「会長の夢を叶える為、そして俺自身の
8月29日
『シーグヴァイラ・アガレス様、リザインを宣言。
よって今回のゲーム、ソーナ・シトリー様の勝利とします。』
◇シリューside◇
「「「「「「「「「………………………………………。」」」」」」」」」
「とんだ、泥試合だったな…」
「…だな。」
リアス部長とディオドラのゲームの翌日、若手悪魔同士のレーティング・ゲーム第1戦の最終戦、支取先輩vsシーグヴァイラ孃のゲームは、最後は支取先輩が勝利を拾った。
その様相を観ていた、魔王達VIPルームの面々は最終的には無言となっていた。
そんな中で、新調されたモニター画面を観ながら、ポツリと感想を漏らしているのは、アザゼルとデスマスク。
…兎にっ角、非道い内容のゲームだった!
双方、支取先輩を除く女性陣が、如何にも「私、寝不足ですぅ」…な、覇気の無い顔構え(肌は何故か艶ってましたけど!)。
まさか本当に一晩中、昨日のゲームのギャスパーの
シーグヴァイラ眷属は そう面識無いから分からんが、生徒会腐女子は然も有りなんから怖いわ!
特に、新羅先輩!!
◆◆◆
「こ、これは、昨日のゲームとは別の意味合いで、放送は中止だねぇ…」
「こんなの、将来を担う若手の試合として公開する訳には行きませんからね…」
「う~☆、折角のソーたんのデビュー戦だったのにぃ~☆!!」
そう呟くのは、"3"人のシスコン。
昨日のリアスとディオドラのゲームは既に、双方の露出が放送倫理的に烈し過ぎると云う理由で、放映は中止が決定。
更には その記録映像の媒体も その夜の内に、銀髪のメイドさんと熊みたいな堕天使の男が、それ等を管理保管している放送局に特攻を仕掛け、マスターを含む その全て灰燼と化していた。
結果、これから先、リアス・グレモリーvsディオドラ・アスタロトのゲームの内容は、紙面か口伝でしか、語られる術が無くなった。
…そんな互いに動きが散漫な潰し合いの中、一番の活躍を見せたのは匙だった。
修行の際、アザゼルが所持していた籠手や具足、邪眼等の
左手の籠手から延びる、蜥蜴の舌の様なパーツ、ライン。
聖剣でも簡単に断ち斬れない程の耐久力を持つ このラインは、対象に巻き付くと、其処からパワーを吸い取り、自身をパワーアップさせる能力を持つ。
此処で言う"自身"とは、神器の遣い手でなく、
そのラインを…匙は自らの体に巻き付け、自らの生命力を"餌"にして、神器をパワーアップする戦法を選択。
この捨て身で無双を重ねた匙は、最後にはシーグヴァイラの
残るはソーナと彼女の戦車の人狼、そしてシーグヴァイラの3人となったが、昨日のギャスパーショック(笑)から立ち直ってのコンディション抜群なソーナと、朝迄ナニをヤッていたのか、体力や精力が欠片程度しか残っていない瓶底眼鏡の令嬢では、既に勝敗は決していたのだった。
◆◆◆
「…メガネ対決は、ソーナの勝ちだにゃ~!!♪」
ヴォオン…
「「「「「「!!」」」」」」
それは、黒歌がゲームの感想をポツリと呟いた時。
VIPルームの天井付近に突如、青銀の魔法陣が出現したと思えば、その中から魔法陣と同じ色の長い髪、白のローブを纏った男が姿を見せた。
「ごきげんよう。我が主神に魔王殿。
天使長殿、堕天使総督。そして赤龍帝。」
「「「「ロキ!!」」」」
現れたのは、北欧の悪神、ロキ。
その場の全員が即座に身構え、シリューはアーシアと黒歌を、サーゼクスはグレイフィアを庇う様に後ろに下げ、オーディンの御付き
「一応、聞くぞ…
何用じゃ、ロキ?
