クロスアンジュ LIGHTNING EDITION ~天使とドラゴンと五人の巨人使い~   作:ヒビキ7991

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Ep.23/時空融合《前編》

~アウローラ 収容区画~

 

 

救難信号を追って向かった先で、ヒルダ達は消息不明になっていたタスクとヴィヴィアンと信助を発見した。だが・・・。

 

 

ジル

「よく救難信号など出せたものだな!お前のせいでアンジュは逃亡し、我々はヴィルキスを失ったんだぞ!?」

 

 

ジルはタスクを牢へと放り込み、タスクに自身の怒りをぶつけた。

 

 

ジル

「お前がリベルタスを終わらせたんだ!ヴィルキスの騎士であるお前が!!」

 

タスク

「アンジュは君の道具じゃない!」

 

ジル

「黙れ!」

 

 

ドカッ!

 

 

ジルはタスクの顔を殴り、タスクはふらつきベッドに倒れた。

 

 

ジル

「ヴィルキスが無ければエンブリヲは倒せない。それを教えてくれたのはお前の父親だった。それを台無しにするとは、大した孝行息子だなお前は!!」

 

 

牢の外にいるメイルライダー達とジャスミン・マギー・メイ、隣の牢のヴィヴィアンと信助はただ見ているだけだった。

 

 

ヒルダ

「まだ終わってませんよ?アンジュを助け出すべきです。」

 

 

ヒルダが口を挟む。

 

 

ジル

「逃げ回るだけで手一杯の戦力でか?」

 

ヒルダ

「まだ見つかってない明日人達と合流出来れば、大きな戦力アップになるはずです。」

 

ジル

「確かにな。だが助け出したところで無駄だ。奴はもう、私の命令には従わん。

 

 

進路をアルゼナルへ。今後の作戦は補給後に通達する。」

 

ヒルダ

「・・・。」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~ミスルギ皇国 サリアの部屋~

 

 

翌日、ミスルギ皇国の皇宮にあるサリアの部屋では、エンブリヲはサリアにある事を話した。

 

 

サリア

「アンジュと天馬をダイヤモンド・ローズ騎士団に!?」

 

エンブリヲ

「アンジュはラグナメイルを操れる。世界を変えるのに必要な人材だ。それに天馬と天馬のパラメイルも、ラグナメイルに劣るが強力な戦力となる。」

 

サリア

「ダメです!アンジュも天馬も、エンブリヲ様に従いません!それどころか・・・。」

 

エンブリヲ

「嫉妬してるのかい?」

 

 

エンブリヲはフッと笑いサリアに問う。

 

 

サリア

「えっ?い、いえ、そんな・・・。」

 

エンブリヲ

「心配する事は無い。二人はただ道具として必要なだけだ。一番大切なのは君だよ、サリア。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~廊下~

 

 

その後、サリアは1人廊下を歩いていた。

 

 

サリア

「エンブリヲ様・・・。」

 

 

すると・・・。

 

 

「あれ?サリアさん。」

 

 

T字路の影からアンジュ・天馬・モモカが現れた。サリアは通路の真ん中に立ち道を塞ぐ。

 

 

アンジュ

「通してくれる?」

 

 

アンジュと天馬はサリアにあるものを見せる。エンブリヲからの招待状だ。

 

 

サリア

「帰ってくれる?」

 

 

サリアはナイフを手に取る。

 

 

アンジュ

「勝手な事したら、ご主人様に叱られるわよ?」

 

サリア

「だったら断って!エンブリヲ様に何を言われても!」

 

 

サリアは3人を睨むが、アンジュと天馬は笑顔を見せた。

 

 

天馬

「御心配無く。間違っても俺達は"マッドローグ"騎士団に入る気は全く無いので。」

 

 

天馬がそう言うと、アンジュ・天馬・モモカはサリアの横を素通りしその場を後にした。

 

 

