幼馴染がガチ勢だったので全力でネタに走ります   作:銀鈴

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翡翠ちゃんです


閑話 それは紛れもなくヤツさ

 《特殊(・・)ダンジョン『異次元の色彩の草原』》

 《現在のダンジョン内にいるプレイヤー : 39》

 《ダンジョン難易度 : 10/10》

 《ダンジョン侵食率 : 90%》

 

 ()()は誰が見ても、どこをどう見ても、異常や狂気といった言葉が似合う空間だった。

 

「ぴよ」

 

 ひよこが鳴く。

 青々とした植物が芽を出し、育ち、実り、灰色になって枯れ朽ちるサイクルが60秒程を境に繰り返される。紛れ込んできた敵性エネミーは、瞬く間に気が狂ったように暴れ、奇形へ形を作り変えられる。

 

「ぴよ」

 

 ひよこが鳴く。

 奇形に変化したエネミーはひとしきり暴れたのち自傷ダメージで朽ち、生き残った極一部は極彩色のひよこが啄む“ご飯”へ変わる。また数秒ごとに切り替わる天気は雷雨を降らし、大地を干上がらせ、かと思えば秒で蕩ける降雪を生む。

 

「ぴよ」

 

 ひよこが鳴く。

 その移動するダンジョンの領域に触れた木々は異常な色を明滅させながら踊り出し、花は食虫植物のようにプレイヤーを誘う香りを生み、環境オブジェクトの一つでしか無かったはずの昆虫や小動物は巨大化して()()に付き従う。

 

「あ、これは美味しいですね」

 

 その狂気のパレードの中心に居る存在は、時折ぴよぴよと鳴き声を零す1匹のひよこだった。勿論、色が極彩色に変化し続けており、可愛らしいエプロンを着けているという見逃せない点があるが。

 

 イベント限定の新エリア。イベント限定の新アイテム。イベント限定のボスモンスター……そう、ここまで未知(の味)との遭遇が出来る条件が整っていて、彼女が動かないわけがないのだ。

 翡翠ちゃんとそのペットたる《ひーこー》参戦。本人曰くペットはちゃんと8枠全員分埋まっているそうだが、このイベントで姿を見せているのは最初のペットであるひーこーのみだった。

 

 閑話休題(まあそれはそれとして)

 

 何時もであれば、翡翠ちゃんによるフィールドワークはたった1人で行われる孤独のグルメ。正確に言えばお店の常連が食材になるために、虎視眈々と周囲に潜んでいるがそれはそれ。兎も角、そんな孤独のグルメに今回は1人、同行者がいた。

 

「いいですねぇ、それ。虫さんですか?」

「フグ刺しです」

「なるほどー」

 

 そんなどこかポヤポヤとした言葉を返し翡翠ちゃんと並ぶのは、赤々とした甲殻を持ち火の粉を纏う蜈蚣。ユニーク称号【大牧場】を持つしぐれと、そのペットである《ケンプファー》だった。

 一見なんの関連性もなさそうな人選だが、どちらも第3の街に飲食系のお店を構える人物。つまりご近所さんネットワークである。尤も、翡翠ちゃんと冒険するメンバーは両手で数えられる程度しかいないが。

 

「しぐれもどうです?」

「私ならいいですけど、この子のお腹を壊しそうだから遠慮しますね」

「そうですか……」

 

 やんわりと断ったしぐれに、ションボリとしながら翡翠ちゃんは呟いた。赤々と染まった紅葉の葉っぱを咥えながら。だが即座にその小さな嘴で食べ切るあたり、特に気にしているわけでもないらしい。

 

「あ、でもこれは美味しいですよ。今もぎった脚なんですけど」

「いいかりんとうです」

「ですよねー」

 

 和気藹々と楽しく話しているその内容は、まさしく女子会のそれ。周囲一帯に広がる光景と、2人の姿と、食べているものを除けばの話だが。

 

