美醜反転ISでオリ主ワンサマー(ブサイク)   作:ゴージェーさんです

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小説を上手く書きたーい……とりあえず書きまくれば上手くなるのでは?という浅い考えで始まります。3日以内更新を誓いまーす。


第1話中学3年のバレンタインと相川清香

「…ず、ずっと前から大好きでした、付き合ってくださいっ!」

 

教室の前方にて、教室中に聞こえるであろう大声で告白をした少女を目の前にしている俺は、たぶん、なんとも言えない複雑な表情をしているはずだ。

 

俺は心の中でやれやれだぜと息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

俺の名前は織斑一夏。

 

世界最強の姉を持つ普通の男子中学生である。

 

…なんてのは勿論冗談で本当は前世にトラックに轢かれてなんやかんや生まれ変わって、昔に大好きだったアニメ【インフィニット・ストラトス】の世界に転生して、そのアニメの主人公、織斑一夏に転生したスーパーラッキーボーイだ。

 

といっても、今流行りの神様転生みたいに、神様にすごいチートを貰ったりはしていない。それどころか容姿すら前世の超絶ブサイクな俺の顔を引き継ぐというマゾ仕様である。

 

絶望した!

 

せっかく織斑一夏に転生したのに顔面が【鳥取一のブサイク】や【鳥取砂丘の擬人化】などと言われた前世フェイスだったのだ。

 

アイエスの可愛いヒロイン達に出会っても、こんな顔面じゃあ話しかけても貰えないっ!

 

織斑一夏といえば爽やか系のイケメン主人公で、そんなワンサマー先輩のカッコイイセリフにヒロインはメロメロ(死語)だったのだ。

 

逆に言えばキモメンとかした織斑一夏がどんなカッコイイセリフを言っても、

 

「プークスクス!きゃーカッコイイ(嘲笑)」

 

「キモーい、カッコイイセリフを言って良いのはイケメンだけだよねー」

 

「ブサイクがお前なのは確定的に明らか(侮蔑)」

 

などと言われて虐められるのではと、子供の頃から未来への不安で胃に穴が空きそうになるほど胃痛に悩まされていたが、生まれ変わってから数年経つとある事実に気づいた。

 

俺の容姿を馬鹿にする人間がいないのだ。

 

そんな馬鹿なと思わず叫んでしまったのはいい思い出だ。

 

なんせ俺の顔は前世にて生まれてから一度もポジティブな言葉を言われたことのない悍ましい顔なのだ。

 

「……絶対母さん浮気してるよねこれ、俺の遺伝子を受け継いでいたらこんな愉快なアートみたいな顔にならないだろう。つーかどんな遺伝子があればこんな冗談みたいなブサイクになるんだ?母さんもしかしてエイリアンとでもセックスしたのかい?」

 

「……浮気をした記憶はないけれど、この顔は絶対に私とあなた以外の遺伝子が存在しているわね、しかも間違いなく地球外産の遺伝子よ、たぶん、プレデターと一夜の過ちがあったはずよ」

 

などと地球外産の顔面と前世の親に言われたほどのキモい顔なのだ。

 

そんな俺が容姿を馬鹿にされない、それどころか周囲の人間からはむしろ、可愛い、カッコイイなどと言われたのだ。

 

それでも俺はそんな言葉を信じなかった。きっと周りの人間は子供の俺に気を使ってそんな言葉を言うのだろうと思っていた。

 

しかしそれは過ちであったと気づいた、彼らは心の底から本気で俺の容姿を褒め称えていたのだ。

 

その過ちに気がつく事が出来たのは俺の姉、即ち織斑千冬の世間の扱いによってだった。

 

織斑千冬は世界最強のISパイロットであり、【ブリュンヒルデ】の二つ名を持つ強さと美しさを兼ね備えた才女である。

 

それが彼女、織斑千冬の原作におけるプロフィールである。

 

そう、原作では。

 

この世界において彼女の二つ名は【ブリュンヒルデ】(美しき戦女神)ではない。

 

彼女の二つ名は【ヘル】(醜い女神)である。

 

 

 

 

 

