【完結】聖闘士DxD   作:挫梛道

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大して進まなかった…
 



悪神ロキ!北欧のトリックスター!!

「珍しいな爺さん?今日は1人なのか?」

「ほぇ?」

それはリアス達、次代の若手悪魔によるレーティングゲームを翌日に控えての、3大勢力首脳+αの話し合いの会場。

堕天使総督アザゼルの護衛として出向いていた、【神の子を見張る者(グリゴリ)】の幹部の1人…朱乃の父親でもあるバラキエルによる、愉快な(シリューからすれば洒落にならない)勘違いからなる漸く騒動も収まり、改めて出席予定の者が全員席に着いた時、アザゼルが護衛も連れずに1人で来訪したオーディンに投げ掛けた台詞。

 

「ん、ん~~~~…?」

その言葉に、長い髭を撫でながら、何かを思い出そうとする様に、天井を見上げる北欧の最高神。

 

ぽんっ!

「お~!ロスヴァイセ、連れて来るのを忘れおったわい。ほっほっほっほ…」

ガッタガタガタガタタっ!!!

掌を叩きながらの その台詞に、その場の全員がコケた。

 

「…い、今頃ロスヴァイセさん、ワルハラの入り口で、ぽつんと1人、『うわああ~あん!置いてかれた~!』とか、大泣きしてるんじゃないのか?」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

…その頃の北欧はアースガルド、ヴァルハラ宮では、

 

「うわあぁぁぁあああああん!

オーディン様に、置いていかれたぁ~!!

護衛を連れずに1人で行くって、どんだけボケてるんですかぁ~?

オーディン様ぁ~~~~~~~~っ!!」

 

その正門前で、スーツケースを両脇に置いた長い銀髪の美少女が1人、泣き崩れていたと云ふ。

シリュー、正解。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「…以上が我が主、アテナがゼウスより伝えられたオリンポスサイドの見解…だ、そうだ。」

「…解りました。

ベッロ殿…お座り下さい。」

3大勢力+αの会談。

先ずは半ば飛び入りの形で、オリンポスの代表的な位置で参加したベッロ・カンクロ…デスマスクが、アテナより聞いた、現状のオリンポスの見解を話した。

オリンポスからすれば、天使・堕天使・悪魔の争いは、所詮は『聖書』という枠の中での内輪揉めとしか見ていなかった様で、今の処は互いに不可侵不干渉のスタンスを取りたいとの事。

但し、アテナ個人(個神)は、赤龍帝であるシリューにのみ、互いに有事には協力し合う姿勢でいたいだとか。

 

「…では、次は堕天使総督、アザゼル…」

「あ~、サーゼクスには既に話してるが、実は昨日ってか今日な…」

ルシファー城で行われている会談故、必然的に議長役となっているサーゼクスの呼び掛けに、アザゼルが凄く ばつの悪そうな顔で話し出した。

その内容は、以前、3大勢力和平に不満を抱き、【神の子を見張る者(グリゴリ)】を抜けた者達が、遂に明から様に敵対と受け取れる行動を起こしたという事。

今迄 敵対者、或いは反逆者として捕らえていた者達の収容施設を本日の深夜に強襲、その者達を解放、または懐柔したとか

そして その中には、あのフリード・セルデンも入っているらしい。

流石に『地獄の最下層(コキュートス)』に閉じ込められている、コカビエルに迄は手を出せなかった様だが…

 

「アザゼル、それは、本当なのですか?」

「ミカエル、落ち着いて!」

その堕天使の施設強襲に、過剰な反応を見せたのはミカエル。

サーゼクスに諭され、その儘に、今度は天界代表として話し始めた。

                  

「実は…この深夜、地上に在る、我々天界の施設も数カ所、"白い翼"を持った者達の指揮する集団に襲われました。」

「「「「!!?」」」」

この報告に、やはり事前に知らされていたサーゼクス以外の者の、目の色顔の色が変わった。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「それって、もしかして天使なの?」

「"堕天"しないで天界の施設を襲撃か…」

「はい…」

ミカエルが言うには、天界を出奔した者達から言えば、神の死を隠蔽していただけでは無く、悪魔や堕天使と和平を結んだ天界トップである熾天使達、そして其れに賛同した者達こそが異端だ…と主張しているそうだ。

そして死んだとは云え、その信仰は棄てていない…熾天使でなく…あくまでも『神』への忠誠は不変故に、天界の…神が作った『システム』にチェックされる事無く、堕天しないらしい。

 

「…彼等の、"神"に対する信仰、忠誠は本物です。

出来れば、話し合いで解決したい…。」

「でもよ、彼方さんは、話す心算なんて無いんだろ?」

「…その時は、私達が、前に立ちます。」

「だーかーら!1人(じぶんたち)だけで背負うなっての!

