今度は、シリューのカウンターの拳を顔面に受けて、吹っ飛ばされてしまう。
先程の金髪堕天使を中心とした、コントさながらなやり取りが終わった後、一応は集団戦ではあるが、実質的には1vs1の戦いが4組、繰り広げられていた。
「約1名程、不安な人が居るのでな、早々に決めさせて貰うぞ!」
チラッと、堕天使と戦っている、他の仲間達の様子を見て、シリューは宣言する。
》》》
「何時まで逃げられるのかしらね?!
お前は『もう許して下さい、お姉様!!』って泣きながら許しを乞う迄、痛めつけてやるよ!
尤も その後、赦さずに殺すけどな!」
「くっ…!!」
カラワーナが仕掛ける、光の槍の鋭い突きの連打を紙一重で、朱乃は躱していく。
ずばぁっ!!
「きゃあっ!?」
しかし その槍が、遂に朱乃を捕らえた。
光の刃は、肌にこそ届きはしなかったが、制服の左半分を斬り裂き、文字通りの半裸状態となる朱乃。
「ぬっほほ~~~~ぃっ!!
見ろよ見ろよ見て見ろよ、赤龍帝ぇ~ぃ!!
あのポニテな糞悪魔の お姉さん、左半分すっぽんぽ~ん♪だぜぇ~!
いやいやいや、後ろ振り向いた瞬間にぃ、ズッバァッ!…みたいな卑怯な真似は、しにゃいからy(バキッ)どんきほーてっ!!」
紅い籠手と光の剣との鍔迫り合いをしていたフリードが、位置的にシリューを挟み、正面に立っている朱乃の霰も無い姿を見ると鼻息を荒らげ、眼福とばかりに目を煌めかせる。
そして他意は無く、純粋に男として、目の前の自分に拳を向けている男にも、『あの素晴らしい艶姿に祝福を』とばかりに誘いを掛けてみるが、その応えは渾身の右フックだった。
またもや吹っ飛ばされてしまうフリード。
「姫島先輩!」
此処でシリューが振り返ると、そこには朱乃の姿はない。
「…姫島…先…輩?」
「あらあら、シリュー君?
私は此方ですわ♪」
「え?」
声が聞こえたのは、部屋の上方。
そこには、悪魔の翼を広げた朱乃が宙に浮いていた。
「………………。」
制服半分を斬り裂かれた半裸状態…ではなく、白衣に緋袴、所謂巫女服を着用して。
「…チッ!」
誰にも聞かれない位の、小さな舌打ちをするシリュー。
「何々、何ッスか~!
ウチに対抗して、コスプレッスか~?!」
「コスプレ?あらあら、と~んでもない。
これが私の、戦いの装束ですわ。」
そして その姿に、金髪のゴスロリ堕天使が何故か怒った顔で、指を差して叫ぶが、
「戦いの最中、余所見するのは良くないと思う…えいっ!!」
「きゃんっ!!」
相手をしていた小猫の前蹴りを、まともに浴びてしまう。
…スタッ
翼を閉じ、床に降りると、再びカラワーナと対峙する朱乃。
そんな朱乃にカラワーナは
「ふん!喚装がどうした!
そんなの、珍しくも何ともないわ!」
そう言いながら、またも、光の槍の連続突きを繰り出した。
》》》
「どうした、リアス・グレモリー!
どうやら接近戦は、苦手みたいね?
だったら この儘、大人しく殺られてしまいなさい!!」
「…このっ!」
「あは♪危ない危ない♪」
レイナーレの光の槍の猛攻を、辛うじて避けているリアス。
この堕天使の言う通り、リアスは接近戦…格闘戦が実は得意ではなかった。
遠距離から中距離の間合いで放つ、魔弾の攻撃…それが彼女の得意とする戦法。
それを承知しているレイナーレは、距離を空ける事無く、執拗に詰め寄っての攻撃を繰り返していく。
リアスも魔力を込めた、徒手での攻撃を仕掛けはするが、その付け焼き刃の拳は、目の前の堕天使には、決して当たる事は無かった。
》》》
BANG!!
突如、地下礼拝堂に木霊する発砲音。
「き、貴様…」
「にゃっははははははは!
やっぱし素手にゃ、飛び道具っしょ~?
教会(裏)の祝福を受けた、聖銀の弾丸!
糞悪魔だけでなく、糞悪魔に味方したり、糞悪魔に頼み事したりする、糞人間だって、普通に殺せやすぜ~ぃ!」
何時の間にか、フリードの左手には、金と銀の装飾が施された、シルバーメタルの拳銃が握られていた。
ぽた…
シリューの頭部から、血が流れ落ちる。
フリードが至近距離から不意に放った銃弾を、シリューは辛うじて直撃は避ける事が出来るも、顳を掠めてしまう。
「銀の弾丸だと…貴様、まさか!?」
そしてシリューの顔が、怒りの表情に変わる。
別に、いきなりの銃の使用に対して、卑怯者呼ばわりするつもりも、それによるダメージで、キレた訳でもない。
前日の生徒会との会議の中で話に上がった、数日前に駒王町で起きた殺人事件。
被害者は、アパートで1人暮らしをしていた、23歳のフリーターの男。
それは玄関や外側の窓等は鍵が掛けられた中の、密室状態での犯行。
両手を大きく広げた、まるで十字架を象る様に、天井ギリギリの高さで壁に張り突けにされた死体には、無数の刃物による刺し傷や斬り傷。
そして、直接の死因と思われるのは、眉間への銃撃。
ニュース曰わく、死体からは、その眉間だけでなく、合計5発の『純銀製の弾丸』が体から摘出されたと云う。
「あ~、アレですか~?