サリア

「ダイヤモンド・ローズ騎士団よ・・・。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~図書室~

 

 

図書室に着くと、エンブリヲはアンジュと天馬に紅茶を入れた。

 

 

アンジュ

「・・・ふーん、ダージリンのセカンドフラッシュね。」

 

天馬

「えっ?匂いで分かるんですか?」

 

アンジュ

「まあね。皇室に居た頃は色んな紅茶を飲んできたから。」

 

 

アンジュと天馬はティーカップを手に取り、紅茶を飲む。

 

 

アンジュ

「美味しい~・・・とでも言うと思った?」

 

エンブリヲ

「ん?」

 

アンジュ

「確かに紅茶選びのセンスは良いわ。でも入れるのはイマイチね。モモカの入れてくれた紅茶の方が何百倍も美味しいわ。」

 

 

モモカはアンジュに褒めてもらい微笑み、エンブリヲは悔しいのか少し表情が険しくなった。

 

 

天馬   

「・・・それで、俺達をここに呼んだのは紅茶の自慢のためですか?"エンジンブロス"。」

 

エンブリヲ

「エンブリヲだ。まあいい。」

 

 

エンブリヲは渋々ティーセットを片付けた。だが、四人は窓の外からサリアが様子を伺っているのに気づいていない。

 

 

エンブリヲ

「・・・では率直に言わせてもらおう。」

 

 

エンブリヲはアンジュに目を向け、優しい表情を見せた。

 

 

エンブリヲ

「アンジュ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君を我が妻に迎えたい。」

 

アンジュ

「はぁっ!?」

 

天馬・モモカ

「ええっ!?」

 

サリア

「っ!?」

 

 

エンブリヲの思わぬ発言に、アンジュ・天馬・モモカ、さらに窓の外のサリアは仰天した。

 

 

エンブリヲ

「君は私がこれまで出会ってきた誰よりも、強く賢く美しい。新世界の女神、我が妻に相応しき存在だ。私は、妻の望みを叶えてあげたいと思っている。」

 

天馬

「妻・・・アンジュさんの望み?」

 

エンブリヲ

「君はこの世界を壊すと言ったね?」

 

アンジュ

「えっ?えぇ・・・。」

 

エンブリヲ

「実は私も同じ意見だったんだよ。」

 

 

エンブリヲの発言に、アンジュと天馬は驚いた。

 

 

エンブリヲ

「旧世界の人間達は野蛮で好戦的でね、足りなければ奪い合い満たされなければ怒る、まるで獣の様だった。彼らを滅亡から救うには、人間そのものを作り替えるしか無い。そこで私はこの世界を作ったんだ。高度情報ネットワークで結ばれた賢い人類と、光に満たされ物に溢れた世界をね。だが、今度は堕落した。与えられることに慣れ、自ら考えることを放棄してしまったんだ。君達も見ただろ?誰かに命じられれば簡単に差別し虐殺する、彼らの本性を。」

 

アンジュ・天馬・モモカ

「・・・。」

 

 

アンジュ・天馬・モモカの脳裏に、以前の断罪の儀の時の光景が浮かんだ。

 

 

エンブリヲ

「人間は邪悪で愚かなまま、何も変わっていない。だがアンジュ、私達の生み出す人類ならば、きっと良きものとなるはずだ。」

 

アンジュ

「でも、世界を壊すってどうやるの?」

 

天馬

「なるほど、そのための時空融合ってことか。永遠語りでラグナメイルの力を増大させ、そのラグナメイルをアウラのエネルギーと組み合わせ、俺達のこの地球とドラゴン達の地球を融合させて、人類を抹消してゼロからやり直す。そして・・・。」

 

 

天馬はエンブリヲに目を向ける。

 

 

天馬

「エンブリヲとアンジュさんが、新世界のアダムとイヴとなる。」

 

エンブリヲ

「鋭いな。その通りだよ。」

 

 

エンブリヲはフッと笑い呟くと、アンジュにゆっくりと近づき呟いた。

 

 

エンブリヲ

「どうかなアンジュ、協力してくれるかな?」

 

アンジュ

「・・・新世界ねぇ。」

 

 

ガシッ!