此処は、如何にお主と云えど、易々と勝手に顔を出して良い場所では無いぞ?」
「愚問だな、オーディンよ。
知れた事よ。前回の宣言通り、改めて宣戦布告を…ラグナロクの開幕を、告げに来t」
バシィッ!!
「!!?」
◇アザゼルside◇
北のジジィの問い掛けに、両手を大きく広げてのオーバーアクションで、宣戦布告を告げようとしたロキを、その口上の途中、金色に輝く結界が捕らえ、
「ぐぬぬ…小癪な真似を!
堕天使!これは貴様の仕業だn」
フゥ…ッ…
更に俺に、何やら冤罪を吹っ掛ける様な台詞の途中、その結界毎 何処かに転移され、この部屋から姿を消した。
「「いっえーぃ!!」」
パチィン!
…因みに、この結界は其処でハイタッチをかましてる、神崎とベッロ。
転移は、サーゼクスの術式に拠る物だ。
断じて俺じゃねーからな!? 悪神!!
ドタドタドタドタ…パタン!!
「な、何が有ったのです、魔王様!?」
「此方の部屋から、尋常でない魔力を感じました!!」
「お兄様!!?」
お?お客さんだぜ。
◇デスマスクside◇
騒々しい足音と一緒に やってきたのは、リアスちゃんとサイラオーグ、それから…えーっと……………………糸目の小僧だ。
リアスちゃん達も若手部屋で、ロキの魔力の波動を感じ、只事では無いと思ったらしい。
≫≫≫
「そ、そんな…?!」
「ロキ…が…?」
「本当なのですか、師匠!?」
とりあえず隠しても仕方無しとして、魔王が有りの儘を話すと、まぁ、当然だよな…と、ばかりに驚く若手の3人。
「ヤツは今、俺と紫龍の張っていたトラップで封じ込め、魔王殿の転移魔法で、吹っ飛ばした。
あと、3時間は、出てこれねぇさ。
この3時間が長いか短いかは、そっちが勝手に解釈してくれ。」
俺と紫龍は、先日のロキの襲来から、次は何時、何処に やってくる?…と、ヤマを張っていた。
ヤツは あの時、「近日中に…」と言っていたので、そう遠くは無い未来、早けりゃ それこそ、その日の明日での可能性も視野に入れていた。
北欧が他の神話勢力と協力体制を取るのを快く思っていないロキ。
如何にアイツが、他人の裏を掻くのが
それで、一番警戒していたのが今日ってか正に今、ガキんちょ達のゲームが一通り終わった直後なタイミングだ。
場所に到っては、オーディンの爺さん曰わく、ヤツは多少、
魔王によるとヤツは今、レーティング・ゲームに使われる様な疑似空間に飛ばしたらしいから、後は俺達や魔王達、今この部屋に居る各勢力のトップで その場に飛んで、結界が解けと同時に
へ?結界に閉じ込めている内に、どうにか出来ないか?…だと?
ふっふっふ…言ったでわないか!
あの結界は、
そんな外からの攻撃で簡単に崩れたり、内側の対象に良し悪し関係無く影響を与える程な、柔い代物等造った覚えは無い!!(どやあ!)
「いや、デスマスク…これは自慢するのは、少し違うと思うぞ?」
◇シリューside◇
「いや、それは駄目じゃ…
そうなると正しくラグナロク…貴奴の思う壺じゃわい。」
デスマスク案の、魔王、天使長、堕天使総督、更には北欧主神や俺達 聖闘士等の最大戦力一斉投入は、それこそロキの目論む【
「それならば、私達が迎え撃ちます!」
…と、名乗りを上げたのは、我等がリアス部長。
そして、
「リアスばかりに、良い顔は させんぞ!」
「ぼ、僕だって!」
残る2人の若き
タイムリミットが設けられいる今、冥界の軍勢をかき集める時間も無く、件の空間への転移の発動は、最初に術式を施したサーゼクスさんしか不可能だとか。
同時に転移出来る人数も、限られている。
したがって…
俺
デスマスク
リアス部長
朱乃先輩
木場
サイラオーグ
レグルス(兵士)
ディオドラ
メイコ(女王)
ジャンヌ(騎士)
そして、
「敵は北欧の神の1柱。
ならば当然、私も出向きます。」
オーディンの介護…失礼、護衛として冥界入りしていた
先日迄着ていたスーツでなく、蒼と銀を基調とした、戦乙女の鎧を身に纏った彼女を含む、この11人となった。
小猫と黒歌も現在、アザゼルが呼び出しているヴァーリ・チームと共に、後から駆け付ける手筈となっている。
ん?ゼファードル?