……マジかよ勘弁してくれよ、そう思わず口にしそうになり急いで口を閉じて愚痴を零すのを防ぐ。

 

俺の前では学園一の美少女と言われている女の子、佐々木希さんが教室で告白した恥ずかしさと俺の返事への期待で顔を真っ赤にして俯いていた。

 

今日は2月14日、つまりバレンタインであり受験シーズンでピリピリしている中学三年生の教室もどこか浮ついた空気が流れており、そんなピンクの空気に当てられたのかウチのクラスのマドンナの佐々木希も教室でクラスメイトに見守られながら告白をするという大胆な行動を取っていた。

 

ワッ!とクラスメイトが沸いた。

 

まさかの青春ラブコメに彼らは思い思いの言葉を吐いている。

 

「きゃあぁぁぁぁ、告白したぁぁ!」

 

「チッ!織斑くんはアタイが狙ってたのになー……けどあんたになら譲ってやんよ、幸せになりな希」

 

「すごーい、貴方はいつでも発情出来るフレンズなんだね」

 

と騒ぐ女子たち。

 

「クソッ!俺たちのアイドル、佐々木希さんがっ!」

 

「別に羨ましくないわー、けどなんかチョコ食べたいなー、チラッと!(◎_◎;)」

 

「……お前は俺の物だぞ………………織斑一夏」

 

と騒ぐ男子たち。

 

馬鹿騒ぎである。

 

しかしその喧騒もだんだんと静かになっていきクラスのみんなが俺の言葉を待っていた。

 

重い口を開く。

 

みんなが期待の目を注いでいた。

 

彼女を見る。

 

真っ直ぐに見つめ返す彼女と目があった。

 

その容姿は両津勘吉のような太い眉毛にブツブツのニキビだらけの頬、前歯はビーバーを想起させるほど尖り、顔のパーツは崩れたジクソーパズルを思わせた。

 

うん、まあなんだ。

 

すいません、好みじゃないです。(五月蝿えブサイクが話しかけんな)

 

先ほどとは違う意味で阿鼻叫喚が生まれた。

 

そう、この世界は美醜の価値観が反転している。

 

 

 

 

あれから数時間が経ち俺は放課後の屋上でクラスメイトと会話を楽しんでいた。

 

「……ねぇ本当に良かったの?佐々木さんみたいな超絶美少女の告白を断って」

 

「うーん、だって好みじゃ無いしなー」

 

我ながら何様だよと言いたくなる台詞だが此方にだって選ぶ権利はある。

 

学園一の美少女である佐々木希は前世の価値観からすると、とんでもねえブサイクである。

 

お前もブサイクだろうと言われるかもしれないが俺は理想が高いのだ。

 

「えーなんでー?美男美女でお似合いのカップルじゃん」

 

心の底から不思議そうな表情を浮かべるクラスメイトの相川清香は不意に少し意地悪そうな顔をすると、

 

「……まぁ、織斑くんといえばブサイクな女の子が好きだしね〜」

 

と俺に顔を近づけて囁いた。

 

本人としては不本意なのだが俺は地元でも有名なイケメンであると同時にブサイクな顔を愛する変人と言われている。

 

その原因はセカンド幼馴染でありファースト彼女の存在があるのだが今は置いておこう。

 

「やっぱりあれかな、俺はブサイクしか愛せねぇっ!みたいな性癖なのかなぁ?」

 

「いやいや別にそんな事ないよ」

 

「えーそういいながら……も、もしかして私もチャンスがあったり……みたいな?」

 

冗談混じりに言っているようで実際は勇気を振り絞り本気で問いかけているのだろう、よく見れば耳が赤くなっており、どこか口調も早口だった。

 

彼女は原作に登場するキャラクターの1人である。

 

とはいえメインヒロインなどでは無くあくまでモブキャラの1人だ。だがやはりラノベのモブキャラだからなのかレベルの高い容姿をしている。

 

先ほど俺に告白してきた佐々木希がマドンナならば彼女は学校一のブサイク、通称【ミス・エルフ】と呼ばれる女子なのだ。

 