 《ダンジョン侵食率 : 99%》

 《ダンジョン『異次元の色彩の森林』の侵食率が一定域を超過しました》

 《ボス戦が強制開始します》

 

「ん、始まりますね」

「みたいですねー」

 

 そんなゲストを迎えたぶらり試食の旅が暫く続いた後、そんなアナウンスと共にダンジョンの空気が変化した。まるで最後の抵抗をするかのように空間をたわませ、このダンジョンにおける最終兵器、最大戦力たるボスを侵入者の前に吐き出した。

 

 それは透き通った翡翠色の瞳と、輝かんばかりな白磁の鱗を纏った日本風の龍だった。流麗たる肢体をくねらせるその姿は、その双眸を怒りに染めていたとしても、正しく清流の化身と言っても過言ではないだろう。

 

「蒲焼きですね」

「鰻みたいですからねー」

 

 だがそんなことは、2人にとっては気にするようなことでもなかったらしい。

 ぴょんっと燃ゆる蜈蚣(ケンプファー)の頭に飛び乗って、虹色のひよこ(ひーこー)が11匹に分裂しボスを瞳に映す。それだけで、()()()()()()ボスの運命はここに決定した。

 

「Bb*D#WDGGa!!!!???!?」

 

 一瞬でボスの目が狂気に濁る。美しかった白磁の鱗は汚らしい灰色に陵辱され、流麗な曲線を描いていた肢体はある場所は歪に膨れ上がり、ある場所は灰色に乾き枯れ木乃伊のように痩せ細る。更には全身に電撃が走るようなエフェクトが駆け巡り、麻痺による行動不能と共に継続ダメージまで発生させ始めてしまった。

 

「嗚呼、可食部が……」

「私たち、強くなりましたけどこういう部分は残念ですよね……」

「ですね……はぁ」

 

 そしてさっきとは打って変わって、心の底から残念そうに翡翠ちゃんから大きなため息を溢れる。因みにしぐれが言及した通り、当然のように2人とも現時点での最終進化へ到達していた。

 

 そんな会話をしていても、ボスが行動しない理由はひーこーの持つ能力に他ならない。本来であれば、プレイヤーという超級火力の闊歩するサーバーで生存率を上げる為の『変異した相手から敵対行動を取られない』という能力。それが今回のイベントに限っては、作用した時点でボスモンスターからも攻撃されないという壊れスキルへ変化していた。

 

「これ以上食べられなくなる前に、さっさと仕留めましょう」

「私は攻撃出来ません。お願いしますしぐれ」

 

 ただし分身や状態異常スキルなどを詰め込まれたひーこーには、攻撃手段がほぼ存在していない。1時間に1度のみ使える隕石攻撃と、ひよこの身体が持つお世辞にも強力とは言えない嘴と爪のみ。

 

「お任せあれー」

 

 だからこそ、しぐれが同行しているのだった。第7の街方面での乱闘が目立ち印象は薄いが、彼女こそあのイベントで多数のプレイヤーを強制ログアウトさせたあの光景を……蟲の群れによる黒い海を作り出した張本人。

 そして今表に出ているケンプファーは、あの蟲海を作っていた5体のテイムモンスターと、8匹のペットの1匹。であればこそ、多少のナーフを受けたとは言えこれから起こる光景は想像に易いものだった。

 

「総員、突撃ー」

 

 ゆるい声に導かれて、ゾワリと蜈蚣が増殖する。周囲の地面から続々と炎燃ゆる蜈蚣が這い出し、蟲系ペット特有かつ固有の分身スキルを最大限に発揮して、即座に分身上限である500体へ。

 そんな誰もが恐怖を覚える軍勢が、動きを止めたボスへ向け突撃。歪に禍ったその身体を這いずりまわり、部分部分で輪を作るように動きを停止。足を食い込ませてしっかりとその身体を固定した。

 

「爆破ー」

 

 そして、その全てが大爆発を引き起こした。状態異常特化型であるユキの朧とは違い、しぐれのケンプファーは爆破威力特化型。その威力は推して知るべしだ。

 