あぁ、アイツは…ゲーム開幕戦でサイラオーグにフルボッコされて、身体は兎も角、心が完全に折れて、既に
それと これは今から始まるであろうバトルとは関係無い話だが、その余りにも惨めな敗けっぷりに、現在グラシャラボラス家の党首である父親がブチキレ(これは、相手が悪過ぎたのだが)、次期党首の資格を本当に、自分の甥に渡したとか。
閑話休題。
≫≫≫
「済まないね…
つい この前、若い命を簡単に戦場へと送り込めないなんて、言ったばかりなのに…」
「本当に悪いな。結局は若いモンに全て…
いや1人、オッサンが居たか(笑)」
「喧しいわ!!」
ルシファー城の西口玄関にて、サーゼクスさんが俺達に…は兎も角、部長達に本当に申し訳無さそうな顔をしている中、
「お嬢様…これを。」
「これは…?」
グレイフィアさんが、部長に小さな箱を渡す。
部長が蓋を開けると、中には小さな赤い瓶が3つ。
「フェニックスの涙です。
緊急な事でしたので、それしか用意出来ませんでした。」
「いえ、ありがとう、グレイフィア。」
フェニックスの涙。
簡単に言えば、エリクサー。
死んでいない限りは、どんなに瀕死な重傷でも…ゲーム的に説明すると、HPとMP、そして状態異常を瞬時に全回復してしまう、反則アイテムだ。
フェニックス家だけが、精製可能な秘薬らしいが、フェニックスの"涙"と察するに、恐らくは高品質な回復系ポーションに、フェニックス家の者の
よし。今度レイヴェルに、『かけそば』の小説や『子狐ヘレン』等のDVDを見せてみよう。
「シリュー君…リアスを…皆を、頼む。」
「…頼まれた!」
サーゼクスさんと一言二言 言葉を交わした後、俺達は転移術式で、ロキが封印された空間へ飛び発った。
≫≫≫
「そろそろ…なのか?」
「…ああ。」
まるで まだ、CG技術が確立してない頃の特撮ヒーロー番組の戦闘シーンに使われる様な…容赦無く爆薬が使い放題な、掘削現場の様な空間に飛ばされた俺達。
約1時間の遅れで合流した、ヴァーリ達と共に高台から、黄金の光の壁から成る12角錐の形状の、悪神を封じた結界を見据えていた。
俺達 第1陣のメンバーに、ヴァーリ、美猴、アーサー、ルフェイ、ミルたん、小猫、黒歌。
この総勢、18人のメンバーで、ロキを迎え撃つ事になる。
この人数が多いのか少ないのか…そう考えていると、
『おい、紫龍…』
『…あの時は、
ま…まじなのか?
『応。しかも、その時のロキは、当時のアスガルドの地上代行者の"人間"の身体を依代にしたヤツだ。
正確には、マジ物な"神"様じゃねぇ。
だが、今回はマジ物だ。
俺達が戦ったロキと、この世界のロキの戦闘力の差は分からんから正直、この人数でも…って、不安はある。』
…つまり そのロキは、嘗て俺達が戦ったポセイドン…即ちジュリアン・ソロやハーデスに身体を乗っ取られた舜、或いは
『詳しくは【黄金魂】を観てくれ!』
貴様は一体、誰に向かって言っている!?