気持ちは解らんでもないが、その為の同盟だろうがよ!」

「…ありがとう…アザゼル…」

自分達の処から出た反乱分子に、複雑な感情を持つミカエルを気遣う様に、アザゼルが話す。

3トップの中で、あくまでも見かけは最年長に見えるアザゼル。

この辺りは、訓練開始時からのオカ研や生徒会(ついでにゼファードル達)への対応からも窺えたが、一応は組織のトップに相応しい、面倒見の良さは持ち合わせている様だ。

 

「因みに その賊、天使でなく、人間は どの様な構成なんだ?」

「……!!」

アザゼルのフォローで、若干和らいだミカエルの顔が、この俺の質問で またもや硬くなる。

 

「その様な質問をしている時点で、既に赤龍帝殿は察していると思いますが…」

「聖剣計画の関係者か。」

「…はい。」

…そんな気は、していた。

確かに…特に天使達の中には、悪魔や堕天使と組むを好しとせず、それこそ上役である熾天使を異端視して、己の信念、正義の下に天界を離叛しようとする、頭の硬い者が居たとしても、それは不思議では無い。

そして、その下の人間の信徒。

天使や悪魔等の"人に非ずな者"の実在を知っている、所謂『裏』に…3大勢力の事情に精通している者達だ。

確かに天使同様な石頭も居るだろうが、中には現状に不満を持ち、此幸いとばかりに便乗しての出奔者も居る事だろう。

俺の頭に浮かんだ その最たるが、聖剣計画の関係者。

コカビエルが起こした聖剣騒ぎが発端で、最終的には、人工的に聖剣の遣い手を生み出すと云う、この計画は凍結。

バルパー・ガリレイの所業と比べたら、幾分マシでは在るが、それでも非・人道的に値する実験が明らかになり、関わった計画技術者達は、計画内の立ち位置に関係無く組織内の地位最降格。

被験者である戦士達も全員、与えられた、聖剣を使いこなす為の要素…『因子』を体内から取り除かれ、聖戦士から単なる教会戦士の座に戻った。

確かに これでは、不満の有る者が続出したとしても、仕方が無い。

                  

そして この時点で、俺が気に掛かった事が2つ。

1つは

「ミカエル、聞きたいのだが、今後は そうだな、"はぐれ天使"…とでも言うべきか…が襲撃を仕掛けたと云う、天界の施設というのは…」

「はい、察しの通り、紫藤イリナとゼノヴィア・クァルタが居た尼寺も、含まれています…。」

やはり…か。

"はぐれ堕天使"の施設襲撃によって、其処に収容されていたフリードが脱走したと聞かされ、その後、天使の施設襲撃と聞いたから、もしかしたら…とは思っていた。

 

「それで やっぱり其の儘、奴等と共に去って行った…か。」

「…はい。申し訳無い…。」

「し、シリューちゃん?これは、ミカエルちゃんだけが、悪い訳じゃ…」

「解ってるよ。」

ミカエルにとって紫藤イリナとゼノヴィア・クァルタについては、俺に対して余程 身を縮ませる事柄なのか、必要以上に恐縮気味になるが、今回の逃走は、セラフォルーのフォロー通り、ミカエルだけの責任な訳では無いし、今更蒸し返す様に あの時の事を責める心算も無い。

 

「じとーーーーー…(¬_¬)」

「いや、本当だから!」

訴え掛ける様なジト目のセラフォルーを宥め、俺は もう1つの気になった事について話し出す。

 

「サーゼクスさんはアザゼルとミカエルの2人から報告を受けた時に、そして他の皆も、今迄の話を聞いて、既に感じているんじゃないか?

同じ日、ほぼ同じ時刻に、襲撃されたと云う不自然さを?」

コクン…

この俺の台詞に、その場の皆が、無言で頷いた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「まさか、両陣営が共謀して…」

「いや、それは有り得ないよ。」

「…だな。それは はぐれ天使からすれば、それこそ今の3大勢力(おれたち)の同盟と同じ、異端行為だ。」

「明確な意図は測りかねますが、どちらかが偶々、もう一方の襲撃計画を知って、タイミングを合わせて自分達も動いた…と考えるのが、自然ですね。」

「…だとしてもよ、その どっちかとやらは、どうやって その情報を得たんだ?」

シリューの…皆が抱いていた疑問に、話している中、

「ふむ…心当たりが有るのぅ…」

「爺さん?」

「オーディン殿?」

オーディンが、何かを知っている様な発言、その場の全員が注目する。

 

「この部屋に入った時に言ったじゃろ?