 

 

エンブリヲ

「っ!?」

 

 

グサッ!

 

 

エンブリヲ

「グッ!?」

 

天馬・モモカ

「っ!!」

 

 

アンジュはエンブリヲの左手首を掴むと、左手をテーブルに押し付け手の甲にナイフを深く突き刺した。

 

 

アンジュ

「この世界に未練は無いわ。でも調律者さん、あなたの妻になるなんて死んでも御免よ!」

 

エンブリヲ

「ま、待て!」

 

 

グサッ!

 

 

アンジュはエンブリヲの首の付け根にナイフを突き刺した。エンブリヲは刺された部分から大量の血を吹き出し、そして意識を失った。

 

 

モモカ

「アンジュリーゼ様・・・。」

 

 

モモカはアンジュの突然の行動に唖然とした。

 

 

天馬

「・・・アンジュさん、今のうちに。」

 

アンジュ

「ええ!」

 

 

天馬・アンジュ・モモカは急いで図書室から離れようとする。だが・・・。

 

 

ガシッ!

 

 

天馬

「なにっ!?」

 

 

突然、天馬とアンジュの背後に謎の黒い人影が現れ二人を拘束した。

 

 

アンジュ

「・・・ねえこれ、もしかして。」

 

天馬

「仮面・・・ライダー?」

 

 

二人を拘束したのは、共通の黒いアーマーと黒い腰マント、さらに妙なベルトを装着した仮面の戦士。だがアンジュ側の戦士は額に海賊のようなドクロがあり首に銀のマフラーのようなものを巻き、天馬側の戦士は額にドクロが無く首に赤いマフラーのようなものを巻き、左腕の肘から先が義手になっていた。

 

 

エンブリヲ

「どうかな、私の忠実な僕《仮面ライダー幽汽スカルフォーム》と《仮面ライダー幽汽ハイジャックフォーム》は?」

 

 

二人の目の前には、先ほどアンジュが倒した筈のエンブリヲがいた。

 

 

エンブリヲ

「しかし、血の気の多いことだ。だがそれでこそ妻にし甲斐がある。」

 

天馬

「アンジュさんを妻にさせるもんか!」

 

 

天馬は幽汽ハイジャックフォームを振り払い、霊汽ハイジャックフォームとアンジュを拘束する幽汽スカルフォームを蹴り倒した。

 

 

アンジュ

「ありがとう!」

 

エンブリヲ

「ほう、中々やるな。ではこれならどうだ?」

 

 

パチン!

 

 

エンブリヲは指を鳴らす。

 

 

天馬・アンジュ

「っ!?うわあああああ!!」

 

 

すると突然、天馬とアンジュの全身に激痛が走った。

 

 

モモカ

「アンジュリーゼ様!天馬さん!」

 

 

天馬は激痛のあまり倒れ、アンジュはのたうち回る。

 

 

エンブリヲ

「流石にこれには君達でも敵わないか。」

 

天馬

「グッ・・・いったい、何をした!?」

 

エンブリヲ

「君達二人の痛覚を50倍に引き上げた。・・・ではこれならどうだ?」

 

 

パチン!