◆◆◆
「来るぜ!!」
「「「「「「「「!!?」」」」」」」」
デスマスクの台詞に、その場の全員が顔に緊張感を持ち、悪神を封じた結界を刮目する。
ビシィ…ッ…
結界を形成する光の壁が一瞬一際眩しく輝き、その表面に無数の罅が入ったと思えば、それは粉々に砕け散り消滅。
その場に1つの人影を残した。
「あの堕天使め…薄汚い烏の分際で、よくも神である この私を…」
それは言わずもがな、悪神ロキ。
自身を封じた(…と思い込んでいる)、この場には居ない堕天使総督の代わりに、シリュー達を忌々し気に睨み付ける。
「ロキ!その結界はアザゼルの仕業では ないぞ!この2人だ!!」
「「おい!?」」
義父に冤罪をなすりつけられるのを快く思わなかったのか、銀髪碧眼の少年が、その真犯人を指差しながら叫んだ。
「ふん…この際、そんな事は どうでも良いわ!
チッ…オーディンめ…この私を舐めているのか…?
この場に刺客を送るのは分かっていたが、まさか それが、下等な蜥蜴が2匹。
後はガキと…老いた、只の人間とはな!!」
「あ゙?!」「蜥蜴…だぁ!?」
「誰が老いてるだ、ゴラ゙ァ?!
俺は まだまだ現役だぞ!!」
「落ち着いて下さい。
3人共、沸点低過ぎです。」
ガンッx3
「ぴびる!」「ぴるぴる!」「ぴびるぴー!!」
そんなロキの挑発に釣れた3人に、小猫が
「ふん…まあ良い…貴様等の血と肉と骨、そして命を、断末魔を!
ラグナロクの始まりを告げる鐘の音としてくれよう!!
出よ!我が眷属達よ!!」
どつき漫才にしか見えない遣り取りをスルーしたロキは、魔力を解放、周囲に大小の魔法陣を多数展開させると、其処から剣と盾、甲冑で武装した髑髏の大群と巨人の集団、更に招雷と共に姿を見せたのは、灰色の毛皮の巨大な3匹の狼と
「……………………………。」
漆黒の衣を纏う見た目だけは、リアス達と変わらない年代の女。
そして
「「「「なっ…!?」」」」
「デカ過ぎだにゃ?!」「にょ!」
全長数㌔にも及ぶであろう その身で、戦場の外周を何重にも取り囲む、巨大な蛇…否、ドラゴンを召喚した。
「よし、先ずは俺が、あの雑魚の群れを片付けよう。
老いた人間…とやらを舐めたら どうなるか、あの腐れ神に教えてやるぜ。」
その異形の集団を目にして、一歩前に出たのはデスマスク。
「デスマスク!」
「師匠!!」
「ベッロさん?」
そんなデスマスクに、少しだけ心配そうにシリュー達が声を掛ける。
「ふん…そこの おチビちゃんにも言われたが、残念だがロートル扱いされて黙ってる程、俺は大人じゃないんでね。」
「確かに精神年齢は、このメンバーの中じゃ一番低そうd
「喧しいわ!!」
ゴンッ!
「もきゅっ!?」
「し、シリュー?!」
年長者に敬意を示さない若者(前世込み、実質的年齢は、遥かに年上)の頭上に、拳骨が落ちる。
「あ痛てて…
いや、本当に大丈夫なのか?
何の武器…
「ふん…」
涙目で頭を押さえながら、改めて心配そうな顔をするシリューに、デスマスクは どやな笑みを浮かべ、首に掛けていた、金色のペンダントを取り外し、蟹座…巨蟹宮の紋を象った、そのペンダントを見せ付けた。
「まさか…それは…?」
若干の驚きの顔を見せるシリューに対し、デスマスクは どや顔を更に強め、ペンダントを頭上、天高く掲げると、
「キャン…ッサァーーーーーーーッ!!」
ヴォン…
「嘘ぉおっ!?」
その時、その掲げた手の上の空間に穴が開き、其処から蟹を象った、黄金のオブジェが姿を現すのだった。
"黄金魂"の制作スタッフってさぁ、絶対にデッちゃんのファンだよね。
‡‡‡‡【 次回予告(予定)!! 】‡‡‡‡
次回:聖闘士DxD
『デスマスク、爆ぜる!!(仮)』
乞う御期待!! コメントよろしくです。