『身内のゴタゴタで遅れた』…と。」

「あ~☆、そう言えば、言ってたね。」

「ま、あん時は、それ処じゃ無かったからなぁ。なあ?バラキー?www」

「うぐ…その呼び方は止めろ!」

「ほっほっほ…雷光が飛び交っておったのう…」

堕天使総督が、自分の護衛として此の場に居る男を茶化す中、オーディンは話し始めた。

 

「簡単に言えば、貴奴等同様に、儂等北欧の中にも、3大勢力(おぬし)等と仲良くすのを快く思ってない者が、僅かながら居るのじゃよ。」

「「ロキ…か……………ぁあ!???」」

オーディンの言葉に、シリューとデスマスクが声を重ねて呟き、

「な…真似してんなよ、オメー!」

「そっちこそハモんな!この孫バカ!!」

「はぁ!?」「あ゙?!」

「ちょ…も~ぅ☆、シリューちゃんもベッちゃんも、そんな事で喧嘩しないの!」

「ふん!」「ケッ!!」

それが互いに何となく嫌だったのか、軽く諍う2人を、セラフォルーが間に入る。     

 

 

 

…御明察だよ。

 

 

 

「「「「「「「「!!?」」」」」」」」

そんな中、いきなり室内に、低い声が響き渡る。

 

ボゥ…

そして、シリュー達が囲む円卓の上に、青銀の魔法陣が浮かび上がり、その中心から、白いローブを纏う、長く蒼い髪の、鋭く端正な顔付きの男が姿を見せた。

 

「ロキ…」

「御機嫌よう、オーディン殿…」

その男を見て、隻眼の老神が忌々し気に、その名を呼ぶ。

 

「貴様、いきなり此の場に姿を現したりして、一体、何の心算だ?」

「ふっ…知れた事を…挨拶ですよ。

他の勢力と馴れ合う様な、不抜けた我等が主神様に目を覚まして貰う為に、近日中に、この様な思念体映像(ヴィジョン)ではなく、正式に冥界に お邪魔する前に…ね。」

「…つまり それは、宣戦布告と受け取って良いのかい?悪神ロキ殿?」

「あぁ、それで構わんよ、魔王。」

近い未来の来訪(しゅうげき)を、不適な笑みを浮かべてサーゼクスに告げるロキ。

 

「ふん…!

はぐれの天使か堕天使か、どちらが先に襲撃を計画したかは知らんが、それを もう片方に教え、やはり襲撃を唆したのは貴様だな?!悪神!」

「ん~、それは少し違うな、人間。」

「何!?」

正式に自ら『敵』と宣言したロキに、デスマスクが睨みながら問うが、悪神は見下した嗤い顔で、応える。

 

「ふははははははは!

どちらか片方…でなく、お前達の言う はぐれの天使堕天使それぞれ両方に、もう片側が3大勢力施設襲撃を計画している…と言ってやったのだよ。

両方が それを真に受けて『ならば我々も』とばかりに動き出し、その結果は貴様等の知っての通りだよ!」

「「「「「「なっ…!!??」」」」」」

その言葉に、その場の者全てが絶句し、

「ふははは…中々に良い表情(かお)だ。

では俺は、そろそろ失礼するよ。」

「待たんかロキよ!

まだ話は終わってないぞ!!」

シュゥ…

「………………………。」

オーディンの呼び止めも虚しく、ロキ(…の思念体映像)は姿を消した。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

クッソ! まさか、はぐれ天使と堕天使の その両方が、あのロキに騙されて襲撃を決意していたなんてな!

奴等、安全に掌じゃねーか!

確かに ロキって神は、一般的北欧神話に於いては、『大体コイツのせい』なポジション…だからオーディンの爺さんからゴタゴタの話を聞いた時、真っ先に奴の名前が浮かんだのだが…今回の騒ぎも御他聞に漏れず、『全部アイツのせい』かよ!?

紫龍も同じ印象なのか、そう言いたそうな顔をしてるぜ。

全く…爺さん、完全に『面目無い』とばかりに凹んでしまって、美人のメイドさんと魔王の姉ちゃんと天使の姉ちゃんが必死に あやしてるぜ…

アテナに念話(テレパシー)で この事を伝えてみたら、思った通り、『赤龍帝に手を貸してやれ』だし。

まあ、現場に居た時点で、「俺、無関係だし」とは言えんよなぁ。

だから、紫龍や魔王達に協力するのには、別に抵抗は無いが…

 

 

 

 

 

しかし まさか、この世界でも また悪神ロキと、対峙する事になるなんてなぁ…

 

 




‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
 
「まあ、見てろって…
面白いモンが見れると思うぜ?
…って、紫龍?この台詞、前回の次回予告の時も、言った気が…」
「き、気のせいだ!!」
 
次回:ハイスクール聖x龍
『黄金の獅子(仮)』
乞う御期待!!
 
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