そっおでーっす!アレは俺ちんが、犯人どぇ~っす!!」
悪びれる事も無く、あっさりと自分の犯行だと、フリードは認める。
「だってだって、だあっ~てよ、仕っ方無ぇじゃんよ?
ありゃ、糞悪魔に お願いする糞人間なんだからよ~ぉ!
…殺されて、当然じゃね?…ってか、糞悪魔ぶっ殺すだけでなく、そーゆー輩に お仕置きしちゃうってのも、俺ちんの仕事ですからーっ!!」
「ああ、その人が、悪魔と契約していたのは、俺も知っているよ。」
元々、近所との人付き合い等も良く、その周辺からも、明るい好青年と云うイメージを持たれていた被害者。
ちょっとした見栄を張った事により、近所に住む中学生の家庭教師を務める事になった被害者だが、高校卒業の学歴、しかも決して当時も優等生であった訳ではない彼がこなすのは、少し無理があった。
そんな彼が喚んだのは、ソーナの眷属の1人の大学生。
この人狼悪魔から、家庭教師に足りうる学力を持つべく、彼は毎晩の様に、先に勉強を教わっていたのだった。
「ん~な事情なんか、知らねっつーの!
どっちみち、糞悪魔に頼ってる時点で、アウトだろーがよ!ばきゅーん!!」
BANG!BANG!
イカレ神父…その形容がピッタリな、舌をだしての歪んだ嗤い顔で、引き金を引くフリード。
しかしシリューは、今度は完璧に銀の弾丸を躱すと、
「でぇやぁ!!」
ぶぅん…
左手…
「いや~ん、怖い~!!♪」
それを巫山戯た口調ながら、ギリギリでフリードは躱す。
「あ゙ーっ!もう、まっぢ、意味不明なヤツだな!
糞悪魔と契約する様な糞人間殺って、何が悪いんですかぁ~?…だっつの!
納得出来る様、3行で説明しやがれ!!」
余りにも真面目過ぎ、自分とは対極の存在と感じられるシリューに対し、フリードが鬱陶しそうに吠える。
「黙れ!俺には分かるぞ!
貴様は それを口実に、単に殺しを愉しんでいるだけだろうが!!」
「にゃっは♪バレてた? (≧∇≦)ゝ」
だが、その断罪、即ち殺害行為そのものを好み遂行する異常性危険性により、教会を追放された者も少なくはない。
そして その者達の多くは このフリードの様に、堕天使サイドに身を寄せては"はぐれ悪魔祓い"として、正義と称して殺戮を愉しんでいた。
「をいぉゐ、先に言っとくがな、俺っちは こー見えて、
で、も1回聞くがよ?糞人間殺って、何が悪いんだ?
結果的に世の為人の為、ついでに俺ちんの為になっちゃってるだろうがよ!」
「黙れ!結果的には どうであれ、仮に それが悪人だとしても、己の欲求と快楽の為に人の命を奪う等、それは決して許される事ではない!!」
バサァ…
シリューの咆哮が地下礼拝堂に響くと共に、駒王学園の制服のブレザー、ワイシャツが宙を舞った。
「な…」
「ひぃっ!?」
「あらあらあらあら…」
「へぇ?」
「…ハァ、またですか。」
「ぷはぁっ!眼福眼福!
脳内保存、脳内保存ッス!!」
その様を見て、様々な反応を表す、悪魔と堕天使の少女達。
そして、
「な…?おおお、オメー、何いきなり脱いじゃってんの?
無いわーってか、引くわー。
もしかして露出狂の気でも あるんじゃねーのk(ドカッ)あじゃっぷゎーッ!!」
シリュー怒りのハイキックが、フリードの側頭部にヒットした。
◇シリューside◇
「フリィーーーーーードォーーオっ!!」
バキッ!!
「ぎゃわん!!」
ダウンしたフリードに、俺は追い討ちを仕掛ける。
別に、あの『露出狂』という言葉にキレた訳では、断じてないぞ!
「部長!皆!!」
「木場?」
そこに、木場が駆けつけて来た。
「木場、あの堕天使は?」
「……!」
俺の質問に、木場は全身ボロボロになった制服の右脇腹部分を抑えながら、流血した跡があり、ボコボコになっている…最早"学園2大イケメン"の一角が形無しな良い顔で微笑みかけ、親指を上に向けてのサムズアップで返してきた。
かなり、苦戦したみたいだな。
スチャ…
「神崎君、助太刀するよ!」
黒い剣を構える木場だが、
「俺は大丈夫だ!少し休んでろ!!…と、言いたいが、お前は部長のサポートを頼む!
正直、部長が相性的に、一番キツい!」
ガァィン!
光の剣と赤い籠手を交える俺が木場に指示を出すと、
「…分かった。また、後で!」
「ああ、後でな!」
木場は、堕天使と交戦しているリアス部長の許に向かって行った。
》》》
「…それにしても、神崎君は何故、上半身裸だったのかな?」
※※※※次回予告!!※※※※
「シリュー…とりあえずアナタ、帰ったら説教ね。」
「何故だっ!?」
次回:聖闘士DxD
『解き放て!燃える龍の波動!!(仮)』
乞う御期待!!