エルフなら褒め言葉じゃないかと感じるがこの世界ではエルフは容姿端麗な生物では無く醜い姿のケダモノというイメージが一般的である。

 

逆にオークやトロールなどが美しい高貴な生き物として扱われるのだ。

 

世間ではくっ殺せといえばオークが悍ましいエルフにエロい事をされるのが定番らしい……正直ないわーと思う。

 

そんなミス・エルフこと相川清香が期待に胸を膨らませながらこちらを見ている。

 

いやーやっぱり可愛いなぁ。紫色のショートヘアーに出るとか出てるスタイルは前世だったらトップアイドルになれるほど美しい。

 

正直かなり好みです。

 

ファースト彼女は胸が大貧民状態だったので相川清香の胸部は巨乳スキーの我輩としては大変宜しいですハイ。

 

なので……

 

「……なあ相川……いや、清香ちゃん」

 

「は、はいっ!」

 

俺の方から顔を近づけると清香ちゃんは林檎みたいに顔を真っ赤にして硬直している。

 

もしかしてという期待が頬を赤らめさせている。

 

前世で地球外産のキモメンだった俺も今では人とは思えないほど美しいイケメンワンサマーなのだ。

 

今まで浮いた話など一度も無いモンスターヴァージンである清香ちゃんはされるがままになっているのだ!

 

「……俺の彼女になって欲しい」

 

「えっ、本気なのっ?だって私ブスだし……織斑くんみたいなカッコイイ男の人と付き合うなんて……冗談、でしょ?」

 

こちらこそ冗談だろうと言いたくなるほど自己評価の低い清香ちゃんの卑屈な言葉に俺は顔がにやけるのを必死に抑えていた。

 

前世の自分では到底関わる事の出来ないような美少女が自分のようなブサイクに羨望の眼差しを向けられるのは麻薬にも似た禁断の快楽を俺に与えた。

 

「……清香ちゃん、俺は人は外見じゃ無いと思ってる」

 

「えっ!」

 

嘘です、人間なんて外見が全てだと思う。

 

「人の価値は心の在り方で変わる。俺は清香ちゃんのその真っ直ぐな心に惹かれてんだ」

 

「織…斑くん……」

 

嘘です、単に容姿が好みなだけです。

 

「……清香ちゃん、俺の目を見て」

 

「織斑くんの目?」

 

「ああ、俺の目には何が映ってる?」

 

「な、何って、私よ……醜い私が映っているわ。本当なら織斑みたいな人の目になんか映っちゃいけない私が映ってる」

 

「それは違うっ!」

 

「っ!!」

 

何この青春ラブコメみたいなの……自分でやっといてなんだけど恥ずかしいな。

 

なんか説得するの面倒になってきたな、さっさとキスしてハッピーエンドじゃ駄目かな。

 

「俺が好きな相川清香を馬鹿にするな……例えそれが本人だとしても俺は許さないぞ……なあ清香ちゃん、俺は君が今までどんな扱いをされてきたのか、どんな心の傷を負ったのか分からない」

 

「そ、そうよ今まで他人から羨望の眼差しを向けられ続けてきた織斑くんなんかに私の気持ちなんか分かるわけないっ!」

 

「辛かったのか?」

 

「辛かったわよっ!こんな顔に生まれたせいでどんなに勉強を頑張ってもスポーツで優秀な成績を残しても誰も私を褒めてくれないっ!……みんな私を馬鹿にしてる……ブサイクが必死に頑張ってるってクスクス嗤っているのよ」

「そう、か」

 

………………やっベー。なんか予想以上の闇を抱えてるんだけどっ。

 

適当に告白したら1発ぐらいヤラせてくれねーかなーとか軽い気持ちでしたのが間違いだったのか。

 

怖いよぉ〜なんか清香の目がレイプ目なんですけど、思わず「そう、か」としか言えなかった。

 

まあ実際、清香ちゃんはうちの学校での扱いは結構酷い。

 

漫画のような「オメェの席ネェェカラァァ」などは無いがそれでも陰口や本人への直接的な悪口などは存在した。

 

相川清香は優秀な存在である。

 