 

 

アンジュ

「っ!?」

 

 

エンブリヲはもう一度指を鳴らす。すると、アンジュの様子が変わった。顔が赤く染まり、息が荒くなり、自分の胸や股間に手を当てていた。

 

 

アンジュ

「あ・・・あ・・・。」

 

モモカ

「アンジュリーゼ様!?」

 

エンブリヲ

「痛覚を全て快感に変換した。君を操るなど簡単なのだよ、アンジュ。」

 

モモカ

「姫様と天馬さんを元に戻してください!今すぐ!」

 

 

シュン…

 

 

モモカ

「えっ?」

 

 

エンブリヲ・天馬・アンジュはその場から一瞬で消えた。

 

 

モモカ

「ひ、姫様!?天馬さん!?」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~アウローラ 居住区~

 

 

一方、深海に停滞中のアウローラ内では、ヒルダ・ロザリー・剣城・神童・霧野が話をしていた。

 

 

ヒルダ

「司令が助けに行かないってんなら、アタシ達でアンジュと天馬を助けに行こうぜ!」

 

霧野

「でもどうするんです?司令がこの艦を仕切ってる以上、海上へ上がるのは無理ですよ?」

 

剣城

「だったら方法は一つ。俺達の誰かが司令の座を奪えばいいんですよ。」

 

神童

「司令の座を奪うだと!?」

 

ヒルダ

「アタシと剣城は、アンジュと天馬と約束したんだ。みんなでこの世界をぶっ潰そうってさ。だから、その約束を果たすためにも、アンジュと天馬は助け出さねぇと・・・。」

 

 

ヒルダの発言に黙り混む一同。すると・・・。

 

 

ロザリー

「・・・ヒルダ、マジでアンジュのこと好きなんだな?」

 

ヒルダ

「えっ?!」

 

 

ロザリーが突然、思いもよらぬことを呟いた。ヒルダはそれを聞いて頬を赤くした。

 

 

ロザリー

「分かるよ、アイツとは長い付き合いだもんな。アタシもさ、クリスがいないとダメみたいなんだ。アイツいつもビビってるからさ、アタシが一緒に居てやらねぇとなって思ってたんだけど、違った。アイツはアタシなんかいなくても全然強くて、全然平気で、なのにアタシは相変わらずヘタレでさ・・・。」

 

 

ロザリーは話ながら、涙を浮かべていた。

 

 

ロザリー

「クリスがいないとダメなのは、アタシの方だったんだ・・・。」

 

 

ロザリーの話を聞いて静まる一同。

 

 

「だったら、取り戻すしか無いな。アンジュも天馬も、そしてクリスも。」

 

 

そこへ、ゾーラがココとミランダを連れて現れた。

 

 

ゾーラ

「話は聞いた。アタシらも手を貸そう。アンジュと天馬にはデカい借りがあるからね。」

 

ロザリー

「ゾーラ姐様。」

 

ココ

「・・・でも、私達はこれからどうすれば?」

 

ミランダ

「司令じゃなきゃ、この艦を動かせないし・・・。」

 

ヒルダ

「先ずはタスクとヴィヴィアンと信助を収容区画から出す。司令の座を奪うのはそれからだ。」

 

 

ビー!ビー!

 

 

突然、アウローラ内に警報が鳴り響き、通路の隔壁が次々と閉じていった。

 

 

神童

「何だ?緊急事態か?」

 

ヒルダ

「いや違う。多分司令の仕業だね。」

 

ロザリー

「どうする?これじゃ居住区から出られないぜ?」

 

 

「だったら、俺達にも手伝わせてくれよ。」

 

 

突然、ヒルダの後方から男の声がした。振り向くとそこには、収容区画に監禁されてる筈のタスク・ヴィヴィアン・信助がいた。

 

 

ヒルダ

「タスク!それにヴィヴィアンに信助まで!」

 

タスク

「話は全部聞いた。この騒動もアレクトラの仕業と考えて間違い無いと思う。」

 

ロザリー

「それよりお前ら、どうやって牢屋から出たんだ!?」

 

信助

「あの人が、僕たちを牢屋から出してくれたんです。」

 

 

信助の後方には、首に掛けたトイカメラのファインダーを覗く一人の男がいた。

 

 

タスク

「紹介するよ、彼は門矢司。又の名を通りすがりの仮面ライダー、ディケイドだ。」

 

「よろしくな、お嬢さん方。」

 

 

カチャ

 

 

 

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