 《ダンジョンボス : 清流守護せし清白龍Lv100だったモノが討伐されました》

 《攻略履歴確認》

 《特記 : ダンジョン侵食率100%》

 《ダンジョン主をPN : 翡翠へ移譲します》

 《報酬が確定しました》

 《ダンジョンから退出しますか? Y/N》

 

「ゼリー寄せ……いえ、好き好んで作りたくはないですね」

「輪切りだと調理に困りますねー」

 

 即座に翡翠ちゃんがそうコメントしたように、瞬く間にボスは輪切りに変わったのだった。即座にボス権限で素材を残し、2人してぶつ切りになった鰻を眺めつつ動き出す。

 孤独のグルメから2人ご飯に変わっても、何も変わらない。何処かのいい匂いのするふわふわも言っている。そんなもんじゃ、憧れは止められねぇんだ。

 

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 Name : ひーこー

 Race : ?????(ひよこ)

 Master : 翡翠

 Lv 55/55

 HP 2300/2300

 MP 3700/3700

 Str : 60   Dex : 80

 Vit : 200  Agl : 100

 Int : 100   Luk : 50

 Min : 600

《ペットスキル》

【宇宙からの色】

 身体が不規則に、七色に変化する。任意で発動は止めることができる。

 主人を除き、自身を見たプレイヤー・ペット・モンスターにSANチェックを発生させる(1d3/1d10)

【狂夢感染】

 主人を除く自身から半径20m以内に存在するプレイヤー・ペット・モンスターへ一定時間毎にSANチェックを発生させる(1d3/1d10)

【パンデミック】

 主人を除き、自身から半径25m以内に存在するプレイヤー・ペット・モンスターへ一定時間毎にランダムで状態異常を付与する

 付与した状態異常は、一定条件を満たすことで付与した存在から別の存在へ感染する

【遺伝子改変】

 主人を除き、自身から半径25m以内に存在するプレイヤー・ペット・モンスターは一定時間毎に対抗判定を行う。

 対抗判定に失敗した場合、身体の一部がランダムで狂気的ナニカへ変質する。変質した場合SANチェック(3/3d5)が発生し、その部分は非常に脆くなる。

 また、改変されたものはプレイヤーであればFF(フレンドリーファイア)が発生せず、NPCであれば敵対行動を取らなくなる

【天を焦がす光】

 大型の隕石を呼び出して攻撃する。

 使用制限 : 1時間に1回

【殺戮ノ宇宙(そら)+2】

 自身の半径20m以内に存在するプレイヤー・ペット・モンスターは一定時間毎に対抗判定を行う。

 対抗判定に失敗し、且つレベルが自身以下の場合確実に即死する。自身のレベル以上の場合低確率で即死、高確率で状態異常をランダムに付与する。

【状態異常判定回数+1】

【状態異常判定回数+2】

《スキル》

【真・影分身】【ドッペルゲンガー】

【防護ノ理】【状態異常攻撃 : 狂気】

【肉質変化】【状態異常付与確率上昇】

【状態異常耐性貫通】

【能力制御】

 PTメンバーにのみ、任意で自身の能力を適応させないことが出来る(最大人数2)

《装備枠》

 体【万能調味料】

 足【秘伝調味料】

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残っている極振りの小話
センタ(もう1人のStr極振り)
デュアル(Vit極振り)
ザイード(Agl極振り)の男性組
センタの魔猪による機動力、デュアルのハリネズミによる鉄壁、ザイードの腕による自在な操作。そこにそれぞれの持ち込み物である、ユニーク称号に付いてきた槍、クソデカイ盾、カメラを装備した強行偵察高機動重戦車による(他の極振りと比べると優しい)蹂躙劇

レン(Agl極振り)
ザイル(Dex極振り)の女性組
現状確認出来る中で極めて希少な完全人型ペットであるザイルのナキリと、飛行能力と生存能力特化のレンのヒエンによる超安定的な探索


なので見所さんがね、見劣りするんですよね!!!
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