もともと原作では超難関校のIS学園に入学出来るほどの知性と身体能力を持ち合わせているエリートだ。

 

この世界が美醜反転していなければさぞチヤホヤされただろうが、残念な事にその魅力も顔がブサイクという圧倒的なマイナス要素によって打ち消されている。

 

あんなブサイクの癖にみんなより頭が良くて運動神経も抜群だ、巫山戯るな。

 

それがきっとみんなの本当の気持ちなのだろう。

 

心がまだ未成熟な中学生である彼等はその嫉妬を抑えるすべを知らない。

 

そんな周囲の悪意に心を痛めていた相川清香にとって織斑一夏は希望の光だったのだろう。

 

織斑一夏だけは自分を馬鹿にしないで1人の人間として扱ってくれた。

 

トップカーストの人間が底辺の人間である自分に微笑んでくれる。

 

それは夢のような幸福感なのだろう。

 

前世が最底辺だった俺だからこそ、その感情は共感できた。

 

 

 

さて話を戻そう。

 

どんなに現実逃避をしてもレイプ目清香ちゃんは目の前から消えたりはしないのだ。

 

あっ、よく見ると清香ちゃん唇を噛んで血が出てる。

 

怖っ、唇を噛んで血が出るとか小説の話だと思ってた。

 

あ、この世界ラノベか。

 

……いけないまた現実逃避してた。

 

とにかくそれっぽい事を言おう。

 

「清香ちゃん。君はみんなが私を馬鹿にしてるって言ったな」

 

「そ、そうよ。みんな、クラスの人達も先生も家族だってっ!誰もが私を馬鹿にしているっ!」

 

「なぁ、そのみんなには俺も入っているのか?」

 

「お、織斑くんは……入っていないと…思う。初めて織斑くんに会った時から織斑くんは私に酷い事は言わなかった。逆に私なんかと話してくれたり誕生日にプレゼントを貰ったり……本当に嬉しかった」

 

「そうか」

 

「ねぇ、なんで織斑くんはなんで私なんかに、優しくしてくれるの?私分からないよ。……どうせ心の中で私を馬鹿にしてるんでしょ?……ブサイクが勘違いしてるって思ってるんでしょっ!」

 

「違うよ。それはあり得ない」

 

「……本当は気がついているの、織斑くんは優しいって事を。悪意なんて無くて。私を1人の人間としてみてくれるんだって……けどね私は顔と同じくらい心が汚いの。それでも私は人の善意を信じられ無いっ!」

 

「……全くここまで言ってもまだ信用出来ないか」

 

「……ごめんなさい織斑くん」

 

「……なら行動で示そうか」

 

「えっ、何を?」

 

触れるだけの優しいキスをする。

 

清香ちゃんとのキスは血の味がした。

 

「なぁ、なななななななななななななななななな」

 

「チッス、ごちになりましタァ」

 

「き、キスしちゃったぁぁぁぁ。お、織斑くんとキスを」

 

瞬間沸騰した清香ちゃんの顔を抑えてもう一度キスをする。

 

今度は長く。

 

唇を離す。

 

「……ねぇ織斑くんの事を一夏くんって呼んでいい?」

 

「あぁ、いいよ」

 

「一夏くん、私は臆病だからさ、やっぱり一夏くんの言葉を鵜呑みには出来ない」

 

「うん」

 

「けどさ、今みたいな行動で示されたらきっと信じられると思う」

 

「そうか、それは良かった」

 

「うん、だからさ……これからもいっぱい私を信じさせてね一夏くん」

 

言葉はいらなかった。

 

ただひたすらにこの想いを行動で示した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え、セックス?薄い本じゃないんだから付き合っていきなりしないよ。

 

 

 

次の日。

 

 

「私、織斑一夏とォォォォ」

 

「相川清香はぁぁぁ」

 

「「付き合うことになりましたぁぁぁぁ」」

 

「「「「「「ハァァァァァァ⁉︎」」」」」」

 

教室に再び阿鼻叫喚が生まれた。

 

 

 




オラァ地雷要素の塊ダァ。

自分の事を卑下しまくる美少女って良いよなぁ。
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