幼馴染がガチ勢だったので全力でネタに走ります   作:銀鈴

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新しいデジモンが始まりましたね(激遅)不評ですが
でも私にとっては、やっぱりデジモンはクロスウォーズですね。
相棒はシャウトモンなんだ……批判多いですが

なんでPvPイベント前にデートイベント挿入したんだ過去の私よ……書きにくいぞ過去の私よ……(平成ボイス)

前書きにすらこんなに書くことがたまって! いやほんと申し訳ありません


第152話 偶には良いタイトルが出ないこともある

 前略。なんやかんやで、アップデートが入る前に元ミスティニウムへ行くことになった訳だが。都市間の転移が生きている第6の街に飛び、個人的には好きだが煙たいそこから第7の街ミスティニウムに向けて出発する。そんな予定だったのだが。

 

「うわぁ」

「なにあれ? 聞いてた以上に発展してるんだけど……ユキくんは知ってた?」

「いや全く」

 

 何時ぞや攻め入った時と変わらぬルートを愛車で進み、目視でミスティニウムを確認した時。思わずそんな声がこぼれた。

 

 あいも変わらず大きな橋の先、巨大な川の三角州に位置する街の様子は様変わりしていた。その様子をどう例えるのが正解かは分からないが、こう、更地にされたエルフの森を人間が再開発したような、そんな雰囲気が漂っている。

 

 更地にする前のミスティニウムは、樹々と調和しつつも文明的な物を感じる素朴な街だった筈だ。焼き払ったが。しかし今ではどうだ、完全にテーマパークにしか見えなくなってしまっている。

 カラフルなコンクリ製の街並み、どうみてもジェットコースターに見えるコース、どでかい観覧車、闘技場と思しきコロッセオ、望遠で見てみればメリーゴーランドなどまで完備されている。よく見ればあの時の軍艦と列車砲も、専用の港と車庫らしき場所に存在している。

 

 各所にかつての名残らしき緑は散見できるが、最早それしか名残はない。魔法技術の街とはなんだったのか。一体、いったい誰がこんな酷いことを……(建前)それはそうと、再建してるっぽい王城はまた盛大に爆破したい。させろ(本性)

 

「ユキくん、爆破するならまた今度ね?」

「やっぱりセナには隠せないかぁ」

「とーぜん!」

 

 まあ実際、今はセナとの約束の方が重要だ。なんか寒気がするけど。爆破は後日、メンテナンス前にタイミングを見計らってやることにしよう。折角のお城だ、盛大な花火にしようじゃないか。

 そんなことを話しつつ、何故かセナたっての希望で乗っている愛車を再始動。そうしなくてもシステム的に大丈夫ではあるが、セナが腕を回したところでアクセルを開けた。

 

「そういえば、ユキくんのバイクって半分くらいNPCなんだよね? ペットじゃないのに」

「そうなるらしいね。第2回イベントからずっと、多分ペットのプロトタイプ的な感じだと思う。ヴァンはどう思う?」

 

 一応話しかけてみれば、とても嬉しそうにエンジンが唸りをあげた。どうやら当たっているらしい。最近あまり乗ってあげられていなかったから、機嫌を損ねてると思ったけど……思ったより機嫌が良さそうで安心する。

 

「ならさ、いっそユキくんのペットにしちゃえば? 確か枠はまだ空いてるよね」

「あー……考えてはいたけど、最近新大陸に入り浸ってたせいで忘れてた……ヴァン次第だけど」

 

 なんて考えていると、2回大きくエンジンが唸りを上げた。異論はないというか、是非お願いしたいとかそんな意思が伝わってきた。いいのか、それで。

 

「なりたいらしい」

「らしいって……やっぱりわかるんだ?」

「れーちゃん語よりは簡単だしね」

 

 そう、れーちゃん語の翻訳がある程度できるようになった今。前は難しかったヴァンの意思も、割と簡単に意思を読み取れるようになっていた。いや多分、朧の影響も多分にあるけど。

 なんて考えていると、1枚のメッセージが表示された。

 

 ==============================

 個体名 : ヴァンを種族 : プロトタイプとしてペットに加えますか?

 ヴァンが、仲間になりたそうにこちらを見ている

 Y/N

 ==============================

 

 セナが後ろに乗ってる以上、あまり片手運転はしたくない。どうするべきかと考えていると、後ろから伸びてきた手がYesのボタンを叩いた。

 

「ダメだった?」

「むしろ助かる」

 

 朧のように声は聞こえない。けれどエンジン音と風を切る感覚から、間違いなく気分も良く1段階強くなっていることが伝わってくる。そんな愛車を転がすこと数十秒。特に何か攻撃を仕掛けられるようなこともなく、あっさりと元ミスティニウムへ入ることが出来た。

 おかしい、セナと一緒にこんなところに出向いてるのに、誰1人としてPvPを仕掛けてこない。それならそれでいいのだが。

 

「多分ユキくんがこの前、Vtuberの人と配信してたお陰だね」

「ナチュラルに心読まれた……」

 

 言われてみれば、あれだけ襲撃者を返り討ちにしていたら来ないか。一応、そういうことで納得しておく。思ったより効果があるものなんだなぁ、と感心していると。ふと思い出したようにセナが聞いてきた。

 

「そういえばユキくんって、あの時以来遊園地って行ったことある?」

「ないなぁ。多分、大昔セナと行ったのが最後だと思う。基本的にうちの親、知ってる通り家に帰ってこないし」

 

 豪華な門を潜り、広がる混沌とした……もとい絢爛な街並みの中。いつも通り手を繋ぎ、並んで歩きながら答えた。

 遊園地どころか、正直そんな大型アミューズメント施設的な場所自体、家族で行った記憶がない。昔からパッパもマッマも会社が家なタイプだったし。学校の行事なら数回、その後1回沙織に頼み込まれて一緒に行ったのが最後だ。

 

「なら、今から目一杯回ろっか!」

「全力で走ったりはしないでね?」

「当然!」

 

 と、言ったそばからセナの速度は、付いていける限界を超えていた。Agl偏重と0(+マイナス補正)が、並んで歩けるわけがなかったんだ……とりあえず、障壁スケボースタイルでなんとかしておこう。

 

「最初はどこ行こっか!」

「遊ぶなら用事を済ませてからが良いし、イベント会場になるっぽい闘技場かな」

「OK!」

 

 ズドンと石畳みを踏み込み、セナが加速した。いや、周りの反応からするとそんなに早くはないらしい。どうやら圏内じゃないこの街の中で、俺のHPが減り始める程度には速い。気分はさながらジェットコースターだ、乗ったことないけど。

 

「到着!」

 

 なんて考えている間に、気がつけば見上げる大きさのコロッセオ型の闘技場に到着していた。コロッセオの完成度に比べて非常に雑な看板に書かれているのは、初回無料、1回500Dから始まる料金表のみ。非常に怪しい。

 

「ここ、PvPとかモンスター同士を戦わせたりしてるんだって。序でに賭け事もできるみたい」

「? どこにそんなこと」

「マップがパンフレット代わりになってるみたいだよ!」

 

 言われて確認してみれば、確かにマップの様子が普段とは違う。よくある案内パンフレット並みに、フォントから表示まで派手派手なものに変わっていた。どこぞの柱な忍者のRPでもしてる人がいたのだろうか。

 ただマップを拡大すれば、各アトラクション……施設?の名前まで表示してくれる親切仕様だ。この闘技場は『コロッセウム(仮)』、近くにあるサーカステントは『真夜中のサーカス』、闇市っぽい露店が並ぶ通りは『ノクターン横丁』、お土産(アクセサリー)店『エグリゴリ』、レプリカ大和専用港『三河』、列車砲専用車庫『ネフィリム返して』……違うなこれ、全員がやりたい放題名前つけただけだ。

 

「どうする?」

「タッグマッチがあるなら、一戦くらいやってもいいかも」

「ならやろっか!」

 

 いえーいと手を振り上げるセナを見て、どこか安心感を覚えつつ闘技場の入り口を潜る。ペット不可らしいのは残念だけど、折角の機会だ。新生した爆弾の力を見るがいい。

 

 

 楽しくなって2、3戦連続でやってしまったが、当然闘技場はお互いにノーダメージで連勝した。正真正銘トップランカーの回避盾兼全距離対応アタッカーと、安心してバフとデバフを使えるバッファー兼ディフェンダーが揃っているのだ。息もぴったりな以上、生半可な相手に負けるはずがない。

 

 大凡、普段と違う特別と言えるようなことはそれくらいだった。なんて言ってしまうのは、流石に失礼になるか。

 一緒に街を巡って、闇市っぽいところに迷い込んだり、メリーゴーランドに乗ってみたり、見覚えしかない翡翠色の屋台でクレープを食べたり。装備を物色したり、ジェットコースターに乗ったのはいいものの終点までに5〜6回リスポンしたり……いや、最後のは特別か。

 

「そういえばユキくんは、また何か配信する予定とかないの? 確かチャンネル自体はあるんだよね?」

「視聴用のなら。俺から何かを配信する予定は……ないかなぁ」

 

 何故かこう、配信を始めてしまったら後戻りができない感覚があるのだ。アキさんと一緒に黒アストRTAをしてる時の動画を30分だけ、その時した約束に従って上げてあるけど。軽く文字入れただけなのに、5000回再生ですってよ奥さん。

 

「そっか、ちょっと勿体無い気がするけど」

「偶に動画あげるくらいなら、やってもいいかなっては思うけど」

「じゃあ、今度は私も一緒に何かやりたいかも!」

「じゃあ何かネタがあれば、その時はお願いするかな」

 

 と、そんなことを話していると、2、3歩先に行ったセナがくるりと振り向いて、満面の笑顔を浮かべて言った。

 

「ところで、ユキくんは今日楽しかった? 遊園地……じゃ微妙になかったけど」

「楽しかったよ。セナは?」

「もちろん! ユキくんと色々出来たからね!」

 

 あんまり俺としては表に出せた気はしないけど、セナが楽しそうなので良かった。いい感じに爆破も堪能できたのもポイントが高い。

 

「じゃあさ、今度リアルの方でも一緒に──」

 

 そうセナが言いかけた瞬間だった。轟ッ!と風を引き裂いて、鳥のような影が駆け抜けた。何事かと警戒する俺の前で、ギャリギャリギャリと地面を削りながら減速し、着地したのは肩で息をする藜さんだった。

 

「抜け駆け、禁止、でした、よね?」

「むぅ、やっはり藜ちゃんには気づかれちゃうか。でもそっちだって、ずっとユキくんに勉強見てもらってるじゃん」

 

 事実を羅列されているだけのはずなのに、何故か2人の背後にバチバチと火花を散らす幻影が見える。放っておいたら取って食われるような、けれど手を出した瞬間食われるような気配。あと逃げ場もなさそうな感じがする。

 

「ちょうどいい、です。近く、PvPイベント、あります、よね。そこで、決着、つけましょう」

「そだね。その点ちょうどいいかも」

 

 そうして何故か、当人であるはずの俺の意思は関係なく、そんな約束が決まってしまったのだった。知らぬところで、全てが進んでいたっぽい。これもしかして、今なら「私のために争わないで!」ってセリフ、言えてしまうんじゃないだろうか?

 




王城「かなり恐怖を感じた」
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